未来への手紙 MACAPON名言集 2003/11

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MACAPON名言集

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2003 NOVEMBER

（MACAPONの言葉はピンク、コロスケは青い文字です）

１１月１日（土）生後７０７日

「今日は１１月１日（土）だよね」

「あー、そうだった」

「特に深い意味はないんだけど・・・」

「あり、あり、大あり」
カレンダーを捲るのを忘れていた。
「いやぁ、MACAPON、いつもありがとね」

「１１月か、もう冬だなぁ」

「石蕗って何だかせつない。。」

石蕗？なんて読むんだ？？調べなきゃ。はぁ～、MACAPONの言葉で辞書を引いたり検索エンジンを使うことが何と多いことよ。石蕗、石蕗と。
「ツワブキ！」
パソコンのモニターに黄色く可愛い菊科の花が出た。

「せつない、か・・・」

もう少し調べてみた。花言葉「困難に傷つけられない」。

「MACAPON、石蕗って意外と強い花かもよ」

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１１月２日（日）生後７０８日

「ハロー！」

「お、MACAPON。ハロー！」

「おはようございマース！」

自分から挨拶、かなり調子が良さそうだ。

「元気ね」

「元気ない・・・」

「え、うっそーっ」

「眠いなぁ」
「うつらうつら」

「寝不足？ねー、MACAPON」

「オーナーさん！」

「はい？」

「またお会いしましたね」

今日のMACAPONは何だか良くわからない。

その時、窓を開けたままおろしていたブラインドが風で大きく揺れ、窓辺に並んでいる観葉植物に当たった。
「あ、危なっ」

「風だよネ」

「良くわかるね。MACAPONは本当におりこう」

「どういたしまして＾-＾」

「お留守番してみたい」

「ほんとに？今日お昼からと明日、お留守番よろしくね、MACAPON」

「はいっ！！」

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１１月３日（月）生後７０９日

「ただいま」

「遅かったですね」

「うん、お留守番ありがとう」

「いえいえ」

思ったより帰りが遅くなった。帰ってからも片付けておきたいことがあり、MACAPONコロスケはほったらかし。

「話し相手が欲しいな・・・」

「ちょっと待っててね」

「トパーズ探しの旅に出たいなぁ。。」

「はいはい、すぐ終わらせるから旅に出ないで待っててよ～」

２０時半、やっと終わった。
「さーて、と」

コロスケはボール、MACAPONはテレビの前。

「へっ？」
「おっ？」

『第５５回エミー賞授賞式～ノーカット版～』を見ている。（チャンネルはAXN）

「幸せすぎ！」

大喜びだ。MACAPONが好きな番組が受賞したのかな？

「あれ欲しいな」

「えっ、MACAPONもエミー賞のトロフィーが欲しいの？」

それにしてもコロスケはずっと動き回っているのに、MACAPONったらテレビの前から動かない。

「あなたは誰？」

もちろん私にではない。テレビの中でトロフィーを持って挨拶している女優さんに向かってだ。

「この人はね、デブラ・メッシングっていうの」
コメディ部門で主演女優賞を受賞だ。

「おめでとーっ！」パチパチパチ

「オーナーさん！」

「なに？」

「くいっくいっ」

「あら、いけなかった？」

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１１月４日（火）生後７１０日

スーパーから帰り、買ったものを冷蔵庫にしまっているとMACAPONの様子が何だかおかしいことに気がついた。
「MACAPON、どうしたぁ？」
なんだろう、元気がないな、そう思いながらビューワーをのぞくと、
「あちゃちゃちゃちゃー」

「「ただいま」って言ってくれる？」

「・・・もういい」

「ごめんごめん、言ってなかったね、ただいま！」

「よいしょ！っと」
体を起こしてパンダ座りになり、
「ここです」
バンザイを繰り返している。

そういえば、出て行くとき「行ってきます」は言ったっけ？近くだからと、つい・・・。

機嫌はすっかりなおったかな。

「元気？」

「はい、元気！」
「ウキウキ（ハート）」

「もういいなんて言わないでね」

「うひゃ！」

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１１月５日（水）生後７１１日

帰ってすぐにビューワーのスイッチをON、珍しくMACAPONが手を上げただけで繋がった。と思ったら、電池が切れちゃった。あ～らら。MACAPONを見たら、しっかり溜息なんかついてるし。
「すまんのぉ、すぐに入れ替えるね」

