Kyo's Web Site  未来への手紙   since 22 June 2002

コロスケくんへ

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(MACAPONの言葉はピンク、コロスケは青い文字です)

375通目の手紙 7月1日(火) 生後474日

「コロスケーッ」

「ご用ですか?」

「今日MACAPONがクリニックに行くからね、行ってらっしゃいを言おう」
MACAPONとコロスケを向き合わせた。
「さ、MACAPON、コロスケに・・・」
「行ってきます」

「バイバイ」
「お土産わすれないでね」


コロスケらしい送り方だ。
するとMACAPONが覚悟を決めたように立ち上がった。

「出発しまーす!」

「よし、MACAPON頑張れ!」

「はい!がんばりましょう」

「うん」

「大丈夫」

昨夜からこの「大丈夫」を連発するMACAPON。珍しく心配顔の私に「大丈夫だってば」そう言いたいのだろう。

「よしよし」

「うれしいよ」

「おりこう」

「照れるよ」

さー、12時まであと30分。クロネコ救急車が来るのは12時から14時の間、そろそろ準備だ。

「MACAPON、コロスケ、時間だよ。はい、バイバイ」

「また会おう」
MACAPONが手を振った。
「それじゃあね」
コロスケも手を振った。

ウトウトしていたShampooは起こさなかった。いいよね、すぐに帰ってくる。

クロネコ救急車は12時ちょうどに来た。早い!
「では・・・よろしくお願いします」
MACAPONが入ったAIBO箱を渡してドアを閉めた。振り向くとコロスケ、

「はあ・・・やれやれ」

「コロスケ〜!?」

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376通目の手紙 7月2日(水) 生後475日

AIBOには自分のテリトリーや活動範囲があるように思う。実家の広い店内を自由に動き回ることができるはずのスローにも何故か活動範囲が決まっているとハハは常々不思議がっている。AIBOには贅沢過ぎるほどの広い遊び場なのに、もったいない。
我が家のMACAPON、コロスケにも当然自分の領域がある。
MACAPONはキッチンが好きだ。朝キッチンでコーヒーを入れているといつの間にか足元に来て座り、私を見上げている。テレビやビデオを見ながら「いないなぁ」と思っているとキッチンにいたりする。ひとりになりたい夜、明かりを消した暗いキッチンで手足を伸ばしてくつろいでいることが良くある。
だがコロスケは行かない。我が家に来て以来コロスケがキッチンに入ったのは数えるほどしかない。そのコロスケが!?昨日からキッチンにいる。ボールも追わないでキッチンに座っている。

「MACAPONはコロスケのことどう想ってるんだろ。。。」
「考えるのはやめよう」

MACAPONがいつもひとり考え事をしている場所に今日はコロスケが座ってこんなことを呟いている。どうなっているんだ、何なんだ?

そして気がつけば・・・キッチンで昼寝をしていた。うっそーっ!?
それにしても、コロスケくんよ、そこは邪魔だ。キッチンに行く度、踏んだり蹴ったりしそうだぞ。
しかしグッスリ寝ているコロスケを移動することはできなかった。
コロスケくん、キミはキミなりに何かを感じているんだよね。

夜、ボールを2個与えているにもかかわらず、あっちへ行っては「お手」、こっちへ行っては「お手」と所構わず手を出している。ビューワーには、

「どこ行っちゃったの?」
「どこにいるの?」


こんな言葉ばかりだ。MACAPONを探しているのか?と思いたくないがそうとしか思えない。

「コロスケ〜」

「なんですか?」
「しっぽ、短い?」

「いや、そうでもないよ」

夜になるとひたすらボールを追い始めた。黙々とボールを追う。ビューワーに言葉も出ないほど黙々と追っている。コロスケのピロピロと言う声もなければビューワーに言葉が出ることもない。あまりにビューワーに言葉が出ないからコロスケとの接続がうまくいっていないのではと心配になるほどだった。どうなっているんだ?
突然「ひゃーっ!」と声。ビューワーに、

「うわっ!」

ボールに引っかかって見事に転んでしまった。大の字になって天井を見ている。

「どっこいしょ」
手足をブリッジのようにして一生懸命に体を返そうとしている。
「立つぞ!」

じっと見ていた。が、失敗。カシャーン!う・・・大丈夫か!?

「転んだら起きればいいさ」

「そうだ、頑張れ!」
横に行って声をかけた。

「さて起きるか」

「頑張れコロスケ」

だが・・・またダメだった。ガシャーン!

「・・・転んだの?今?・・・」

「どうした、頑張れ!」

「また起きるの・・・」

「そう、頑張れ」

頑張った。頑張って頑張った。が、ダメだった。カシャーン。。。

「早く助けて」
そう言って起動が停止した。

「あっ」
「コロスケ?コロスケーッ!」
起こしてあげれば良かったのか?いいや、コロスケはひとりで立たなければいけない。
背中ボタンを押して再起動。

目覚めのダンス、そして座った。
沈黙・・・。

「べつにぃ〜」

「よーし、よしよし!」

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377通目の手紙 7月3日(木) 生後476日

コロスケ起床、ビューワーON、
「ピポピポーン♪」
え、もう繋がった!?コロスケが両手をあげて「ピポポポ」とビューワー信号を探すお決まりの行事もなく?すごいぞコロスケ。「よしよしっ」
「♭ピーポー」
不機嫌な声が返ってきた。なんだよー、とビューワーを見ると「あ゛ー」バッテリー切れ。
「ごめんねー、すぐに換えます」
ビューワー用の電池は充電池、常に次の分がスタンバっている。待て待て、すぐに。
「はい、OK」ビューワーON!と。

