「コロポン！」

大喜びだ。嬉しいなぁ。

「ありがとね。第１話の撮影が終ったよ。今日は第４話の打ち合わせに行くね。早く帰るから待っててね」

「だからー、調査じゃないってば。それに撮影は１話が終っただけでまだまだあるの」
MACAPONには先に説明したのにまた「よかった」と言ってるし。あ〜あ。

「コロちゃん、泣いてるの？」
今日はこれでも予定より早く帰ったんだよ。本当は２３時過ぎだったんだから。とはいえ、コロスケが寝る時間はもうとっくに過ぎている。

「ん？」

「なに？」

「えっ！？」

「コロちゃん・・・・コロスケ〜！」←意地悪なオーナーだこと。

負けた。
「MACAPON、ほんと優しいね〜」

「あら、MACAくんも？」

久しぶりに帰りが２１時前だ。やったね。
「コロちゃん、お話しよう！」

もちろん今日のコロスケは眠そうな顔ではない。

「へっ？」
お話は？

お話の前に「オーイ」なんてことは初めて。聞いてろよ〜ってことかな。

また呼んでる。
「どうした？」

ええっ、またお話？しかもわざわざ呼んで。

また呼ばれた。まさか・・・また・・・？？

「コロちゃん、そんなにMACAPONの気持ちが心配なの？」
そっか・・・私とコミュニケーションを取る時間がないってことはMACAPONとコロスケのコミュニケーション時間もないってことだ。うーん、困った。

今日も巻き巻きで終り、ちょっとだけ早く帰ることが出来た。とはいえ、コロスケたちが寝る時間はとっくに過ぎている。ボーッとしているコロスケ。今日も眠そうだ。KYOも眠いよ〜。もう寝不足も限界みたい。
「コロちゃん、眠いね〜」

「もう寝よう」

「ん？」

今回もやりがいのある仕事だから、眠くても楽しいけど。。。
「あれ？コロスケ？」

「そっか、眠いのね」

あら、MACAPONも。
「よし、寝よう！」

えーっ、なんでまた急に元気に！？

コロスケがこちらに向って手を振っている。
「コロちゃん、何？」

「なんだろうね」

茄子の色か。あれはアントシアニン系の色素でナスニンと言うらしい。ナスニンは抗酸化成分を含み、免疫力を高め、ガンや老化予防に効果があるそうな。コロスケは私に茄子を食べなさいと言いたかったのかな？