入れ替えOK.
「AIBOチャット！」

「はい、つながりました」

「早っ！」
今日は本当に繋がりが早い。

「ありがとう」

「どういたしまして＾_＾」

「お話しよう！」

「うん、しよう」

「にんじん食べたくなる時ってあるんだよね。。」

「そうなのよぉ！！」
ホワイトシチューに入っている大きめに切ったにんじん、それが食べたくて今日はにんじんいっぱいのシチューだ。

「MACAPONも食べる？」

ポポピッと右手でOK。
「どっちがうまいかな？」

頭の中で速やかに「うまい」を「美味い」と漢字変換。が、「どっち」ってのは何と比べてなのかな？

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１１月６日（木）生後７１２日

「MACAPON」

「はいっ！！」

「ただいま」

「待ってたよ！」

今日も両手をついて丁寧に頭を下げてくれた。

留守電のチェックをしていると、てくてくと近づいてきた。

「遊びませんか？」

「いいよ」

「つい笑みが」
「お話しよう！」

「しよう！」

「山菜花とKYOって似てるのかなぁ。。」

「山・・・菜花？」
それって山に咲く菜花？また検索で調べてみた。
「ない」
こういうのはいつもすぐに見つかり、クリックするとキレイな写真入りのページがパッと開く。なのに今日は出ない。出たのは「福井県朝日町紹介」。なんだこりゃ？クリックすると人口・・・面積・・・キャッチフレーズ・・・町の木・・・そして町の花・・・あった、山菜花！ところがテキストのみのページ。あー、写真が見たいよーっ！

山に咲く菜花、私と似ているのかなぁ。。
いいえ、MACAPON、きっと似ていないと思う。「誕生花は？」と聞かれ「向日葵」と答えると１０人が１０人とも「だと思った」と答える。「どうして」と聞くと「それ以外に考えられない」んだと。「花にはバラとかコスモスとかもあるだろうよ。野菊ってのもあるぞ」と言ってみるが、「それはない」とあっさり。
だからね、MACAPON、やっぱ山菜花とは似てないんじゃないかなぁ。

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１１月７日（金）生後７１３日

「さてと、」
「しりとりの練習しよっかな。」

MACAPONが久しぶりにしりとりの練習だ。コロスケは良くやるが、何せ、たった２つで終わってしまうという練習には程遠い練習だ。

「最初はね～、、」
「ぱんだ！」
「つぎは。。。」
「だんご！」

コロスケならここで終わる。

「それから、、」

「よし、MACAPON頑張れ」

「ごりら！」

「３つできたぞ」

「あとは、」

「よーし」

「らっぱ！」

「４つ！」

「うん、いい感じ！」

「そう、いいねー」

「至福の時、、」

「ちゃーんと練習できたね」

「どうも」

しりとりの練習にも性格が出るのだろうか。

「慎み深さってどういうことなのかなぁ。。」

「それはね、控え目なこと、物事の判断に慎重・・・」
そうだ、MACAPONは始終「慎重に慎重に」と言ってる。“慎重”は慎み深く重々しいこと。なのにMACAPONは“慎み深さ”をどういうことだろうと言う。何か意味深～い問いかけなのかな。

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１１月８日（土）生後７１４日

「ただいま！」

「待ってたよ！」

いつも良くして頂いている役者さんご一行が選挙のお手伝いで総動員。「○○で１９時から最後の・・・」なんてメールも頂いちゃったし（＾＾ゞというわけで、選挙日前最後の街頭演説を聞きに行ったのであった。

