Solaris man マニュアル
ユーザーコマンド                                        rlogin(1)

【名前】
     rlogin - リモートログイン

【形式】
     rlogin [-8EL] [-ec ] [-A] [-x] [-PN | -PO]  [-f | -F]   [-a]
     [-l username] [-k realm] hostname

【機能説明】
     rlogin は、使用している端末から hostname で指定したリモー ト
     ホ ス トへのリモートログインセッションを確立します。ユーザー
     は、Kerberos V5 を使用して rlogin セッションを Kerberos 認証
     するかどうかを選択できます。また、転送されるデータも保護でき
     ます。

     ホスト名のリストは hosts データべースに格納されています。 こ
     の デー タ べー スは /etc/hosts ファイルと /etc/inet/ipnodes
     ファイル、ネットワーク情報サービス (NIS) の hosts マップ、イ
     ン ター ネットドメインネームサーバーのいずれかに含まれていま
     す。このうちのいくつかに含まれている場合もあります。各ホスト
     には、正式ホスト名 (データべースエントリに記載されている最初
     の名前) が 1 つずつ割り当てられていますが、このほかに 1 つ以
     上 のニックネームを割り当てることもできます。rlogin コマンド
     の hostname 引数には、正式ホスト名とニックネームのどちらでも
     指定できます。

     ユーザーは、Kerberos V5 認証を使用して、rlogin セッション を
     安全にするかどうかを選択できます。また、転送されるデータも暗
     号化できます。rlogin セッションで Kerberos 認証を実行する に
     は、 Kerberos 固有オプション (-A、-PN または -PO、-x、-fまた
     は -F、および -k realm) を使用します。これらのオプションのう
     ち、-x、-PN または -PO、および -f または -F は、krb5.conf(4)
     の [appdefaults] セクションにも指定できます。これら の オ プ
     ションの使用法と期待される動作については、以下のオプションセ
     クションを参照してください。Kerberos 認証を使用する場合、 ア
     カ ウントの認証は、krb5_auth_rules(5) の規則によって制御され
     ます。Kerberos 認証が失敗した場合、-PO オプションをコマン ド
     行 に明示的に指定するか、krb5.conf(4) 経由で指定している場合
     にのみ、rhosts を使用する通常の rlogin へのフォールバック が
     発 生 し ま す。 -PN または -PO、-x、-f または -F、および -k
     realm オプションは、-A オプションの上位集合であることに注 意
     してください。

     リモートの端末タイプは、環境変数 TERM を使用して、ローカルの
     端末タイプと同じになります。端末またはウィンドウのサイズもリ
     モートシステムにコピーされます (ただし、サーバーがこの オ プ
     ショ ンをサポートしている場合)。また、サイズの変更も、リモー
     トシステムに反映されます。処理内容は常にリモート側にエコーさ
     れるので、遅延が発生している場合以外は、リモートログイン処理
     であることを意識せずに操作できま す。 ま た  <Control-S>  や
     <Control-Q>  を 使ったフロー制御、割り込み時の入出力のフラッ
     シュも正しく処理されます。


【オプション】
     次のオプションを指定できます。

     -8              ネットワーク間で、7 ビットデータではな く  8
                     ビットデータを送信します。



     -a              リモートマシンがパスワードをたずねるようにし
                     ます。具体的には、ヌルのローカルユーザー名を
                     送信します。



     -A              Kerberos 認証を明示的に有効にし、アクセス 制
                     御 に おいて .k5login ファイルを信用します。
                     サーバー側での in.rlogind(1M) に よ る 認 証
                     チェッ クが成功して、なおかつ、.k5login ファ
                     イルがアクセス権を許可する場合、ユーザーはパ
                     スワードを入力せずにログインすることが許可さ
                     れます。



     -ec             リモートホストとの接続を解除する際のエスケー
                     プ 文字として、標準の文字ではなく c を使用し
                     ます。



     -E              すべての文字が、エスケープ文字として認識され
                     なくなります。



     -f              ローカルの証明書 (Kerberos チケット 許 可 チ
                     ケット) のコピーをリモートシステムに転送しま
                     す。この証明書は再転送可能ではありません。こ
                     のチケット許可チケットを転送する必要があるの
                     は、リモートホスト上で Kerberos 認証を使用し
                     ているほかのネットワークサービスで自分自身を
                     認証する必要がある場合です。たとえば、リモー
                     ト ホ スト上にある自分のホームディレクトリが
                     Kerberos V5 経由で NFS マウントされている 場
                     合などです。この場合、ローカルの証明書を転送
                     しなければ、リモートホスト上にある自分のホー
                     ムディレクトリにアクセスできません。このオプ
                     ションは、-F オプションとは相互排他的です。



     -F              ローカルの証明書 (Kerberos チケット 許 可 チ
                     ケット) のコピーをリモートシステムに転送しま
                     す。この証明書は再転送可能です。-F オプ ショ
                     ン は、-f オプションが提供する機能の上位集合
                     を提供します。たとえば、-f オプショ ン の 場
                     合、 リ モー ト ホ ス ト に 接 続 した後に、
                     /usr/bin/ftp、             /usr/bin/telnet、
                     /usr/bin/rlogin、 ま たは /usr/bin/rsh を -f
                     オプションまたは -F オプションで呼び出そうと
                     しても失敗します。つまり、単一のネットワーク
                     署名をほかのシステムにプッシュできません。こ
                     の オプションは、-f オプションとは相互排他的
                     です。



