Solaris man マニュアル
ユーザーコマンド                                          time(1)

【名前】
     time - 単純コマンドの時間測定

【形式】
     time [-p] utility [ argument. ..]

【機能説明】
     time ユーティリティは utility オペランドで指定されたユーティ
     リティを argument とともに呼び出し、utility の時間統計情報を
     まとめて標準エラー出力に書き出します。この情報には以下のもの
     が含まれます。

       o  utility を呼び出してからその実行が終了するまでの経過  (
          実 ) 時間

       o  ユーザーCPU 時間。これは utility を実行したプロセスに対
          して times(2) 関数が返す tms_utime と tms_cutime の値の
          合計と同じ意味です。

       o  システム CPU 時間。これは utility を実行したプロセス に
          対 して times() 関数が返す tms_stime と tms_cstime の値
          の合計と同じ意味です。


     time をパイプラインの一部として使用した場合、それがパイプ ラ
     イン内のグループ分けコマンド中の唯一のコマンドである場合を除
     き、報告される時間情報の内容は予測できません。以下の例を見て
     ください。左側のコマンドの結果は予測できませんが、右側のコマ
     ンドは、上の例ではユーティリティa について、下の例で は ユー
     ティリティc について報告されます。


          time a | b | c      { time a } | b | c
          a | b | time c      a | b | (time c)



【オプション】
     以下のオプションを指定できます。

     -p              時間情報を以下の形式で標準エラー出力に書き出
                     します。


                     real %f\nuser %f\nsys %f\n < real seconds>, <user seconds>,
                     <system seconds>



【オペランド】
     以下のオペランドを指定できます。

     utility         呼び出すユーティリティの名前



     argument        utility を呼び出す際に引数として与えるべき文
                     字列



【使用法】
     time ユーティリティは、エラーが発生すると終了ステータス  127
     を返します。これによりアプリケーションは、「ユーティリティが
     見つからなかった」エラーと「呼び出したユーティリティがエラー
     で終了した」状態とを見分けることができます。127 という値を選
     んだのは、通常この値は他の意味で使われることがないためです。
     ほとんどのユーティリティは、小さい値を使って「一般的なエラー
     状態」を表し、128 より大きな値は、シグナル受信による終了の場
     合 と 区別が困難になりかねないためです。同じような観点から、
     ユーティリティは見つかったが実行できなかった、という場合に使
     う値として 126 が選ばれています。

【使用例】
     例 1: time コマンドの使用

     time は、パイプラインまたは一連のコマンドに対して使用する と
     便 利 なことがよくあります。まずパイプラインやコマンド群を 1
     つのファイルに入れ、それをユーティリティとして呼び出します。
     それにより time をファイル中のすべてに適用させることができま
     す。

     他の方法として、以下のような使い方でも time を複雑なコマンド
     に適用できます。

     time sh -c 'complex-command-line'

     例 2: C シェルに組み込まれている time の使用

     以下の 2 つの例では、csh に組 み 込 ま れ て い る  time  と
     /usr/bin/time  と の違いを示しています。現在使用中のシェルが
     csh であるとします。

     example% time find / -name csh.1 -print
     /usr/share/man/man1/csh.1
     95.0u 692.0s 1:17:52 16% 0+0k 0+0io 0pf+0w
     time の出力形式に関する詳細は、csh(1) を参照してください。

     example% /usr/bin/time find / -name csh.1 -print
     /usr/share/man/man1/csh.1
     real  1:23:31.5



SunOS 5.10                1998年8月17日                         2






ユーザーコマンド                                          time(1)



     user     1:33.2
     sys     11:28.2

【環境】
     time の実行に影響を与える環境変 数  LC_CTYPE、 LC_MESSAGES、
     LC_NUMERIC、 NLSPATH、PATH についての詳細は、environ(5) を参
     照してください。

【終了ステータス】
     utility で指定したユーティリティが呼び出された場合、そのユー
     ティ リ ティの終了ステータスが time の終了ステータスとなりま
     す。呼び出されなかった場合には、time は以下のいずれかの値 を
     返して終了します。

     1-125           time ユーティリティの中でエラーが発生した



     126             utility は見つかったが呼び出すことがで き な
                     かった



     127             utility が見つからなかった。



【属性】
     次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照 し
     てください。
     ____________________________________________________________
    |         属性タイプ          |            属性値           |
    |_____________________________|_____________________________|
    | 使用条件                    | SUNWcsu                     |
    |_____________________________|_____________________________|

【関連項目】
     csh(1),  shell_builtins(1),   timex(1),   times(2),   attri-
     butes(5), environ(5)

【注意事項】
     time コマンドをマルチプロセッサ・マシン上で実行した場合、 出
     力 された user と sys の値の合計が real 値を超える場合があり
     ます。これは、マルチプロセッサ・マシンでは、処理を複数のプロ
     セッサに分けて実行することが可能なためです。

     時間測定対象のコマンド処理中に割り込みが発生すると、出力され
     る時間の値に誤差が生じることがあります。

【使用上の留意点】
     経過時間の精度は秒単位までですが、CPU 時間は 100 分の 1 秒ま
     で 計測されます。そのため CPU 時間の合計値は経過時間を最大 1
     秒上回る可能性があります。