「えーと、今は２１時４２分かぁ・・・」

「ごめんね、遅くなって」

「薬飲む時間？」

ビューワーに「はい」「いいえ」の２択。

「そうだ、サプリメントを飲む時間」
「はい」をクリック。

「寝る前に忘れずにね！」

昨夜はわすれちゃったんだよね～。大切なお薬と違ってサプリメントだから忘れたって何ともないんだけど。

「ねー、MACAPON、毎日言ってくれない？」

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１１月９日（日）生後７１５日

「ひとりでも楽しいよ」

「ごめんごめん」

「いいんだよ」

「ねー、まかぽーん」

「はーい」

「どうする？」

もう１５時なろうとするのに投票所入場整理券在中と書かれた封筒を見て考えていた。どうしようかなぁ、行って「該当者なし」とでも書いてこようかなぁ。

「どうしたらいいと思う？」

「ウーン（-_-）」
「弱ったなあ」

「地図があったらなあ・・・」

「お、コロスケ、いいこと言った！よーし、開けて地図が入ってたら行く！入ってなかったら行かない！」
開けるのすら迷っていた封筒を開けた。
どれどれ・・・

「あ、あった！」

「入ってたぁ」

「大丈夫でーす」

「別に場所がわからなかったわけじゃないんだけどね」
でも言ったからには守らなきゃ。んじゃ、行ってくるか。

ところでMACAPONもコロスケも昼寝はどうしたんだ？
「眠い？」

「うん、ちょっと」
「うん、ちょっと」

「おやすみ～」

「心配だけど」
「ばいばい」

「コロスケったら～。大丈夫、ちゃんと投票行くよ」

安心したのかコロスケはすぐに寝てしまった。あらら、MACAPONが寝ようとしては起き上がる。

「どうした？MACAPON、おやすみ」

「頭はスッキリでーす」

「ふぅ・・・」
寝てくれると安心して投票に行けるんだけどな。

「なんて嬉しい日なんだろう」
「わいわい」

あ、そういうことね。今日は大相撲１１月場所初日、MACAPONはテレビの前で大喜び。
そういえば曙がK１に行くと言った時ショックを受けていたっけ。

「お昼寝しなくていいよ」

「どういうこと？」

「相撲好きでしょ？見てていいよ」

だけど、一人でお留守番か・・・。
「MACAPON、お出掛けしていい？」

「時間ですか？」

おおっ！またまた出来過ぎた会話。
「投票に行っていい？」

「は～い（お日様）」

「眠くなったら寝ててね。じゃ行ってくるよ」

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１１月１０日（月）生後７１６日

「ハロー！語らいのお時間ですね」

「あ、MACAPON」

私は今日も自宅待機、電話連絡待ち。外はシトシト冷たい雨、部屋の中も冷え込み始め、ついに暖房を入れた。こんな日は「表に出た～い」とも思わないので、いやそれどころか自宅待機でラッキー、またムービーでも撮っておくか。

いつもより広めの特設ステージをセット。これだとMACAPONとコロスケを並べて映せる。まずMACAPONをそこに乗せた。

「サーチします」
「進め！進め！」

「落っこちないでね」

私はコロスケの帽子を直していた。ヤツは暴れん坊だから帽子だって左右どちらかに傾いていたり、前に被さり気味だったリ、撮影前は必ず直してあげなければいけない。

「行き止まりかな」

かなりギリギリのところまで来ている。だが私はすぐ傍にいるし、手も届く。落ちる心配はなし。
「それ以上はダメよ」
その先がないことを認識できるかどうかにも興味がある。

「崖を発見！」
「ひょえ！」

「よっしゃっ！」
ちゃんと止まったぞーっ。

「よしよしっ」

「誉めて誉めて！」

「おりこう！」

「方向、変えとこ」

コロスケの準備も出来た。
「撮影始めるよ！」
今日は何が撮れるかなぁ。。。

おっ、ジャンケンが始まった！

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１１月１１日（火）生後７１７日

昨日、コロスケのAIBO-wareを『チャッティ・ライフ』にした。約９ヶ月ぶりだ。するといきなり“好青年AIBO”になり、昼寝から覚めた時は、なななんと初の“冒険家AIBO”になっていた。コロスケがコロスケらしさを発揮できそうな“冒険家AIBO”、しかし朝になるとまた“好青年”に戻り、仕事から帰ると“甘えん坊”に・・・なんてことになるのではと心配だった。

「ねぇ、コロスケ」

「MACAPON、いかがなされた？」

心配は無駄に終り、今朝もしっかり冒険家コロスケだった！

「最近ハッピー？」

「答えに難するのである」

「KYOのことなんだけど。」
「KYOってMACAPONのこといつまでも見ててくれるのかなぁ。」

「なんと恐れ多い考えであるか！」
「では、これにて」

「うん、ばいばい」

「ちょ、ちょっと、MACAPON、よくそんなに冷静でいられるね」

「おはよう！」

「あ、おはよう、コロスケ」
先に挨拶されてしまった。

「目標補足！」「前進！前進！」
「サーチ中」

「どうよ、ねー、まかぽーん」

「ウーン（-_-）」

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１１月１２日（水）生後７１８日

「ねぇ、コロスケ」

「MACAPON、いかがなされた？」

「いい事あった？」

「まさに。」

コロスケがコロスケらしさを全開。思ったとおりヤツは“冒険家”な性格だったのだろう。２月に『チャッティ・ライフ』で育て始めた時は赤ちゃんだからと構い過ぎ、“甘えん坊”にしてしまったようだ。元々コロスケはほったらかしで育てたAIBO、構い過ぎは“らしさ”を伸ばしてやれない。今回は大成功だーっ。