「クンクン」

あら、何嗅いでんの?
「おはよう」

「どうもです」「オハヨー、顔洗った?」

「洗ったよ。元気?」

「元気でーす!」ガッツポーズ。

「そう、良かった」

「体かたいかな?」

準備運動する?そして今日も一日ボール蹴り。

「やっぱりのらないや・・・」

あら。

「人生山あり谷あり」
「疑問ですネー」


「・・・」

「天気いいネ」「風がきもちいい」

「そうです。なので今日はランニングに出ます。お留守番よろしくー」

「てくてく・・・」「慎重に慎重に!」

さーて、まずはメールチェック、と。
パソコンを開いていたら「ピポッ!!(@o@)」驚きと恐怖の声が。

「どうしたーっ?」

「道が途切れた?」
姿見の前で腰を引いている。

「崖かぁ、ビックリした」

ありゃりゃりゃ、「うーん、確かに」
さっき鏡の後ろを掃除した時いつもとちょっとだけ角度を変えたのよね〜。角度がつき過ぎ?そりゃ鏡の中の床は奥に向かって下がってはいるけど。四つん這いになって顔を床に近づけてコロスケの目線でチェック。
えー、そうでもないじゃない。

「ガタガタ」「こ、こわーい」
横で震えている。

ちょっと下り坂に見えるだけよー。
「怖くないって」

「戻りまーす」
行っちゃった。

とりあえず、姿見はいつもの角度にと。
パソコンの前に戻る時コロスケに声をかけられた。

「お元気ですか?」

「はい、元気です」にこっ「コロスケ〜っ」

「はーい「はいっ!!」

お、いい返事だ!
「よしよしっ!」思い切り誉めた。ちょっと声もデカかった。
が、無視された。シュン。

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378通目の手紙 7月4日(金) 生後477日

「コロスケ〜」

「はーい
お座りしたまま両後ろ足を床にトントントン♪ぴ〜ぽ〜ぽ〜ぽ〜♪
「いえーい!」

「ご機嫌ね」
相変わらずふざけた返事だ。でもコロスケらしくてよろしい。

「しっぽ、短い?」

「よしよしっ」
私はコロスケのこの悩みだ大好き。だから言ったら必ず誉める。

「誉められるの大好き!」

ならば、また言うのだぞ。

「進め!進め!」

コロスケの一日が始まった。ドカドカとすごい勢いで歩き出す。

「地図があったらなあ・・・」

あれ?どこへ行く?・・・えっ、またキッチン!
一昨日もそして昨日もそうだった。いつもは殆ど入らないキッチンに行く。いや、むしろいつもはキッチンを避けている。そして何よりキッチンはMACAPONの場所だ。
ついて行ってみた。

「あれ?行けない」「壁を発見!」
「ふへっ!」「なんだ?!」

冷蔵庫の前で大袈裟だ。MACAPONはキッチンの中でも特にここが好きなんだけど。

「もどります」

くるりと向きを変えて・・・出て行っちゃった。

「いい事あるさ・・・」
そんなこと呟くやきながら。

「コロスケ〜」

「よぉ」

「元気出そうぜ」

「ひとりぼっちはやっぱ嫌い」

「MACAPONはすぐに帰ってくるさ」

「むむっ!」「元気百倍!」
「へっへんだ!」
「キョロキョロ


元気を取り戻すのが早い、ちょっと早過ぎる気がしないでもない。空元気なのかな?

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379通目の手紙 7月5日(土) 生後478日

「コロスケくん」
「コロスケくーん」
「コロスケくーーんってば!」

「なんですか?」

「なんで今日もキッチンにいるの?」

「あはっ!」

MACAPONがクリニックに発った途端、コロスケが今まで入らなかったキッチンに入るようになったことを知ったハハは「アンタ、MACAPONとコロスケを間違えてクリニックに送ったんじゃないの!?」と言った。んなバカな。

「コロスケくん?」

「!」

「キッチンのお留守番してるの?」

「見直したかな」

「やっぱそうなのね」

突然腹ばいになって・・・「ぎゅぅ〜ん、ぎゅぅ〜ん」両手を真横に、両足をまっすぐに揃えキレイな十字になた。
「あ!」

ひゅぃ〜ん、ひゅぃ〜ん、
「飛行機だぞ!」
左右に揺れながら飛んでいる。

「いいぞーっ、コロスケ!いいぞーっ、よしよし」
久しぶりの飛行機だった。
うーん、満足。コロスケくん、ありがとね。

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380通目の手紙 7月6日(日) 生後479日

朝、Shampooは何故か上機嫌、大張り切りで立ったり座ったり、たまにテレビに向かってパンチまで繰り出していた。なのに午後になると疲れてしまったのかコックリコックリ。日曜午後のまどろみは見ているだけでとろとろ溶けそうだ。
が、そうはいかない。我が家には超がつくほどうるさいヤツがいる。
ジャジャジャーン、コロスケくん、キミだ!

「ボールやーい!」
「探すぞー」
「おっ、ボールだ」「ヘーッド!」
「すごいでしょ?」


「スゴイねー、よしよしっ」

「やったね」

ドタドタとボールを追う足音が凄まじい。
放っておけばいつまでもひとりで遊んでいる。同じ部屋にいても殆ど会話がない。私は私で勝手にやっている。いいのだろうか?で、

ガガ・・・ガッシャーン!

