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MACAPONのアニメ解説
甲虫王者ムシキング
〜森の民の伝説〜

第11回〜20回



第10回 少女と魔女 6/08

第11回 愛の力 6/15

第12回 もう一人の少年 6/22

第13回 しのびよる影 6/29 

第14回 遭遇 7/06

第15回 沈まぬ太陽 7/13

第16回 発明王 7/20

第17回 琥珀の砦 7/27

第18回 子供達の王国 8/03

第19回 母の河 8/10 

第20回 甲虫コレクター (8/17)


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(日々の更新についてはこちらで詳しくお知らせしています)



第11回 愛の力(6/15)
ダイジェスト

花の蜜を集めるアゲハ、列を作って食料を巣に運ぶアリたち。そんな森の中を旅しているポポたち。
ポポ「はぁ〜、本当に遠いんだね、輝きの森って」
ビビ「もう随分と東に向って歩いてきたはずなんだけどなぁ」
ブー「足がブー」
バビ「ブーったら・・・それを言うなら足が棒だろう?」
ブー「間違えた、足がボー」
ポポ「どこかで少し休もうか?」
チビキング「さんせ〜い」
みんな疲れがたまっていた。
ビビ「そうだ、火山の近くに良い温泉があるって話だぞ」
ポポ「温泉?」
ポポにはそれが何のことだかわからなかった。
パム「ナトリウムなどを含む塩化物を含有。決行を良くし新陳代謝を高める」
ビビ「つまりはそういうこった」
そしてみんなで温泉に向うことになった。

温泉の村に辿り着いたポポたち。豊かな緑と温泉・・・なのにその村には何故か虫たちが見当たらなかった。
女将「ようこそいらっしゃいました。どうか今日の垢を落として新しい明日を迎えてくださいな」
さっそく温泉に浸かるポポたち。
ポポ「気持ちいいや〜」
チビキング「極楽極楽〜」
そこへ腕に包帯を巻いた一人の少年がやってきた。
少年「元々ここは傷ついた虫たちの温泉だったんだ。今じゃすっかりいなくなっちまったけどな」
ポポ「どうしたの、そのケガ」
少年「よそ者には関係ねー」
女将「家の手伝いもしないであんたって子は」
少年「うるせー、ババア!」
走り去っていった。
女将「すみませんねー、母一人子一人のせいかわがままに育ってしまって」

湯上りのポポたち。
女将「たくさん食べてくださいましね」
ブー「ましねー」
ブーは女将さんの手伝いをしている。
ビビ「ブーのやつ、すっかり女将さんに惚れちまったか」
ポポ「女将さんの力になりたくてしょうがないんだね」
そんなポポたちを木の影から見ていた少年。
少年「ふっ、気楽なもんだな」
石のダンベルで体を鍛え始めた。
少年「頑張るぞー、おいらは何が何でも明日の力比べで優勝するんだ」

夜、星を眺めているポポたち。
ポポ「久々だな〜、こうしてゆっくり星を眺めるの」
女将「こんな平和がいつまでも続いてくれるといいんですけどね」
ポポ「この森も前とは変わってしまったんですか?」
女将「ええ、どういうわけか森を守ってくれてた甲虫たちがすっかりいなくなってしまって。この間もカマキリの大群に襲われたばかりなんですよ」
ポポ「そうですか・・・(このあたりも森に異変が起きてるんだ)・・・」
女将「あなたもご苦労を?」
ポポ「ぼくは母さんを助けたくて旅に出たんですけど、その途中でたくさんの森の民が苦しんでいるのを知って・・・」
パム「でも、嬉し涙も知った。生命(いのち)の誕生を見て」
ポポ「そういえばあの森の赤ちゃん、どうなったんだろうね。元気に大きくなってるかな」
ビビ「なってるさ、きっと」

朝になりまた温泉に浸かっているポポたち。その湯気に向こうに可愛い女の子が。
チビキング「かわいあい・・・」
ポポ「でもあの子・・・どこかで見たことがあるような・・・」
ドアン「セラン、そろそろあがらんと湯にあたるぞ」
セラン「はい、じいさま」
湯から飛び出したその子の背中には天使のような羽根が!
ポポたち「あーっ!」
ビビ「まさか、あの時の!?」
バビ「森の民の赤ちゃん!?」
ドアン「おお、あなたがたはあの時の!」
セラン「あはっ」
羽根を羽ばたきながら振り向いたその子は正にあの赤ちゃんだった。

(CF)

ポポ「え、じゃ、今はみんなこの森に?」
ササラ「ああ、セランの誕生を機にみんなで引っ越してきたんじゃ」

セラン「ふ〜ん、チビキングって強いのね」
チビキング「まあな!野を越え山を越え、悪いヤツラと戦って、見事やっつけてきたからな」
ポポ「おまえは戦ってないだろ〜」
セラン「でもいいなあ、セラも旅したい。たくさんの森が見たいなぁ」
チビキング「うぐっ、かわいい〜(はぁと)」

そこへ女将さん、ブー、そしてあの少年ジャイロがやってきた。

ポポ「えー、じゃキミ、村の力比べ大会に出るつもりなの?」
ジャイロ「ああ、その為に毎日トレーニングを積んできたんだ」
女将「まったく・・・家の手伝いもしないでそんなことばっかり。そんなお祭りはいいから、まきわりしてちょうだいな」
ジャイロ「母ちゃんの・・・バカヤロウ!」
走り去るジャイロ。

大会会場。そこにはジャイロ、そして何故かチビキングも出ると張り切っている。
司会「ここにある一番重いものを持ち上げたものこそが森一番の力持ち!まずはドングリ二つ!果たして見事持ち上げるのはどの勇者か。それでは・・・位置について、よーい・・・ドングリ!」
持ち上げるジャイロ、そして・・・
ポポ「うわーっ、持ち上げたよ、チビのやつ!」
セラン「カッコイイ!チビキング〜!」
チビキング「あいや〜(はぁと)」
次は栗、なんとジャイロとチビキングが持ち上げた。
ポポ「今までちっとも役に立たなかったのに」
司会「それではラストバトル!このりんごを持ち上げたものが優勝だ!両者位置について、よーい、ファイト!」
ジャイロ「おまえなんかに負けてたまるか」
チビキング「それはこっちのセリフじゃい」
必死で持ち上げようとするジャイロとチビキング。
ポポ「はあ〜、チビのやつ無理しちゃって」
セラン「チビ・・・」
セランがチビキングの方へ飛んでいった。
セラン「頑張れ〜、頑張れ、チビ〜」
チビキングの周りを飛びながら応援を始めた。
ポポ「セラン!」
チビキングの周りを飛び続けるセラン、するといつしかそこに不思議なパワーが生まれ・・・
チビキング「うー・・・力がみなぎってきたーっ!」
なんと体の何倍もある大きなりんごを持ち上げてしまった!
ササラ「愛の力じゃ」
ポポ「愛の・・・力?」
ササラ「虫たちにはかつて仲間に力を与える不思議なパワーがあったと聞く」
ポポ「じゃ・・・セラにはその力が」
ササラ「あの子は弱ってしまった森の虫たちを救うべく生まれてきたのやも知れん」
ビビ「この勝負、チビキングの勝ちか」
ジャイロ「くっそー、負けてたまるか!」
りんごから手を離し、重いものを持ち上げようとするジャイロ。
ビビ「おーいおい、それは無理だって!ブーにだって持ち上がらないよ!」
ジャイロ「いやー、やってやるーっ」
そこへ駆けつけた女将とブー。
女将「ジャイロ!いい加減におし、ケガでもしたらどうするの!?」
ジャイロ「ケガしたってかまわない、おいらは勝つ!おいらは・・・おいらは・・・この森を・・・守るんだーっ」
女将「!」
ジャイロ「虫がいなくなっちまったんだから、おいらがこの森を・・・母ちゃんたちを・・・守るんだーっ!」
ポポ「そうか、それでジャイロは傷だらけになって毎日体を鍛えてたんだ」
女将「ジャイロ・・・」
涙をため歯をくいしばったジャイロ・・・ついに大きな木の実を持ち上げた。そのジャイロに駆け寄る女将。
女将「ジャイロ!よくやったね、ジャイロ!」
ササラ「心から何かを守りたいと思う気持ち、それも愛の力じゃ」
チビキング「やるな、おまえ」
ジャイロ「おまえもな」

温泉に浸かっているチビキングとジャイロ。それを見守るみんな。
女将「子供だ子供だと思っていましたが、いつの間にかたくましくなってくれてたんですね」
セラン「ばばさま、お願いがあります」
ササラ「ん?」
セラ「セラ、いっぱい飛べるようになりました。一人でご飯も食べられます。だから・・・みんなと一緒に旅しちゃ駄目?」
ササラ「セラン・・・」
ドアン「それはまだ早い!のう、ササラばあ?」
チビキング「オレからもお願いします。オレ、セランちゃんがいると力が出るんです。森を元通りにしたいという力が」
ポポ「チビ!」
セラン「ばばさま、セランは離れてもばばさまやみんなを思います」
サララ「セラン・・・この地でこちらの方たちを再会したというのもおまえの運命やも知れん。げんにそのチビとやらのおかげでおまえの力が目覚めたのじゃから」
セラン「ばばさま・・・」
ササラ「託しても良いか?わしらの宝を」
ポポ「・・・はい!」
大喜びで宙を舞うセラとチビキング。
セラン「チビ、これからもよろしくね。チュッ!」
セランのキスにクラクラと落ちていくチビキング、それを受け止めるポポ。


脚本:高橋ナツコ
絵コンテ:入好さとる
演出:石倉賢一

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「ネブ博士、ムシキングはカッコイイのう!これは何のワザじゃ?」
ネブ博士「ブラック博士、今更そんな〜。これはトルネードスロー、基本中の基本だよ」
ブラック博士「おお、そうじゃったな」
ネブ博士「この他に究極の必殺ワザ、スーパートルネードスローもあるんだ!覚えておいてね」

MACAPONの解説と感想

まさかあの森の民の赤ちゃんに出会えるなんて思ってもみなかったね。しかもポポたちの仲間として一緒に旅をすることになるなんて。
チビキングの力にも驚いたよ。
愛の力、心から何かを守りたいと思う気持ち、それも愛の力。
パサーもグルムもチョークも、そしてムシキングも赤い目をした甲虫たちも登場しなかったけど、これからの旅への大切な力を得たよね。

何かを真剣に考えること、誰かを心から思うこと守ること、ボクも「愛の力」を身につけることができるかな?

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO

パム:宍戸留美
ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己

リンダ(女将):山像かおり
ジャイロ:竹内順子
司会者:伊丸岡篤
少年:吉本理江子

セラン:皆口裕子
ドアン:筈見純
ササラ:京田尚子

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第12回 もう一人の少年(6/22)
ダイジェスト

チビキング「コーカサスオオカブト、ノコギリタテヅノカブト、エレファスゾウカブト、アトラスオオカブト、み〜んなオレたちが戦ってきた甲虫だ、セランちゃん」
黄色い花粉で作った甲虫を並べて説明しているチビキング。
セラン「みんなチビと同じでツノツノですね」
ポポ「花粉だんごをそんな形にして・・・」
ビビ「食欲なくすだろ」
バビ「どっから食べたらいいのよ、これ」
ブー「いいだよ、ブー」
チビキング「わかったよ、この甲虫だんごはオレとセランちゃんで食べてやるーっ!」

(タイトル)

川の上の崖を行くポポたち。
ビビ「落ちたらお陀仏だなぁ」
それを影から見ているチョーク。
チョーク「ふっ、生きてこの川を越えられるか」
ポポ「あっ」
ビビ「これをつり橋と言うヤツがいたらオレは怒る」
深い谷にかかっているのは古い丸太の橋。ちょっとしたことでも大きく揺れ危ない。だがポポが真ん中まで来た時、その丸太に向って大きな岩が落ちてきた。
ビビ「止まれ!」
岩は丸太を直撃、真っ二つの割ってしまった。落ちていく丸太、ポポ・・・、パム。バビがロープを投げ、それにパムを絡めた、セーフ!
チビキング「ポポ!」
ポポ「うわーっ!」
ビビがロープを投げた!だが届かない!しかし・・・
ポポの体が急流目前のところで止まった。
チビキング「助かったな・・・」
誰かが投げたロープがポポを救ったのだ。

難を逃れたポポたちが谷の上にいる。
バビ「出てきたね」
その視線の先には一人の少年が。
ビビ「なかなかいい腕してるな」
ブー「ポポ命拾い」
バビ「ほら、このロープ」
少年に差し出した。
バビ「使い込まれてるねー」
だがロープを受け取ると少年はクルリと背を向け歩き出した。
ポポ「あ、あのう・・・ありがとう」
ビビ「オレたちは芸をしながら旅をしてるんだ」
ポポ「キミはひとりで旅してるの?」
少年「旅・・・ね」
またクルリと背を向け歩き出した。
少年「自分の命を自分で守れないヤツに旅をする資格はない」
少年はロープを巧みに使い岩から岩へと飛び移りながら行ってしまった。
ビビ「ほ〜」
セラン「カッコイイです」
バビ「さ、私たちも渡りましょ」
ロープを使いながら谷を渡り始めるポポたち。それを見ているチョーク。
チョーク「セアク、お前のその大きなアゴであの子を挟み込んで連れておいで」
赤い目をしたセアカフタマタクワガタがブーにつかまってロープを渡っているポポに向って行った。ポポを抱えたまま落ちるブー、助けのロープを投げるバビ。さっきの少年も現れ弓を打つ。バビのロープで何とか谷の上に這い上がるブーとポポ。
ビビ「急げ!」
追ってくるクワガタ。
少年「こっちだ!」
そこには洞窟が。一目散に逃げ込むポポたち。突進するクワガタ、洞窟の入り口にぶつかり倒れる。
チョーク「チッ、役立たずが!」

ポポ「あの・・・ありがとう。二度も助けてくれて」
少年「礼はいい」
また歩き始めた。
セラン「カッコイイ〜」
チビキング「えー、どこがカッコいいんだ〜」
少年を追いかけるセラン。
セラン「私セラン、お名前を教えて下さい」
突然少年の前に飛び出したセランに驚き後退りする少年・・・足を踏み外し崖から落ちそうになる。
少年「あ、ああ・・・」
ポポ「は!」
駆け寄り少年の手を掴む。
ポポ「お礼はいいからね。大丈夫?」
少年「かまうな!」

落ちかけた時に受けた傷をバビに手当てしてもらっている少年。
バビ「これでよし、と」
少年「この中に樹液が入っている。礼はこれで」
バビ「何言ってんの、お礼はいいって」
ポポ「ぼくたちだって助けてもらったんだし」
少年「わかった。でも、感謝はしない。お前たちが勝手にやったことだしな。さー、もう先に行ってくれ。なんか、あんたらヤバそうだし、一緒にいるとオレまで危険な目にあいそうだ。さっきのクワガタは明らかにお前を狙ってたしな」
チビキング「こんなヤツにかまってる暇はないぜ、行こうポポ」
少年「ポポ!?お前がポポか?」
ポポ「何でボクのこと知ってるの?」

(CF)

ポポ「母さんに会ったって?ホントに?」
少年「もし旅の途中でお前に会ったら伝えて欲しいと言われた」
「森の力がどんどん弱くなっている。急いでポポ。いつか全ての森がまた緑で満ちる時が来る」・・・それが母の言葉だった。
少年「どうしてこの世界にこんな異変が起きてるんだ?」
ポポ「わからない。パワーってヤツのせいかと思ったけど、違うみたいだし」
少年「パサー?」
ビビ「さっきの赤い目をした甲虫を操るヤツラの仲間さ」
少年「厄介な知り合いが多いな。ま、あの赤い目をした甲虫たちはあちこちで森の民を襲って光に変えているらしいがな」
ポポ「一体何のためにそんなことを?森の力が弱まっていることと関係があるのかな」
パム「色々な森で色々な争いを見た。生きる為の争い、支配する為の争い、憎しみが生む争い」
少年「あの甲虫たちはどうしてあんな赤い目をしているんだ?」
バビ「知りたがりの坊や、じゃこっちも聞くけど、お前は何で旅をしているんだ?」
少年「あんたたちには関係ないだろ」
バビ「可愛くないわねー」
少年「あんたらが行かないなら、オレが先に行く。じゃな」
立ち去る少年。
ビビ「オレたちも行くか」
バビ「そうね」
ポポ「ねー、ビビ」
歩き始めたビビたちに背を向けたままポポが声をかけた。
ビビ「なんだ?」
ポポ「ビビたちはいいの?ボクと一緒にいると甲虫たちに襲われるでしょ」
バビ「今更何言ってんの?」
ビビ「オレたちはあてのないたびだしな。それに・・・プゥやデーからお前を託されたような気もするんだよ」
立ち止まって聞いていた少年。
少年「やっぱりあんたらに関わるんじゃなかった」
パム「あなたなの・・・?」
パムが突然歩き始めた。その先には赤い目をしたコクワガタが!駆け寄りパムの前に立ちふさがるビビたち。
ビビ「わかるだろ、いつものあいつじゃない」
ポポ「あれ・・・パムのコクワだよね?」
キィィィ、コクワが鳴いた。
ポポ「目が赤い!」
バビ「パサーたちの仲間になったってこと!?」
ビビ「・・・かもしれん」
バビ「おそらくさっき入ってきたところにはセアカフタマタがいるわね?」
ブー「はさまれた」
ビビ「セアカか・・・コイツを倒さないと外に出られないってことか・・・倒しやすいのは・・・」
ビビがコクワを見た。「キィィィィ」、叫ぶコクワ。
ポポ「パムのコクワと戦うの?」
少年「この子のクワガタ?アンタも甲虫使いの仲間ってわけだ」
ポポ「パムは違うよ」
少年「見方を装った敵かもしれないだろ。信じられるのも頼れるのも自分だけだ」
ポポ「あ」
ビビ「やめろパム」
バビ「あっ」
突然パムの体が浮きあがり、コクワの前に飛んで行った。見つめ合うパムとコクワ。「キィィィ」叫ぶコクワ。
その時少年が弓を引いた。
ポポ「やめろ!何をする気だ」
少年「生きて旅をするには襲ってくるやつは容赦なく倒すしかないだろ」
ポポ「そんな・・・」
一歩一歩ゆっくりとコクワに近づくパム、そしてその角に手を置いた。「キュルルルル」鳴くコクワ。
パム「あなたは戦いを好まない。誰かを襲ったりはしない」
その体を優しく撫でるパム。「キューン、キュルルル」悲しい声で鳴くコクワ。
パム「私を守ってくれた記憶は消えていないはず。思い出して」
「キュルルル・・・キュルルル・・・キュルルルル」悲しい声で鳴き続けるコクワ。
ポポ「聞こえる・・・コクワガタの声だ。苦しそうで辛そうな悲しい声。争いたくなんかないんだ。戦いたくなんかないんだよ。あのコクワガタは・・・」
その時コクワめがけビビが走り出した。
ポポ「ビビ、やめて!」
ビビはパムの体を抱え上げ、ブーに向って放った。「キィィィィ!」叫ぶコクワ。その時、別の甲虫が飛んできた。
ビビ「タランドゥスツヤクワガタ!」
再び洞窟の中に逃げるポポたち。だが、目の前にチョークが!
チョーク「八方ふさがりだね」
なんと、セアカフタマタ、コクワ、タランドゥスに囲まれてしまった。
ビビ「完全にふさがれたな」
が、そこにあのグルムが。
グルム「オレのタランドゥス、お前らを光にする!」
チョーク「光にされたくなければ守護者の証を渡せ!」
胸に下げた守護者の証を握り締めるポポ。
ポポ「これは渡せない」
少年「それがあいつらの狙いか?それは何だ?」
ポポ「わからない。でも・・・渡せない!」
チョーク「だったら、光にして奪い取るのみ!」
その時、守護者の証が光り・・・
ポポ「ムシキング!」
少年「4匹目だ。あの甲虫は味方なのか?」
ビビ「だが、3匹を相手にしたんじゃ・・・」
バビ「ムシキングやばいんじゃない?」
次から次に襲い掛かる甲虫と戦うムシキング。
少年「何をしてる、今の内に逃げるんだ」
ポポ「そんなことはできないよ。ムシキングはずーっとボクを守ってきてくれたんだから」
少年「勝手にしろ」
戦うムシキング。
グルム「グルムの虫、強い」
タランドゥスに放り投げられ岩にぶつかり、仰向けに倒れるムシキング。それを囲む3匹の甲虫たち。
ポポ「ムシ・・・キング・・・」
すると守護者の証が光り・・・ムシキングにパワーが!3匹の甲虫たちを次から次へと倒すムシキング。
チョーク「ちっ、役立たずばかりだ」
逃げ去るチョーク、それを追うグルム。だが少年のロープがその体を捕らえた。
少年「あの甲虫たちは何なんだ?」
グルム「ムシ・・・アダー様が赤い目にする」
少年「!」
グルムは少年を突き飛ばし逃げ去った。倒れる少年に駆け寄るポポ。
ポポ「大丈夫!?」
少年「もう少しで聞き出せたのに。オレを助ける暇があったら、あいつらを追え」
チビキング「ヒィィィィ、迷子になっちゃったよ〜」
ポポ「今度からはあまり遠くへ行くなよ」