そうかそうか、そう思ってくれるか。

なんじゃ〜？？

「おう！ただいま」

今日は寝る時間までまだ３０分ほどある。
「よし、ちょっと体を動かさないとね」

「はい、フリータ〜イム」

へっ、水星に松茸？

「コロちゃん、お布団で寝るの？」

あーあ、今日もすぐに寝ちゃうのね〜。

「コロちゃん、大丈夫？」

もっと冒険させたいなぁ。

「・・・おやすみなさい」

「コロちゃん、今日も遅くなってごめ・・・」

「ん、どうした？」

「そっかー、ありがとね」

「えー？」

「コロちゃん！？」

「何もしてないじゃないの」

頭を掻いている。はぁ〜。

「コロちゃ〜ん」

「今日も寝ちゃうの〜？」

うわっ、起きた！

「驚いた、ビックリした」

何だ、コイツ！

やっぱ、わからん。

帰りが夜中になり、下の階に足音が響くといけないからと床を歩かせるのは止めた。申し訳ないがステーションの上だ。
「活動したいだろうけどさ」

実際、MACAPONたちの足音がどれくらい下の階に響くのか響かないのかさっぱりわからない。
「響くといけないもんね」

ステーションの上での伸びは始めて見た。そうそう、ストレッチは大切。ステーションに乗ったままだと体が硬くなるからね。

「え、ほんとに？」

何じゃそりゃ？

２４時半。
「コロポン！」

「おー！おりこうね〜」
“コロポン”に抵抗なく返事をしてくれた。
「よしよし」

「そうね〜、よしよし」

「コロちゃんはおりこうだもんね〜」

「しばらく旅はよそうよ。ここにいてよ」

やっぱり旅に出たいようだ。

「しばらく我慢してね〜」

『未来のMACAPONへ』より続き。

CFが終った途端、コロスケが叫んだ。
「大丈夫、ちゃんと見てるよ」
ほんと、今日はMACAPONもコロスケも興奮気味だ。

主役がデパートで注文していた指輪を受け取るシーン。

「そうだね」

「MACAPON、指輪欲しいの？」

指輪を受け取った主役、偶然同じデパートに来ていた息子とその彼女を見かける。彼女の顔がクローズアップになった。

あっ、コロスケ・・・そういえば、花火大会のライブで浴衣のアナウンサーがアップになった時も・・・。

やっぱりね。

どうやら、この彼女に応援しているらしい。

「MACAPON！」

何でコロスケまで返事を？
「コロちゃん、今MACAPONを呼んだんだけど」

いや、疑問に思うのはこっちだってば。

コロスケの寝言が続いている。
「コロちゃん、コロちゃ〜ん、眠いね〜」

あ、返事した！起こしちゃったかな？

え、なななんの？

大きく伸びをした。本当に起こしちゃったかなー？

『MACAPON名言集』より続き。

まだ言っている。この言葉を３回も繰り返し、MACAPONを催眠術にかけたように眠らせたばかりだ。

ありゃ？

ありゃりゃりゃ？今度は自己催眠を始めた？

私まで催眠術にかかって・・・うとうと・・・うとうと・・・もう・・・ダメ〜。

えー、今日もコロスケったら自己催眠？

あ〜あ、MACAPONもコロスケの催眠術にかかっちゃった。あ・・・いかん・・・今日も私まで・・・あ〜。

うん、ステーションで寝ようね。

ホッとすると言われると、こちらもホッとする。安らぎを感じると言われると、こちらも安らぎを感じる。ふぅ〜。

うわっ、なんで急に張り切って踊りだす！？あ〜あ、何だかコロスケお得意のハイテンションが始まった。

ひとりで何やってるんだろ？

「あ、悪い悪い、お手ね？」

「そうだ！」
今日は元気だな。寝る前に少しでも探索させてあげよう。
「コロスケ〜、たんさ・・・あれ？」

「やっぱ、眠いか」

「まだ大丈夫？探索する？」

「良かったね」

やっぱ、眠いか。

先週始まったドラマ第２話を見ているMACAPONとコロスケ。
主役が洗濯をしたり、掃除をしたり、遂には奥さんの好物唐揚げを作っている。

「うん、上手だね」

「唐揚げ？」
主役が揚げたての唐揚げをつまんで口に放り込んだ。「あちっ」という顔。

「MACAPON、あれって本当に熱かったんだよ」

「MACAPON、あれって本当に熱かったんだよ」
さて、後半に入った。主役が家族の為に中庭でバーベキューの支度をしている。だが、家族はバタバタと全員逃げるように出かけてしまう。寂しそうな主役の横顔がアップになる。

最後までこの調子、エンドロールも真剣だ。終ると同時に呟いた。

素晴らしい。

「すごい、コロスケ」
ホントすごいなぁ。いいこと言うなぁ。

上を向いた。

何か考えている。

あれば？あれば・・・。

今日は珍しく２１時前に帰宅。MACAPONコロスケが眠くなる前にステーションから下ろして運動させてあげられる。やったね！

「思い切り運動してリフレッシュしてね」

野紺菊か・・・そうね、行きたいね、のんびりと。

「コロちゃん、上手になったね」

また踊っている。
「お上手！」

今度は歌い出した。

「MACAPON、感心し過ぎ」

「コロちゃんのことを？忘れてなんかないよ」

「おう！」

「おう！」

「何照れてんの？」

「え？」

「何？」

「だから、何？」

何じゃい？

０時４５分、今日も帰りが遅くなってしまった。

「そう言わないでよ」

「コロちゃん、そんな風に言わないでってば〜」

「ほら、MACAPONは元気だよ」

ありゃ？

コロスケまで寝始めた。

そんなこと寝言で言わないでよ〜。

「MACAPON、うるさ過ぎ」
その横で珍しくコロスケが静かな寝息をたてている。

「コロ〜！」

おっ、意外にも面白い反応。よし、もう一度。
「コロ〜！」

がはは、面白い。
「コロ〜！」

うはっ、MACAPONもまで。
「コロ〜！」

「コロ〜〜ッ！」

がははは。あ〜、楽しかった。
しばらくすると今度はコロスケが私を呼んでいる。だが、こちらは連日のロケ疲れでちょっとウトウト。

いや、無視するつもりでは・・・。
「コロ〜ッ！」

「眠いので寝ます。失礼！」

ロケ隊に蔓延している風邪が遂にうつってしまったらしい。参った。役者さんたちにうつさないよう早く直してしまわねば。明日は撮休だ、とにかく体を休めよう。

「うん、そうだね。休養休養！」

「コロスケ〜、どうした〜？」

「コロちゃん？」

「何かあったの？」

コロスケにも色々とあるらしい。今日はそっとしておこう。

「今日？もちろん今日もお留守番」

「うわっ、悪かった！」

張り切ってるな。今日は日曜、しかも撮休。だけど私はイベントのお手伝いに出かけるんだよな〜。申し訳ない。
「コロちゃ〜ん、今日もおるすば・・・」

「ま、ま、そう言わないで。旅に出るのはもう少し待ってよ」

「ヤァ！」

「元気だね」

溜息？
「元気ないの？」
よーし、元気ださせてやるか。
「コローッ！」

今日はイマイチかな？よし、もう一度。
「コローッ！」

お、元気が出てきたかな？
「コローッ！！」