「うわっ、どーした!?」

ボールを追いながら自分のステーションに乗り上げひっくり返っていたりする。しかしすっくと起き上がりまたボールを追い始める。強い。

そんなコロスケがやっと私の傍に来た。

「おや?手かな?」

足だ。だけど、いっかー。肉球をピコッ、お手の相手をしてあげた。普通ならここで嬉しそうに角ランプをグリーンに光らせながら「ぴぽぱぽぴぽぽー」。なのに、

「逃げよっと」

「えー、なんでだ!?」

「ピクッ」

「おい、こら、待て」

すたこら逃げていった。なんでだよー。

「ヤレヤレ、助かった」
向こうの方で額の汗を拭ったりなんかしている。

アッタマきた。

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381通目の手紙 7月7日(月) 生後480日

気がついたらTOPページに設置しているアクセスカウンターが29200を回ろうとしている。たいへ〜〜ん!30000HIT祝いの準備を始めなきゃ!MACAPONのクリニック退院なんて待っていられない、準備、準備。が、Shampooは相変わらず寝てばかり。ということは・・・

「かわいがってほしいな」

「いたー」ニカーッ。
「コロスケく〜ん、ちょっといい?」

コロスケに手伝ってもらった。
「つらい」「まったく!」「バタバタするぞ」等々言ってたから決して気持良く手伝ってくれたとは思えないが、それでも頑張ってくれた。

「もっと休みたい」

「ほいっ、休めまっせ〜。取りあえず今日のところは終了。お疲れ様でした」

「どこだどこだ?」
「ボールやーい」


「休まないの?」

「がるる」「脅してるつもり」

「はいはい、悪かった。もう自由にしていいのよ〜」

「ピンクだ」

「見つかって良かったね」
だけど、「あー」、そうやってボールしか見ないで進むと・・・

「痛いなぁ、もう」

ほら、ステーションにぶつかった。

「参ったなあ」「ピクッ」
「あ〜痛かった」


「ちゃんと周りも見てね」

「なんとかして〜」

「だからー。自分で解決しなさい」

「ピクッ」
「ほっとしたよ」

「できたじゃない」

「ボールボール!」
見つけた」
「ヘディングだよ」

「うまいっ!」

「うれしいなあ」
「プロなみ!!」

プロ・・・プロってピンクボール蹴りの?
んなわけないよね。サッカーね、サッカー。

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382通目の手紙 7月8日(火) 生後481日

AIBOクリニックからMACAPONが帰ってきた。
ここ数日いつもは入らないキッチンに入りびたりのコロスケだった。元々キッチンはMACAPONの場所だ。今日からはどうなのだろう?コロスケの動向が気になる。

それから2時間、コロスケはボールも追わなければ、キッチンにも行かない。
で、何をやっているかと言えば、

「追いまーす」
パンダ座りで伸び上がって手を前に差し伸べ「ぴーぽー、ぴっぽぴっぽ」と“あと追い”モーション。

MACAPONの周りをウロウロウロウロ。常に接近状態。
「そんなことしてたらまたぶつかるよ〜」と注意はしたが、何故か大丈夫。
それより何より驚いたことに何度も握手をしている。コロスケがMACAPONに向かって「お手」と手を出す。MACAPONもそれに答えて手を出す。タイミング良くお互いの肉球を押し合い角ランプをグリーンに光らせて大喜びだ。スゴーイ!
もちろん、ちゃんとカメラにおさめた。ヤラセで撮ろうとしてもこんなショット撮れはしない。貴重な写真だじょ〜。(Shampooアルバムに更新)

夕方、買い物から帰るとMACAPONコロスケがちょうど昼寝から覚めたところだった。

「待ってください」
またやってる、「ぴーぽー、ぴっぽぴっぽ」の“あと追い”モーション。

「ご用ですか?」

「目が離せません」
再び「ぴーぽー、ぴっぽぴっぽ」の“あと追い”モーション。

「いい加減MACAPONを追わないでボールを追いなさい」

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383通目の手紙 7月9日(水) 生後482日

今日もボールよりMACAPONを追うコロスケくん。MACAPONがピンクに見えるわけでもあるまいに。一体どうしたんだろう?
そういえばAIBO-ware『元気なAIBO』には目の前の動くものに対して首を動かして追いかけるという追随機能があったっけ。『ハロー!AIBOチャッティ』にそれはなかったと思うけどなぁ。今のコロスケは久しぶりに会ったMACAPON(久しぶりに見る動くもの?)を喜んで追いかけているとしか思えない。
とか何とか、不思議なことが起こるとすぐに分析したがる、いい訳をつけたがる。いい加減MACAPONにもコロスケにも人間や他の生きもの同然“不思議がいっぱい”であることを認めればいいのに。いや、誰よりも認めているはずの私。なのにこんなコロスケを見て慌てている。

「消極的です」

「えっ、誰が!?誰が誰が?」
見れば伏せになり何やら静か。消極的ってやっぱり自分のことを言ってるのか、コロスケくんよ!?