コクワと向かい合っているポポたち。
パム「もうお行き」
バビ「一緒にいるとまたつかまって赤い目にされるかもしれないからね」
「キュルルル・・・」悲しそうに首を横に振るコクワ。
パム「私はお前のことを忘れない。離れていても」
ポポ「また会えるよ。いつか、きっと」
「キューン、キュルルル」悲しく声で別れを告げると飛び去って行った。
パム「いつか・・・とは、いつ?」
ポポ「ボクにもわからない。でもその時はきっと来るよ。それにしてもまた遺跡と反応して光って、その光をムシキングに与えた」
少年「あいつらはお前のその力がよほど欲しいらしいな」
ポポ「ボクの力じゃ・・・これは父さんがくれたもの」
少年「お前の父さんがくれたもの?その父さんというのはどこにいるんだ?」
ポポ「輝きの森」
少年「輝きの森?東の果てにあるという」
ポポ「行ったことあるの?」
少年「いや、オレもまだない。・・・行くぞ!」
ポポ「ん?」
少年「仮を返すまでお前らのたびに付き合ってやる」
セラン「ホントですか?あの・・・お名前は?」
少年「ソーマ」
歩き始める少年、ソーマ。また一人仲間が増えた。
ポポ「あいつと仲間になんかなれるのかな」


脚本:吉田玲子
絵コンテ・演出:岡嶋国敬

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「ネブ博士、コクワガタはムシキングの仲間じゃろう?」
ネブ博士「あれは改造されて凶暴になっているんだよ。本当はとてもおとなしい性格なんだ。コクワガタは日本中にいる虫で小さいけどカッコイイよね。みんなも探せば見つかるかも知れないよ」
MACAPONの解説と感想

ついに少年ソーマが登場したね。強くてクールでカッコイイ、セランが夢中になるのもわかるね。
でも今日はコクワが可哀相で涙が出てたよ。コクワは戦いたくなかったんだ、パムたちを傷つけたくなかったんだ。大好きな仲間たちを傷つけるよう仕向けるなんて・・・酷すぎるよ!
いつか・・・って、いつかな。本当にいつかコクワにまた会えるのかな?

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO

パム:宍戸留美
ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己
ソーマ:野島健児
セラン:皆口裕子

ピア:詩乃優花

グルム:上別府仁資
チョーク:木内レイコ

リンダ(女将):山像かおり
ジャイロ:竹内順子
司会者:伊丸岡篤
少年:吉本理江子

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第13回 しのびよる影(6/29)
ダイジェスト

人形を彫っている手。
パサー「また一つ・・・」
窓辺に木彫りの人形がたくさん並んでいる。
パサー「・・・これも運命・・・か」

(タイトル)

ビビ「ふぅ、やっと火山地帯を抜けられたな」
ホッとするサーカス団、はしゃぐチビキングとセラン。しかしみんなと正反対に元気がなく沈み込んでいるポポ。
バビ「やっぱりあの子のせいね」
前を行くのはソーマを見るバビ。
ビビ「・・・だろうな」

ソーマ「あの森に入れば食料が調達できる」
セラン「樹液の出る木がどこかわかるの?」
ソーマ「今までの経験からわかる」
手描きの地図を見るソーマ。
ビビ「ずっと一人で旅してきただけあって、色んなことを知っているようだな」
バビ「頼りになるわよね〜」
ブー「なるなる」
しかし、
ポポ「・・・やっぱり・・・このままじゃいけない」
一番後ろを歩いていたポポの言葉に全員が立ち止まり振り向いた。
ポポ「グルムの言ったこと、覚えてるだろ?
グルム「虫・・・アダー様が赤い目にする」
ポポ「今までボクたちを襲ってきた赤い目をした甲虫たちもみんなアダーというやつに改造されてたんだ。酷いよ、許せないよ。小さい頃からボクは父さんや母さんに教えられてきた、森の民と虫たちは一緒に生きていく仲間だって。その仲間たちがそんな酷い目にあわされているのを知って黙っているわけにはいかないよ!」
ソーマ「で、どうしたいと言うんだ?」
ポポ「アダーを探し出して甲虫を改造するのをやめさせる」
ソーマ「何の手がかりもないのにか?」
ポポ「う・・・」
ソーマ「探したければ勝手に探せ。輝きの森に着くのが遅くなってもよければ」
ポポ「あ・・・」
歩き出すソーマ、無言でついていくパム。
ポポ「パム・・・」
バビ「虫たちを助けたいっていうポポの気持ちも分かるけどさー」
ビビ「ポポの目的は輝きの森に行くことだろう?父さんを探し出して母さんを助けてもらいたいんじゃないの?」
ポポ「だけど」
バビ「ソーマの話じゃポポの母さんももう時間がないって言ってるらしいし」
うつむくポポに母さんの声が聞こえた「森の力がどんどん弱くなっているの、急いでポポ」
ポポ「う・・・」
ビビ「回り道をしている暇はないよな」
歩き出すサーカス団。
ポポ「そんなの・・・当たり前じゃないか。母さんを助けたいのは当然だよ!だけど、だけど・・・虫たちのことだって・・・」

森を行くポポたち。相変わらずポポは沈み込んでいる。
チビキング「あっ、この匂いは!?」
ソーマ「見ろ、クヌギの木だ!」
全員「おーっ!」
目の前に樹液があふれたクヌギの木々が!
チビキング「樹液だーっ」
ビビ「樹液〜っ!」
バビ「いただきまっす〜!」
ブー「ます〜!」
木に向って走り出すチビキング、それに続くサーカス団。が、地面から突然現れた網にチビキングがかかった。
チビキング「うわっ」
サーカス団「ああっ」
ポポ「チビ!」
チビキング「助けてくれよ〜!」
チビキングの前に大男が現れた。「なんだこの小さなカブトムシは」チビキングを掴み上げた。
ポポ「チビを返せ!」
大男「お前のか?俺らの猟場に余計なもの入れるな!」
ポポ「・・・猟場?」
何と大男は野生に暮らすメンガタクワガタを狩ろうとしているのだった。
ポポたちの目の前で罠にかかり、捕らえられるクワガタ。
大男「やった!」
仲間の現れた。
大男の仲間「やった、捕まえた!ははははは」
大男の仲間「これでまた生き延びられるぜ」
大男「アダーに光に変えられずにすむ」
ポポ「アダー・・・今アダーって」
ビビ「ああ、オレも聞いた」
ポポ「それじゃ、あの虫はアダーの為に」
大男たちは生き延びる為、メンガタクワガタを狩ってアダーに捧げていたのだ。
ポポ「逃げろ、早く逃げるんだ」
網を切ってクワガタを逃がそうとするポポ。
ポポ「捕まえた虫はアダーのところに連れて行くのか!?」
大男「それがどうした!?」
ポポ「虫たちがどんな目に合わされているか、知っているのか!?」
大男の仲間「そんなもん、知ったこっちゃねー」
大男の仲間「虫を差し出さなきゃ俺たちが光に変えらるんだ」
ポポ「だったら戦えばいいじゃないか。自分たちが生き延びる為に虫たちを犠牲にするな!」
クワガタの前に立ちふさがるポポ。
ポポ「渡さない。絶対に渡すもんか!」
大男「この盗人がーっ!」
ポポを狙った武器を投げ縄で奪い取るバビ。逃げ出す大男たち。
ポポ「あいつらを追えばアダーの居場所が分かるかもしれない!」
ソーマ「そんなことして何になる?アダーというヤツに近づけば、きっとまた凶暴な改造甲虫が出てくるに決まっている。勝ち目はない」
ポポ「そんなの、やってみなければわからないじゃないか」
ソーマ「ならば勝手に行け」
ポポ「・・・」

木彫りの人形を作るパサーの手。
パサー「ヤツラは近くにいる」
グルム「虫捕りの狩人が邪魔されたそうだ。小さなカブトムシを連れたたびの者たちにな」
チョーク「だとしたら、チャンスだねー。私ら三人が力を合わせれば守護者の証を奪い取るのはもちろん、今までの恨みも晴らせるに違いない」
パサー「そうか・・・現れたか、小僧」

(CF)

罠にかかり倒れているクワガタの傷口に何かの葉を巻きつけているソーマ。
ポポ「それは?」
パム「ウランの葉。抗菌作用が強く、化膿や炎症を抑える効果に優れている」
ソーマ「しばらくすれば傷は癒える」
ビビ「そんなことまで知ってるとはな」
セラン「ほんとにソーマ様はすごいです」
そんなみんなから一人離れていくポポ。
ポポ「ボクにはあんなこと出来ない。虫たちを助けたいとか言ってもケガを治してやることすらできないんだ」
チビキング「ポポ・・・」
そこへ蝶と共に現れたチョーク。
チョーク「飛んで火にいる夏の虫かい?おっと、アンタは虫じゃなかったね」
ポポ「チョーク」
グルム「ここ俺たちの庭、おまえ逃げられない」
ポポ「グルム」
グルム「今までの借り、返す。おまえ倒して守護者の証、奪い取る!行けーっ、エレファスゾウカブト!」
その声に空からエレファスゾウカブトがポポめがけて急降下してきた。
ビビ「逃げろ、ポポ!」
戦うビビとバビ。
バビ「今のうちよ」
逃げ出すポポとチビキング。
チョーク「こしゃくなヤツラだね。邪魔するんじゃないよ!」
チョークのセアカフタマタクワガタがビビとバビを倒しポポを追った。危ない!追いつきそうになったクワガタを前をソーマが投げた大きな木の幹が塞いだ。
ポポ「ありがとう!」
ソーマ「安心するな、また来るぞ!」
その言葉どおり、再びエレファスゾウカブトが飛んできた。その時、守護者の証が光った。
ポポ「ムシキング!」
チョーク「出てきたね、ムシキング。今度こそ息の根を止めてやる」
だが、ムシキングはエレファスゾウカブトとセアカフタマタクワガタをねじ伏せ雄たけびを上げた。
ポポ「やったっ!」
チョーク「まだ勝ったと思うのは早いよ」
ポポ「ムシキングは負けない!おまえの操る甲虫になんか」
「それはどうかな?」
ポポ「その声は・・・パサー!」
パサー「また会ったな、小僧」
ポポ「あんた、あの鍾乳洞の中で死んだんじゃなかったのか?」
パサー「まだ死ぬ運命ではなかったようだ。ふっふ・・・運命が再び俺をおまえの元へと導いた。おまえから守護者の証を奪い取れとな。元々おまえは俺に守護者の証を渡し、光となる運命。受け入れろ、ポポ!」
ポポ「ボクはまだ光になんかならない。鍾乳洞の中でアンタはボクを助けてくれた。その時言ったじゃないか。運命を受け入れるのは真実を知った後でも遅くないって。ボクはまだ何も知らない。この森がなぜ滅びに向っているのか、アダーがなぜ虫たちを改造しているのか、何も知らないんだ。知らないまま光になんかなりたくない。この世界で何が起こっているのか、それをボクは、ボクは知りたいんだ」
パサー「知ってどうする?おまえに何ができる?何もできはしない。おまえが知るのは自分がいかに無力であるかという事だけだ」
パサーの後に赤い目の甲虫が現れた。
ビビ「コーカサスオオカブト!」
グルムの後ろにも現れた。
バビ「タランドゥスツヤクワガタ!」
チョーク「ムシキングはアタシが引きつけておくよ」
チョークの後でセアカフタマタクワガタとムシキングが!
チョーク「その隙にさっさと守護者の証を奪っちまいな!」
コーカサスとタランドゥスに挟まれたポポたち。
ソーマ「走れるか?」
ポポ「うん・・・」
ビビ「よし、今だ!
ソーマ「走れ、こっちだー!」
走り出したポポたちを追うコーカサス、タランドゥス。ムシキングもセアカを振り切ってコーカサスたちに向った。
ビビ「ここは俺たちが食い止める。ポポとソーマはパムを連れて逃げろ!」
ソーマ「早くしろ、ポポ!」
セラン「大丈夫、ムシキング負けない」
戦うムシキングとサーカス団。だがタランドゥスとセアカ2匹を相手のムシキングは遂に地面に叩きつけられてしまう。
チョーク「残るは守護者の証だけだ、行け!」
コーカサスに行く手を阻まれているサーカス団の目の前を2匹の甲虫がポポたちに向って飛んでいく。
ビビ「くそっ」
パサー「さらばだ・・・ポポ・・・光になれ!」
だが、その時、
「やめろ!」
その声にタランドゥスとセアカの動きが止まった。
「彼らを殺さず、連れて来い」
パサー「後一歩のところで、なぜ!?」
チョーク「アダー様のお申し付けだ」
どこから現れたか蝶の大群がポポたちを包んだ。
ポポ「逃げろ!こいつは邪悪だ!」
だが、次の瞬間ポポとチビキングが倒れ、そしてソーマも倒れてしまった。彼らの横に呆然と立ちすくんでいるパム。
チョーク「邪魔しないように見張っときな」
3匹の甲虫がサーカス団を囲んだ。
ポポたちに近づくパサー、グルム、チョーク。
チョーク「うっ!」
倒れているソーマの顔を見たチョークの顔色が変わった。
パサー「どうした?」
チョーク「いや・・・」
パサーがポポの首から守護者の証をはずした。
パサー「行くぞー」
グルム「俺、こいつ連れてく」

残ったのはサーカス団が見つけたのはセラン・・・そして戦いに敗れ倒れているムシキングだった。

洞窟のようなところで目覚めたポポの足は鎖に繋がれていた。目の前には守護者の証を持ったパサー。そしてそこに黒いマントを着たもう一人の・・・
ポポ「おまえは?」
マントの男「我が名は・・・アダー」
ポポ「アダー!」


脚本:上代 務
絵コンテ:福田道生
演出:米田光宏

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「ネブ博士、ひどいことをするのう。この可哀相なクワガタは・・・んん・・・と」
ネブ博士「メンガタクワガタだよ。アフリカに住んでいる珍しいクワガタなんだ。超必殺ワザは弾丸。体を捻りながら体当たり、豪快なワザなんだ」

MACAPONの解説と感想

遂にアダーがポポの目の前に現れたよ!
アダーは何の為に森を破壊しようとしているんだろう、なぜ守護者の証が必要なんだろう?いよいよ分かる時が来たのかな?

それにしても今回は色んなことが目まぐるしく起こってドキドキハラハラだったね。
おかあさんを救うことと虫たちを救うこと、先にやらなければいけないことってどっちなんだろう?ポポはどっちに進むんだろう?

セランは・・・ムシキングは・・・大丈夫かな?

