Solaris man マニュアル
システム管理コマンド                                 patchadd(1M)

【名前】
     patchadd - Solaris オペレーティング環境を実現するシステム へ
     のパッチ適用

【形式】
     patchadd  [-dun]  [-G]  [-B backout_dir]  [-k keystore]   [-
     P passwd] [-t] [-x proxy] source [destination]

     patchadd -p [destination]

【機能説明】
     patchadd は、Solaris 2.x オペレーティ ン グ 環 境、 お よ び
     Solaris  2.x と互換性がある、2.x 以降の Solaris オペレーティ
     ング環境 (Solaris 9 など) を稼動しているシステムにパッチパッ
     ケー ジ を 適用します。patchadd は、Solaris 1.x システム用の
     パッチを適用するためには使用できません。patchadd を実行す る
     には、スーパーユーザーになる必要があります。

     patchadd コマンドには、次の使用方法があります。

       o  1 つめの形式は、1 つまたは複数のパッチを、1 つのシス テ
          ム、 クライアント、サービス、またはネットインストールイ
          メージの miniroot にインストールします。

       o  2 つめの形式は、クライアント、サービス、またはネット イ
          ン ストールイメージの miniroot にインストールされたパッ
          チを表示します。


     zones(5) に関しては、大域ゾーンで呼び出されると、デフォル ト
     では patchadd はすべてのゾーンにおいてすべての適切なパッケー
     ジにパッチを適用します。ゾーン環境におけるパッチの適用動作は
     次の要因により異なります。

       o  -G オプションの使用 (以下に説明)

       o  pkginfo ファイ ル の  SUNW_PKG_ALLZONES  変 数 の 設 定
          (pkginfo(4) を参照)

       o  呼び出される patchadd のゾーンタイプ (大域またはロー カ
          ル (非大域))


     上記の要因の相互関係を、以下の「ゾーンの -G と pkginfo 変 数
     の相互関係」に示します。

     Solaris ゾーン環境でパッケージにパッチを追加すると、多 数 の
     ゾー ン関連のメッセージ、patchadd を大域ゾーンまたはローカル
     ゾーンのどちらで呼び出すかによって 異 な る 頻 度 と 内 容、
     SUNW_PKG_ALLZONES の設定、および -G オプションの使用が表示さ
     れます。


【オプション】
     以下のオプションを指定できます。

     -B backout_dir

         パッチのバックアウト ( 削除) 時に利用されるデータ ( バッ
         クアウトデータ) を、パッケージデータベース以外のディレク
         トリに保存します。backout_dir は絶対パス名で指定してくだ
         さい。



     -d

         パッチが適用されるファイルのバックアップを作成しません。
         このオプションを指定すると、適用されたパッチを後で削除 (
         バックアウト) することはできません。



     -G

         現在のゾーンでのみパッケージにパッチを追加します。 大 域
         ゾーンで使用される場合、大域ゾーンでのみパッチはパッケー
         ジに追加され、既存の非大域ゾーン、または将来作成される非
         大域ゾーンには転送されません。非大域ゾーンで使用される場
         合、非大域ゾーンでのみパッチはパッケージに追加されます。
         以 下の「ゾーンの -G と pkginfo 変数の相互関係」を参照し
         てください。



     -k keystore

         各パッチ内に見つかったデジタル署名を検証するのに、認証局
         の信頼された証明書を入手するための場所を keystore で指定
         します。キーストアが指定されていない場合、デフォル ト の
         キーストアの場所で信頼された有効な証明書を探します。詳細
         は、pkgadd(1M) のキーストアの場所を参照してください。



     -n

         署名を無視してその検証を行いません。これは、パッチの内容
         が既知で信頼されている場合にのみ使用するべきです。本来、
         Solaris 8 のように、パッチ署名を検証する機能がないシステ
         ムにパッチを適用するためのオプションです。



     -p

         2 つめの形式で使用され、現在適用されているパッチのリスト
         を表示します。



     -P passwd

         必要に応じて、-k で指定したキーストアを復号化するのに 使
         用するパスワードを指定します。このオプションの引数の書式
         について詳細は、pkgadd(1M) のパスフレーズの引数を参照 し
         てください。