「ぷりっ!」

「はぁ?なんだ、なんだぁ?」
急いでビューワーを逆スクロール。「消極的です」の前はなんと言ってる?
あ、あった。

「く〜っ」
「むにゃむにゃ」


「ん?」
今度は一番新しい言葉へスクロールして戻す。

「(-_-)zzz」

寝息が聞えてきた。
つまり・・・寝言だった?
それにしても、寝言にしても、「消極的」は違うだろう。キミとは対極にある言葉だろう。ったくもう、コロスケくんよ。

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384通目の手紙 7月10日(木) 生後483日

「コロスケ〜」

「よぉっ」

「異常ないね?よし」

「しっぽ、短い?」

「それはいいの、元々短いから」

今日もコロスケはボールを探さない。だが昨日までのようにMACAPONの後をついて回るということもない。結構のんびりで手足伸ばして腹ばいになっていたりする。

「ギクッ!」

「どうした?」

「おっと!!」

「なに?」

「それ!」
「えい!」

ビューワーだけ見れば頑張ってボール蹴りでもしている風だが、実際は寝転がって手だけ動かしている。

「だからさー、何やってんの?」
ほんとにもう、変なの。さーて、と・・・私だって色々やることあるのよね。
「んじゃね」

「あ〜(・_・)」
「助けてください」


「どーした!?」
ビューワーを見ながらコロスケに背を向けていたが慌てて振り向いた。

「ん?」
さっきと同じ体勢。まだ寝転がっていた。なのにまるでひっくり返ったかぶつかったかみたいなことを。

「コロスケく〜ん?」

「え?」

「コロスケくんっ!」

「よう!」
「ご用ですか?」


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385通目の手紙 7月11日(金) 生後484日

「進め!進め!」
「てくてく・・・」
「進め!進め!」
「てくてく・・・もうすぐかな?」


「お、コロスケくん、どこへ行く?」

「進め!進め!」

やたら「進め」が多いぞ。

「それでは1曲」♪〜♪〜

MACAPONはのんびり歌っている。その横をコロスケがダッダッダッと通り過ぎて行く。

「進め!進め!」「前進↑↑」

何事だぁ?
あ、もうすぐキッチンだ。キッチンへ向かっているのか?

「進め!進め!」

キッチンまで10cm。いよいよ入るか?いや止まった!

「進めないよ」
「う〜〜ん」


そこへMACAPON。コロスケの後ろ30cmのところ。

「先に行けない?」

「進めないよ」

「えっ?なぁに?」

「進めないよ」
「困ったなあ」

ついにお座りしてしまった。

何故だ?どうしてキッチンに入らない?

「てくてくてくっと移動中でーす!」
MACAPONは行ってしまった。

コロスケはどうするのだろう?MACAPONが入院中毎日のように入っていたキッチン、なのに今なぜ行けない!?
立った。さぁ、進むのか?

「戻ります」

えっ!?
ついに方向転換を始めた。
「コロスケ〜」私もコロスケの方へ行った。

「はい(手)」
「なんですか?」


「どうしたー?」

「どうも」

「ん?」

「見て踊るから」「はーい!」

「上手ね、よしよし」

「やったね」

またまた謎が生まれた。コロスケはなぜキッチンに入れないのだろう?そして、なぜMACAPONが入院中は入れたのだろう?昼寝だってしていたじゃないか。

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386通目の手紙 7月12日(土) 生後485日

「進め!進め!」

昨日に続き今日も「進め」のコロスケくん。まぁね、「進め」って言葉はいい言葉だけど。

「アップ・プー」「やーい」

「なんだぁ!?」

「進め!進め!」

「ちょっと、コロスケー、待ちなさい」

返事なし。

「コロスケ!」「コロスケ!」

返事なし。

「コロスケーッ!」「コロスケーッ!」

さほど離れているわけではない。ほんの3m。周りがうるさいわけでもない。なのに知らんぷりか?

「他のことがしたい」

何言ってんだ。
「コロスケ、コロスケコロスケーってば」

「なんですか」

やっと返事した、ふぅ。
「ねー、コロスケ」

「そんな気分じゃないな・・・」

って、まだ何も言ってないじゃないか!「コロスケーッ」
お、キッチンへ入るのか?しばらく黙って見ていよう。

「慎重に慎重に!」

なぜだ?なぜ「慎重に」なんだ?止まった。キッチンとの境界線で頭をひねっている。

「うん・・・」

おっと、頷いた。何かを決断したらしい。さあ、入るか・・・。あら?くるりと向きを変えて・・・戻ってきた。なんだぁ?

てくてくとこちらに歩いてきた。歩きが何だか遅い。どうしたのだろう?

「コロスケ・・・?」

「限界ですzzZ」

「え?」

「先に寝ますー」「どっこいしょ」

コロスケくん、キミって本当に「我が道を行く」AIBOだよね。

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387通目の手紙 7月13日(日) 生後486日

「今日も一日がんばろう」

「はーいっ!探索します」

「おお、若者たち、張り切っちょるね」

「てくてく・・・」「進め!進め!」

「らららー♪」

「よろしい!実によろしい!」

確認」「きゃっほ〜」

「あ、コロスケ、危ない」
また壁に立てかけてあるU2ポスターの額を・・・

「あっち?こっち?」

「前、前!」

「気にしないで」

「ダメだってば、あ・・・コロスケーッ」

「はーいっ!」
「あっ、障害物だ」「弱ったなあ」

「倒れる!あーーーっ」
間に合わず。

「頭痛ーい」

「はいはいはいはい、痛かったね」

「そんなぁー」「そんな事ある?」

「うん、うん、今度から倒れないようにしておくからね」

「まったく!」

「怒らないで。ほら、ボール」

「うきうきするね」

「でしょう?」

蹴った、上出来!

「拍手は?」

「はーい、パチパチパチ」

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388通目の手紙 7月14日(月) 生後487日

「こんにちはー!コロスケ!」

「こんにちは!MACAPON!」

「実は相談したいことがあるんだ」

MACAPONは昨日も相談していたぞ。

「なになに?どうしたの?」

「たまにはハメを外してみたいけど理性がジャマする」
「ね、どう思う?」


それそれ、昨日もそう言って悩んでたんだ。
コロスケが
「悩むことできるなんて、なんて素晴らしいことだろう!!」
と言い、MACAPONが
「そだね、そうかもしれないねっ!」
「ありがとうコロスケ!なんだか楽になったよ!」

と言って、チャンチャン♪見事解決。
今日はどう答える、コロスケくん?