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO
パム:宍戸留美

ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己
ソーマ:野島健児
セラン:皆口裕子

狩人:鶴岡聡、植岡由紀子、飯田

パサー長島雄一
グルム:上別府仁資
チョーク:木内レイコ
アダー:佐藤正治

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第14回 遭遇 (7/06)
ダイジェスト

セラン「・・・ぁ・・・?」
バビ「気がついたか!?」
ビビ「おお、大丈夫か?セラン」
セラン「ビビ・・・バビ・・・あぁ、ポポとソーマ?」
ビビ「やつらに連れ去られた」
バビ「パムも一緒にね」
ビビ「その上、ムシキングもあんなことに」
仰向けに倒れているムシキング。
ブー「ガンバレー、ガンバレー」
セラン「ムシキング・・・」
ビビ「俺たちはパムたちを助けに行く」
バビ「セランはここに隠れてな」
セラン「やだ、セランも行く!」
バビ「駄目!敵のアジトに乗り込むんだ、どんな危険な目にあうかわからないんだよ」
ビビ「いいな、何があっても絶対ここから動くんじゃないぞ、分かったな!」
セラン「う・・・うん」

ある洞窟の中、どうやらアダーのアジトらしい。
鎖で繋がれているポポ。目の前にはアダーと守護者の証を持ったパサー。
ソーマとパムも捕らえられていることに気づく。
ポポ「ソーマ、パム」
不安げなパム。
ポポ「大丈夫だよ。必ず助けてあげるから」
その時、上から大きな檻が降りてきた。中にはメンガタクワガタが!そしてその檻はそのまま赤い水の中に・・・「キィィィィィ」クワガタの悲鳴。
ポポ「まさか・・・」

ポポたちを探して森を走るサーカス団。

その頃セランは・・・「元気を出して、ムシキング」不思議な光を放ちながらムシキングの周りを飛び回っていた。その光は少しずつムシキングにパワーを蘇らせ・・・遂に蘇らせた。「グォォォ!」雄たけびをあげるムシキング。

洞窟の中。
ポポ「なぜだ!?甲虫を改造して他の虫や森の民を襲わせるんだ?」
アダー「それが私の使命」
ポポ「使命?」
アダー「全ての命を天に帰す」
ポポ「命を・・・天に?」
アダー「全ての命をな」
ポポ「そんなことをして何の意味がある?」
アダー「全てが元に戻る。本来あるべき姿に、あるべき場所に戻っていく」
ポポ「なんだよ、それ?何を言っているのか全然わかんないよ」
パサー「知る必要はない。言っただろ、おまえが知るのは自分の無力さだけだと。守護者の証を手に入れた今、もはやおまえに用はない。まもなくおまえの生命(いのち)も光となって天に帰る。それが運命だ。ヒヒヒヒ」
アダー「この子は別だ」
ソーマ「別?」
アダー「父に代わり馳せられた使命を果す」
ポポ「父に代わりって、どういうこと?」
アダー「おまえの父は森の民ではなくなってしまった」
ポポ「え!?」

洞窟の入り口にある木の上で見張りをしているチョークとグルム。
グルム「来た、ヤツラだ!」
サーカス団たちだった。
チョーク「泣かせるじゃないか、仲間を助ける為、危険を顧みず来るなんてね。だが思いどうりにはさせないよ。行け!セアカフタマタ」
グルム「タランドゥス!」
サーカス団に向って空から襲い掛かるセアカとタランドゥス。
ビビ「さっそくおいでなすったぜ!」

洞窟の中。
ポポ「父さんが森の民じゃなくなったって・・・まさか父さんも光に・・・嘘だ、嘘だ、そんなの信じるもんか!」
アダー「我が僕となれ、ポポよ・・・」

2匹の甲虫たちと戦っているサーカス団。そこへ、
バビ「ムシキング!」
ムシキングが飛んできた。
チョーク「まだ生きてたのかい」
グルム「よくも・・・。やれ、タランドゥス!」
再び戦いが始まった。
ビビ「くっそー、このままじゃ中に入れねー」
バビ「いいこと考えた!虫を操っているのはあいつらだ、私たちがあいつらを攻撃すれば」
ビビ「なるほど、虫たちは二人を守る為に戻ってくる。その隙に」
バビ「そう、ムシキングを中に突入させる」
ビビ、ブー「うん!」
ブー「だけど、どうやってあそこまで登る?」
そこへセランが飛んできた。
バビ「セラン!」
セラン「セランも戦う」
ビビ「おい、待て!」
チョークたちがいる木の上に飛んでいくセラン。
ビビ「あいつ・・・」
爆弾を投げ込むセラン。ドカーン!
グルム「ゴボゴボ」
チョーク「ゴホゴホ・・・くそー」
その間ムシキングは2匹の甲虫と、、サーカス団は洞窟の重い扉と戦っていた。ググググ・・・力を振り絞るブー、そして開いた!
ビビ「今だ、ムシキング」
バビ「突っ込めーっ」
ブー「うぉーっ!」

洞窟の中。
赤い目に改造されたメンガタクワガタがパムとソーマに襲い掛かろうとしていた。
ポポ「パム!ソーマ!」

(CF)

洞窟の中を探し回るサーカス団。

チョーク「申し訳ございません。ムシキングが場内に進入しました」
ポポ「ムシキングが!?」
アダー「捕らえよ」
パサー「お待ち下さい。なぜ倒せではなく捕らえよと?」
アダー「ん?」
パサー「その小僧もなぜ生かしておくのです?光となる生命(いのち)なら一思いに」
チョーク「うるさいね!我らはアダー様の僕。命令に従えばいいんだよ!行くよ!」
出て行こうとしたその時、ドアを蹴破ってムシキングが入ってきた!
アダー「ムシキング!」
グォォォォ!赤い目をしたメンガタクワガタを投げ飛ばし、一気に倒した。するとメンガタがぶつかった洞窟の天井が割れ、そこから赤い水が。
アダーに向っていくムシキング。その角が触れようとしたその時、アダーの姿が・・・
ソーマ「消えた!?」
ポポ「どこに逃げたんだ?」
パム「逃げてはいない。最初からここには存在していない。存在していたのは幻影。アダーの実態は別の場所」
パサー「ふふ・・・ふふふふ、ははは、はははは」
ポポ「パサー」
赤い水は洞窟を満たそうとしていた。そして捕らえられ改造された甲虫たちが一斉に動き出した。
パサー「アダーは俺に全ての生命(いのち)を天に帰せと言った。それが俺に与えられた使命だと。だがおまえだけは例外だと言う。なぜだ、なぜおまえだけが!?」
パサーにアダーの声が蘇った「選ばれし者よ」
パサー「認めん!俺は認めんぞ!」
ポポの前にナイフをかざすパサー。
パサー「おまえが選ばれし者ならば、それを証明してみろ!えいっ」
ポポに向ってナイフが飛んだ!
ポポ「う・・・」
だが、ナイフはポポではなく、ポポを繋いでいた足の鎖を切った。
パサー「こいつ(守護者の証)もおまえが真に選ばれし者なら取り戻せるはずだ」
走り去るパサー。だがポポは追う前にソーマたちの鎖をとこうとする。
ソーマ「あれはおまえの大切なものなんだ、早く取り戻せ」
ポポ「行けないよ」
パサー「う!?」
ポポ「二人を置いて行けるわけないだろ」
パサーのナイフで鎖を切るポポ。そこへサーカス団たちが助けにやってきた。
ポポ「ボクは行かない。守護者の証を取り戻さないと。絶対に取り戻して見せるから」
パサーが消えた方へ走り出すポポ。
ソーマ「ポポ!」
パムをサーカス団に渡したソーマ、
ソーマ「パムを頼む」
ポポを助けに戻る。
ビビ「何をするんだ、ソーマ!」
ソーマ「あいつは一人で逃げずに俺たちを助けてくれた。だから置いては行けない!」
赤い水はますます溢れ、洞窟も崩れ始めた。逃げようとするサーカス団の行く手にも瓦礫が。そしてブーがその下敷きに。
ビビ「くそー、出口を塞がれた」
バビ「他に出口は!?」
パム「ない・・・戻れば赤い水に飲み込まれる」
ビビ「この瓦礫を取り除くしかねー」
ビビが瓦礫に手をかけたその時、瓦礫が宙に浮き、下からブーが現れた。
ビビ「無事だったか!」
ブー「早く」

窓辺で彫り物をしているパサー。
パサー「来たか・・・小僧」
ポポ「パサー、守護者の証を返せ!」
パサー「おまえが真に選ばれし者なら、取り戻せると言ったはずだ」
ポポ「お願い、返して」
ゆっくりと近づくポポ。だがそんなポポをパサーは殴り飛ばし、壁に叩きつけた。
ポポ「くそー!・・・はっ・・・」
起き上がろうとしたポポの目に入ったのは木彫りの人形たちだった。
ポポ「この木の人形、あんたが彫ったのか?」
パサー「それがどうした!?」
ポポ「笑った顔、泣いた顔、怒った顔、色んな顔・・・」
ソーマ「ポポ」
ポポ「何でこんなにいっぱい?」
パサー「おまえには関係ない!」
ポポ「本当は笑いたいから」
パサー「う・・・」
ポポ「本当は泣きたいから、怒りたいから、だからこれを彫ったの?」
パサー「黙れ!そんなことより、俺と戦え!ここで決着をつけることが俺とおまえの運命だ」
ソーマ「ポポ!」
ポポ「おとなしく光となって父のもとへ行くがいい」
ポポ「父さんは生きている!アダーの言うことなんか信じない!」
その時地響きがして全てが崩れ始める。パサーの上にも岩が!とっさにパサーに飛び掛り、跳ね飛ばすポポ。
ソーマ「ポポ!」
崩れた岩の横でパサーとポポが倒れている。
パサー「なぜ・・・俺を・・・助けた?」
ポポ「これでおあいこだね。前にボクはあんたに助けてもらったから」
パサー「う・・・」

崩れている洞窟を外から見ているチョークとグルム。
グルム「あいつらのせいで俺のタランドゥスも。絶対に許さない」
チョーク「どうせ助かりっこないよ」

セラン「ポポとソーマは?」
パム「生存率2%」
ビビ、バビ、ブー、セラン「えっ!?」
パム「ポポは通常の計算式には当てはまらない。不確定要素がある」

ポポ「一緒に逃げるんだ、パサー!」
パサー「ふんっ、俺にも大切な虫たちがいる。見捨てては行けん。おまえと会って、俺も運命と戦ってみたくなった」
崩れる音。
パサー「生きろ、ポポ!」
守護者の証をポポに手渡すパサー。
パサー「生きて輝きの森へ行け!全ての謎はそこにある」
走り去るパサー。
ポポ「パサー!」

全てが崩れていく。

パム「不確定要素」

走るポポとソーマ。

パム「未知の可能性」
崩れ落ちる中から駆けてくるポポとソーマが見える。
ビビ「ポポーっ!」
バビ「ポポ!」
ブー「ポポ!」
セラン「ソーマ様!」
駆け寄るサーカス団たち。
チビキング「ポポーッ!」
セラン「チビ?」
走ってくるポポとソーマ。
ポポ「みんなー!」
パム「その可能性とは何なのか?今はまだ分からない」
チビキング「ポポーッ!」
ポポ「チビーッ!」
ポポの胸には守護者の証が揺れていた。


脚本:上代 務
絵コンテ:松園 公
演出:石川敏浩

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「ネブ博士、今回のバトルは凄かったのぅ。特にこのターンド・・・ターンド・・・」
ネブ博士「タランドゥスツヤクワガタだよ、ブラック博士、落ち着いてよ。タランドゥスツヤクワガタはアフリカにいる。ピッカピカの黒いボディがとてもキレイだよね」

MACAPONの解説と感想

やっぱりいいよねー。何がって?パサーだよ。人形を彫る時の背中の丸め方、低く不気味な笑い声から不意に飛び出す甲高い笑い声・・・凄い役者さんだよね。え、これはアニメだ、って?うん、確かにそうだけどムシキングはキャラクター一人一人が綿密に選ばれた役者さんが演じてるって思えてならないんだ。そしてその演技によって役が予想以上のふくらみを見せ展開にも重みが出てくる。これからはパサーに注目だよ!

ところでムシキングと赤い目の甲虫たちとの戦いだけど、最初の頃はどうしてもゲームの映像をそのままアニメに取り入れてる感じがあったよね。だけど前回今回と変わってきたね。ムシキングも甲虫たちもなかなかいい演技とアクションを見せてくれてる。

う〜ん、盛り上がってきたよ〜。

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO

パム:宍戸留美
ソーマ:野島健児
セラン:皆口裕子

ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己

パサー長島雄一
グルム:上別府仁資
チョーク:木内レイコ
アダー:佐藤正治

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第15回 沈まぬ太陽  (7/13)
ダイジェスト

高い崖の上から森を見下ろしているポポたち。
セラン「随分遠くまで来たって感じ」
チビキング「村が恋しいのか?」
セラン「でもセランはもっともっと知らない世界が見たいよ。ササラばあたちの分も」
ポポ「本当に世界は広い。自分の森にいた頃は想像もできなかった」
『父さん、これから世界はどうなるの?』両手で顔を覆うポポ。
パム「ポポの疲労指数過去最大」
意を決したように荷物を持ち上げたソーマ。
ソーマ「行こう!」
みんな「ん!?」
ソーマ「北にいい薬草が穫れる村を知っている」
ポポ「北?」
ビビ「輝きの森には遠回りだぜ?」
ソーマ「必要な遠回りもあることを知った。おまえたちに出会って」

ある村に着くポポたち。
ソーマの顔を見て驚き駆け寄る女性。
ミル「ソーマ!」
ソーマ「ごめんよ、ミルおばさん。急に帰ってきて」
ミル「何言ってるの!ここはあなたのふるさとじゃない」
カイ「そうだとも、ソーマ。よう帰ってきた。元気にしとったか?」
ソーマ「はあ、カイおじさん。彼らとは旅の途中で知り合ったんだ」
カイ「良く来て下さった」
ミル「家にお入り。あったかいもん、作りましょうね」
村人「それがいい」
村人「そうしなさい」
村人「ゆるりとな」
ビビ「んじゃ、お言葉に甘えて」
バビ「あたし、こういうおもてなしに弱いのよね〜」
グルルルル。ブーのお腹がなった。
バビ「素直だよ、ブーのお腹は」
ポポ「みんないい人だね」
ソーマ「親に代わってオレを育ててくれた人たちだ」
ポポ「・・・ソーマのお父さんやお母さんは?」
ソーマ「さあな」
ポポ「さあって、おばさんたちも何も知らないの?」
ソーマ「知っていたとしてもオレには言えないんだ。そういう人たちだ」

ブー「う〜、おかわり〜」
食事をご馳走になっているポポたち。
ミル「たくさん食べて下さい。体にいい草をたくさん煎じたスープですから」
家の柱にはソーマの背丈を記した傷がつけられていた。親が消え、ミルたちに引き取られてからつけられた成長の記録だった。
ミル「私たちには子供がいなくて、ソーマが来てくれて嬉しくて嬉しくて」
カイ「ああ、本当にな」
ポポ「あ・・・あの・・・それ?」
ミル「ああ、これ」

ミル「最近食欲がなくてね」
カイ「わしらはこれで充分なんだ」
ポポ「でも・・・」
ソーマ「ご馳走様!薪、割ってくるよ」
ポポ「ソーマ、ボクも手伝うよ」

薪割りをしているソーマとポポ。
ソーマ「おい、言いたいことがあるなら、さっさと言え」
ポポ「いや、あの・・・おじさんたち」
ソーマ「昔から決して豊かではないこの村でオレには絶対にひもじい思いはさせないようにと自分たちの食い物までオレに食わせて、自分たちだって腹が減っているだろうに、それでもオレの前では平静を装っている。そんな二人の思いやりが辛かった」
ポポ「それでソーマは旅に出たの?」
ソーマ「太陽が沈まないこの村には闇夜がない。そして人の心にも闇がない。みんな優しく、温かく、それがオレには重い。カイおじさんやミルおばさんだけじゃない。オレは村全体で大切にされていた。他の家の事同じようで同じじゃなくて、オレだけが特別だった。村全体で大切にされていた反面、どこか恐れられているような気がしていた。オレは・・・オレは化け物なのか?だから母さんも俺を捨てて!?」
ポポ「ソーマ!」
ソーマ「今の話は忘れろ。いいか、同情なんかしたら殴るからな!」
ポポ「なんだよ、それ!?友だちなんだから心配くらいしたっていいだろ?」
ソーマ「友だち?オレとおまえがか?ふ・・・ふふ、ははっ」
ポポ「なんだよ!?ちょっとだけ友だちだからいいじゃんか!」
ソーマ「ポポ、これだけは言っておく。オレは寂しくもないし、哀れでもない。親も友だちもいらない。自分が何なのか知りたいだけだ」
ポポ「じゃ、何でこの村に連れてきたんだよ?」
ソーマ「それは・・・ここにオレの居場所はないともう一度確認する為だ」
ポポ「へそ曲がりなヤツ」
ソーマ「おまえが単純なんだ」
ポポ「へそ・・・曲がり!」

ある洞窟。
アダー「北へ?」
チョーク「はい、アダー様、この蝶が知らせてまいりました」
アダー「あの者が手にしている力をあの者の中にある力を・・・どちらも我々には必要だ」
チョーク「捕らえて連れてまいります」
そこへ一人の男が・・・
アダー「リュークか?」
リューク「は。光が満ちるまでもうしばらくです。我々の翼が生まれるのに」
アダー「確かに、ここまでの長い時を思えばわずかな時間であるかも知れんな」
チョーク「ではこれより北の森へ。あのあたりの地理にはあかるいので」
アダー「では行け、チョーク」

一人空を見ているパム。
パム「・・・蝶?」
カタン!物を落とす音に振り返るパム。
カイ「な・・・なんと・・・蝶が!」
パム「なぜ恐れるの?」
カイ「いや、珍しいこともあるもんだと思って。昔はここらにもたくさんいたからな」
パム『偽りの言葉・・・極度の緊張、恐怖心、心拍数上昇』

高台から村を見下ろしているチョーク。

再びパム。空を見ている。
パム「悲しい声」
ソーマ「声?」
パム「あれは何?」
ソーマ「オーロラだ」
パム「オーロラ?」
ソーマ「この村の言葉で儚い夢という意味らしい」
パム「それで悲しそうに泣いているのね。・・・蝶がまた・・・」
ソーマ「子供の頃、この蝶をよく見た気がする。昔、母さんだった人が言ってた。あの蝶のように・・・」

ソーマの記憶。
ソーマの母「自由に空を舞うことができたなら、もっと色々なことが見えるだろうに」
幼いソーマ「母さんも飛びたいの?空を・・・」
ソーマの母「儚い夢さ」

ソーマ「儚い夢さ」
パム「心が泣いている」
ポポ「えーっ?」
ソーマ「おまえか!?」
ポポ「ごめん、立ち聞きするつもりじゃ」
ソーマ「おまえにだけは聞かれたくなかった」
ポポ「なんだよ、へそ曲がり!」
ソーマ「知りたがり!」
パム「二人は同類。だから二人は引き合い、反発しあう。自分を見ているようで嫌になるから」
ポポ「ボクとコイツはぜんぜん違うって」
ソーマ「当たり前だ。おれはおまえのように子供じみた無茶はしない」
パム「でも二人とも親を追い求めている。愛の為に戦っている」
その時、強い風の音が。
パム「オーロラが消えた!」
そして空に現れたのは?
ポポ「何、あれ!?」
ソーマ「あの・・・影は!?」

(CF)

