ユーザーコマンド rm(1)
【名前】
rm, rmdir - ディレクトリのエントリの削除
【形式】
/usr/bin/rm [-f] [-i] file ...
/usr/bin/rm -rR [-f] [-i] dirname ... [file ...]
/usr/xpg4/bin/rm [-fiRr] file ...
/usr/bin/rmdir [-ps] dirname ...
【機能説明】
[/usr/bin/rm /usr/xpg4/bin/rm]
rm ユーティリティは、file オペランドで示された各ディレクトリ
エ ントリを削除します。file に書き込み権がなく、標準入力が端
末の場合、そのファイルに対するすべてのアクセス権( 8 進数) が
出力され、後ろに疑問符がつけられます。これは、確認を求めるプ
ロンプトです。これに対する解答が y (yes) の場合にはそのファ
イルは削除され、そうでない場合にはそのファイルは残されます。
file がシンボリックリンクの場合リンクは削除されますが、参 照
するファイルまたはディレクトリは削除されません。ユーザーがシ
ンボリックリンクを削除する際、そのディレクトリに書き込み権が
あれば、シンボリックリンクに書き込み権は必要ありません。
file オペランドに複数のファイルが指定され、何らかの理由で そ
のうちの 1 つが削除できなかった場合、rm は診断メッセージを標
準エラー出力に書き出し、そのファイルにはそれ以上の処理は行わ
ず、残りの file オペランドを処理します。
標準入力が端末でない場合、rm は -f オプションが指定されてい
る場合と同様に動作します。
[/usr/bin/rmdir]
rmdir ユーティリティは、dirname オペランドで示されたディレク
トリのエントリを削除します。dirname は空のディレクトリを指し
ている必要があります。
ディレクトリは指定された順序で処理されます。したがって、ある
ディ レ ク トリとそのディレクトリのサブディレクトリを 1 度の
rmdir 呼び出しで削除したい場合、サブディレクトリを親ディレク
トリよりも前に指定して先に削除し、親ディレクトリの削除のとき
にディレクトリが空になるようにしてください。
【オプション】
以下のオプションは、/usr/bin/rm と /usr/xpg4/bin/rm で使用で
きます。
-r 引数リストにあるディレクトリおよびサブディレクト リ
を 再帰的に削除します。ディレクトリ中は空にされ、削
除されます。通常、ディレクトリにある書き込み保護 さ
れ た任意のファイルの削除には、ユーザーに確認を求め
るプロンプトが出されます。ただし、-f オプションが使
用 されている場合、または標準入力が端末ではなく、し
かも -i オプションが使用されていない場合、書き込 み
保護されたファイルはプロンプトなしで削除されます。
このオプションが使用された場合にシンボリックリン ク
の エントリが存在しても、再帰的処理はシンボリックリ
ンク先には及びません。
書き込み保護された空でないディレクトリを削除しよ う
とすると、このコマンドは常に( -f オプションが使用さ
れている場合でも)失敗に終わり、エラーメッセージが表
示されます。
-R -r オプションと同じです。
[/usr/bin/rm]
以下のオプションは、/usr/bin/rm でのみ使用できます。
-f ユーザーに確認を求めるプロンプトを出さずに、ディ レ
ク トリ内のすべてのファイル (書き込み保護のあるなし
にかかわらず)を削除します。しかし、書き込み保護され
たディレクトリでは、(たとえどんなアクセス権があって
も)ファイルは決して削除されません。また、それについ
て のメッセージは表示されません。書き込み保護された
ディレクトリを削除しようとすると、このオプション は
エラーメッセージを表示します。
-i 対話型。このオプションを使用すると、rm はファイルを
削 除する前に、確認を求めるプロンプトを出します。こ
れは -f オプションより優先され、標準入力が端末で な
い場合でもその効力を持続します。
[/usr/xpg4/bin/rm]
以下のオプションは、/usr/xpg4/bin/rm でのみ使用できます。
-f 確認を求めるプロンプトメッセージを出力しません。 存
在 し な いものがオペランドで指定されても、診断メッ
セージを出力したり終了ステータスを変更したりしま せ
ん。 前に -i オプションが指定されていれば、それを無
視します。
-i 確認を求めるプロンプトを出力します。-f オプションが
指定されていれば、それを無視します。
[/usr/bin/rmdir]
以下のオプションは、/usr/bin/rmdir でのみ使用できます。
-p ユーザーはディレクトリ dirname および空になる親ディ
レ クトリを削除できます。パスの全体、または一部が削
除されていなければ、メッセージが標準出力に出され ま
す。
-s -p が有効なときに標準エラーに出力されるメッセージを