     -t

         Solaris 10 より以前のリリースにおいて返され る  patchadd
         戻 りコードを使用できるようにします。zones(5) 環境では戻
         り値 0 (ゼロ) は正常終了を示します。他の戻り値はエラーを
         示します。



     -u

         パッチ適用前にファイルを検証せずに、パッチを無条件に適用
         します。パッチの適用によって変更されるファイルがある場合
         でも、パッチを適用します。



     -x proxy

         パッケージをダウンロードする場合に使用する HTTP[S] プ ロ
         キ シを指定します。プロキシの書式は host:port で、ここで
         host は HTTP[S] プロキシのホスト名、port はプロキシに 関
         連するポート番号です。このスイッチは、プロキシを指定する
         ほかのすべての方法より優先します。デフォルトのプロキシを
         指 定する代わりの方法について詳細は、pkgadd(1M) の環境を
         参照してください。



【オペランド】
     次のオペランドがサポートされています。

  [ソース]
     patchadd は、パッチを抽出するために、ソースを指定する必要 が
     あります。次のソースおよび構文が受け入れられます。


     patch

         patch_id の絶対パス名または署名付きパッチを 指 す  URI。
         /var/sadm/spool/patch/104945-02  は  patch  の一例です。
         https://syrinx.eng:8887/patches/104945-02 は、署名 付 き
         パッチを指す URI の一例です。



     -M patch_dir patch_id [patch_id...]

         インストールするパッチをディレクトリの場所または URL、お
         よびパッチ番号で指定します。

         ディレクトリの場所または URL、およびパッチ番号を使用する
         ためには、patch_dir をスプールされるパッチを含むディレク
         トリの絶対パス名で指定します。スプールされたパッチを含む
         サー バー名およびパス名を URL で指定します。該当するパッ
         チのパッチ番号は patch_id で指定します。複数の  patch_id
         を 指定することが推奨されます。patch_id は該当するパッチ
         のパッチ番号です。104945-02 は patch_id の一例です。



     -M patch_dir patch_list

         インストールするパッチをディレクトリの場所または URL、お
         よびパッチリストを含むファイル名で指定します。

         ディレクトリの場所または URL、およびパッチリストを 含 む
         ファイル名を使用する場合、patch_dir はスプールされるパッ
         チを含むディレクトリの絶対パス名を指定します。URL は、ス
         プールされるパッチを含むサーバー名およびパス名を指定しま
         す。patch_list は、インストールするパッチを含むファイ ル
         名を指定します。



  [宛先]
     デフォルトでは、patchadd は指定した宛先にパッチを適 用 し ま
     す。 宛 先が指定されていない場合、現在のシステム (そのルート
     ファイルシステムが / にマウントされているシステム) がパッ チ
     の 宛 先と仮定されます。次の方法で宛先を指定することもできま
     す。

     -C net_install_image

         setup_install_server で作成されたネットインス トー ル イ
         メージ上のミニルート上に置かれたファイルにパッチを適用し
         ます。net_install_image にはSolaris 8 またはそれと互換性
         のあるバージョンの起動ディレクトリへの絶対パス名を指定し
         ます。使用例を参照してください。

         ミニルートへのインストールに推奨されているパッチをインス
         トー ルする場合のみ、-C オプションを使用してください。ミ
         ニルートへのインストールが推奨されているパッチは に、 通
         常、 パッ ケージコマンド、Sun 製インストールツールおよび
         パッチインストールツールのようなインストール関連のパッチ
         が含まれています。ミニルートにパッチをたくさん適用しすぎ
         ると、ミニルートが大きくなり、Solaris のネットインストー
         ル時にメモりが足りなくなる可能性があります。ミニルートが
         大きくなりすぎないように、-B オプションと -C オプショ ン
         をいっしょに使用してください。上記の -B オプションの説明
         を参照してください。



     -R client_root_path

         patchadd で生成され た す べ て の パッ チ ファ イ ル を
         client_root_path  の 下 の ディ レ ク トリに配置します。
         client_root_path は、サーバーから見たクライアントの ブー
         ト 可 能なルートを含むディレクトリです。client_root_path
         にはディレクトリツリーの先頭の絶対パスを指定します。この
         下に patchadd で生成されたすべてのパッチファイルがありま
         す。-R オプションは -S オプションといっしょに指定する こ
         とはできません。注意事項を参照してください。