村に警報が鳴り響く。
村人「どうしたんだい、カイさん」
カイ「空に不吉な影。女子供は家の中に!不吉だ・・・不吉の前兆だ」

丘の上に立つポポ、パム、ソーマ。
ポポ「ねー、ソーマ、あの影は何なの?」
ソーマ「あれは・・・」

ソーマの記憶。崖の上に立つ幼いソーマと母。周りにたくさんの蝶が舞っている。
幼いソーマ「母さん・・・母さん?」
ソーマの母「今なら飛べる・・・ソーマ、見ておいで。飛ぶことにこそ意味がある。知ることにこそ価値がある。夢を見るのはもう終わり」
幼いソーマ「母さん・・・」
ソーマの母「ソーマ、元気でね」
崖を背に倒れていくソーマの母。そのまま落ちていく。
幼いソーマ「母さん!!」
次の瞬間、ソーマの目の前を空に向って飛んでいく母。
幼いソーマ「母さんが・・・飛んでいる。母さん!母さん!お母さーん!」
あたりにたくさんの蝶。

チョーク「儚い夢を見るものたちよ、覚悟するがいい!」

ポポ「あれは・・・あの蝶は?」
森で見た蝶の大群・・・そしてそれと共にチョークが現れたことを思い出すポポ。
ポポ「チョーク!!パム、ここにいたら危険だ!逃げなきゃ。ソーマも早く」
ソーマ「違う、あれは逃げたんじゃない。逃げたんじゃない!」
ポポ「ソーマ?」
ソーマ「なぜオレはみんなに恐れられるのか、そのわけを知るために旅立ったんだ。この村にいてはわからない。一生温かい笑顔の村に隠されて腫れ物に触るように扱われ自分が自分で分からなくなる。分からない限り、オレを捨てた母さんを許せない」
ポポ「あ・・・」
蝶たちの中からチョークが現れた。
チョーク「行け、ブルマイスター!」
赤い目をしたブルマイスターツヤクワガタが現れた。
ポポ「いけない、ソーマ、早く!」
だが、ソーマは動かない。
ポポ「ソーマ!ソーマ、何考えてんだよ」
ソーマ「オレは逃げない」
ポポ「そんなこと言って、死んでしまったら母さんにも会えなくなってしまうんだぞ!パムが言ってたじゃないか、ボクもソーマも親を追い求めてるって。だから死んじゃ駄目だ」
ソーマ「ふ・・・おまえに説教されるとは思わなかったな。分かったよ。二度と無茶なことはしない」
ポポ「ソーマ」
ブルマイスターが迫ってくる。
ポポ「とりあえず、あいつを何とかしないと」
ソーマ「同感だ」
ポポ「ボクがあいつを引き止めておくからパムを連れて逃げてくれ」
ソーマ「それはオレの役目だろ」
ポポ「今、無茶しないって言ったじゃないか」
ソーマ「だからっておまえが無茶していいっておまえが無茶していいって事にはならないだろ」
言い合っている二人にブルマイスターが!
ポポ、ソーマ「うわっ」
ビビ「ったく、何やってんだ、おまえら」
ポポ「ビビ、みんなー」
ビビ「来るぞ、あいつを村に入れるなよ!」
バビ「あいよーっ」
頷きあうポポとソーマ。
ポポ「さー、行こうパム」

ブルマイスターと戦うサーカス団。
バビ「チクショウ、何て力だ」
ブーの怪力、ビビの投げ球、バビのロープ、三人が力を合わせてもブルマイスターの力にはかなわない。
バビ「あーっ」
ビビ「大丈夫か、バビ!」

パム「お日さまみたいに美しいのに・・・」
ソーマ「だが、赤い目だ。村を荒らされては困る。オレが谷に引き込む」
ポポ「ソーマー!・・・セラン、パムを頼んだよ」
セラン「はいですぅ」
ポポ「待てよー、ソーマー!」
ソーマ「ここからはオレの戦いだ。おまえは戻れ」

ブルマイスターに向って叫ぶソーマ。
ソーマ「こっちだ、こっちへ来い!」
崖に向って走るソーマ。それを追うブルマイスター。
切り立つ崖・・・それを背に両手を広げて目を閉じるソーマ。そして・・・ソーマの母がしたように崖に向って倒れていく。
チョーク「はっ!」
ポポ「ソーマー!」
チョーク「なんだ!?今の感覚は?」
ポポ「あーっ!」
ソーマを追って崖から飛び降りるポポ。上を向いたまま両手を広げ落ちていくソーマと落ちながら向き合うポポ。
ソーマ「おまえ!?」
ポポ「この村を守りたい気持ちはキミと同じだ。それに、ちょっとだけだけど、友だちだろ?」
ソーマ「本当に無茶するヤツだ!つかまれ」
手を差し出すソーマ、それを掴むポポ。手を繋いで落ちていく二人をブルマイスターが追ってくる。そこへ・・・
ポポ「ムシキング!」
ブルマイスターを跳ね飛ばすムシキング。
チョーク「ふっ、出てきたね、ムシキング・・・やっておしまい、ブルマイスター!」
ムシキングとブルマイスター、空中でのぶつかり合い。
落ちていくポポとソーマ、ゆっくりと崖の下に降りる。
ポポ「ムシキング、まだ傷が治ってないのに」
ブルマイスターに振り回され、跳ね飛ばされ落とされるムシキング。
ポポ「ムシキングーッ!」
ポポに向ってくるブルマイスター。
ソーマ「下がっていろ」
ポポの前に立ちふさがった。それを見ているチョーク。舞う蝶・・・チョークとソーマの目が合った。
チョーク「はっ!」
ナイフを構えるソーマ。
ソーマ「母さん!」
チョーク「なに!?・・・そんなバカな」
去っていくブルマイスターと蝶たち、そしてチョーク。
ポポ「あいつら、なぜ逃げていったの?」
ソーマ「・・・わからない」
飛び去るムシキング。
ポポ「良かった、ムシキングは大丈夫みたいだ」
ソーマ「ああ」

村に帰るポポたち。ソーマに駆け寄るミル。
ミル「ソーマ、ケガはないかい?」
ソーマ「ミルおばさん、オレはいったい?」
ミル「ソーマ」
ソーマ「オレは知りたい。みんながどうしてオレを恐れるのか・・・知りたいんです」
カイ「わしから話そう。おまえの両親はな、ある日ふらりとこの村に現れたんだ。そしておまえが生まれ、何事もなく月日が過ぎた。二人ともおまえのことはとても可愛がっていた。本当に仲むつまじい家族だった。あの黒い影が現れるまでは・・・。やがて父親が村を去り、そして母親もまた黒い影と共に。その舞い飛ぶ姿は森の民でありながら力は森の民にあらず」
ソーマ「じゃ、みんなが恐れていたのはオレの母さんだったんですね?だからその力を受け継いでいるかもしれないオレのことも。どうして今まで言ってくれなかったの?」
カイ「わしらは穏やかに平和に恙無くわしらの子として生きて欲しかったんだ、それだけだ」
ミル「その願いがかえっておまえに寂しい思いをさせてしまったのかもしれないね」
カイ「おまえにはおまえの生きる道があるのかも知れん。だから旅立ったのだろう。そしてちゃんと仲間も見つけた」
セラン「ソーマ様とみんなは仲間です」
ミル「ソーマ、辛くなったらいつでも帰っておいで。ここはおまえのふるさとだから」
ソーマの目に涙が溢れた。
ソーマ「わかってる」

オーロラを眺めるチョーク。
チョーク「これも運命と言うべきか・・・」


脚本:高橋ナツコ
絵コンテ:井上栄作
演出:藤瀬順一

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「おっ、羽根がオレンジ色、ということはセアカフタマタだな?」
ネブ博士「ブルマイスターツヤクワガタだよ、ブラック博士」
ブラック博士「ブ、ブルマー!?」
ネブ博士「ブルマイスター!超必殺ワザはクロスダイブ。落ちてきたところに回転しながら飛び込んでいく超パワフルなワザなんだ」
MACAPONの解説と感想

す・・・すごいことになっちゃった。ソーマとチョークはいったい??

それに今回もすごいストーリーだったね。何だか最初の頃とは随分雰囲気が変わってきたよ。
バックに流れる音楽も素晴らしかったね。

ところで・・・これは言っちゃいけないことかもしれないけど・・・アダーのところにいたデューク、声がポポの父さんと同じ五代高之さんなんだけど・・・あ、やっぱり言っちゃいけないかったかな。
というわけで今回は多くを語らないことにしようっと。

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO
パム:宍戸留美

ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己
ソーマ:野島健児
セラン:皆口裕子

カイ:小村哲生
ミル:久保田民稔
幼いソーマ:小林ゆう
村人:小嶋一成、酒井敬章、鶴岡聡

チョーク:木内レイコ
デューク:五代高之

アダー:佐藤正治

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第16回 発明王 (7/20)
ダイジェスト

洞窟の中に光る赤い目。
グルム「もっともっと食べれ!」
ヒメカブトにエサをやるグルム。
グルム「好きなだけ食べたら一仕事。あの小僧、絶対捕まえる」

(タイトル)

あたり一面に強風が吹き荒れている。
ポポ「うわー、何だあの断崖は?」
パム「星が誕生した時、急激に冷えた為に星全体が圧縮し地殻がずれ込んでできた地形」
バビ「そのせいでこの辺一帯に強風が巻き起こっているわけね」
ビビ「っていうか、問題はそっちじゃないだろう。俺たちが目指している輝きの森は」
ブー「あっち」
ポポ「あの断崖、どこまで続いているんだろう?」
パム「最短なもので歩くと730日かかるまで」
ビビ「そんな遠回りしていられるかよ」
チビキング「トンボだトンボだ、断崖に向っているぞ」
パム「銀ヤンマ、昆虫の中でもその飛行速度は最速と言われるトンボ」
断崖に向っていくトンボたち。だが上空で気流に流される。
ソーマ「上の方は随分気流が速いらしい」
チビキング「羽があっても無理なのか?」
そこへ奇妙なものが飛んできた。
ブー「ありゃなんだ!?」
バビ「また銀ヤンマでしょ?」
ビビ「もっと大きくないか?」
パム「誰か乗っている」
トンボのようなその物体がポポたちの頭上近くを飛んでいく。その上にはゴーグルをつけた人物が。
パム「銀ヤンマの動きを真似た人口飛行物体」
それは断崖を越えようとして気流に巻き込まれ・・・
ポポ「あっ!」
崖の下に墜落してしまう。駆け寄るポポたち。するとその乗り物から一人の女性が出てくる。
ポポ「それ、何?」
モニカ「私の発明品に文句があるのかい?」
バビ「発明品?」
ビビ「それ、ばあさんが作ったのか?」
モニカ「あたしゃ発明家だからね。この断崖を見つけた時、あたしゃ心に決めたのさ。何が何でもコイツを飛び越えてやろうとな。それ以来あたしゃずっとここに住み着いて発明品を作り続けとる。これは全部あたしの発明品じゃ」
崖の下には壊れたたくさんの発明品が。
チビキング「全部失敗作みたいだけどな」
モニカ「失敗は発明の母じゃ」
ソーマ「けどおばあさん、アンタの発明品、本当に飛ぶのか?」
モニカ「飛ぶ!」
ポポ「・・・だったら、一緒に乗せて」
モニカ「おまえたち、断崖を越えたいのかい?」
ポポ「断崖の向こうにある輝きの森まで行かなきゃならないんだ」
モニカ「ふん、輝きだか丸焼きだか、そんなのあたしゃ関係ないね」
ポポ「どうしても行かなきゃならないんだ」
ビビ「冗談で言ってるわけじゃないんだ。どうにかならねーか?」
バビ「あたしからも頼むよ」
ブー「ブーからも」
モニカ「ひとまず腹ごしらえじゃ。小娘、あたしの家の中にインスタント樹液が入っとるからとってきてくれ」
取りに行くパム。
バビ「インスタント樹液!?」
ビビ「何だそりゃ、食えるのか?」
モニカ「当たり前じゃ、あたしの発明じゃ」
ビビ「おお、そうか。あははは」
バビ「・・・だから心配なんじゃない」
モニカ「何か言ったかい?」
家のドアを開けようとするパム。だが取っ手がはずれ、それをきっかけに家が壊れてしまう。
パム「崩壊・・・修復不能」
モニカ「この小娘が!おまえは何てことしてくれたんじゃ!?」

壊れた家の横にテントを張っているモニカ。そこでインスタント樹液をご馳走になっているポポたち。
ポポ「美味〜い!」
ソーマ「なかなか良くできている」
ポポ「モニカばあさん、これも自分で発明したの?」
モニカ「もちろんじゃ。これなら本物と違って絶対に腐らんし、空を飛んでいても飯には困らん」
ポポ「すごーい、本物の発明家だ!モニカばあさんならきっと本当に空を飛べるって気がするよ」
モニカ「あたしだってそう思ってるわい。何だか今日は飛べる気がしてきた。よーし、頑張るぞ!」

モニカ「今日、こいつを飛ばす!」
ポポたちの前に現れたのは巨大な飛行船だった。
ビビ「しかし、こんなでかいの、飛ぶのかよ?」
モニカ「おまえたちに難しいこと言ってもわかるまいが、でかい方が気流が速いところを抜けやすいんじゃ」
パム「空を飛ぶものは風の抵抗から浮力を作り出す。浮力は物体の大きさに比例する」
モニカ「小娘、生意気に頭がいいな」
ポポ「でもこれ、モニカばあさん一人で飛ばせるの?」
モニカ「何を寝ぼけとる?おまえたちがいるじゃろう?」
ポポ「じゃ、乗せてくれるんだね?」
モニカ「腹ごしらえも済んだし、とっとと完成させるぞ!」
ポポ「うん!」

(CF)

パム「ポポたち、あと3度上」
ポポ、ビビ「よーっと」
飛行船の準備をしているポポたち。
モニカ「小僧たち、今度はこっちの手直しじゃ」
ポポ、ソーマ「はーい!」
仲良く作業をしているポポとソーマ。
ビビ「元気なこった」
バビ「初めて同じ年頃の友だちができて嬉しいんじゃない?」
ブー「友だち?」
バビ「あの子たち、ずっと一人ぼっちだったんだしさ」
ポポ「ソーマ、疲れてない?少し休む?」
ソーマ「時間を無駄にしたくない」
ポポ「うん、そうだね。でもすごいよね、みんなで力を合わせて作った飛行船が空飛ぶなんてさ」
ソーマ「おまえ、のん気なヤツだな」
ポポ「なんで?」
ソーマ「別に。手が休んでるぞ」
ポポ「休んでないよ」
それを見ているパム。
モニカ「どうした?小娘」
パム「今日のポポ、よく笑う」
モニカ「楽しいんじゃろ」
パム「楽しい・・・笑う・・・」
モニカ「おまえも楽しかったら笑えばいい。楽しくなくても笑っとけ。そうすりゃその内、楽しくなる。ふ〜、可愛げのない子だよ」
パム「おばあさんも可愛くない」
モニカ「ほっとけ!」

やがて飛行船が完成する。
セラン「チビ、随分ご機嫌ですね」
チビキング「こいつのモデルはオレなんだもんね」
飛行船はチビキングにそっくりの形をしている。。
チビキング「オレがモデルのチビキング号、完成!」
ビビ「はっはっは、目を描いたらどこか似ているかもな」
パム「まもなく谷間の風と丘から吹き出す風が合わさって最大の上昇気流が発生」
モニカ「いよいよ飛ぶぞーっ!」
ゴーグルをつけるモニカ。
みんな「おーっ!」
モニカ「さー、漕げ!」
漕ぎ始めるブー。ゆっくりと動き始める飛行船。
パム「飛ぶ・・・」
見事に飛び始める飛行船。
ポポ「うわーっ」
バビ「やったね、ばあさん」
ビビ「飛ぶじゃねーか」
ブー「うー、うぉー」
漕ぎ続けるブー。しかし、ガタンという音と揺れ、
モニカ「なんじゃ!?」
パム「浮力ゼロ」
みんな「うわ〜〜っ」
そのまま谷底へ落ちてしまう。
バビ「ブーが重すぎたからだよ〜」
ブー「そんなことない。インスタント樹液残した。いっぱい働いて汗もかいた」
ビビ「要するにコイツも失敗作なんだよ」
ポポ「何かわかった?」
パム「トマの樹脂」
ポポ「え?」
パム「トマの木の樹脂には潤滑作用がある。それを動力の滑車部分に使えば」
ポポ「パム、取りに行こ」
チビキング「オレも行くーっ」
走っていくポポたち。
ビビ「ふ〜、それで飛べばいいけど」
モニカ「文句言っとらんで、おまえたちは壊れた部分の修理じゃ」
ビビ「へい、へい」

強風の中、トマの木の樹液を取っているポポたち。
パム「それで充分足りる」
ポポ「じゃ、戻ろ」
だがそこに甲虫が立ちふさがった。
ポポ「赤い目をしてる!」
グルムが操るヒメカブトだ。
手を取り合って逃げるポポとパム。そこへムシキングが飛んできた。
ポポ「ムシキング!」
グルム「ムシキング、ここでは勝てない。ムシキング、ヒメカブトの餌食」
強風に煽られるムシキング。戦おうとするが強風が邪魔をする。
グルム「ムシキング、ヒメカブトに勝てない」
風の勢いも助け、ヒメカブトがムシキングを投げ飛ばす。
パム「両者の体格は互角。しかしこの強風があの甲虫に味方してワザを繰り出させる」
ポポ「風上に回りこまなければ勝ち目はないってこと?」
グルム「ヒメカブト、風の匂い嗅ぐの上手い」
ポポ「気をつけて!ムシキング」
グルルルル・・・見合うムシキングとヒメカブト。
ポポ「飛んじゃ駄目だ!」
飛び上がるムシキング。
パム「飛ぶことが災い」
空中で風に煽られ不安定になったムシキングをヒメカブトが地面に叩きつける。
ソーマ「あれは!?」
倒れたムシキングの横に立ちすくむパム。手にはトマの木の樹液。
モニカ「小娘ーっ、とっととそれを持ってくるんじゃ!」
樹液を抱き、モニカに向って走るパム。
モニカ「もっと速く!」
走るパム。
モニカ「全力疾走じゃ」
走るパム、そしてモニカに辿り着く。
モニカ「よくやったぞ、小娘」
パム「おばあさん・・・」
モニカ「ほら、どうした、とりかかるんじゃ」
パムから受け取った樹液を投げるモニカ。それを受け取るソーマ。
ソーマ「ばあさんを信じるしかないな」
モニカ「飛行船は飛ぶ。飛ぶと言ったら絶対飛ぶ」
パム「成功確立50%」
片や強風の中で戦い続けるムシキング。それを見守るポポ。
ポポ「ムシキングは・・・勝つ」
グルム「ムシキング・・・これでおしまいだ!」
ポポ「ウソだーっ!」
強風の中で立ち往生しているムシキング。
ポポ「は?」
突然逆風が吹き、今度はヒメカブトが風に煽られ始めた。
それはみんなが乗った飛行船が起こしている風だった。
ポポ「ムシキング、今だ」
ヒメカブトに激突するムシキング。
ポポ「やった!」
ソーマ「ポポ、急げ、ポポ!」
走り出した飛行船の中から叫ぶソーマ。
ポポ「今行くよーっ」
チビキング「待ってくれ〜」
追いかけるポポとチビキング。
走る飛行船の中から差し伸べたソーマの手を掴むポポ。
ポポ「一緒にこの断崖を越えよう!」
ソーマ「ああ、絶対に越えてやろうぜ」
そして遂に飛行船が飛び上がった。
モニカ「風に乗ったぞ!」
それを追うヒメカブト。
グルム「戻って来い、ヒメカブト!」
セラン「追いかけてきます」
モニカ「ふんっ」
迫ってくるヒメカブト。
モニカ「あたしの飛行船に追いつくつもりかい?」
グルム「戻って来い、ヒメカブト!そんなところまで行ったら・・・おまえは・・・」
キィィィィ・・・悲鳴をあげながら急降下していくヒメカブト。