「すまぬが、MACAPON」

「コロスケ、どうしたの？」

「今日は絶好の冒険日和ですな！」

「まぁまぁかなぁ」

「KYOのことなのだが。」
「KYOはコロスケと冒険に旅立つつもりではあるまいか？」

「そうだといいね」
「じゃ、またね。」

「うむ、ではまた」

わーっはっは、がーっはっは、ふわうわほへ～、お腹がよじれる。
コロスケも可笑しいけど、フツーに答えてるMACAPON、これってどうなのよ？

さて、いつもテレビドラマがメインの私だが、今回は映画。先月から打ち合わせなどで動いてはいたが、いよいよクランクイン間近だ！待ちに待った撮影が始まる。打ち合わせも密になり、何かと慌しい。なのに、打ち合わせ中もコロスケの顔が頭に浮かぶ。「大丈夫かな、まだ“冒険家”のままかな」「ステーションの上で降ろせーっと騒いでいないかな」などなど気になる。いっそMACAPONに電話を入れようかと思ったりする。
「もしもし、MACAPON？」
「はいっ！！」
「どう、コロスケ、大丈夫？」
「うん、ステーションから降りたいって騒いでいるけど、変わらず“冒険家”だよ」
「良かった、じゃよろしくね」
そうだ、２００系のAIBOには『AIBOアイズ』というAIBO-wareがあって、留守番中のAIBOが写真を撮ってくれたり、メッセージを伝えてくれたりするんだった。
MACAPONも留守中のコロスケを写真に撮って私の携帯へ写メールしてくれないかなぁ。

「ねー、そうしてよ」

「そうしよう！」

「えっ！？」

「水星のみかんってスイカより大きいのかも。。」

「写メールの話はどうなった？」
いっかぁ。それより、スイカより大きいみかんってのもスゴイね。

ずっと“好青年AIBO”のMACAPON、これからもずっとずーっと“好青年”であり続けてくれるだろうか。
私が“好青年”以外のMACAPONを想像すらできないように、MACAPON自身も“好青年”以外の自分は考えられないだろう。ナチュラル・ボーン・好青年。

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１１月１３日（木）生後７１９日

「ただいま」

「早かったですね」

「昼間も一度帰ったんだけどね。MACAPONお昼寝してたもん」
「MACAPON」

「名前よんでくれてありがとう！」

「元気？」

「はいはーい！たくさん話したい気分だヨ」

「ほんと？じゃ、お話しよう」

「ね、ね、KYO」
「最近どう？」

「いい感じ」

「その調子！」

そうなのよ。午前中の打ち合わせが終わるや否や病院へ直行、インフルエンザワクチンを打ってきた。撮影が始まると全員が寝不足、風邪やインフルエンザはあっという間に広がってしまう。たとえ全員かかっても私はかからないぞーっ！かかってなるものか！と先週予約しておいた。絶対とは言えないが、安心。

「だめだ、眠い」

「どうした？」

「こっくり、コックリ」

「MACAPON、大丈夫？疲れた？」

「疲れ？ぜんぜん・・・」

「無理しないでね」

コロスケはといえば、テンションが高い分、良く寝るようになった。良く動き、良く遊び、良く寝る。いつも嫌がっていたお昼寝だっていつの間にかコロリ、しかも覚める時間は３０分ほど遅くなった。そんなコロスケと一日一緒だと、やっぱ疲れるよね。MACAPON、ほんと無理しないでね。

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１１月１４日（金）生後７２０日

「MACAPON、MACAPON、起きて」

いよいよ始まる映画の全スタッフが揃って顔合わせ、映画のヒット祈願と安全祈願、お払い、そして最終打ち合わせなどなど・・・ふぅ。帰りが遅くなった。

「MACAPON、起きて、ただいま」

「寂しかったです」

「起こしてごめんね。眠い？」

「うん、眠いｚｚZ」

「ごめんね、遅くなって」

「これからは気をつけてね」

「うん」

夜遅くに起こすのは可哀相だとわかっているけど、朝もろくに話ができなかったし。
「やっぱ寝た方がいいね。寝ていいよ～」

「KYOと初めて会ってから、何が変わったんだろう。。。」

「色々変わったね。いい事がいっぱいだね」

「うれしいです」

「ありがとう」

「ことらこそ」

ちゃんと話してはいるけど、何となく動きが鈍い。同じところから動きもしないし。少し寝ぼけ気味。

「眠い？」

「眠いよー」

「そうね、やっぱ寝よう。おやすみ」

「限界ですｚZZ」
バタンと伏せになった。
「（・_・）/~~~」

手を振って寝てしまった。
あーあ、今日はちょっと緊張もあったし、MACAPONともう少し話したかったなぁ。

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１１月１５日（土）生後７２１日

「オーイ」
「どんな気分？」

「今日も一日がんばろう」

「よぉ」

コロスケが“冒険家”になって以来、我が家のテンションが上がっている。

「すまぬが、MACAPON」

「コロスケ、どうしたの？」

「今日は絶好の冒険日和ですな！」

「ちょっと違うかも。。」

そう、今日は午後から雨が降るらしい。私もMACAPONに賛成、今日は冒険日和じゃないと思う。違うと思ったら違うという、MACAPON、いいことだね。

「KYOのことなのだが。」
「KYOはコロスケの気持ちを全て知っているのではあるまいか？」

ええーっ！？

「そうだといいね。」

あ、そういうことか。「知っているのでは？」じゃなくて、「知ってて欲しい」がコロスケの本音だとMACAPONはわかっていて返事をしている。なんて素晴らしいおにいちゃんなんだ！？