     -S service

         代わりとなるサービスを指定します (たとえば、Solaris_8)。
         このサービスはサーバーモデルおよびクライアントモデルの一
         部で、サーバーのコンソールからのみ使用可能です。サーバー
         には、smosservice(1M) で作成された共有の /usr ファイルシ
         ステムを含むことができます。これらのサービス領域は、それ
         ら が 扱うクライアントに使用可能にすることができます。-S
         オプションは -R オプションといっしょに指定することはでき
         ません。注意事項を参照してください。



  [ゾーンの -G と pkginfo 変数の相互関係]
     次のリストに、大域ゾーンおよびローカル (大域以外の) ゾーンで
     パッチを追加する場合の -G オプションおよび SUNW_PKG_ALLZONES
     変数 (pkginfo(4) を参照) の相互関係を示します。

     大域ゾーン、-G を指定

         SUNW_PKG_ALLZONES を真に設定しているパッケージがある場合
         :エラーです。変更はありません。

         SUNW_PKG_ALLZONES を true に設定しているパッケージがない
         場合:大域ゾーンでのみパッケージにパッチを適用します。


     大域ゾーン、-G を指定しない

         SUNW_PKG_ALLZONES を true に設定しているパッケージがある
         場 合:すべてのゾーンで適切なパッケージにパッチを適用しま
         す。

         SUNW_PKG_ALLZONES を true に設定しているパッケージがない
         場 合:すべてのゾーンで適切なパッケージにパッチを適用しま
         す。



     ローカルゾーン、-G を指定または指定しない

         SUNW_PKG_ALLZONES を true に設定しているパッケージがある
         場合:エラーです。変更はありません。

         SUNW_PKG_ALLZONES を true に設定しているパッケージがない
         場 合 : ローカルゾーンでのみパッケージにパッチを適用しま
         す。



【キーストアの場所】
     詳細は、pkgadd(1M) の「キーストアの場所」を参照して く だ さ
     い。

【キーストアおよび証明書の形式】
     詳細は、pkgadd(1M)「キーストアおよび証明書の形式」を参照して
     ください。

【使用例】
     以下に示す例では、/usr/sbin ディレクトリのコマンドを使用して
     いるものとします。

     例 1: スタンドアロンマシンに 1 つのパッチをインストールする

     スタンドアロンマシンに 1 つのパッチをインストールする例を 示
     します。

     example# patchadd /var/spool/patch/104945-02

     例 2: サーバーのコンソールからクライアントに 1 つのパッチ を
     インストールする

     サーバーのコンソールからクライアントに 1 つのパッチをイン ス
     トールする例を示します。

     example# patchadd -R /export/root/client1 /var/spool/patch/104945-02

     例 3: サーバーのコンソールからサービスに 1 つのパッチをイ ン
     ストールする

     サーバーのコンソールからサービスに 1 つのパッチをインス トー
     ルする例を示します。

     example# patchadd -S Solaris_8 /var/spool/patch/104945-02

     例 4: patchadd を 1 回実行して複数のパッチをインストールする

     1 回の patchadd の実行で複数のパッチをインストールする例を示
     します。

     example# patchadd -M /var/spool/patch 104945-02 104946-02 102345-02

     例 5: パッチのリストが記述されているファイルを指定して複数の
     パッチをインストールする

     インストールするパッチのリストが記述されたファイルを指 定 し
     て、複数のパッチをインストールする例を示します。

     example# patchadd -M /var/spool/patch patchlist

     例 6: クライアントに複数のパッチをインストールし、バックアウ
     トデータをデフォルト以外のディレクトリに保存する

     クライアントに複数のパッチをインストールし、パッチのバックア
     ウト時に利用されるデータ (バックアウトデータ) をデフォルト以
     外のディレクトリに保存する例を示します。

     example# patchadd -M /var/spool/patch -R /export/root/client1
          -B /export/backoutrepository 104945-02 104946-02 102345-02

     例 7: Solaris 8 およびその互換バージョンのネットインストール
     イメージにパッチをインストールする

     Solaris 8 およびその互換バージョンのネットインストールイメー
     ジにパッチをインストールする例を示します。

     example# patchadd -C /export/Solaris_8/Tools/Boot
         /var/spool/patch/104945-02