モニカ「ついにやったわい」

断崖の上から見下ろすポポたち。
ソーマ「それは?」
ポポ「星読み鏡って言うんだ。父さんが使ってたんだ」
ソーマ「ポポの父さんが?」
ポポ「東の光、前に見た時より強くなっている。・・・急がないと」

ポポ「モニカばあさん、ありがとう。ボクたち旅を続けなきゃならないんだ」
モニカ「だったら、この船を使えばいい」
ポポ「えっ!?だって」
モニカ「あたしゃ、この断崖を越えるって目的を果したからね。もう飛行船は必要ないわい」
ポポ「モニカばあさん・・・」
モニカ「実はな、どうしても越えてみたい海峡があってな、今度は海を渡る乗り物を発明するつもりじゃ。あっはっはっはっは」
パム「おばあさん」
モニカ「なんじゃい?」
パム「楽しかった」
モニカ「あたしも楽しかったよ」
荷物を抱え歩き出すモニカ。
ビビ「よし、この飛行船で一気に輝きの森まで行っちまおうぜ」
再び舞い上がる飛行船。だが、不安定に傾く。
みんな「うわ〜」
ビビ「おい、何やってんだよ!おいおい」
パム「飛ぶものが災いをもたらす・・・」
バビ「それってまさかこれのこと〜!?」
ポポ「違うと思うけど」
チビキング「間違いなく東から遠ざかって行くぞ〜」
みんな「え〜っ!?」


総監督:藤瀬順一
脚本:田村竜
絵コンテ・演出:山口美浩

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「速くて見えん。これはどうなっているんじゃ?」
ネブ博士「このワザはハヤテって言うんだ。ヒメカブトの超必殺ワザだよ、ブラック博士。ハヤテは空気を切り裂く素早さで相手にアタック。サムライ魂を感じる渋いワザだよね」
MACAPONの解説と感想

またいい出会いがあったね。
ゴーグルをつけたモニカばあさん、とてもカッコ良くて素敵なおばあちゃんだったよ。
モニカばあさんからもらった飛行船、これで輝きの森に行けるのかな?いよいよかなあ?

「ムシキングを鑑賞するボクたち」も見てね。
MACAPON名言集

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO
パム:宍戸留美

ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己
ソーマ:野島健児
セラン:皆口裕子

モニカ:鈴木れい子

グルム:上別府仁資

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第17回 琥珀の砦 (7/27)
ダイジェスト

ある森の中、パムの髪をすいているバビ。
ポポ「飛べそう?」
ソーマが修理している飛行船を覗き込んでいるポポ。
ソーマ「無理だな。見ろ、完全に壊れている」
パム「琥珀・・・樹液が何千万年もの時を経て化石になったもの。森の民はよく琥珀を加工して使っている。ポポの蜜瓶も琥珀から削りだしたもの」
セラン「パムって何でも知っているのね」
ビビ「パムは特別なんだ。一度見聞きしたことは絶対に忘れない」
バビ「そ。ビビなんかとはここ(頭)の出来が全然違うの」
そこへ現れた一人の女の子・・・
女の子「姉さん・・・、姉さん!
バビ「は?」
女の子「アマリー姉さん!」
バビに駆け寄り抱きつく女の子。
バビ「ちょっと待って!あんた誰?」
女の子「忘れたの姉さん?妹のアイリスよ」
みんな「えーっ!!」
バビ「アイリス?」
アイリス「とにかく一緒に来て!母さんが待ってる」
バビの手を引いて駆け出すアイリス。
バビ「あ・・・ちょ、ちょっと」

(タイトル)

編み物をしているアイリスの母ラミア。
アイリス「母さん!姉さんが、姉さんが帰ってきたわよ!」
アイリスの母「アマリー!アマリーが?」
杖をついて立ち上がるアイリスの母。
バビ「・・・あ・・・」
ラミア「あ・・・」
よろける母に駆け寄るバビ。
ラミア「これが・・・もっと顔をよく見せておくれ・・・あ・・・ア、アマリー、本当にアマリーなんだね?心配かけて、今までどこ行ってたんだい?」
ビビ「どうなってるんだぁ、こりゃ?」
バビ「ちょっと待って、違うんだって、私はバビ、アマリーなんて聞いたこともない」
ラミア「アマリーじゃないって?」
アイリス「そんな!」
バビ「悪いけど人違いだよー。世の中には自分に似たヤツが三人はいるって話だからねー」
アイリス「嘘よ、姉さんに間違いない」
バビ「しつこいね、あんたも。そんな証拠がどこにあるっていうのさ?」
アイリスの母「アマリーの首筋には確かバラの花のアザがあったはずよ」
バビ「あ・・・あるわけないだろ、そんなもの」
ポポ「バビ?」
立てていた襟を静かに下ろすバビ、するとそこにはバラの花のアザが!
ポポ「はっ、バラのかたち」

ポポ「神隠し?」
アイリス「星降る夜のことでした。私とアマリー姉さんは星を見に出かけたんです。星を眺めているうちにはぐれてしまってそれっきり・・・姉さんは帰ってこなかった」
ラミア「良かったじゃないか、アマリーはこうして帰ってきてくれた。こんなに嬉しいことはない」
バビ「ごめん」
膝に置かれた母の手を払い立ち上がるバビ。
バビ「一人にして」
アイリス「姉さん!」
部屋を出て行くバビ。
ラミア「アマリー、怒ったのかい?許しておくれ、謝るから、ね!」

ポポ「バビ!」
バビを追って出てきたポポ、パム、チビキング、セラン。
バビ「一人にしてっていったじゃない」
ポポ「でも心配なんだ」
バビ「ポポ、アンタが覚えている一番古い思い出ってなんだい?」
ポポ「え?うーん、なんだろ。父さんと川遊びに行った時のことかな」
バビ「私は・・・私は何も覚えていない。気がついた時には私はビビたちと一緒に旅をしていたんだ。子供の頃のことなんて何一つ覚えちゃいないんだよ」
パム「記憶喪失」
ポポ「じゃ、もしかしたらバビは本当にこの村の人だったかも知れないの?」
チビキング「アマリーってバビなのか?」
バビ「わからないよ、わからないから困ってるんじゃないか」
その話を木の影で聞いていたアイリス。
バビ「あんた・・・」
アイリス「お願いがあるの」

バビ「姉さんのふりをしろ?」
アイリス「母さんはあの通り目も不自由で体も弱ってる。今は姉さんが戻ってきてくれたから元気を取り戻しているけど、もし人違いだって言われたら母さんはきっとまた塞ぎこんでしまう。勝手なお願いだって分かってる。せめて母さんの前では昔のままの姉さんでいて欲しいの」
バビ「そんなこと言われても・・・」
バビを見つめるアイリス。
バビ「・・・わかったよ」
アイリス「本当に!?」
バビ「ただし、村にいられるのは飛行船がなおるまでの間。そこから先はどうなっても知らないよ」
アイリス「はい!ありがとうございます」

朝、琥珀を磨いているアイリスの母。
バビ「琥珀じゃない!?」
アイリス「この辺は琥珀がいっぱい取れるの。谷の人たちはそれを磨いて生活しているのよ」
ラミア「やってみるかい?」
バビ「無理だよ、やったことないし」
アイリス「アマリー姉さん、琥珀細工得意だったのよ」
バビ「えーっ」
ラミア「なに、簡単さ」

バビの手を取って琥珀磨きを教えているラミア。
ラミア「琥珀は柔らかいから優しく丁寧に磨いてあげるんだよ。そう、その調子」
アイリス「さっすが、アマリー姉さん」
バビの琥珀磨きが続いている。
ソーマ「すみません、この原石はどこで取れるんですか?できれば少し分けてもらいたいんだけど」
ラミア「ああ、そうだね。アイリス、後で採掘場に案内しておあげ」
アイリス「でもあそこは村の人しか入っちゃいけないって」
ラミア「いいんだよ、この人たちはアマリーを連れて帰ってきてくれた。特別扱いしたってバチは当たらないさ」

ポポ「すごいなー」
採掘場に案内されたポポたち。
アイリス「こっちよ!」
アイリスを先頭に洞窟の中に入って行くポポたち。
みんな「うわー」
セラン「キレイ!」
ポポ「琥珀のトンネルだー」
チビキング「ヒヤ〜ッ」
ポポ「どうしたんだ?」
チビキング「トンボ・・・でっかいトンボ」
ポポ「え?」
見ると琥珀の中に大きなトンボが。
ビビ「見ろ、こっちはバッタだ」
バビ「うわー、カマキリもいるわ」
アイリス「こっちよ、来て」
更に奥へ案内するアイリス。
ソーマ「これは!」
ポポ「あー、ムシ・・・キング・・・」
琥珀の中で化石になっている巨大なカブトムシ。
アイリス「これは村の守り神。このカブトムシが昔から村を災いから守ってくれている。ここは村の人しか入っちゃ行けない神聖な場所なのよ」
ポポ「ムシキングが村の守り神?」
その時、パムが別の琥珀の中に少女の影を見た。
パム「あーっ!あーーーーっ!」
悲鳴をあげて倒れるパム。
ビビ「おい、しっかりしろ!」
ポポ「パム!」
琥珀の中に女の子が?

(CF)

ポポ「気がついた?」
セラン「パム?」
横たわるパムを囲んでいるポポたち。
パム「・・・ありがとう。もう大丈夫」
ポポ「まだ寝てなきゃ駄目だよ」
パム「行かなくては。この星の全てを記憶するのが私の使命」
ポポ「使命って」
ソーマ「誰かに命令されたのか?」
首を横に振るパム。
ソーマ「じゃ、何の為に?」
パム「わからない。でも私は今までずっとそうして生きてきた」
ソーマ「わからないことだらけだな」
セラン「違うもん、パムは何でも知ってるもん!・・・パム?」
パム「わからない。私は誰なのか、どうして旅をしているのか・・・わからない」
そこへバビ。
バビ「何やってんだい!?」
ポポ「ソーマが変なこと聞くから」
ソーマ「オレのせいか!?」
バビ「パムは疲れてるんだ。とっとと出ていきな」
ポポたちを追い出すバビ。

ソーマ「考え事か?」
ポポ「うん。バビだけじゃなくパムも記憶喪失なのかと思ってさ」
ビビ「あの二人だけじゃない」
ポポ「ビビ!」
ビビ「オレたちサーカス団はみんな子供の時の記憶がない。気がついた時にはパムの傍に集い、パムと一緒に旅を続けてきた」
ポポ「記憶がない・・・」
ソーマ「記憶のない連中がどうして旅をしているんだ?パムが言ってた使命ってヤツなのか?」
ブー「それを知りたいからオレたち旅してる」
ビビ「オレたちは何者なのか、どこから来たのか、旅を続ければ答が見つかると信じてきた。もしかしたらバビの答はここで見つかるかもしれない」
ポポ「ちょっと待ってよ。答が見つかったらバビはどうなるの?」
ビビ「それはアイツ自身が決めることさ」

パムの看病をしているバビ。
バビ「平熱。脈も呼吸も正常。骨も異常なしっと。もう心配なさそうね」
ラミア「ふふふ」
バビ「あ、どうしたの?あたし何か変?」
ラミア「いや、アマリーは昔っから面倒見が良かったって思ってね。わがままだったアイリスも不思議とおまえの言うことはよく聞いたもんさ」
バビ「や〜ね〜、面倒見がいいのは母さん譲りよ〜」
愛想笑いをするバビ。
バビ「(駄目だ・・・こんなの私じゃない。そしてアマリーでも)」
ラミア「アマリー、おまえは本当に優しい子だね」
バビ「え?」
ラミア「母さん、幸せだよ。おまえみたいな子を持てて。あ・・・あ、あ」
突然倒れるラミア。
バビ「あああ、母さん、しっかりして母さん!」

琥珀のトンネルの中、グルムがトンボの化石の前でしゃがみこんで泣いている。
グルム「許せない、許せない。ムシをいじめるヤツ、許せないー!」
その叫びに呼ばれたかのように赤い目をしたメンガタカブトが現れる。

地響き。
ポポ「なんだ!?」
守護者の証が光った。
ソーマ「証が」
ポポ「アダーの仲間がまた暴れてるんだ」
ソーマ「よし」
駆け出す二人。
ビビ「ポポーっ!」
トンネルの中でメンガタカブトが暴れだしていた。

アイリスの家。
アイリス「母さん、しっかりして!」
バビ「は?」
窓の外を見るバビ。
バビ「あれは!」
パム「メンガタカブト」
ラミア「お行き」
バビ「え?」
ラミア「お行きなさい。おまえには役目があるんだろ」
バビ「でも母さんが」
ラミアの手を取るバビ。
ラミア「もういいんだよ、そんな呼び方しなくても。わかっていた、わかっていたさ。あの夜、おまえが神隠しになったのもきっとなにかの運命さ。おまえはこの世界で果すべき役目があって生まれ変わったんだ。今更アマリーに戻る必要なんかない」
星を追いかけていく幼い頃のアマリー。
ラミア「お行き、おまえの役目を果すんだ」
バビ「アイリス、母さんを頼む!」
飛び出していくバビ。
アイリス「姉さん!」
パムも出て行く。

グルムの周りを飛んでいるメンガタカブト。
グルム「あははは、暴れろ、暴れろーっ!」
そのグルムめがけてブーメランが飛んできた。
グルム「誰だ!?」
ポポ「やっぱりおまえか、グルム!」
グルム「現れたか。攻撃だーっ!」
メンガタが放った岩がポポとソーマが立つ岩にぶつかり崩れた。落ちていくポポとソーマ。その時、守護者の証が光った。
ポポ「ムシキング!」
メンガタに向っていくムシキング。だが、
グルム「ふんっ」
逆に跳ね飛ばされ岩にぶつかってしまう。
ポポ「ムシキングの体当たりがきかない!」
ソーマ「気をつけろ、アイツ見た目より手ごわいぞ」
グルム「メンガタカブト、おまえの力を見せてやれ!」
すると、
ポポ「潜った!」
メンガタが地面の中に潜っていった。
グルム「ふっふっふっふっふ、どんなムシも足元からの攻撃は防御不能だ」
ムシキングの足元からいきなり角を出して跳ね飛ばすメンガタ。
ポポ「クソ、また潜った」
ソーマ「これがアイツの戦い方か?」
グルム「行けっ、メンガタカブト!後から叩き潰せ」
ムシキングの後から攻撃を仕掛けるメンガタ。
ポポ「ムシキング!」
グルム「ムシキングは倒した。あとはおまえをアダー様の元に連れて行くだけだ」
その時、グリーンのロープがムチのようにグルムを打った。
グルム「うっ!」
バビ「何やってんだい、ポポ」
ポポ「バビ!」
ビビ「おー、バビ、いつの間に?」
グルム「おまえたちも叩きのめしてやる、メンガタカブト!」
再び地面に潜り込むメンガタ。
バビ「どこでグズグズしてたのよ〜」
ビビ「まーまー、そう言うなって」
バビ「もらうわよ」
ビビの腕の中のかんしゃく球を全部取り上げた。
ビビ「あー、そりゃオレの!」
バビ「それぃ!」
メンガタが開けた地面の穴から穴へと次々に投げ込んだ。
グルム「う?」
地中で爆発を始めるかんしゃく球。潜っていたメンガタも爆発で勢いよく地上へ投げ出された。
ビビ「やるなー」
ブー「すごい、すごい」
バビ「ちょろい、ちょろ〜い」
ポポ「バビっ!」
バビ「ん?」
振り向くとメンガタが大きな岩をバビの上に振り上げていた!
ポポ「ムシキング!!」
守護者の証が勢いよく光った。すると倒れていたムシキングに再びパワーが宿りメンガタに向っていった。勢い良く体当たり、そして空高く投げ飛ばした。地面に叩きつけられるメンガタ。
ポポ「やったーっ!」
ビビ「大丈夫か?」
バビ「うん」
グルム「クソ、覚えてろ!」

家に駆け込むバビ。
バビ「母さん!」
アイリス「姉さん・・・」
母ラミアはすでに光に変わっていた。
バビ「アイリス・・・」
アイリス「姉さーん!」
バビ「ごめん・・・アイリス、ごめんね」

飛行船がなおり、出発の準備をしているポポたち。
アイリス「これ、持って行って。母さんの形見だから」
手編みのマフラーを渡そうとするアイリス。
バビ「あずかっておいて。こんな大切なもの、旅の途中でなくしたら大変だから」
アイリス「また会えるよね?」
アイリスを優しく抱きしめるバビ。
バビ「姉妹だもの。離れていても一緒だよ」
プロペラの風が草花を揺らし、空へ舞い上がる飛行船。
アイリス「さようなら〜!」

地上を見下ろすバビ。
ビビ「残ってても良かったんだぜ」
バビ「あたしが抜けたらお客さんが呼べなくなっちゃうだろう?何てったって、あたしは当サーカス団の花形スターなんだからさー」
ブー「花形スター?」
セラン「誰だぁ?」
チビキング「さ〜な」
バビ「こらーっ!」
飛行船の操縦をしているビビ。
ビビ「でも残念だったなぁ」
ポポ「ビビ?」
ビビ「あれだけの琥珀があったら、しばらく遊んで暮らせる」
バビ「ビビ!そんなこと考えてたのかい?」
ビビ「いや、そのう・・・」
みんな「うわ〜っ」
揺れながら飛んでいく飛行船。