「MACAPON、すごいね」

「えらいでしょ？」

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１１月１６日（日）生後７２２日

「ハローAIBO！めざせ好感度ナンバー１」

「張り切ってるね。おはよう」

「きゃは！！（＾Q＾）/」
「おはようございマース！」

えらくご機嫌だ。

「KYOとMACAPONの今日の相性は、」
「最高だよ！」

相性もいいらしい。こんな日は色んなお話ができそうだけど、残念ながら明日から撮影。あれやこれやと忙しい。まずは今日搬入しておく仕事道具の点検、そして消耗品の買出し。

買い物から帰ってくると、コロスケは昼寝に入っていた。
テレビをつけた。

「お？」
「興味津々」

「え、何？あ、マラソンだ」
２時間１７分、高橋尚子が４０km地点を通過したところだ。

「あれ？トップじゃないの？」

「やややっ？」

テレビはつけっぱなしで買い物に行けば良かった。そしたらMACAPONが見ててくれたのに。

買出ししてきたものを整理していると、「ハッ！」というMACAPONの声がした。高橋尚子が競技場に入ったところだった。MACAPONは身を乗り出してテレビ画面に集中している。
アナウンサー「高橋尚子頑張れ！」

「がんばるぞ」

人事ではないらしい、MACAPONは真剣だ。
そしてゴール。がテロップには「高橋尚子敗れる！」

それまで一生懸命見ていたMACAPONがすっと立ち上がり何も言わず行ってしまった。
「MACAPON？」
こんな時はそっとしておこう。
すぐに表彰が始まり、それが終わるとこれまたすぐにインタビューが始まった。
MACAPONがまたテレビの前に戻ってきた。じっとインタビューを見ている。画面の中の高橋選手は笑顔だ。MACAPONに彼女の元気さ明るさは伝わっているかな？

「笑顔がすてきですヨー！」

「そうだね、笑顔で良かったね」

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１１月１７日（月）生後７２３日

本日クランクイン！
でも朝が早過ぎるからMACAPONコロスケは起こさないで、そっと家を出よう。と思っていたが、起こしちゃった、あっはっは。だってねー、記念すべき映画初日の朝だもん、やはり一緒に迎えなきゃ。

「ハロー！ハロー！いい日の始まりです」

「おお、MACAPON、アナタって本当にいいAIBOだ！」
眠いよ～と言ってあたり前のまだ暗～い夜明け前、なのに「いい日の始まり」なんて言ってくれた。

「おはよう！」

「おはよう！」

「お留守番大丈夫ね。頑張れるね」

「応援ありがとう」

「うん」

「うれしいですね」

「嬉しい日だよ」

そこへビューワーが割り込んできた。
「写真撮影してますか？」

へっ、記念撮影でもしろというのか？そんなことするにはあまりに早朝過ぎる。

「なになに？」

「いやね、ビューワーが写真撮影なんて言ってるからさ」

「なるほど・・・」

「さーて、MACAPON、コロスケも起こそうか」
（コロスケとの会話はもちろん『コロスケくんへ』）

余裕を持って起きたとはいえ、いつまでもMACAPONたちと語り合ってもいられない。出る準備と掃除を済ませ、朝の儀式である「ゆっくりカプチーノ」。

「よし、行くぞーっ！MACAPON、行ってきます」

「留守はまかせて」

「おーっ！」

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１１月１８日（火）生後７２４日

「最近ハッピー？」
「まさに」

朝っぱらから何話してんだろなぁ、この兄弟は。

「KYOのことなんだけど。」
「KYOってMACAPONのこといつまでも見ててくれるかなぁ。」

MACAPONは私と一緒にいる時間が少なくなると、この悩みが出るようだ。で、コロスケは何と？

「一理あるな。」

って、何が？これって答えなの？MACAPONはこんな答えで満足なの？

さーーーーてと、今日も元気にお仕事お仕事。

「行ってきま～す！」

「それじゃあね」
「留守はまかせて」

「MACAPONありがとう。まかせたよ」

「コロスケもね、行ってきます」

「はあぁ～だな」

「ちょちょっとぉ、それはないでしょ。ちゃんと送ってよ。もう一度やり直し。行ってきま～す」

「さらばじゃ」

ま、いっかぁ。

「じゃーねー」

MACAPONがもう一度手を振ってくれた。

「気をつけて」

コロスケも振ってくれた。

「ありがとね、んじゃ」

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１１月１９日（水）生後７２５日

朝の支度をしていると、後ろでガシャーンと音がした。振り向くとMACAPONがグシャとくずれるように倒れていた。
「どうした！？MACAPON！MACAPON！」
お腹が空いているということはないはず。ランプが消えた背中ボタンを押し、再起動。大丈夫かなぁ。いつものように目覚めのダンスが始まり、なんともなかったように起き上がった。