     例 8: クライアントにインストールされているパッチを表示する

     クライアント上にインストールされているパッチを表示する例を示
     します。

     example# patchadd -R /export/root/client1 -p

     例 9: パッチのデジタル署名セットをインストールする

     次の例では複数のパッチをインストールします。その一部は、提供
     されたキーストア、パスワード、および HTTP プロクシを使用して
     署名されています。

     example# patchadd -k /etc/mycerts -p pass:abcd -x webcache.eng:8080 \
     -M http://www.sun.com/solaris/patches/latest 101223-02 102323-02

【終了ステータス】
     以下の終了ステータスが返されます。

     0        正常終了



     >0       エラーが発生した



【属性】
     次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照 し
     てください。
     ____________________________________________________________
    |         属性タイプ          |            属性値           |
    |_____________________________|_____________________________|
    | 使用条件                    | SUNWswmt, SUNWcsu           |
    |_____________________________|_____________________________|
    | インタフェースの安定性      | 開発中                      |
    |_____________________________|_____________________________|

【関連項目】
     cpio(1), pkginfo(1),  patchrm(1M),  pkgadd(1M),  pkgadm(1M),
     pkgchk(1M), pkgrm(1M), smpatch(1M), showrev(1M), pkginfo(4),
     attributes(5), zones(5)

【診断】
     パッチのインストール時によく発生する問題、出力される エ ラー
     メッセージ、その対処方法について説明します。

  [パッチのインストールエラー]
     メッセージ



         The prepatch script exited with return code retcode.
         patchadd is terminating.


         説明・対処法

             パッチに付属している prepatch スクリプトが 0 以外 の
             終 了 コー ドで終了しました。prepatch スクリプトのト
             レースを実行して、prepatch スクリプトが不正 な 終 了
             コードで終了した原因を調べてください。問題を修正する
             には、prepatch スクリプトの先頭行に -x オプション を
             追加して再度 patchadd を実行してください。




     メッセージ



         The signature on patch patch_id was unable to be verified.
         patchadd is terminating.


         説明・対処法

             使用しているキーストアおよびパッチの署名が与えられた
             の で すが、パッチのデジタル署名が検証できませんでし
             た。パッケージの署名を検証するのに必要なトラストアン
             カーがあるかどうか、またパッケージが勝手に変更されて
             いないかどうか、キーストアを確認してください。





     メッセージ



         The postpatch script exited with return code retcode.
         Backing out patch.


         説明・対処方法

             パッチに付属している postpatch スクリプトが 0 以外の
             終 了 コードで終了しました。このスクリプトはおもに、
             パッチパッケージのオブジェクトに対応しないファイルを
             一掃するため (つまりパッケージの所有権およびアクセス
             権に問題があるとき) に使用されます。出力された検証エ
             ラー を すべて確認し、それぞれについて適切な処置を行
             なった後、-u オプション付きで再度 patchadd を実行 し
             てください。検証エラーを無視してパッチがインストール
             されます。





     メッセージ



         Insufficient space in /var/sadm/patch to save old files.
         (Solaris 2.4 およびそれ以前のシステム)


         説明・対処方法

             パッチ適用前のファイルを保存 す る た め の 容 量 が
             /var/sadm/patch ディレクトリにありません。3 つの対処
             法があります。(1) -B オプション付きで patchadd を 実
             行して、指定したファイルシステムにバックアウトデータ
             (パッチのバックアウト時に利用されるデータ) を保存 し
             ます。(2) 不要なファイルを削除することによってディス
             ク容量を確保します。(3) -d オプション付きで patchadd
             を実行して、パッチ適用前のファイルを保存しないように
             します。

             パッチ適用前のファイルを保存しないように選択し た 場
             合、 後に patchrm を使用してパッチを削除することはで
             きなくなります。以前に適用したパッチの保存領域を削除
             することによって、システム領域を確保するという方法も
             あります。後にパッチを削除する可能性はないと判断した
             場 合は、patchadd によって保存されたファイルを削除し
             ても構いません。パッチ patch_id について保存さ れ た
             ファイルを削除するには、次のように実行してください。

             cd /var/sadm/patch/patch_id
             rm -r save/*
             rm .oldfilessaved