表示しません。
【オペランド】
以下のオペランドを指定できます。
file 削除するディレクトリエントリのパス名
dirname 削除する空のディレクトリのパス名
【使用法】
ファイルが 2 ギガバイト ( 2**31 バイト) 以上ある場合の rm と
rmdir の動作については、largefile(5) を参照してください。
【使用例】
以下の例に、有効なコマンドの使用法を示します。
[/usr/bin/rm /usr/xpg4/bin/rm]
例 1: ディレクトリを削除する
次のコマンドは、ディレクトリエントリ a.out と core を削除 し
ます。
example% rm a.out core
例 2: 確認を求めずにディレクトリを削除する
次のコマンドは、ディレクトリ junk とその下の内容を、確認を求
めずに削除します。
example% rm -rf junk
[/usr/bin/rmdir]
例 3: 空のディレクトリを削除する
現在のディレクトリに a というディレクトリがあり、そのディ レ
クトリには b というディレクトリだけがあるとします。また b に
は、c というディレクトリだけがあるものとします。次のコマンド
は、3 つのディレクトリすべてを削除します。
example% rmdir -p a/b/c
【環境】
rm と rmdir の実行に影響を与える 環 境 変 数 LC_COLLATE 、
LC_CTYPE 、 LC_MESSAGES 、 NLSPATH に つ い て の詳細は、
environ(5) を参照してください。
【終了ステータス】
以下の終了ステータスが返されます。
0 -f オプション省略時は、指定されたすべてのディレクト
リエントリが削除されたことを示す。-f オプション指定
時は、指定されたすべての既存のディレクトリエント リ
が削除されたことを示す
>0 エラーが発生した
【属性】
次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照 し
てください。
[/usr/bin/rm /usr/bin/rmdir]
____________________________________________________________
| 属性タイプ | 属性値 |
|_____________________________|_____________________________|
| 使用条件 | SUNWcsu |
|_____________________________|_____________________________|
| CSI | 対応済み |
|_____________________________|_____________________________|
[/usr/xpg4/bin/rm]
____________________________________________________________
| 属性タイプ | 属性値 |
|_____________________________|_____________________________|
| 使用条件 | SUNWxcu4 |
|_____________________________|_____________________________|
| CSI | 対応済み |
|_____________________________|_____________________________|
| インタフェースの安定性 | 標準 |
|_____________________________|_____________________________|
【関連項目】
rmdir(2), unlink(2), attributes(5), environ(5), large-
file(5), XPG4(5)
【診断】
メッセージは、通常はすべて明白で、補足する必要はありません。
うっかりして次のようなことを行わないために、ファイル "." お
よび ".." を削除することは禁じられています。
example% rm -r .*
ファイル「/」を削除することは禁止されています。こ れ は、 間
違って以下のような状況になってしまったときに、惨劇を起こさな
いようにするためです。
example% rm -rf $x/$y
または
example% rm -rf /$y
そして、$xと $y が空の文字列に展開される場合です。
【注意事項】
-- を使用することにより、ユーザーは任意のコマンド行オプ ショ
ンの最後を明白に記すことができ、rm は - で始まるファイル名の
引数を認識できます。BSD 移行の補助として、rm は - を -- の
同義語として受け付けます。この導入補助は、将来のリリースでは
提供されない可能性があります。-- と - の両方が同一コマンド行
にある場合は、2 つめがファイルとして解釈されます。
|
|