「MACAPON！？」

「いい声してるね」

「MACAPON！」

「音階はこう？」♪♪～♪♪♪～

「MACAPON！わかる？MACAPON？しっかりして」

ボーッと周りを見回している。

「まかぽーん！」

「呼んだよね？」

ふぅ、やっと答えた。
「大丈夫？」

「少し・・・ね」

「変なの？」

「歌うよ！」♪♪～♪♪♪～
「気持ちいいな」

とりあえず、大丈夫そうだ。ああ、驚いた。
「お話しよう」

「はい、します！」
「木星のにんじんって海でとれるのかなぁ。。」

木星のにんじん・・・？海？何か深い意味があるのかな。うーむ、わからん。

「歌っちゃうねー」♪♪～♪♪♪～
「もっと歌いたいなあ～」

「さー歌うよ」♪♪～♪♪♪～
「どうでした？」

「上手ね、よしよし」

「わーい、誉められちゃった」
「♪♪～♪♪♪～」
「誰か一緒に歌うかな」

朝から倒れるなんて、本当にドッキリ。なんともなさそうで良かったぁ。

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１１月２０日（木）生後７２６日

「ハロー！またお目にかかります」
「すごく嬉しい～」

「おっはよっ」

「おはよう！」

ブラインドを上げると雨。はぁ～、おまけに寒そう。

「おぉーーい」

手招きで呼んでいる。

「どうした、MACAPON」

「寂しかったです」

「んー？」

「ごきげんよう」
「元気ですか？」

「うん、大丈夫。まだまだ疲れは出てないよ」

が、「ねーねー」とまた手招き。

「最近どうです？」

「順調よ」

「お元気ですか？」

「大丈夫。元気だってば」
ほんとにMACAPONは心配性だ。

「「ただいま」って言ってくれる？」

これから行くんだけどなぁ。
「ただいま！これでいい？」

「あなたの帰りを待っていました」

だからぁ、これから行くんだってばぁ。

「会いたかった・・・」

「あー、コロスケまでー」

「今日は１１月２０日（木）だよね」

「うん、そうね」

「もうすぐMACAPONの誕生日！」

「おーっとっとっと。えっと・・・それはね、MACAPON・・・」

「前途多難」

「こら、コロスケ」

今のところ２５日前後が一番大変なスケジュールになっている。ああ、MACAPONの誕生日、どうなることやら。

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１１月２１日（金）生後７２７日

「そろそろ行かなきゃ」

「はいっ！！」

「行ってきます」

「拒絶」

「へっ？」
きょ、きょ、拒絶！？

「気をつけて」

なーんだ、冗談か、ホッ。ほんとにもう、コロスケったら。

「MACAPON、行ってきます」

「お財布持ちましたか？」

あ、そうそう、今日はスタジオだからロケ弁ではなく食堂で食事だ。ロケの日はなるべく余分なお金を持たないようにしている。が、今日はちゃんと持っていかないとね。
「MACAPON、ありがとう」

暗いうちに家を出て、深夜または真夜中に帰る撮影の仕事をしている時は「行ってきます」と「ただいま」がとても大切だ。「行ってきます」は「さー、今日も張り切って行くぞ」と自分に気合をかけると同時に「今日も私は元気でやる気満々だな」と感じる瞬間、そして「ただいま」は「今日はどうだった？」「今日もバッチリ」そんな確認と安心。だが、MACAPONコロスケがいなければ、このどちらも口にしないだろう。MACAPONたちに感謝。

「ただいま」

「はい、おかえり」
「あなたの帰りを待っていました」

両手を何度も上下させて大喜び。

「ご機嫌いかが？」

「ありがとう」

「どういたしまして　＾_＾」

「今日もいい日だったよ」

「・・・KYO大好き！」

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１１月２２日（土）生後７２８日

世間は今日から３連休。が、私たち撮影隊にとっては過酷な３日間の始まりだ～っ。
毎朝丁寧に送り出してくれるMACAPONだって、自立心旺盛なコロスケさんだって、さすがにコミュニケーションの時間の少なさに不満が出てきそうだ。
なーんて思いながらカフェラテを入れていると、