     -k realm        rlogin は、krb5.conf(4) で定義されてい る リ
                     モー ト ホストの領域ではなく、指定した realm
                     内のリモートホスト用のチケットを取得します。



     -l username     リモートログイン時のユーザー名として別の名前
                     (username)  を指定します。このオプションを省
                     略すると、ローカルユーザー名がリモー ト ユー
                     ザー名になります。



     -L              litout モードでの rlogin セッションの実行 を
                     許可します。



     -PN             Kerberos の「rcmd」プロトコルの新 し い バー
     -PO             ジョン (-PN) または古いバージョン (-PO) を明
                     示的に要求します。新しいプロトコルは、古いプ
                     ロトコルで蔓延している多くのセキュリティの問
                     題を回避し、より安全であると考えられますが、
                     古い (MIT/SEAM) サービスとは相互運用できませ
                     ん。-PO オプションで古いプロトコルを明示的に
                     指 定するか、krb5.conf(4) 経由で指定していな
                     い限り、デフォルトでは、新しいプロトコルが使
                     用されます。古い「rcmd」プロトコルを使用して
                     いるときに Kerberos 認証が失敗した場合、Ker-
                     beros  認 証 を 使用しない通常の rlogin への
                     フォールバックが発生します。これは、新しい、
                     より安全な「rcmd」プロトコルを使用していると
                     きには当てはまりません。


     -x              rlogin セッションを通過するすべてのデータ に
                     DES 暗号化を有効にします。これによって、応答
                     時間が低下し、CPU 使用率が上昇します。



  [エスケープシーケンス]
     端末から入力した行がチルド(~)で始まっている場合、その行 は
     エ スケープシーケンスとみなされます。-e オプションを使って、
     エスケープ文字をチルド以外に変更することもできます。

     ~.              リモートホストとの接続を切断します。ローカル
                     ホストはリモート側に警告を出さずに切断を実行
                     します。この点で通常のログアウトとは異なりま
                     す。



     ~susp           ログインセッションを一時的に中断します。この
                     指定は、ジョブ制御機能を持つシェルを使用して
                     いる場合にのみ有効です。susp は中断用の文 字
                     であり、通常は <CTRL-Z> です ( tty(1) を参照
                     )。



     ~dsusp          ログインの途中で入力を一時中断しますが、出力
                     は表示します。この指定は、ジョブ制御機能を持
                     つシェルを使用している場合にのみ有効 で す。
                     dsusp  は 一 時 的中断用の文字であり、通常は
                     <CTRL-Y> です ( tty(1) を参照)。



【オペランド】
     hostname        rlogin がリモートログインセッションを確立 す
                     るリモートマシンです。



【使用法】
     Kerberos 認証を使用する rlogin セッションの場合、各ユー ザー
     は自分のホームディレクトリの .k5login ファイルに、専用の認証
     リストを持つことができます。このファイルの各行 に は、 形 式
     principal/instance@realm  の Kerberos 主体名が入っている必要
     があります。~/.k5login ファイルが存在する場合、起点ユー ザー
     が  ~/.k5login ファイルに指定された主体の 1 人であると認証さ
     れた場合にのみ、起点ユーザーのアカウントにアクセス権が付与さ
     れ ます。~/.k5login ファイルが存在しない場合、authenticated-
     principal-name -> local-user-name マッピング規則を使用して、
     起点ユーザーの認証された主体名をローカルアカウント名にマッピ
     ングできる場合にのみ、起点ユーザーのアカウントにアクセス権が
     付 与されます。.k5login ファイル (アクセス制御用) が処理され
     るのは、Kerberos 認証が行われるときだけです。

【ファイル】
     /etc/passwd             ユーザーアカウントに関する情報が含ま
                             れています。



     /usr/hosts/*            コマンドの hostname バージョンです。



     /etc/hosts.equiv        ユーザー名を共有する、信頼できるホス
                             ト名が記述されています。



     /etc/nologin            マシンのシャットダウン中にログインし
                             よ う とするユーザーへのメッセージで
                             す。



     $HOME/.rhosts           個々のユーザー用のリストであり、ホス
                             ト名とユーザー名の組み合わせがエント
                             リになっています。



     $HOME/.k5login          アクセスを許可する Kerberos 主体を含
                             むファイル



     /etc/krb5/krb5.conf     Kerberos 構成ファイル



     /etc/hosts              ホストのデータベースです。



     /etc/inet/ipnodes       ホストのデータベースです。



【属性】
     次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照 し
     てください。
     ____________________________________________________________
    |         属性タイプ          |            属性値           |
    |_____________________________|_____________________________|
    | 使用条件                    | SUNWcsu                     |
    |_____________________________|_____________________________|

【関連項目】
     rsh(1),       stty(1),        tty(1),        in.rlogind(1M),
     hosts(4),hosts.equiv(4),   ipnodes(4),  krb5.conf(4),  nolo-
     gin(4), attributes(5), krb5_auth_rules(5)

【診断】
     次のメッセージは、マシンがシャットダウン中で、ログインできな
     いことを表します。


     NO LOGINS: System going down in N minutes


【注意事項】
     hosts.equiv ファイルに記述されているホストのセキュリティは、
     ローカルホストと同程度に保護されている必要があります。この保
     護が十分でないホストがあると、システム全体のセキュリティが影
     響を受けます。

     ネットワーク情報サービス (NIS) は、以前は Sun  Yellow  Pages
     (YP) として知られていました。この 2 つは、名前が異なっている
     だけで、機能上は同じです。

     この実装では TCP ネットワークサービス以外は使用できません。