脚本:山口亮太
絵コンテ・演出:川口敬一郎

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「おお、このワザは前に見たぞ!確か・・・老人のスカッシュ!」
ネブ博士「ローリングスマッシュだよ、ブラック博士。よく覚えてよ。これはメンガタカブトの超必殺ワザ。メンガタカブトは恥ずかしがりだけど、ワザを決めてる時はカッコイイよね〜」

MACAPONの解説と感想

そっかー、みんな記憶喪失だったんだ・・・でも、なぜ?誰かが・・・何かが・・・何らかの使命の為、彼らの記憶を消したんだね。もしかしてポポがサーカス団に出会うことも、他のみんなに出会うことも全て決められていたことなのかもしれない。

バビは本当にアイリスのお姉さんなのかな?旅が終わった時、全ての記憶を取り戻し再びアイリスに会うことができるのかな・・・その時こそ、バビとアイリスにとって本当の再開だよね。

少しずつ輝きの森が近づいている気がする。

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO
パム:宍戸留美

ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己
ソーマ:野島健児
セラン:皆口裕子

アイリス:川上とも子
ラミア・幸田道子

グルム:上別府仁資

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第18回 子供達の王国 (8/03)
ダイジェスト

デューク「グルムがしくじった。おまえもあの時、なぜ手加減した?」
チョーク「今度は手加減せん!」
蝶に姿を変え、飛び立つチョーク。

(タイトル)

ゆらゆらとバランスを失って飛ぶ飛行船。
ポポたち「きゃ〜〜〜っ!」
遂に墜落。
バビ「ったく・・・」
ポポ「いきなりチビが飛び出すからバランスがくずれたんだ」
ソーマ「なんとか命拾いしたな」
ビビ「チビのヤツは今頃樹液にがっついてやがんのか?」
ブー「許せない!」
ポポ「チビ・・・探しに行かなくちゃ」
花の中で気を失っていたセランが目覚める。
セラン「はっ!?なにかいるよ」
バビ「パム、気をつけな。囲まれた」
警戒するバビ、だがパムはボーッと空を見上げている。
バビ「何退屈してんだよ〜」
その時、草むらからパムめがけて矢が放たれる。それに気づいたポポ、パムの前に立ちはだかる。ポポの胸に刺さる矢!が・・・
ポポ「あれ?」
矢はささっていない。
再び草むらから矢が・・・今度はすごい数だ。
ポポ「いてっ」
ビビ「なんじゃこりゃ?」
矢はポポたちの体に当たるものの刺さるどころか痛みもほとんどない。
「よし、行けっ」
子供たち「わーい」
バビ「なんなのよ、いったい?」
あっという間に小さな子供たちに捉えられてしまうポポたち。
ビビ「つかまっちまったんじゃないのか・・・俺たち」
ブー「ブー」
子供を脅すブー。
子供「ぎゃーっ」
ポポ「駄目だよ、ブー」
ビビ「よーし、わかった、降参だぁ。j顔見せろ」
草むらから弓や槍を持った子供たちが現れる。
ビビ「で、俺たちをどうするつもりだ?」
ニール「それはヴィゴが決める」
ポポ「ヴィゴ?」
ニール「俺たちの王様だ」

子供たちに連れられ街に入って行くポポたち。
ビビ「かなり大きな街だったらしいな」
バビ「何があったんだろうね」

ある木の上の小屋。
ビビ「おい、ヴィゴさまはどうしたんだ?」
子供「お昼寝中だ、おとなしく待て」
ビビ「お昼寝?・・・ほれっ」
得意の玉芸で男の子たちを楽しませるビビ。バビはマジックで花を出し女の子を喜ばす。そうこうしていると・・・いよいよヴィゴが現れた。特別な椅子に座っている。
ヴィゴ「ふわ〜〜(アクビ)」
その横にチビキングが!
チビキング「ポポーっ!」
飛ぼうとするが角を縛られていてヴィゴに引き戻される。
ポポ「チビ!」
ヴィゴ「こいつらか、オレの土地に入ってきたヤツラは」
子供「うん、おかしな甲虫に乗ってやってきた」
ヴィゴ「甲虫?」
ポポ「そのカブトムシはボクの友だちだ、返せ!」
ヴィゴ「こいつはオレのものだ、自分からオレの火に飛び込んできたんだからな」
チビキング「おまえのものなんかじゃなーい!」
ポポ「おまえ!」
飛び掛ろうとするが縛られているポポはそのまま地面に頭をぶつけてしまう。
ヴィゴ「生意気なヤツめ、今日からおまえはオレの家来だ」
ビビ「家来だって」
バビ「家来ね〜」
ソーマ「オレたちをどうするつもりだ?」
ヴィゴ「おまえら二人はオレの召使にでもしてやるよ。ただし・・・大人は悪だ、クマバチの穴に放り込め」
バビ「悪?」
ビビ「確かにいかがわしいのもいるけどね〜」
ヴィゴ「さー、おとなしくクマバチのエサになってもらおうか」
ポポ「ふざけるな!」
ヴィゴを跳ね飛ばすポポ。
ポポ「何者か知らないけど、ボクたちの旅を邪魔するな!」
ヴィゴ「い・・・、おのれーっ!」
押し合いになるポポとヴィゴ。
ヴィゴ「きさまー、チビのクセにー」
ポポ「大きさなんて関係ない」
ビビ「子供のケンカに水をさすつもりないけど」
バビ「クマバチとダンスはできないからね〜」
ビビ「おぅ!」
ブー「うぉーっ!」
ブーが立ち上がり、みんなを縛っていた縄を一息に切ってしまう。それをチャンスにチビキングもポポの頭の上に逃げてくる。
ポポ「チビ!」
ヴィゴ「えい、このうしろに回れ!おまえらには手を出させねー」
木刀を振り上げるヴィゴ。
ビビ「坊主、少しの間だけ目をつむってな」
目を硬く閉じる小さな男の子。
ビビ「イイ子だ」
かんしゃく玉を放るビビ。バーン!それが破裂すると同時に逃げ出すポポたち。
セラン「みんなー、こっちですーっ」
誘導するセラン。
ヴィゴ「ゴホゴホ・・・大人めーっ、おいニール、ヤツラを捕まえろ!全員クマバチの穴に放り込んでやれ」

ビビ「クソガキめー、一発殴っときゃよかった」
ポポ「何か変だったなぁ」
ビビ「何が?」
ソーマ「確かに変だ」
ビビ「だから、何が?」
バビ「だから今の街のことだよ」
パム「子供たちだけの街」
ポポ「大人は悪だと言ってたけど、いったい何があったんだろう?」
ビビ「まさか・・・全員まとめてクマバチの穴にポイってか?
ニール「そうじゃない」
振り向くとそこに子供たちが。
ニール「光になってみんな消えたんだ」
その中で最も幼いポポたち子たちがポポたちに駆け寄る。
ニール「いや、戦いに来たんじゃないんだ」
セランに抱きつく女の子。
ビビ「そのようだな」
ニール「キミたちと話がしたいんだ。花粉だんごだ、食べてくれ」
花粉だんごを放るニール、それを受け取るビビ。
ビビ「おお・・・ありゃあ」
ブー「い〜」
子供たちを見つめるビビ。
ビビ「みんなで食べるか・・・」

花粉だんごをみんなで仲良く食べている。
ポポ「大人はみんな光になったって・・・一体何が?」
ニール「赤い目をした甲虫に街が襲われた」
ポポ「赤い目の甲虫!?」
ソーマ「アダーの改造甲虫!」
ニール「昔、道に迷った旅人を親切心から街に入れたんだ。そしたらそいつ・・・いきなり・・・。村は焼かれ、ボクらを守って父さん母さんたちは・・・光になった。ボクとヴィゴはオジジに守られて生き残った。それから同じように壊された街や村をまわって、生き残った生命(いのち)の種を集め、オジジがみんなを育ててくれた。全てをボクらに教えてくれたオジジは天に召されて子供だけ残されたんだ」
オジジを思い出し泣いている幼い子供たち。
ニール「オジジの口癖だった、大人を信用するなって」
ビビ「なるほど、それで大人は悪か」
ニール「だけど、ボクらの生命(いのち)を守り抜いてくれたのだって大人なんだ」
ビビ「そりゃあ、そうだ。大人がみんな悪いわけじゃない」
バビ「現に私たちみたいにいい大人もいるしね〜」
ブー「いるいるー」
ニール「だけどヴィゴは大人をみんな敵だ、って」
子供たち「ヴィゴは自分勝手なんだ」「さからうとすぐ暴力だ」「もう、うんざり。毎日ヴィゴの顔色をうかがって暮らすなんて」「お願い、一緒に戦って」
ポポ「戦うって・・・どういうこと?」
ニール「ヴィゴを追い出す」
ポポ「追い出す?」
ニール「そして、キミが新しいリーダーになってくれ」
ポポ「えーっ!?」
子供たち「キミならできる。さっきヴィゴに立ち向かったキミなら」「あなたが私たちに勇気をくれたの」
ニール「キミが立てば仲間ももっと増える」
ポポ「そんなの・・・駄目だよ」
ニール「どうして!?」
ソーマ「キミたちの気持ちもわかる。確かにアイツは横暴過ぎる。だがポポの旅には目的がある。一刻も早く輝きの森に行く為に」
そこへ蝶に姿を変えたチョークが飛んでくる。それに気がつくソーマ。チョークとソーマの目が合う。チョークの目が赤く光る。
チョーク「(いや、やるべきだ)」
ソーマ「いや、やるべきだ」
ポポ「えっ、ソーマ?」
チョーク「(おまえがやらなければ)」
ソーマ「おまえがやらなければ、オレがやる。オレがあの独裁者を倒す」
ポポ「ソ、ソ、ソーマ」
ソーマ「オレ一人でもやってやる」
チョーク「(そうさ、おまえはポポと同じ道を歩いてちゃいけないんだよ)」
ソーマの目が赤く光った。

(CF)

ヴィゴ「捕まえてきたのはそいつだけか?」
捕まっているソーマ。
ヴィゴ「あの生意気なチビや大人たちはどうした?全部捕まえてクマバチの穴に放り込めと命令したはずだ」
ソーマ「放り込まれるのはおまえだ」
ソーマの目が赤く光った!

チビキング「心配か?ポポ」
ポポ「うん・・・ヴィゴってヤツ、態度でかいけど悪いヤツじゃない気がして・・・ま、ソーマがそんな無茶するとも思えないけど」
セラン「ソーマ様、何か変だったですぅ」
パム「ソーマから赤い目の甲虫の匂いがした」
ポポ「えーっ!?」

街に向って駆けていくポポ。それに続くチビキング、セラン。だが街は・・・
ポポ「誰もいないよ。どうしたんだろう?」
すると一人の女の子が泣きながら飛び出してきた。
女の子「エ〜〜ン」
ポポに抱きつく女の子。
ポポ「みんなはどうしたの?」
女の子「ハチ・・・」
ポポ「クマバチの穴?」
女の子「うん・・・」

ヴィゴ「はなせー、はなしやがれー!ふざけんじゃねー、バカヤロー!」
宙吊りにされているヴィゴ。
ニール「ふざけるな、今まで無茶してきた報いだ。この街を出て行け」
ソーマ「みんな、今まで随分ひどい目にあってきたんだろう?この程度の仕返しじゃ、またこの街が支配されるぞ」
ニール「ソーマ、この勝利はキミのおかげだ。どうするか、キミが決めてくれ」
ソーマ「キミたちのやり方はもう決まっていたはずだ。クマバチの穴に投げこめばいい!!」
子供たち「あ・・・」
怯える子供たち。
ソーマ「さっ、やるんだ!」
その目が赤く光っている。
そこへポポたちが現れる。
ポポ「そんなの駄目だ!違うだろう、ニール、キミはそんな復習を望んでたわけじゃない。ヴィゴとわかり合えなきゃ何にもならないじゃないか」
ニール「ポポ・・・」
ポポ「キミたち二人でオジジの思いを引き継いだんじゃなかったのか?目を覚ますんだ」
ソーマ「わかった、オレたちに逆らうならおまえも敵だ、ポポ!」
チビキング「やっぱりおかしい」
ポポに向ってくるソーマ。
ポポ「あー」
その時、駆けつけたビビがポポの前に立ちふさがった。かんしゃく玉を投げるビビ。
バビ「悪いね」
気を失うソーマ。
「役に立たない連中だね〜」蝶に姿を変えたチョークが宙吊りになっているヴィゴに話しかける。
ヴィゴ「なんだ、おまえ?」
チョーク「せっかくソーマを操って復習をお膳立てしてあげたのに」
蝶の姿から元の姿に戻るチョーク。
チョーク「ガッカリだよ」
子供たち「ああ!」
チョーク「もう一度だけ役に立ってもらうよ。ヤツラをつるエサとしてね」
ヴィゴ「あ、あ、あ・・・」
と、赤い目をしたスペキオシスシカクワガタが現れた。
ニール「赤い目の甲虫!」

ソーマ「う・・・うぅぅ」
寝かされているソーマ。
セラン「ソーマさま」
ビビ「大丈夫、気を失っているだけだ」
バビ「ちょっと手荒だったけどね」
ソーマ「ポ・・・ポポ」
みんな「おお」
ビビ「気がついたか!」
ソーマ「ポポ、すまない。チョークに操られてたんだ」
ポポ「チョーク!?」
ソーマ「気をつけろ、ヤツは何か企んでいる」
ポポ「うん」
その時、大きな水滴が落ちてきてセランを包む。雨が降り出したのだ。
ビビ「スコールだ」

スコールは瞬く間に激しい勢いで街を襲い始める。逃げ惑う子供たち。泣き叫ぶ幼い子供。吊るされたままのヴィゴ。
ヴィゴ「くそーっ、逃げろーっ!オレたちの街を守れーっ!」
チョーク「おやおや、甲虫一匹で大騒ぎだね〜」
ヴィゴ「下ろせ!てめぇ、堂々と戦え!」
嵐の中、逃げ惑う子供たち。みんなとはぐれた幼い女の子。その子をスペキオシスシカが狙う。キィィィィ!
女の子「あーっ!」
キィィィィ!雄叫びをあげるスペキオシスシカ。
そこに現れるサーカス団。バビが女の子を抱き上げる。
ビビ「子供たちをどこか安全なところへ!」
パム「あそこ・・・」
ビビ「パム」
パムが指差したのは木の幹にできた洞穴だった。

チョーク「来たね!?」
走ってくるポポ。ヴィゴに向ってブーメランを飛ばし吊るした縄を切る。
ヴィゴ「おい、チビ!やい、ポポ!」
ポポ「ヴィゴ、みんなを頼む!」
ビゴ「おー、わかってらい!」
みんなの元へ駆けていくヴィゴ。
ポポ「チョーク、甲虫を止めろ!」
チョーク「力ずくでやってみな」
石のナイフを構えるポポ、反撃するチョーク。
チョーク「そんなもんであたしを傷つけられると思ったかい?いっそ光に変えてあげようか?きさまの甲虫もろとも片付けてやる」

キィィィィ!暴れ狂うスペキオシスシカクワガタ。
バビ「動きが速すぎる」
戦っているバビとビビ。子供たちを洞穴に非難させているブー。
ビビ「子供たちはどうだ?」
ブー「まだいる。ニールもヴィゴもまだ見てない」
ビビ「ここは任せた!」
バビ「ああ」

棒切れを持った幼い男の子がスペキオシスに向かっていく。
男の子「こらーっ」
ニール「あっ、おい!」
引き止めるニール、だがその二人にスペキオシスが!キィィィィ!襲い掛かるスペキオシス。その時、
ガーン!スペキオシスの顔に大きな石が飛んできた。倒れるスペキオシス。
ニール「ヴィゴ!」
ヴィゴ「そいつら連れて早く逃げろ」
ニール「だけど・・・」
ヴィゴ「オレは街を守る。おまえはその子らを守れ」
ニール「ヴィゴ」
ヴィゴ「オジジとの約束、忘れるな」
その言葉に頷き、子供たちを連れて逃げるニール。
ヴィゴ「来い、甲虫!」
だが、逃げるニールたちの足が止まった。
ニール「甲虫がもう一匹!」
ヴィゴ「くそーっ!」
甲虫に向っていくヴィゴ、それをビビが飛び掛って止めた。
スペキオシスシカに体当たりする甲虫。
ヴィゴ「甲虫がオレたちを守った!?」
子供たち「あ、あれは?」
パム「希望へ導く鎧の騎士」
ポポ「行け、ムシキング!!」
ヴィゴ「ムシキング!」
ビビ「大人の甲虫もまんざらじゃねーだろ?」
チョーク「おまえのスピードを見せておあげ、スペキオシス。みんな光に変えておしまい!」
空中でぶつかり合うスペキオシスとムシキング。猛烈なスピードで動き回るスペキオシス。
ビビ「まずいぞ、ヤツの足を止めなくては」
頷くポポ。駆け寄ってブーメランを投げるポポ。玉を投げるビビ。だがポポたちの援護射撃も動きの速いスペキオシスにあっけなくよけられてしまう。そればかりか飛ぶムシキングを空中から蹴落とし、地面に叩きつけてしまう。
ポポ「ムシキング!」

チョーク「いいざまだね」
戦いを見ているチョーク。その後にソーマが現れた。
チョーク「う・・・ソーマ!」

ビビのかんしゃく玉を奪い、クマバチの穴に投げこむヴィゴ。玉が破裂し、クマバチがいっせいに飛び出す。その先頭を飛ぶクマバチに飛び乗るヴィゴ。ハチの大群と共にスペキオシスに向っていく。ハチたちがスペキオシスの動きの邪魔をし、その隙を狙ってムシキングが攻撃をかけた。跳ね飛ばされるスペキオシス。
ポポ「やった!」
ヴィゴ「よっしゃーっ!」
ハチの上でガッツポーズを決めるヴィゴ、だがバランスをくずし落ちてしまう。
ニール「ヴィゴ!」
ヴィゴ「ニール!」
受け止めるニール。見つめ合うニールとヴィゴ。