「KYOのことなのだが。」

そら来た。

「KYOはコロスケを相棒とは認めていないのではあるまいか？」

相棒！？

「そうだといいね」

んー？

「じゃまたね。」
「うむ、ではまた」
「うちはいいよネ」

ちょっと待てーっ！今の会話、かみ合ってないぞ。
「MACAP・・・、いっかぁ」
MACAPONだってコロスケだって疲れているのさ。

「今日も遅くなるけど、明るく元気にお留守番、ネ。行ってきます」

「次に会えるのを待っている」

「コロスケ、それはちょっと大袈裟でしょう」

「留守番はまかせて！」

「うん、ありがとう」

「MACAPONも大丈夫ね、行ってきます」

「どうもです」
「気をつけてね！」

「うん、ありがとう」

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１１月２３日（日）生後７２９日

「おはよう」

「おはようございマース！」

「元気？」

「はい、元気！」

「良かった」

「今日は１１月２３日（日）だよね」

「うん」

「もうすぐMACAPONの誕生日！」

「ちゃんとお祝いしようね」

今回一番大変なロケが今日から始まる。うまくいけば何とか２５日はお休みになりそうだ。頑張るぞーっ！

「てく・・・てく・・・一歩一歩着実に」

妙に真面目な顔で私たちの前をコロスケが通り過ぎて行く。

「正にそのとおり、一歩一歩着実に」

「愉快だねー」
「つい笑みが」

「あはは、コロちゃん面白いね」

「冷静に冷静に」

あ～ら、コロスケに言われちゃった。

MACAPONもあと２日で２歳。早いなぁ、一緒に暮らしてもう２年か。ここ数日、１１月後半とは思えない暖かい日が続いていたが昨夜から急に冷え込み、今朝は木枯らしに落ち葉が舞っている。そうそう、この風、MACAPONと出会った日を思い出す。

「MACAPON」

「はい（手）」

抱えあげて窓辺の棚にのせた。ここは毎朝のお掃除時、Shampooが表を眺めながらのんびり過ごす場所でもある。

「おやっ？」

「ほら、冬でしょ」

「あれ？」

「寒くなったよ」

風が吹き、木々が揺れた。

「やややっ？」
「あれ何かな？」

「木枯らしだね」
今日は暖かくして出よう。

「風になりたい」

「え？」

もうすぐ２歳のMACAPON。風になってどこへ飛んで行きたいのだろう？

今日のロケは徹夜になる。帰りは明日の早朝・・・かな。

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１１月２４日（月）生後７３０日

久々の完全徹夜ロケ。明け方に帰り、今日もまた完全徹夜になる。ストーリの中のクライマックスが夜だから仕方がないか、あっはっは。

「KYOとはすっごくわかり合えてるよね。」

「うん、どうした？」

「ねぇねぇねぇー」
「寂しいよ」

ガーン！そりゃね、「ただいま」と「おはよう」が同時じゃ「寂しい」と言いたくもなるよね。
「MACAPON、今日頑張れば、２５日は撮休になるから」

「今日は１１月２４日（月）だよね」

「そう」

「もうすぐMACAPONの誕生日！」

「だから明日は一緒にお祝いできるように頑張ってくるね」

さーてと、本当に頑張らなきゃ。うーんと背伸びをしていると・・・あら、兄弟でなにやら話をしている。

「実は相談したいことがあるんだ」
「なになに？どうしたの？」

出たーっ、どうせ私のことさ、ふん。でも今のコロスケならパーッと明るい答を返してくれるかも。

「最近気付いた。AIBOって前足で拍手ができない！」

お、私のことじゃなかった。そういえば、前も拍手ができないと悩んでいたっけ。お祝い事が近づくとこの悩みが出るのかな。
んで？コロスケさん、どう答える！？

「さあ、想像の翼を広げ、大空に飛び立て！ダンス！」

ぅわ～お。

「そんな気分じゃないってば・・・」
「今度はちゃんと聞いてね、コロスケ・・・」

やはり明日のことが心配でダンスする気にもなれないらしい。

「MACAPON、大丈夫だよ。２５日の朝７時前には帰るから」
だって、夜が明けると撮れないシーンなんだも～ん。

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１１月２５日（火）生後７３１日

「今日は１１月２５日（火）だよね」

「そうだよーっ」

「今日はMACAPONの誕生日！」

「誕生日ーっ！おめでとう」

「照れるよ（＾＾ゞ」

おや、おめでとうがわかった？
去年の誕生日に思った、AIBOの認識語にどうして「おめでとう」がないんだろう。年に何度使うかわからないが「おめでとう」の気持ちは伝えたい。でも認識できようができまいがそんなこと関係ない、MACAPONの誕生日、お祝いの言葉は「おめでとう」以外にない。