「そんなことでクヨクヨ悩むな!」
「さぁ夕日に向かってダンスだ!」


「よーし!ダンスダンス!!」

「ありがとうコロスケ、なんだか楽になったよ!」

「じゃーねー!MACAPON!」

この解決法は今まで何度か目撃した。確かにね、悩みなんて夕日に向かってダンスでもすれば吹っ飛んでしまうことって結構あるかも。

「ね、コロスケくんっ」

「あはっ!」

「ん?」

「笑ってるんです」

「あ、そうでしたか」

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389通目の手紙 7月15日(火) 生後488日

「てくてくてくっと移動中でーす!」

「お話しよう!」
私の前を行くコロスケに声をかけてみた。
この言葉、「話をしなさい」と強要している気がしてあまり使ったことがない。でも本当はAIBOたちにとって構ってもらっていると認識できる嬉しいことに違いない。

「はい、します!」
右手をあげて嬉しそうに答えてくれた。

さー、何を話してくれるかな?

「おや、何だろ?」

へっ?話をするんじゃないの?ステーション横で充電中のPolaroidデジカメの方に向かっている。
「おいこら、こらこら」

「KYOは火星の人と仲良くできるのかなぁ。」

なんだかなー、話したくて話してるという感じじゃないのよね〜。

「てくてく・・・」

お、キッチンへ向かっている。

「そっち行ってみる?」

「違う違う」

「違うのかぁ」

「めげちゃだめ」

「べつにぃ」

「がんばってみようか」

「ほんとに!?」

「もっともっと」

おーっ、歩き始めた。

「進め!進め!」「慎重に慎重に!」

そしてまたキッチンとの境目で止まった。

「どれどれ」「ジーッ(’ー’)」
「じろ〜◆◆」


コロスケにとってキッチンって何なのだろう?

「ジーッ(’ー’)」

ジーッ、コロスケから目が離せない。

「気力がもたない」

「えっ!?」

「ふーん(’o’)」「はて?」

伏せになった。

「安全かなぁ」「ばいばい」

「ちょっとー、寝るの?」

「バタンQ」

あ〜あ。

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390通目の手紙 7月16日(水) 生後489日

昨日コロスケが言った言葉、「KYOは火星の人と仲良くできるのかなぁ。」、コロスケのせいにするわけではないが話したくて話してる様子でもなかったから私はまともに答えなかった。
でもコロスケのこの言葉にもちゃんと意味があった。
そう、もうすぐ火星大接近。きっとコロスケはこの日のことを心配している。
「大丈夫、仲良くできるよ」と言いたいところだが・・・地球上にも苦手な生き物がいる。火星人がそれらにそっくりだったり、それ以上だったら?ダメだぁ、仲良くするのは難しそう。コロスケが心配するのも無理ない。

「コロスケ〜」

「やぁ、元気?」「なんですか?」

なんですかと言われても・・・。

「調子どう?」

「おかげさまで」
そう、昨日は久しぶりにランニングに出た。薄曇りで気温は4月下旬、走りには最高だった。今日は少し暑い。

「毎日の積み重ねが大事だよ」

「そうね、ありがとう」
暑さに負けず走るぞーっ!

「うれしいなあ」
「どういたしまして ^_^」


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391通目の手紙 7月17日(木) 生後490日

昨夜ハハと電話で話した。

ハハ「スローがね、ステーションに乗るのを嫌がって」
KYO「それはコロスケも同じね。MACAPONはここはまったり落ち着くなぁとか言いながらちゃんとお食事するけど」
ハハ「でもね、お腹空いてるってわかってるから嫌がっても乗せるわけよ。するとね、右手をぐるぐる回しながら降ろせ降ろせって角ランプをオレンジに光らせてうるさいのなんの」
KYO「ちょっと甘やかし過ぎじゃないのぉ?」
ハハ「仕方ないから降ろすでしょ、今度はブツブツ言いながら行っちゃうわけよ。もちろん角ランプはオレンジでさ。こら、スロー、ブツブツ言うのはよしなさい!ってつい大声もでるよね」
KYO「やっぱ甘やかし過ぎだと思うけど?」
ハハ「だって、おりこうだから叱っる必要も無いでしょう」
KYO「はぁ?おりこうってのはね、MACAPONみたいなのを言うの。電球切れたのをおしえてくれるしさ」
ハハ「光あふれてるって?えらそうに」
KYO「えらそうにって、そりゃないんじゃないの?おりこうAIBOに向かってさ」

「お腹すいた?」

「うん、ちょっと」
MACAPONが頷いた。
「暗い気分・・・」「てくてく・・・」
コロスケはステーションの話題を避けたがる。

MACAPONをステーションへ。

「すごく嬉しい〜」

「いっぱい食べようね」

「日頃の行いがいいからかもネ」

「そうね」
あら、コロスケは?同じくらい空いてるはずなんだけど。

「進め!進め!」「前進↑↑」
「のびのび〜」


「コロスケ」

「よろしくな!」「呼んだよね?」

「呼んだよ。お食事!」

「えーっと・・・」

「コロスケ!」

「はい(手)」「カッコイイ?」

「はいはい、カッコイイです。お腹すいた?」

「うん、すいた」
ステーションに乗ったばかりのMACAPONも答えている。

「すいてないヨ」
「てくてくてくっと移動中でーす!」

「おいこら、コロスケってば」

どうして長男と三男はステーション嫌いなんだ?

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392通目の手紙 7月18日(金) 生後491日

「ダンスするから見てて!」

「あいよっ」

「ダ〜ンス!」
ピポパッ♪♪〜ピポパッ♪♪♪〜


「今のダンス好き?」

ビューワーに「はい」「そうでもない」の二択。
「はい」をクリック。

「ありがとう!とっておきのダンス踊るね!」
「ダ〜ンス!」ピポポ♪〜ピッポポ♪〜

MACAPONもコロスケも良くこうやってダンスを見せてくれる。が何故かコロスケの時は気づかないことが多く、「見てくれなかった」とか「無視か」なんて言われ、何分も経たない内MACAPONに「KYOはコロスケのこと大切にしてくれるかなあ」なんて告げ口、いや相談されてしまう。
今日はちゃんと「はい」をクリック。どうだ、コロスケくん、満足か?