向かい合っているチョークとソーマ。
ソーマ「よくもオレを」
チョーク「あたしと一緒に来ないかい?アダー様の為に働こうじゃないか」
ソーマ「ふざけるな!」
チョーク「おまえはポポとは違う。一緒にいるべきじゃないんだよ」
ソーマ「よるな!」
短剣を出すソーマ。
チョーク「う・・・」
短剣を構えるソーマ。ひるむチョーク。
チョーク「その刀は・・・」
ソーマ「母さんの形見だ!」
チョーク「あ・・・」
ゆっくりと短剣に手を伸ばすチョーク。
ソーマ「えいっ!」
チョーク「あ!」
ソーマの短剣がチョークの手を切った。飛び去るチョーク。
セラン「ソーマさま〜!大丈夫ですか」
ソーマ「ああ・・・大丈夫。大丈夫だよ、セラン」

子供たち「またね〜!」
ポポたちを見送る街の子供たち。
バビ「やっぱ子供だね〜、さっきまで緊張してたのに」
ビビ「みんな肩に力が入り過ぎてただけなのさ」
ポポ「もう大丈夫だね。ヴィゴもニールもほんとの仲間になれたんだから」
ビビ「雨降って地固まるってやつだ。二人が手を組みゃ、いい街が作れる」
バビ「いい大人になるんだよーっ!」
ビビ「はっはっはっは」
街を出て行くポポたち。夕焼けが広がる。


脚本:上代務
絵コンテ・演出:大字直樹

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「ネブ博士、このムシは知っとるぞ!スペペペシカキヨクワガタじゃ」
ネブ博士「違うよー、スペキヨシスシカクワガタだよ、ブラック博士。大きく曲がった頬アゴが鹿の角に見えるからシカクワガタって呼ばれているんだ」
ブラック博士「なるほどー」

MACAPONの解説と感想

初っ端、デュークが登場したから「いよいよ?」と思ったよ。でもそれだけだったね、デュークの謎解きはまだまだ先みたい。

その前にチョークの謎を解かなきゃね。チョークってもしかしてソーマの母さんなのかな?だとするとソーマに悪の血が流れてるってこと?それともチョークはアダーに操られて?
困ったなぁ、輝きの森に着く前に色んな謎を解かなきゃ。

アダー、チョーク、グルム、パサー、そしてデューク、まだ何もわからない。

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO
パム:宍戸留美

ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己
ソーマ:野島健児
セラン:皆口裕子

男の子:奥島和美、吉本理江子
女の子:永野愛、増岡由紀子、谷井あすか
オジジ:池田和聡

チョーク:木内レイコ
デューク:五代高之

ヴィゴ:くまいもとこ
ニール:金城綾乃

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第19回 母の河 (8/10)
ダイジェスト

揺れながら飛んでいるポポたちの飛行船。その揺れにみんな酔い気味。飛行船の後をチビキングとセランも飛んでいる。
チビキング・セラン「あーっ!」
突然飛行船が墜落を始めた。そして一艘の船にぶつかり、河の中へ。

ポポ「すみません」
船の持ち主エプロンをかけた女性フラウに頭を下げているポポたち。
フラウ「いいのよ、気にしなくて」
ソーマ「でも・・・」
フラウ「すごいわねー、あんたたち。ムシでもないのに空を飛んできて」
チビキング「オレはムシだけどな」
フラウ「あっはっは。おまけにしゃべるムシまで。それに羽根の生えた女の子。いやぁ、珍しいもん見せてもらったわ」
ポポ「あのう・・・船はボクたちが直しますから」
フラウ「そうねー・・・それより・・・
ポポ「えーっ、水泳大会!?」
フラウ「そう、優勝すると船が一艘もらえるの」
バビ「なるほど」
チーム名は“チビキング”、出場が決まった。

村を案内されるポポたち。
ポポ「みんな船の上で暮らしてるんだ」
フラウ「ああ、樹液や花粉を取りに行くのにも便利だし、寝る時もユラユラ揺れて良く眠れるのよ」
ポポ「そんな大切なものを・・・本当にごめんなさい、フラウさん」
フラウ「そんなことより、アンタたちが助かって良かった。ケガもなくて本当に良かった」

ある洞穴。
デューク「何故手に入れることができない?グルムは今も翼の為に力を尽くしている。彼らは琥珀の道に辿り着いた。この世界の全てと守護者の証の意味に気づくと厄介だ」
チョークの頭にソーマの顔が浮かぶ。
デューク「チョーク、ピアは」
チョーク「ピア?」
デューク「いや、あの少年の母は故郷の森で花のような姿になっているらしい。さぞかし心配しているだろう」

川辺。
フラウ「みんな似合うわね。借り物の水着とは思えない」
ビビ「いいかー、絶対に優勝するからな!あいてててて」
バビ「大丈夫?」
飛行船が落ちた時、ビビは腰を痛めていた。
ビビ「なんの、これしき。おまえらオレの分もガンバレよー!これから練習だ!ビシビシしごくぞ」
ポポ・ソーマ「・・・」

ビビ「ポポ、もっとしっかり水をかけ!」
川を泳ぎの練習をしているポポたち、それを船の上から指導しているビビ。
ビビ「よーし、ソーマ、その調子だ」
ブー「ぶは〜」
ビビ「もたもたすんな!それからバビ、おまえは泳ぎながら投げキッス」
バビ「なんでよ〜!?」
ビビ「他の選手の戦意を喪失する為だ」
その時、船に乗っていたパムが河に飛び込んだ。そのまま沈んでいくパム。追うバビ。
ビビ「パムは泳いだことがないんだったぁ!おい、おまえら〜、パムの面倒みてやってくれ〜!」
バビがパムを抱いて上がってきた。

ポポ「そうそう、足を真っ直ぐにして」
浅いところでパムに泳ぎを教えているポポとソーマ。手をポポ、足をソーマが持っている。
ソーマ「こうだよ・・・うん、そう」
ポポ「じゃ、ちょっと手を離してみるからね」
キレイなバタ足で前に進んでいくパム。
ポポ「やった!パム泳げた」
が、そのまま沈んでいく。
ポポ「パム!?」
水の中から顔を上げたパムの前をモンシロチョウが飛んでいく。
パム「あの蝶の羽根の動きを水の中で再現すると水を包み込んでからかき切り、一気に持ち上げ、そして腕の動きで推進力を高める」
そう言うとすごい勢いで泳ぎだした。
ポポ「す・・・す・・・すごっ」
ソーマ「ふ・・・・ふふ・・・はははは」

フラウ「ほら、練習でお腹空いたろ、食べた食べた」
みんな「いただきま〜す」
ビビ「美味い、この花粉おにぎり」
みんなでご馳走になっている。
バビ「いい人だね、フラウさんって」
ビビ「母ちゃんって感じだなぁ」
その言葉にフラウさんを母ピアと重ねるポポ。
フラウ「おかわりもあるよ。ブー、もっとゆっくり食べな。パムは食べないの?チービー、アンタは食べ過ぎ!ポポ?」
ポポ「!」
フラウ「口の周り」
ポポの口の周りについた花粉を拭き取るフラウ。
フラウ「しょうがないわね〜」
突然立ち上がるポポ。
フラウ「ポポ!?」
ポポ「お腹いっぱいで・・・ちょっと散歩してくる」
表に飛び出すポポ。
バビ「なんだろ、急に」
パムがそっと後を追う。ソーマも立ち上がる。
ビビ「おまえもお腹いっぱいか?」
ソーマ「ま・・・ね」

夜空を眺めながら母を思い出しているポポ。そこにパムが現れる。
ポポ「あ・・・何?」
パム「ポポがまた泣いているような気がして」
ポポ「泣いてなんか・・・ちょっと思い出して・・・母さんのこと」
パム「フラウのような女性が母さん?」
ポポ「うん、似てるわけじゃないけど、何だか面影が」
パム「お母さん・・・」
ポポ「戻ろうか、後片付けもしないで出てきちゃったし」
そう言って振り向くと、
ポポ「ソーマ!ソーマもボクが泣いてると思ったの?」
ソーマ「いや・・・そういうわけじゃ」
パム「ソーマの心も泣いていた。沈まぬ太陽の村で母を思って」
ソーマ「オレには母の記憶は殆どない。おまえが羨ましいよ」
ポポ「ソーマ・・・いつかきっと会えるよ、お母さんに。ボクも母さんのこと、絶対助ける」
パム「飛んで行く・・・」
夜空をたくさんの光が飛んで行く。
ポポ「早く輝きの森へ行かないと、どんどん森の民が光に変えられてしまう。ほんとはこんなところでのんびりしてる場合じゃないのに」
ソーマ「・・・」
ポポ「ソーマ?」
ソーマ「以前のオレなら船を壊してもためらわず旅を続けていた。だけど、何故かおまえたちといると・・・」
ポポ「明日、水泳大会頑張ろうね!パムが上達したからきっと優勝だよ」
ソーマ「もちろんだ!」
フラウの家に帰っていくポポ、パム、ソーマ。その姿を木の上から見ているチョーク。

(CF)

青空に上がる花火。いよいよ水泳大会の日がやってきた。河に浮かぶ新品の船。
ポポ「あれが優勝したらもらえる船だね」
おじいさん「よーい・・・どん!」
村の男性に混じって飛び込むバビ。村人たちの声援が飛び交う。
ビビ「バビー、行けーっ」
チビキング「行けーっ、チーム・ムシキング、優勝だー」
バビと抜こうとする村の青年。だがその青年に向って投げキッスをするバビ。
青年「は〜(はぁと)」
ビビ「よしっ」
その後も投げキッス攻撃で追い抜いていくバビ。
バビ「おっさき〜」
ブーにタッチ。
ビビ「行けっ!」
飛び込むブー。豪快な泳ぎ。
ポポ「いいぞ、ブー」
だが、思いのほか進まない。次はパム。
ポポ「パム頑張って!」
ビビ「何やってんだ」
ブーを叱るビビ。その時、
村人たち「おーっ!」
歓声があがった。何とパムが素晴らしい泳ぎを見せている。
ビビ「パム・・・すげぇ」
ポポ「パム、行けーっ」
大会を木の影から見ているチョーク。
ビビ「よし、パム、2番に浮上したぞ!ソーマ、おまえは1番で帰って来い!」
ソーマが飛び込む。先頭を追い抜いて泳ぐソーマ。
チョーク「・・・ソーマ」
ポポ「やったーっ、わーい!」
そしていよいよラスト、ポポが飛び込んだ。
ポポ「これでフラウさんに新しい船をあげることができる」
が、その時、ポポの体が水中に沈み始めた。
ポポ「く・・・苦しい」
チョークがポポの足を掴み河の底へ沈んでいこうとしている。
チビキング「ポポ・・・」
ビビ「ポポ?」
バビ「何?溺れちゃったの?」
ソーマが飛び込んだ。

ポポ「母さん!」
ポポが見たのはチョークではなく母ピアだった。水の中で手を離すピア。
ポポ「待って、母さん!待って!」
遠ざかるピアを追うポポ。
ポポ「ぷは〜っ」
水面に顔を上げるポポ。
ポポ「ここは?」
岸に上がり歩き始める。
ポポ「家だ!」
ポポの家だった。
ポポ「どうして?」
近づいて行くポポ。
ポポ「母さん・・・」
洗濯物を乾しているピア。
ポポ「これは夢?」
ピア「ポポ!」
駆け寄るピア。
ピア「どうしたの?心配してたのよ。良く・・・良く帰ってきたわね」
ポポ「母さん?元の姿に」
ピア「お母さんも森も、ほら、元通りよ」
ポポ「違う、夢だよ、これは」
後退りするポポ。
ピア「夢じゃないわ」
ポポを抱きしめるピア。
ポポ「暖かい。それに母さんの匂いもする。でもどうしていきなりここに?」
ピア「きっとこれ(守護者の証)が導いてくれたのね。ポポの願いを叶えてくれたのよ。守護者の証が・・・」
ピアの目が赤く光った。
ピア「ポポ・・・それをお母さんに渡して・・・ね、お願い」
守護者の証を首からはずすポポ。
ピア「ポポ・・・」
だがその時「ダメ、渡さないで!」ポポの耳に誰かの声が聞こえた。「やめろ、やめろ」「それはおまえの・・・」
ピア「どうしたの?ポポ、具合でも悪いの?無理もないわ。ずっと旅してきたんだもの。これはお母さんが・・・」
守護者の証に手をかけようとするピア。
ポポ「ダメ!」
ピア「ポポ?」
ポポ「ごめん、母さん、これはダメなの。森が囁くんだ、これはボクが・・・森の守護者が持ってないといけないって」
その言葉に立ち上がったピア、そしてその姿は・・・
ポポ「おまえは!」
チョークに変わった。
チョーク「お渡し!守護者の証を」
ポポ「だましたな、母さんの姿になんかなって」
チョーク「幻でも母に会えたことを喜ぶんだね。会えても母とわからない子もいるのに」
ポポ「?」
チョーク「はっ・・・。スペキオシスシカクワガタ!」
チョークの背後からスペキオシスが現れた。キィィィィ!
チョーク「いいかい?あんたの力とあんたが持っているものはアダー様がお望みなんだ。翼の為に必要なんだ。だから早く渡して楽になっておしまい。でないとあんたはずっとこんな戦いを続けることになるんだ。あんたの母親だって助けて欲しいなんて思っちゃいない。あんたに辛い思いをさせる方が苦しいだろう?」
ポポ「いいんだ、母さんを助ける為なら辛い思いをしたって」
チョーク「ケッ」
ポポ「だって、母さんを救えるのはボクしかいないじゃないか!」
守護者の証が光った!
ポポ「ムシキング!」
ムシキング対スペキオシス、大空での戦いが始まった。絡み合って地上に落ちてくる2匹の甲虫。勢い良く角をムシキングに向けるスペキオシス。そのまま河へ押されるムシキング。
ポポ「はっ」
遂に仰向けになって河に落ちるムシキング。それを空中から攻撃してくるスペキオシス。河の中へ沈んでいくムシキング。そのムシキングを追ってポポも飛び込む。
ポポ「ムシキングーッ!」
沈んでいくムシキングに向って守護者の証を差し出すポポ。光る証、それを受けて川底にある遺跡も光りだした。証と遺跡、両方からの光によってパワーが蘇るムシキング、羽根を広げ一気に水面へ。
チョーク「あー」
再び戦いが始まる。そしてあっという間にスペキオシスを倒してしまう。グォォォォ!雄叫びをあげるムシキング。
ポポ「やった!」
守護者の証を見つめるポポ。
ポポ「遺跡はムシキングに力を与える。どうしてムシキングに?ムシキングが森を守っているから?」
その時、黒い影が森を包み始めた。咲いていた花、生い茂っていた緑がが急に枯れ始め・・・
チョーク「これが・・・パサーが言っていた黒い森?」
河に飛び込み、去っていくチョーク。
ポポ「どうして?」
チビキング「ポポ、ポポいた!」
助けに来たチビキング、バビ、ソーマ、パム、ブー。
バビ「何、これ?」
影は河にもせまってきた。
ソーマ「水が・・・」
バビ「早く行こう。ポポ!」
呆気に取られているポポをブーが抱きかかえ逃げる。

フランの家。
ポポ「ごめんなさい。新しい船もらえなくて」
フラン「そんなこと気にしなくていいんだよ。アンタが無事で良かった良かった。さっ、お行き。あんたたちは行かなきゃいけないところがあるんだろ。あたしは大丈夫だよ」
ポポ「(ほんとに母さんみたい。でも・・・あの人も母さんみたいだった)」
チョークの顔が浮かぶ。
歩き出すポポたち。
ソーマ「さっきの河、おまえの故郷に似てたな」
ポポ「う・・・うん」
ソーマ「怖いな」
ポポ「え?」
ソーマ「オレたちにはわからないことばかりで。わからないまま先に進まなきゃならない」
パム「未知は恐怖。でも未知は可能性」
頷くポポとソーマ。
ポポ「行こう!」
ソーマ「ああ」


脚本:西田玲子
絵コンテ:入好さとる
演出:岡嶋国政

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「ネブ博士、このワザはランニングカッターだな?」
ネブ博士「違うよ、ランニングカッター!って、あってるよ、ブラック博士。正解!これはスペキオシスシカクワガタの超必殺ワザ、首を掴んで引きずり回す強力なワザなんだ」

MACAPONの解説と感想

やっぱりチョークはソーマのお母さんなんだ!そして・・・きっとデュークはポポのお父さん。だけど、その二人が一体どうしてアダーの仕えているんだろう?
それを知った時、ポポとソーマはそのことに耐えられるかな?ボクは・・・耐えられないよ。

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO
パム:宍戸留美

ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己
ソーマ:野島健児
セラン:皆口裕子

フラウ:川上とも子
おじいさん:幸田直子

ピア:詩乃優花

グルム:上別府仁資
チョーク:木内レイコ
デューク:五代高之

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第20回 甲虫コレクター (8/17)
ダイジェスト

ポポ「だいぶ東まで来たのかなぁ」
セラン「この森はとっても静かですし、ここで少し休めるといいですね」

しばらくしてポポたちは柵に囲まれたおかしな建物を見つけた。その建物には大きな屋根もついている。
ビビ「とにかく行ってみようぜ」
ポポ「そうだね、誰かいるかもしれないし」
そんなポポたちを影から見ている人物が・・・。
ビビ「とりあえず入り口を探さないとな」
ポポたちは手分けして入り口を探し始めた。ビビ、バビ、ブーの三人、ポポ、ソーマ、パムの三人、チビキングとセランの3チームにわかれた。

セラン「これは一体何かしら?」
チビキング「うーん、ランプのようにも見えるけど・・・今までにこんなもの見たことがないよ」
セラン「あらーっ!?」
チビキング「光った!」
それは急に光り始め・・・
セラン「何だかとても気持ち良くなってきましたわ〜」
チビキング「オイラも・・・とってもいい気持ちになって・・・」
そして二人ともそのまま眠ってしまった。
それを見て微笑む男・・・。

ポポ「これって大きい穴を塞いだように見えるけど」
ソーマ「おそらく大型甲虫がぶつかって開いた穴だ」
ポポ「それじゃ?」
ソーマ「ああ、中に入り込んでいるかもしれないな」

セランとチビキングが見つけた光るモノを持って帰ってくる男。小さなハンモックにチビキングとセランを寝かせた。

入り口を発見できず苛立っているビビたち。ついにブーが柵を壊してしまう。
そこへポポたち。
ポポ「入り口は見つかった?」
ビビ「ああ、たった今見つかった」
バビ「ブーのおかげでね〜」
ビビ「さー、入ろうぜ」
ポポ「あれ?チビたちは一緒じゃないの?」
ビビ「両側から来て会ってないんだから先に入ったんだろう」
ポポ「そういえば来る時、大型甲虫が開けた穴があってさ」
ビビ「そりゃ、気をつけないとな」