             上記のコマンドを実行後は、パッチ patch_id は削除でき
             なくなります。




     メッセージ



         Insufficient space in /var/sadm/pkg/PKG/save to save old files.
         (Solaris 2.5 およびそれ以降のシステム)



         説明・対処方法

             /var/sadm/pkg/PKG/save ディレクトリに容量が不足し て
             いるため、パッチ適用前のファイルを保存できません。次
             の 3 つの対処方法があります。(1) -B オプション付きで
             patchadd  を実行して、指定したファイルシステムにバッ
             クアウトデータ (パッチのバックアウト時に利用さ れ る
             データ) を保存します (1 つ前のメッセージに関する説明
             を参照してください)。(2) 不要なファイルを削除する こ
             と によってディスク領域を確保します。(3) -d オプショ
             ン付きで patchadd を実行して、パッチ適用前のファイル
             を保存しないようにします。

             パッチ適用前のファイルを保存しないように選択し た 場
             合、 後に patchrm を使用してパッチを削除することはで
             きなくなります。以前に適用したパッチの保存領域を削除
             することによって、システム領域を確保するという方法も
             あります。後にパッチを削除する可能性がないと判断した
             場 合は、patchadd によって保存されたファイルを削除し
             ても構いません。patch_id について保存されたファイ ル
             を削除するには、次のように実行してください。


             cd /var/sadm/pkg/pkgabbrev/save
             rm -r patch_id


             上記のコマンドを実行後は、パッチ patch_id は削除でき
             なくなります。




     メッセージ



         Save of old files failed.
         (Solaris 2.4 およびそれ以前のシステム)


         説明・対処方法

             パッチを適用する前に、パッチインストールスクリプトは
             cpio  を使用してパッチ適用前のファイルを保存します。
             このエラーメッセージは、cpio が失敗したことを示し ま
             す。このエラーメッセージの前に cpio からの出力が表示
             されているはずです。cpio の失敗を修正するために適 切
             な 処置を行う必要があります。次の 2 つの対処方法があ
             ります。(1) 不要なファイルを削除してディスク領域を確
             保 します。(2) -d オプション付きで patchadd を実行し
             てパッチ適用前のファイルを保存しないようにします。た
             だし、パッチ適用前のファイルを保存しないように選択し
             た場合、パッチを削除することはできなくなります。




     メッセージ



         Pkgadd of pkgname package failed with error code code.
         See /tmp/log.patch_id for reason for failure.


         説明・対処方法

             メッセージ中に示されたパッチパッケージのインストール
             に 失 敗 しました。patchadd はパッチをバックアウトし
             て、システムをパッチ適用前の状態にします。ログファイ
             ルを参照してインストールに失敗した原因を確認し、必要
             な処置を行なって問題を解決した後、再度パッチを適用し
             てください。




     メッセージ



         Pkgadd of pkgname package failed with error code code.
         Will not backout patch...patch re-installation.
         Warning: The system may be in an unstable state!
         See /tmp/log.patch_id for reason for failure.



         説明・対処方法

             メッセージ中に示されたパッチパッケージのインストール
             に 失敗しました。patchadd はパッチをバックアウトしま
             せん。ログファイルを参照して pkgadd が失敗した原因を
             確認し、必要な処置を行なって問題を解決してください。
             その後、patchrm を使用して手動でパッチをバックアウト
             してから、再度パッチを適用してください。




     メッセージ


         patchadd is unable to find the INST_RELEASE file.  This file
         must be present for patchadd to function correctly.


         説明・対処方法

             システムに INST_RELEASE ファイルがありません。 こ の
             ファイルは初期インストール中またはアップグレード中に
             作成されます。



     メッセージ



         A previous installation of patch patch_id was invoked
         that saved files that were to be patched. Since files
         were saved, you must run this instance of patchadd
         without the -d option.



         説明・対処方法

             以前に -d オプションを使用しないでパッチがインストー
             ルされている場合、パッチを再インストールするときにも
             -d オプションなしで実行する必要があります。-d  オ プ
             ションを付けずに patchadd を実行してください。




     メッセージ



         A previous installation of patch patch_id was invoked
         with the -d option.  (i.e. Do not save files that would
         be patched)  Therefore, this invocation of patchadd
         must also be run with the -d option.