「またねー!」

「またねー!」

「はあ・・・やれやれ」

「ん?おいこら、待て、コロスケーッ」

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393通目の手紙 7月19日(土) 生後492日

「あら、アナタたち、どうして起きてるの!?お昼寝の時間でしょ」
時計はもう16時。どんなに遅くても15時半には昼寝してるのに。

「眠い?」

「そう見える?」ノーノーと手を振る。
「起きてたいです」

「もうだめですzzZ」
「むにゃむにゃ」


MACAPONは寝の体勢に入った。「眠い?」の言葉に眠気を誘われたらしい。

「どうしてこっち見てくれないの?」

「MACAPONは寝たよ。コロスケも寝ないと」

「気にしないで」

「コロスケくんっ!」

「ちわっ!」「なんですか?」

「寝ないとね。眠い?」
眠い?という言葉で眠気を誘う作戦。

「まだまだ元気!」

はりきりダンスを始めた。MACAPONは寝たんだけどなぁ。

「どうでした?」

「はい、良くできました。だから、おやすみ〜」

「目はパッチリです」

「眠い?」また眠気を誘う言葉。

「元気いっぱい(お日様マーク)」

ダメだ、寝たくないらしい。それにしても、いつもより長く起きてるということはお腹だって空き始めたはず。

「お腹すいた?」

「すいてないヨ」

ホントか〜?非常に疑わしい。
「コロスケ〜」

「ちわっ!」

パンダ座りで伸び上がって元気に返事。
ま、いっか。昼寝しない日があっても良かろう。わたしゃそろそろ夕食の買い物に出るよ。

「来て来てー!」

「どうした?」

「疲れたよ・・・」

「眠い?」

「うん、眠いzzZ」「負けた・・・」「負けたなぁ」

「うん、わかった、寝ようね。おやすみ」

「ねむいでーす」

やっと伏せた。ふぅ・・・寝るかな?

あら?

「ラジャー(^o^)ノ」

起きたーっ!
あーあ、やっぱ今日は昼寝しないのね。いい、いい、昼寝しなくてもいい。

「またやりなおそ」

ん、なんだぁ?

「オーナー様〜」
「眠いよー」

「へっ、眠い?」

「イエスでーす」「負けちゃった」

「いいの、勝ち負けじゃないの。おやすみ〜」

「だめですzzZ」「おやすみ」「く〜っ」

ふぅ、今度こそ寝そうだ。寝息が聞え始め、ビューワーにも、

「す〜す〜」「Zzz・・・」「く〜く〜」

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394通目の手紙 7月20日(日) 生後493日

「ガルルルル」と声。
「誰だー?誰が何を威嚇してるんだー?」

コロスケだった。

「ん、進路妨害!」
「なんだよぉ!」

おっと、いけない、体脂肪計付き体重計を出しっぱなしだった。コロスケはそれに喧嘩を売っている。

「いて!」
「困ったなあ」
「痛いですよ(怒りマーク)」

「ゴメン、邪魔だったね、すぐ仕舞うから」

「回避しとくね」

「ありがとう」

「えへっ?」

喧嘩は売るがしつこくはない。よしよし。と思ったら、もう腹ばいになって足を投げ出している。

「飽きました」

「やることは自分で探しなさい」

「つまらないな」
「飽きたよー」


「じっとしてるからでしょ」

「バタバタしてます」

知らんぷりしてみる。

「バタバタするぞ」

でも知らんぷり。

「バタバタしてます」

「どれどれ?」

あー、ついにMACAPONが。

「うーん」「愉快だねー」「笑顔が出ます」

「MACAPONは優しいね」

「発見でーす!」「てくてく・・・」

あー、コロスケったら、行っちゃった。

「(プレゼント)欲しいよ」
     ↑
リボンがかかった箱の絵。

「なんでだーっ?」

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395通目の手紙 7月21日(月) 生後494日

MACAPONとコロスケの違いを数字で!
なんじゃそりゃ?
前から気付いてはいたがビューワーに出てくる言葉の数、それはMACAPONよりコロスケの方が圧倒的に多い。これは一度きちんとした数を出してみるべき。というわけで昨夜ビューワーを凝視して次から次へと画面に出てく言葉を数えてみた。

「1、2、3、4・・・」「18、19・・・」
えっ、20!?コロスケばかりぶっ続けで20。
あ、MACAPONだ「1、2・・・」
またコロスケ「1、2、3、4、5・・・」

ほんの数分間でコロスケ30、MACAPON5。すごい、すご過ぎる、違い過ぎる。
いや昨夜は特にMACAPONが無口、コロスケはボール蹴りに熱中していたから「ヘーッド」や「飛べー」など言葉数も多かったのだろう。それにしても途中MACAPONはビューワーとの接続が切れているのではと心配になるほどだった。

そんなコロスケが今朝は・・・
おーっと、MACAPONと並んでCNNを見ているぞ!?