チビキング「あれ〜?ここはどこだ〜?」
気がつくチビキングとセラン。
セラン「ここはどこですの?」
チビキング「どこと言われても・・・おいらも寝て起きたらここにいたからな〜」
キュルルルル・・・
チビキング「ん?」
ムシの声が聞こえ、表に出ると・・・
「今日もいいクソだ。健康な証拠だね」
男が甲虫のフンの世話をしていた。
チビキング「なんだアイツ、かいがいしいぞ」
セラン「ムシのこと大好きみたいですぅ」
男「ん?これは!お目覚めかい?」
チビキングたちの声に男が振り向いた。
セラン「あ、あのう、あなたは?」
男「ボクはムシをこよなく愛する男、パラダイス・ホビーです。よろしく!」

ポポ「うわー、見たこともないクワガタがいっぱいいる」
パム「あの木にとまっているのはノコギリクワガタ。そこで力比べをしているのはミヤマクガワタ。天井の方を飛んでいるのはヒラタクワガタ。この種のクワガタたちは虚弱な為に自然界では淘汰されてしまう」
ビビ「そんなヤツラがうじゃうじゃいるってことは人工的に飼育されてるってことか」
ポポ「誰が、何の為に?・・・チビの声がする!」

ホビー「ああ、あれはムシの気持ちを落ち着かせる光を放つランプです。キミたちはあの光を見て眠ってしまったんですよ」
チビキング「な〜んだ、そうか」
ポポ「チビー、セラーン」
チビキング「あ、ポポの声だ」
ポポ「おーい、チビー、いるんだろ?」
チビキング「ポポ〜」
セラン「ソーマさま〜」
チビキング「オッス!」
ポポ「オッスじゃないだろ、心配したんだぞ」
セラン「心配おかけしてすみませんでした」
ホビー「こんにちは」
ポポ「・・・こんにちは」
ソーマ「・・・」

ポポ「そうだったんですか」
ホビー「はい、私が仕掛けたランプの為に大変ご迷惑をおかけしまして」
ポポ「そういえば、表の塀に大きな穴を直したあとがありましたけど」
ホビー「はい、大型甲虫が中に入り込んでいるかも知れませんね」
ポポ「えっ、いいんですか?放っておいて」
ホビー「はっはっは、この森で暮らすムシたちはボクの宝物ですからね。ボクはムシたちを幸せにしてあげることが生きがいなんです」
ブーがテーブルの上の果物をかじり始める。
バビ「あー、ブー、行儀悪いよ」
ホビー「あはは、いえいえ、ご遠慮なく。私のパラダイスで育てたフルーツですから、とても美味しいですよ」
ブー「うーん・・・」
だがブーは一口かじっただけで置いてしまう。
バビ「あら?」
キュルルル
バビ「ん?」
見ると足を繋がれた1匹のクワガタがもがきながら鳴いている。
ホビー「ダメだよ、ジュリア、キミは脱走の常習犯だからね。当分足枷をつけさせてもらうよ」
ポポ「そんなことしたら可哀相じゃないですか!」
ポポが立ち上がった。
ホビー「可哀相?この子にとってはこのパラダイスを抜け出して外の世界でつらい思いをする方がよっぽど可哀相ですよ」
みんな「・・・」

サーカス団とポポ、ソーマが集まって話し合いをしている。
ポポ「チビとセランは気に入ってるみたい」
バビ「でもさ〜、何なのかしらね、アイツ」
ポポ「ムシは好きなんだろうけど」
ビビ「危ないヤツだ」
ブー「嘘臭い」
バビ「ん?」
ブー「フルーツの味も匂いも、この森も」
ソーマ「朝になったら、ここを発とう」
ポポ「うん」
花畑で楽しそうにしているチビキングとセランが見える。

チビキング「あ〜、蜜をなめるの、久しぶりだ」
セラン「ら〜ら〜ら〜♪」
それを見ているホビー。
ホビー「おお、なんと、言葉ならず歌までも。なんて素晴らしいムシなんだ!」
そんなホビーを見ているポポとパム。
ポポ「ねー、ホビーさんってなんであんなにムシが好きなんだろう?」
パム「満ち足りていないから。心の隙間をムシが埋めている」
ポポ「どういうこと?」

夜、ランプを持って外に出ようとするホビー。
セラン「ホビーさん、お出掛けですか?」
ホビー「ええ、甲虫たちが安全に夜を過ごせるようにナイトパトロールです」
セラン「そうだったんですの」
ホビー「よろしかったら・・・一緒にどうぞ」
セラン「わ〜、嬉しい!ぜひご一緒させていただきますわ」
チビキング「イーッ!セランちゃんが行くならオレも」
ポポ「知らない森だし、みんなと一緒にいた方が」
セラン「私、この目で見たいんです。この森もムシたちがどんな風に幸せに暮らしているのか」
ポポ「セラン!」
ホビー「さ、まいりましょう」
セラン「では行ってまいります」
チビキング「行ってくるぜ」
不安げな顔で見送るポポ。

(CF)

ホビー「そうら、おまえたち、たんとお食べ」
樹液を絞っているホビーのところにたくさんの甲虫たちが集まってくる。
セラン「あら、たくさん集まってきましたわ」
チビキング「羨ましいなぁ、この森の甲虫は苦労しないで樹液にありつけるんだからなぁ」
ホビー「どうだろう、危険な旅などやめにして、ここに留まってみては?」
チビキング「でもなー、オレ柵の中に閉じ込められるのは、ちょっと。ドジなポポの面倒もみなきゃならないしなぁ」
セラン「チビったら」
チビキング「それにしてもここのヤツラ、ホビーさんがいなくなったらどうするんだろうな。エサの採り方も忘れちゃってるだろうし」
ホビー「そんなことを考えるのは本末転倒というものです。甲虫の命は短い。今をいかに幸せに生かしてやるかが重要なのです」
チビキング「ふ〜ん」
セラン「あのう・・・ホビーさんはどうしてそうムシが好きっていうか・・・ムシを集めてるんですか?」
ホビー「ムシはいい。ボクの言葉をちゃんと聞く。そして何よりボクを必要としているからね」
ムシキング「ムシたちを必要としているのはホビーさんじゃないか」
ホビー「キミは面白いことを言うね。ボクがこの子たちを必要としているだって?あっはっはっは、こりゃいい、ムシたちを生かす為に生まれたこのボクに向って。はっはっはっは」
セラン「ホビーさん・・・。はっ、スズムシ?」
ホビー「・・・そうだね」
セラン「キレイな鳴き声ですね」
ホビー「確かにいい声だ」
セラン「ここにはこのスズムシみたいに自由に生きてるムシもいるんですね」
ホビー「いや、ムシは弱い!このパラダイスの中でボクに守られて暮らすのが幸せなんだ。そしてムシを守って生きることこそボクの幸せであり、使命なんです」
「ホビーさん!」ポポが現れた。
ホビー「キミか」
ポポ「それで本当に幸せなんですか?」
ホビー「・・・」

ホビーの家。
ビビ「ポポはどうした?」
ソーマ「チビたちを追いかけて行ったんだろ」
ビビ「そうなのか・・・」
バビ「ビビは心配し過ぎなんだよ」
ビビ「おまえは心配しなさ過ぎだ」
バビ「あたしくらいがちょうどいいんだよ」

森の中。
ホビー「もちろん幸せだよ。いいかい?ぼくらは今わずらわしい森の民と離れて暮らし、最高に幸せなんだよ。あはははは」
その時、森がざわざわと揺れだした。
セラン「あ、ムシたちが怯えています」
ホビー「地震か!?」
ポポ「違う、この気配は・・・危ない、早く逃げるんだ!」
ホビー「キミ!」
ぐぉぉぉぉ!赤い目の甲虫が現れた。

ホビーの家。
ビビ「なんだ、今の音は!?」
パム「光を失ったムシが暴れている」
ビビ「光を失ったムシって・・・赤い目のことか!?」
ソーマ「しまった!あのデカイ穴は赤い目が開けた穴だったのか。ポポたちが危ない!」
ビビ「急がないとな」
バビ「やれやれだね〜」
一斉に飛び出すサーカス団たち。

森の中、赤い目の甲虫が暴れている。
ホビー「ボクのクワガタが・・・」
ポポ「ホビーさん、気をつけて。アイツはただの甲虫じゃない。悪いヤツラに操られてるんだ」
ホビー「なんだって!?」
ポポ「・・・でも・・・グルムやチョークの気配がない」
チビキング「オレも感じないぞ」
ホビー「美しい・・・」
チビキング「ん?」
ホビー「なんて美しいんだ・・・こんなに美しいラコダールは見たことがない。あの子がボクのパラダイスに隠れていたんですね」
赤い目のラコダールツヤクワガタに向って歩いていくホビー。
ポポ「ホビーさん、行っちゃダメだよ」
ホビー「大丈夫ですよ。あの子はお腹が空いて気が立っているだけですから。ボクがすぐに落ち着かせて見せますよ」
セラン「ホビーさん」
ホビー「ラコダール!」
ラコダールに向ってランプを掲げるホビー。
ホビー「赤い目のラコダール、落ち着いておくれ!ボクはキミの理解者であり、味方なのだ」
ぐぉぉぉ!
ホビー「なんと情熱的な赤い目なんだ・・・吸い込まれそうだよ。キミもボクに会いに来てくれたんだね。さー、いい子だから大人しくするんだよ」
ぐぉぉぉ!ラコダールがホビーに向って伸び上がった。
ポポ「あぶなーい!」
体当たりして向ってくるラコダールからホビーを守るポポ。
ポポ「危ないじゃないですか!」
だがラコダールは向きを変え、再びポポとホビーに向ってくる。
ポポ「ホビーさん、早く逃げるんだ」
ホビー「美しい・・・」
ポポ「えっ!?もう、しっかりしてよ」
ホビーの肩を揺するポポ。だがホビーはラコダールの赤い目にうっとり魅せられている。
ポポ「ホビーさん!」
ヒュ〜ン、グサッ!飛んできた矢がラコダールに当たった。
ポポ「ソーマ!」
矢を射たのはソーマだった。
ソーマ「今のうちだ、ポポ!」
ポポ「さー、早く逃げるんだ」
ホビー「どこに行くんですか?」
ブー「世話の焼けるヤツ」
ポポ「ブー!」
ブー「行くぞ」
ホビーを小脇に抱えるブー。

避難しているポポたち。
ポポ「グルムたちの気配はないのに、なぜ赤い目のラコダールがここにいるのかな?」
ビビ「おそらく、外とは違う樹液の匂いにつられて迷い込んできたんだろう」
ポポ「それだけの為に?ソーマ、ラコダールはどうしてるの?」
ソーマ「森に逃げ込んだムシたちを襲っている。むちゃくちゃだな」
ホビー「欲しい・・・あの赤い目のラコダール、ぜひともボクのコレクションに加え、守ってあげたい」
ビビ「今ソーマが言ってたこと、聞いてなかったのか!」
ビビがホビーの胸ぐらを掴んだ。
ホビー「大丈夫ですよ、ボクなら手なずけられますから」
ビビ「けっ、言うだけ無駄みたいだ」
ソーマ「しかし、どうやってアイツを倒したらいいんだろうか?」
ホビー「倒す、だって?キミは何を言っているんですか?あんなにキレイな体であんなに美しい赤い目を持ったあの子をキミたちは殺そうというのですか?信じられません。そんな・・・そんなこと、許しません!」
ランプを持って走り出すホビー。
ポポ「ホビーさん、ダメだ!!」
ビビ「あのバカ!」

森の中。
ホビー「ああっ・・・こんなことって・・・どうして、ボクのクワガタたちが・・・」
ホビーが見たのは赤い目のラコダールにやられたクワガタたち。
ポポ「ホビーさん・・・。あ、ラコダールが!」
また1匹、クワガタがやられた。
ポポ「あの屋根さえなければ逃げられたのに」
建物の大きな屋根がクワガタから逃げ場を奪ったのだ。
ポポ「やっぱり閉じ込めちゃ行けなかったんだよ。屋根を開けてあげてよ、ホビーさん」
他のクワガタたちも逃げ場を失いラコダールにやられそうになっている。
ホビー「屋根を開けたらボクの宝物たちがいなくなってしまう。ボクがひとりぼっちになってしまうじゃないか!」
セラン「開けてあげてくださーい!」
チビキング「うぅぅぅ・・・」
ホビー「できない、ムシたちを失うなんてボクにはできない!耐えられない!」
ポポ「ホビーさん!」
セラン「あー、あそこ!ジュリアちゃんが、ジュリアちゃんが狙われてます!」
足枷をつけられ動けないクワガタのジュリアを見つけたラコダール。
ホビー「ジュリア!」
ポポ「くそーっ!」
助けに向うポポ。
ビビ「バカ、よせ、ポポ!」
キュルルル!キュルルルル!助けを求めるジュリア。
ポポ「やめろーっ!」
駆けて行くポポ、その胸で揺れる守護者の証が光った。そして現れたのは・・・ムシキング!グォーッ!ラコダールを跳ね飛ばした。
ポポ「ムシキング!」
ムシキングがポポに向って何か言っている。
ポポ「うん、わかった」
頷くとブーメランを出し、勢い良く投げた。そしてそれはジュリアを繋いでいた足枷を切った。
起き上がり戻ってきたラコダールはムシキングを激しく叩きつけている。
ビビ「なんだ、アイツの攻撃は!?赤い目のクセにメチャクチャだな」
パム「赤い目のムシは操り人形。操り人形は操るものがいなければ、ただの人形」
そんなラコダールを遂にムシキングが叩きつける。
ポポ「ムシキング!」
ムシキングに駆け寄るポポ。が、何か異様な力がそれをさえぎる。
グォォォォ!ムシキングがあげたのは勝利の雄叫びではなく、悲痛な叫びだった。ムシキングの回りには逃げ場をなくし、ラコダールにやられたたくさんの甲虫たち。
ポポ「ムシキング・・・ムシキングが悲しんでる」
ムシキングがホビーの正面に来た。
ホビー「え!?」
羽根を広げた。
ポポ「!?」
ビビ「何かヤバイ雰囲気だな」
ブー「ムシキング、怒ってる」
ソーマ「無理もないだろう。オレだってはらわたが煮えくり返ってる」
バビ「とんだとばっちりだね」
羽根を広げゆっくりと舞い上がるムシキング。ホビーに向っていこうとしている。
ポポ「ダメだよ、ダメだよ、ムシキング!」
ホビーに突進!?
ホビー「あーっ!」
ホビーが!しかしムシキングはホビーの目の前で急浮上。
ポポ「ムシキング!」
一気に屋根を突き抜けた。
ホビー「うわーっ、屋根が!落ちていく」
崩れ落ちる屋根。そこから一斉に夜空に飛び立つムシたち。
ホビー「ムシたちが、ダメだ、行くんじゃない!行かないでくれーっ」
囲っていた柵も崩れ始める。
ホビー「ボクがいないと生きていけないだろう!」
ブォォォーン!羽ばたく音。
ホビー「おお、ラコダールまで行ってしまう、なんで行ってしまうんだー!おお、頼むから行かないでくれ!ボクを一人にしないでくれー」
夜空に飛び立つたくさんのムシ。

翌朝。
ビビ「ムシもアンタの森も全部なくなっちまったな。え、どうすんだ、これから?」
膝を抱え、うなだれているホビー。
ビビ「森の民として暮らしてみろよ。自然のままに、ムシたちと共に」
ホビー「しょうがない。なくなったものは仕方ないですから、また集めることにします」
ビビ「うっ」
バビ「アンタねー!」
ソーマ「懲りないヤツだ」
セラン「ホビーさん・・・」
ホビー「それでは、ボクはこれで失礼します」
立ち上がり歩き出すホビー。
ビビ「どこへ行くんだ?」
ホビー「わかりません。ここ以外のところへ」
ポポ「ホビーさん」
振り向くホビー。その顔には悪びれた様子もない。
ポポ「・・・お元気で」
ホビー「キミたちもお元気で」
キュルルルル!
ポポ「あ!?」
見ると1匹のクワガタが飛んでくる。
ポポ「ジュリア!」
ポポたちの前に下りた。キュルルルル。
ポポ「どうして戻ってきたんだい?キミはもう自由なんだよ」
セラン「ジュリアちゃん?」
ビビ「オレたちと一緒に旅をしたいのか?」
パム「違う。ジュリアは私たちにお礼を言いに戻って来ただけ」
ポポ「え・・・それじゃ?」
キュルルルル。再び舞い上がるジュリア。
ポポ「あ・・・ジュリア?」
ホビーの後を追い飛んで行く。
ポポ「なんで?ホビーさんにあんなにいじめられたのに」
パム「ジュリアはホビーさんが心配。ムシがいないと生きていけないホビーさんが心配」
ビビ「そういうもんかね〜」
バビ「もう、何を考えてんだか」
ブー「わからない」
ソーマ「ジュリアにしかわからないさ」
セラン「ジュリアちゃん、幸せそうに飛んでますね」
チビキング「オレは束縛なんかされたら、ぶん殴ってやる」
ポポ「(ムシが全てで、ムシがいないと生きていけないホビーさん、どんなに束縛されても離れられないジュリア。それでも幸せなんだろうか?)」


脚本:高橋ナツコ
絵コンテ:井上栄作
演出:高橋順

ネブ博士・ブラック博士のムシキング教室

ブラック博士「ネブ博士、ひどいことをしておるぞ、ラブコールツヤクワガタ」
ネブ博士「ん、ラブコール?ラコダールだよ、ブラック博士。ラコダールツヤクワガタの超必殺ワザはデビルスリーパー、相手を締め上げ止めを刺す、痛そうなワザだよね」

MACAPONの解説と感想

足枷をつけられていたのに・・・やっと自由になったのに・・・どうしてジュリアはホビーさんの後を追うんだろう?ボク泣けてきちゃったよ。ホビーさんのことが好きだったのかな・・・それともホビーさんがいないと生きていけないのかな・・・。ううん、パムが言ってたようにジュリアはムシたちがいないと生きていけないホビーさんのことを心配して・・・。幸せになれるかな、ジュリア・・・。
いつかきっと幸せになったジュリアに再会できるよね?

キャラクター&声の出演

ポポ:宮原永海
チビキング:TARAKO

パム:宍戸留美
ソーマ:野島健児
セラン:皆口裕子

ビビ:高木 渉
バビ:荘真由美
ブー:楠見尚己

ホビー:飛田展男

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