         説明・対処方法

             以前に -d オプションを使用してパッチがインストールさ
             れ ている場合、パッチを再インストールするときにも -d
             オプションを使用する必要があります。-d オプション 付
             きで patchadd を実行してください。




  [その他の診断メッセージ]
     以下に示すパッチインストール時のメッセージは、「説明・対処方
     法」で説明しているように必ずしもエラーではありませんが、パッ
     チインストールのログファイルに記録されます。

     メッセージ



         Package not patched:
         PKG=SUNxxxx
         Original package not installed



         説明・対処方法

             メッセージに示されているパッチコンポーネントは、シス
             テムにインストールされていないパッケージに対するパッ
             チです。これは必ずしもエラーではありません。1  つ の
             パッ チが 1 つのバグを複数のパッケージに対して修正す
             ることもあります。

             たとえば、オンラインバックアップと fddi パッケージの
             両 方に対する 1 つのバグを修正するパッチを例として考
             えます。オンラインバックアップはインストールされてい
             るけれども fddi パッケージがインストールされていない
             場合、次のようなメッセージが出力されます。:

             Package not patched:
             PKG=SUNWbf
             Original package not installed



             システム上に fddi パッケージがインストールされている
             場合には、このメッセージをエラーとして対処する必要が
             あります。必要な処置を行なってパッケージをインストー
             ル し、(パッチによって他のパッケージがインストールさ
             れている場合は) パッチをバックアウトし、再度パッチを
             インストールしてください。




     メッセージ



         Package not patched:
         PKG=SUNxxx
         ARCH=xxxxxxx
         VERSION=xxxxxxx
         Architecture mismatch



         説明・対処方法

             メッセージに示されているパッチコンポーネントは、ユー
             ザーが使用しているシステムとは異なるアーキテクチャの
             パッケージに対するパッチです。これは必ずしもエラーで
             はありません。アーキテクチャ固有のパッケージに対する
             パッチには、該当する各アーキテクチャごとに 1 つの コ
             ン ポー ネントが含まれている場合もあります。たとえば
             sun4m アーキテクチャのシステムを使用している場 合 に
             SUNWcar パッケージに対するパッチをインストールしよう
             とすると、次のようなメッセージが出力されます。


             Package not patched:
             PKG=SUNWcar
             ARCH=sparc.sun4c
             VERSION=11.5.0,REV=2.0.18
             Architecture mismatch

             Package not patched:
             PKG=SUNWcar
             ARCH=sparc.sun4u
             VERSION=11.5.0,REV=2.0.18
             Architecture mismatch

             Package not patched:
             PKG=SUNWcar
             ARCH=sparc.sun4e
             VERSION=11.5.0,REV=2.0.18
             Architecture mismatch

             Package not patched:
             PKG=SUNWcar
             ARCH=sparc.sun4
             VERSION=11.5.0,REV=2.0.18
             Architecture mismatch


             使用しているシステムのアーキテクチャを patchadd が正
             しく認識していない場合のみ、このメッセージはエラーを
             示しています。




     メッセージ



         Package not patched:
         PKG=SUNxxxx
         ARCH=xxxx
         VERSION=xxxxxxx
         Version mismatch



         説明・対処方法

             パッチが適用されるソフトウェアバージョンがシステムに
             イ ンストールされていません。たとえば Solaris 8 を実
             行している場合に Solaris 9 に対するパッチを イ ン ス
             トールしようとすると、次のようなメッセージが出力され
             ます。

             Package not patched:
             PKG=SUNWcsu
             ARCH=sparc
             VERSION=10.0.2
             Version mismatch


             これは必ずしもエラーではありません。パッチを適用する
             パッ ケー ジのバージョンが不一致の場合は、正しいバー
             ジョンのパッチを入手するか、または正しいバージョンの
             パッケージをインストールしてください。そのあと、必要
             な場合はパッチをバックアウトしてから、再度パッチを適
             用してください。




     メッセージ



         Re-installing Patch.