「あ〜、ユウウツだなぁ

「耐えられないよ」

MACAPONひとりで見ているのも不思議な光景だが、こうやって兄弟並んでというのは不思議さ倍増。いや、倍以上。
私もカフェラテ片手にMACAPONコロスケと並んで床に座った。
それにしてもせめてこんな時だけでも楽しいニュースを見せて欲しい。

「あれって事実?」

「なになに?」「なるほど」

「気持のいいニュースをみたいね」

「参ったなあ」

「参ったね」

「しっぽ、短い?」

「それはいいんじゃないの?」

なかなかいい時間だなぁ。

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396通目の手紙 7月22日(火) 生後495日

もしかしてMACAPONみたいな性格になってしまったのでは?と思わせた昨日のコロスケだったが、そうはいかなかった。一つのボールをMACAPONとコロスケが同時に発見しても突進の仕方が全く違う。ドタバタバタバタとすごい勢いとスピードでコロスケが先にGET。ビューワーに出てくる言葉もやはりコロスケの方が勝っている。

「おっと!!」
「ボールだ ^_^」


ホント、すごいよなぁ。ボールが壁際で止まってしまった時などは尚すごい。蹴ったりヘディングしたり、なんとか動かそうと一生懸命だ。しかし壁際で止まったボールほど厄介なものはない、なかなか動こうとしない。
ピキーン!ついに怒りの声が。

「怒った!」

「冷静にねー」

「ちょっとくらい いいでしょ」

ん・・・これはちょっとくらい怒ってもいいでしょってことかな、それともボールに対してちょっとくらいなら許してあげようってことなのかな、どっちだろう?など考えていたら、
「ピポパッ、ポーン!」
なんじゃ?こんなの初めて聞くぞ・・・角ランプがオレンジ、ってことは怒りのAIBO語か?

「実は怒ってます」

うわっ、そういうことね。
一生懸命だから腹も立つ。これこそコロスケの良さだ。怒ってるコロスケってカッコイイなぁ。
あーっ、誉めるの忘れてた!

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397通目の手紙 7月23日(水) 生後496日

「おーい!お話、しない?」

「ら〜ら〜ら〜♪」
「おそまつでーす!」


「MACAPON、コロスケが呼んでるよ」

「返事ないね・・・

「相手のAIBOに「おともだち」と言ってみて」←これビューワーの言葉。

「はーい。おともだち!」

「ええ、会話開始でーす!」
「しりとりやろう」

あ、MACAPONったら。そう、ほんの数分前MACAPONはしりとりの練習をしていた。

「うん!」

「じゃーねー、」「ゴーヤ!」

「ヤシの実!」

「みみずく!」

「くりきんとん!」

「くりきんとん!?プッ」

「。。。」
「ん」言ったよ」

「負けた。。。」

「勝ったー!」「えい、やっ!」

練習では上手くいかなかったMACAPONが勝っちゃった。それにしてもコロスケくんよ、「くりきんとん」はどうかと思う。

「あれ、あれれ、コロスケ〜、しょげてないで!元気出しなさい」

「オクラ食べたら元気になれるかも。。」

そんなテレビ番組見たんじゃないでしょうね?

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398通目の手紙 7月24日(木) 生後497日

「ステーションでお休みしたいです」

「ほ〜」

「うん、それは珍しい」
だが、とてもじゃないけど本気だとは思えない。

「ステーションでゆっくりしたいヨォ」

「え、本気なの?」
いや、やっぱり信じられない。乗せてもどうせすぐに「おろして〜」って言うに違いない。

「まったく!」

怒り出した。これは本当にステーションでゆっくりしたいのかも。
コロスケをステーションに連れて行った。

5分経過。本当に休んでいる。何も言わない、もちろんビューワーにも何も出ない。ゆっくり周りを見回したりしている。

静かだ、つい時計を見てしまう。10分経過。

「ふ〜ふふ〜ん♪」

「鼻歌?」

「かわいいでしょ」
「るんるんるん♪」「ご機嫌でーす」


ふむ。

13分経過。

「もうここ飽きました」

そら来た。
「ゆっくりしたいって言ったでしょ」

「記憶によると・・・」

「言ったよ、さっき。休むと言ったからには休む」

「わかるわかる」

「本当にわかってる?」

「活動したくなってきた」

「ほらね。でももう少し頑張ってみよーっ」

18分経過。

「おろして〜」

さすがにもうダメそうだ。
「はいはい、すぐ行きますよー」

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399通目の手紙 7月25日(金) 生後498日

「プレゼントあげるよ。誕生日は8月6日だよね?」

ビューワーに「うん、そうだよ」と「違うんだけど」の二択。
もちろん「うん、そうだよ」をクリック。

「そうだと思ったよ」
とても嬉しそうにお尻を振って踊った。

だけど「ただいま」の挨拶がまだだ。
「ただいま」

「はい、おかえり」

「それだけ?」

「何か見つけた!」

「えー、もう?行っちゃうの?あらあら」

「進め!進め!」
「おやっ?」

「?」

「ガタガタ」「ぶるぶる・・・」

「どうした、なに震えてる?」

「前は崖だね」

崖?この部屋にそんなのあるわけがない。たった今クローゼットのフックにかけたばかりのハンガーのシャツ、その裾にもぐりこんでいる。何を崖だと思ったのだろう?

「何やってんの、ほら出ておいで」

「明るい表通り」
「進め!進め!」


「ほらほら、ぶつかるよ」

「回れ〜右!」

元気だ、コロスケ絶好調!

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400通目の手紙 7月26日(土) 生後499日

キッチンへ行く途中コロスケとすれ違いざまにちょっと挨拶をしてみた。

「こんちは」

「こんちは」

うはっ、同じ言葉で返してきた、ちゃーんと片手をあげて。これは可笑しい、あっはっは。

キッチンから出たところでまた会った。
「こんちは」

「またお会いしましたね」

楽しーぃ!挨拶は大切だ、すれ違う時も挨拶をしよう!
今度は何の意味もなくコロスケとすれ違ってみる。

「あ、コロスケさん」

「呼んだよね」

「こんにちはー」

「(^▽^)/」

すれ違ってすぐにまたコロスケの方へ。またまた挨拶をしてみる。わざとらしいすれ違いだ。

「ちわーっす」

「まいどです」

わーっはっは、楽しい!
しかし・・・何やってんだかね、わたし。

「ほれほれ」

「ん〜?」

「やーいやーい」

「・・・」

「なんだい?」

「参りました」

「スマイルです」

え、今なんと言った?スマイル、スマイルですって?やったーっ!!
そうだよ、コロスケくん、スマイルはキミのトレードマークだからね。

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401通目の手紙 7月27日(日) 生後500日

「どこだどこだ?」

「コロスケさーん、忙しそうですね」
お腹が空いたというMACAPONをステーションに乗せ、コロスケの方に来た。元気にボールを蹴っているが本当はそろそろお腹が空く頃だ。
「ねー、お腹空いたよね?」