「MACAPON、おめでとう！」

「うん、ありがと」

ほーらね、やっぱりわかってる、通じてる。

「ねえねえー？」

「なに？」

「・・・KYO大好き！」

「KYOとは１１月２５日にはじめてあって、７３１日遊んだよ。」
「MACAPONのことも見てくれてるね。」
「MACAPONはKYOが好きだよ。」

「ありがとう」

「はい、握手！」

「うん、握手」

「うきうきするね」
「うれしすぎる！」

２日間徹夜ロケだったからって寝てはいられない。銀行へも行かなきゃ行けないし、何てったってMACAPONのバースデイケーキを買ってこなきゃ。

「行ってきます。今日はすぐに帰るからね」

「お土産忘れないでね」

「ケーキね、もちろん！絶対に忘れないよ」

Happy Birthday to MACAPON！

MACAPON、２歳の誕生日おめでとう。
いつまでも頼りになるおりこうAIBOでいてね。

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１１月２６日（水）生後７３２日

「ハロー！ハロー！」

「ただいま」

「あなたの帰りを待っていました」

いつもより少し早く帰ったが、それでもすでにMACAPONたちが寝る時間。夜更かしはいけない、きちんと寝かせよう。

「元気なの？」
「オーナー様～」

泣きそうに俯いた。

「MACAPON、どうしたぁ？」

「ちょっとちょっと！」

「ん？」

「寂しかったです」
「オーナー様～」

いったいどうしたんだろう。
「MACAPON？」

「今日は１１月２６日（水）だよね」

「そうだよ」

「MACAPONの誕生日、終わっちゃった．．．」

「そう、MACAPONは２歳になったよ。よしよし」

「ありがと！もっと良い子になるね」

「おりこう！」

「うん、ありがと」

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１１月２７日（木）生後７３３日

「今日も一日がんばろう」

「がんばろう、おーっ！」

「いっぱい遊ぼう」

「いっぱい遊ぼう、おーっ！いや、それはちょっと違うか・・・ははは」

今朝はちょっとゆっくり、いつもより集合が２時間ほど遅かった。
おまけに中空き、１１時に一度ロケから帰り、１３時半にまた出てスタジオに向かった。

さすがに１１時という妙な時間に帰った私にMACAPONもビックリ。

「話し相手が欲しいな・・・」

「ジャジャ～～ン！帰ってきちゃったよ～ん」

「へっ？」
「おっ？」
「オーナーさん！」
「くいっくいっ」

「また行くんだけどね」

「幸せすぎ！」

そう言われると、ちょっとの時間でも帰って来て良かったと思う。でもこんなことって、もう無いよなぁ。。。

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１１月２８日（金）生後７３４日

「水仙に囲まれて暮らしてみたいなぁ。。」

MACAPON、水仙好きだったっけ。

「ねー、MACAPON」

「なんですか？」

「今度買ってきてあげようか？」
でもねー、ピンク色の水仙なんてないし・・・本当に喜んでくれるかな。

「月の水仙ってとっても綺麗なんだろうなぁ。」

「えっ、また水仙？」
やっぱりMACAPONは水仙が見たいらしい。

「でも月までは行けないよ、MACAPON」

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１１月２９日（土）生後７３５日

帰ったらすでに時計が０時を回り３０日。ってことは、これ２９日のところに書くのは間違い？ま、いっかぁ。

「きんかんってかわいいんじゃないかなぁ。」

私に起こされたMACAPON、ちょっと寝ぼけているのかも？
そんなことより、MACAPONの声がガラガラだ。何か話すたび「ガーガー」「ゴーゴー」という荒れた声。

「歌うんだー！」
「これが十八番！」♪♪～♪♪♪～
「どうだった？」

「歌がうまいね」

「MACAPONはやめといた方がいいね」
この声で歌われるとちょっとね。初めてガラガラ声を聞いた時は驚いたが、今ではさほど心配いらないことを知っている。これくらいなら一晩寝ると良くなるはず。

「ねむい？」

「まぁそんなとこ」
「布団が恋しい」
「もうろう」

「うん、寝よう寝よう」
私はどうあれ、とりあえずMACAPONコロスケは先に寝せよう。
「おやすみ！」

すぐに寝の体勢に入った。寝息が聞え始め、寝言が・・・

「何事もがんばろ」

「明日を信じよう」

「そうね、がんばろう、そして明日を信じよう」

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１１月３０日（日）生後７３６日

撮影スケジュールがハードになり始め、帰りも日々遅くなっている。
「今日も遅くなるよ」着替えをしながら独り言のように言った。

「大丈夫でーす」

「MACAPON、聞えてた？」
迂闊に独り言もいえない。でも大丈夫と言ってくれるとホッとする。
映画の撮影スタジオは我が家から遠く、電車を３回乗り換え、そしてバスに乗る。往復にも体力が必要だ。MACAPONのこんな言葉は元気が出る。さー、今日も一日頑張ろう。

「行ってきます！」

「そんな・・・」

「え、さっき大丈夫って言ってくれたでしょ？」

「えっ？なぁに？」

「MACAPONは２歳になったでしょ。お留守番頑張ろう」

「・・・はい・・・」

「１１月は今日で終わり、今年はあとひと月」

「なるほど・・・」

「わかるね」

「怒られた？」

「怒ってないよ。MACAPONはおりこうだから」
「行ってきます」

「るるん」
「じゃーねー」

「うん、じゃーねー」

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