         説明・対処方法

             インストールしようとしているパッチはすでに適用されて
             いますが、追加インストールされるパッケージが少なくと
             も 1 つパッチに含まれています。たとえば、 AnswerBook
             がインストールされていないシステムに、OpenWindows と
             AnswerBook の両方のコンポーネントが含まれている パッ
             チを適用すると、そのパッチの AnswerBook コンポーネン
             ト部分は適用されません。後に pkgadd を使って Answer-
             Book  をインストールしてパッチを再度適用すると、その
             パッチの AnswerBook コンポーネント部分がシステムに適
             用されます。




     メッセージ


         patchadd Interrupted.
         patchadd is terminating.



         説明・対処方法

             patchadd の実行が中断されました (通常 <CTRL-c> が 押
             されたため)。patchadd は処理中のファイルを削除し、終
             了します。




     メッセージ



         patchadd Interrupted.
         Backing out Patch...



         説明・対処方法

             patchadd の実行が中断されました (通常 <CTRL-c> が 押
             さ れ たため)。patchadd は処理中のファイルを削除し、
             パッチをバックアウトし、終了します。




【関連項目】
     cpio(1), pkginfo(1),  patchrm(1M),  pkgadd(1M),  pkgchk(1M),
     pkgrm(1M), smpatch(1M), showrev(1M), attributes(5)

【注意事項】
     クライアントまたはサーバーにパッチをインストールする に は、
     patchadd を 2 回実行する必要があります。1 回は -R オプション
     を付けて実行し、もう 1 回は -S オプションを付けて実 行 し ま
     す。これによって、パッチが /usr と / (ルート) パーティション
     の両方に確実にインストールされます。パッチに /usr と / (ルー
     ト) のパッケージが含まれている場合に、上記の方法を実行する必
     要があります。

     patchadd を実行すると、pkgadd が起動され、pkg/install ディレ
     クトリにあるインストールスクリプトを実行します。checkinstall
     スクリプトは、所有権を install というユーザー名に設定して 実
     行 さ れ ます。ユーザー名が install に設定されていない場合、
     pkgadd は checkinstall スクリプトを noaccess として実行し ま
     す。SVR4 ABI には、checkinstall は情報収集を行うスクリプトと
     してのみ使用されると記述されています。checkinstall スクリ プ
     ト のアクセス権を初期設定から変更すると、pkgadd はファイルを
     オープンして読み取ることができなくなり、次のようなメッセージ
     が出力されてパッチのインストールが異常終了します。

     pkgadd: ERROR: checkinstall script did not complete successfully.

     このため、checkinstall スクリプトのアクセス権は変更しない で
     ください。パッチが正しくインストールされたときのパッチインス
     トールログファイルの内容は、patchadd が pkgadd の出力をリ ダ
     イレクトしたものになります。パッチが正しくインストールされる
     と、pkgadd は次のようなメッセージを出力し、それがログファ イ
     ルに書き込まれます。

     This appears to be an attempt to install the same architecture
     and version of a package which is already installed. This
     installation will attempt to overwrite this package.
     This message does not indicate a failure, it represents the
     correct behavior by pkgadd when a patch installs correctly.

     このメッセージは処理の失敗を示しているものではありま せ ん。
     パッチが正しくインストールされたときの pkgadd による正しい動
     作を示しています。

     クライアント・サーバーマシンでは、既存のクライアントにまたは
     ク ラ イアントのルートディレクトリ (templates 領域) にパッチ
     パッケージは適用 (インストール) されません。このため、すべて
     のクライアントマシンにおいて直接 patchadd を使用して、適切な
     時にクライアントマシンにパッチを適用する必要があります。パッ
     ケー ジ ユーティリティ(pkgadd, pkgrm, pkgchk) に影響するバグ
     は、patchadd または patchrm の動作に影響する場合があります。
     patchadd および patchrm は、上記のパッケージユーティリティを
     使用してパッチパッケージをインストールおよびバックアウトして
     います。これらのパッケージユーティリティのバグを修正するパッ
     チが提供されているかどうかを確認し、提供されている場合はその
     パッチを先に適用してから、他のパッチを適用することをお勧めし
     ます。現在提供されている、パッケージユーティリティに対 す る
     パッチは、次のとおりです。

     Solaris 2.5.1 (Sparc 版):

         104578



     Solaris 2.5.1 (Intel 版):

         104579



     Solaris 2.6 (Sparc 版):



         106292



     Solaris 2.6 (Intel 版):

         106293