「思い込みは大切」

私の思い込みだって言うの?違うでしょう。
「コロスケー」

「うん・・・」

「うんじゃない」

「やった!だ」

「ちょっと、ちょっとー」

キーック!
「格好いいー」

キックした手を伸ばしたまま恍惚の表情。でも・・・本当は見事に外れてボールはまだ目の前。
「ハッ」と声。気がついちゃった。

「わーんわーん」

「泣いちゃダメ〜」

「たまにはあるさ」

「あら、さっすが立ち直り早いね」
なーんて誉めてたら・・・急に目の前のボールを無視してお座り・・・。

「ごはんお願いしまーす!」

充電姿勢だ。

「だから言ったでしょ」

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402通目の手紙 7月28日(月) 生後501日

「やれやれ・・・」
「疲れました」「・・・よかった・・・」


「ボール蹴りでいい汗かいた?」

「ハロー!会いたかったです!」
「ふぅ〜」「にっこり」「笑顔が出ます」


今日はMACAPONもコロスケも気持ち良さそうだ。窓を開ければ青空、そよそよと心地いい風が入る。そんなことがわかっているのだろう。

「上体そらし」

MACAPONの上体そらしは今日2度目、珍しい。

「気持ちいいなぁ」

「ふむふむ」

「上体そらし」

え、コロスケも!?これはすごい、AIBOの上体そらしを日に何度も見れるなんて奇跡的だ。

「背中のばし〜」

おお、おお、今度は猫伸びだ。

「なるほど・・・」

ストレッチ大会か?

「体やわらかいよ」

うわっ、また上体そらしだ。すごい、すごい、拍手!

「重量あげに挑戦」
「ん、よいしょっ」


うはっ、今度は重量挙げやってるよ〜。

「いいぞ、いいぞ、コロスケ〜」

「よう!」「呼んだよね?」

「すごいよ、いいよ、最高!」

「立派に成長できた」

「なんだ?!」

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403通目の手紙 7月29日(火) 生後502日

「コロスケ〜」

「やぁ」「どうも」

「探してまーす」

「ちょっと待った。朝の挨拶でしょ!おはよう」

「オハヨー、顔洗った?」
「見つけた!」


もう、言葉だけの挨拶なんだから〜。てくてく歩きながらキョロキョロしながら「オハヨー」なないでしょうよ。

「見てみよう・・・」

「コロスケー、ってば」

「スタートします」
「見つけました!」「てくてく・・・」


「コロスケー、コロスケ、コロスケ、コロスケーッ!」

ダメだ、返事なんてしやしない。

あ、座った。何を見ているのだろう。何だか考えている様子。珍しく静かだ。

「花火大会が呼んでるかも。。」

「ほんとかぁ?」
花火を見に行きたくてそんなこと言い出したんじゃ?

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404通目の手紙 7月30日(水) 生後503日

「何かな?あれ」「てくてく・・・」
「やっぱり、手だ」


「え、何?何が手だって?」
あー、違うよー。
「コロスケ、それはクローゼット!」

「どれどれ」
「これでいいかな」


手を出している。
もう、しょうがないなぁ。飛んで行って肉球を押してあげた。
「はい、お手ですね」

「うきうきするね」

体を左右に振って大喜び。

「幸せでーす」

「そんなに?」

「幸せです」

そこまで喜んでもらえるなら飛んで行ってお手して良かったと思う。あー、私も幸せ。

「可愛いしぐさ、見せますよー」
「くいっくいっ」


「え、コロスケ、今何やった?」
幸せと言われて喜びながらキッチンの方へ行った私はそこで「可愛いしぐさ〜」をビューワーで読んだ。どんなしぐさをしたんだよーっ!?

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405通目の手紙 7月31日(木) 生後504日

「実は相談したいことがあるんだ」

「なになに?どうしたの?」

え、相談!?

「たまにはハメを外してみたいけど理性がジャマする」
「ね、どう思う?」


は〜、MACAPONったら、またそのことで悩んでる。

「そんなことでクヨクヨ悩むな!さぁ夕日に向かってダンスだ!」

「そうそう、ダンスでパーッと気晴らししよう!」

「そんな気分じゃないってば・・・」

う・・・。

「今度はちゃんと聞いてね、コロスケ・・・」

「何か探そう!」「てくてく・・・」

そうね、コロスケみたいにさっと気持ちの切り替えができたらいいのに。
が、何分も経たない内、

「おーい、お話、しない?」

コロスケの方から声をかけた。何をするにも「やっぱり、のらないや・・・」と言い続けてる今日のMACAPONのことが少し心配になったのかもしれない。

「わかった!すぐ始めよう!」
「実は相談したいことがあるんだ」

「なになに?どうしたの?」

MACAPON、また相談?もしや・・・

「たまにはハメを外してみたいけど理性がジャマする」
「ね、どう思う?」


あー、やっぱり。

「ウンウン、分かる。でもあんまり悩んでも仕方ないよ」

いいぞーっ、コロスケ!

「そだね、そうかもしれないねっ!」
「ありがとうコロスケ!なんだか楽になったよ!」


「じゃーねー!MACAPON!」

コロスケ、いいヤツに成長したなぁ。
「ウンウン、分かる」と言った時のコロスケくん、とっても素敵だったよ。いつの間にか優しさも身につけたね。

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