Solaris man マニュアル
システム管理コマンド                                     wall(1M)

【名前】
     wall - すべてのユーザーへの通知

【形式】
     /usr/sbin/wall [-a] [-g grpname] [filename]

【機能説明】
     wall はファイルの終わりまで標準入力を読み取り、現在ログイ ン
     しているすべてのユーザーに以下の文字で始まるメッセージを送信
     します。


     Broadcast Message from ...


     filename が指定されていれば、メッセージはこのファイルから 読
     み込まれます。通常、リモートログインセッションに対応していな
     い仮想端末は無視されます。したがって、ウィンドウシステムを使
     用しているときは、メッセージはコンソールウィンドウにだけに表
     示されます。ただし、-a オプションを指定すると、メッセージ を
     仮想端末などにも送信します。

     一般的には、システムをシャットダウンする前に、すべて の ユー
     ザーに警告を与える場合に、このメッセージを用います。

     ユーザーが起動させた保護を無効にする場合、送信側は スー パー
     ユーザーである必要があります (mesg(1) 参照)。

     wall は、他のユーザーの端末上で書き込み権を持つた め に、 グ
     ループ ID tty に対して setgid() を実行します (setuid(2) 参照
     )。

     wall は、ユーザーの端末に送信する前に非表示可能文字を検出 し
     ます。制御文字は、適切な ASCII 文字が後に続く ^ として表示さ
     れます。すなわち、高位ビットが設定された文字は meta 表記法で
     表示されます。たとえば、\003  は ^C、また \372 は M-z と表示
     されます。

【オプション】
     以下のオプションを指定できます。

     -a              コンソールと仮想端末にメッセージを送ります。



     -g grpname      グループデータベース (group(4) のマニュア ル
                     ページを参照) ごとに、grpname で指定されたグ
                     ループのユーザーだけにメッセージを送ります。


【環境】
     LC_*  変 数  (LC_CTYPE、 LC_TIME、 LC_COLLATE、 LC_NUMERIC、
     LC_MONETARY)  が環境に設定されていなければ、それぞれ対応する
     ロケールのカテゴリにおける wall の動作は、環境変数  LANG  に
     よっ て決定されます (environ(5) 参照)。もし、LC_ALL が設定さ
     れていれば、その内容が LANG 変数やその他の LC_* 変数より優先
     さ れます。上記の変数が環境にまったく設定されていなければ、C
     ロケール (米国スタイル) が wall の動作を決定します。

【ファイル】
     /dev/tty*


【属性】
     次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照 し
     てください。
     ____________________________________________________________
    |         属性タイプ          |            属性値           |
    | 使用条件                    | SUNWcsu                     |
    |_____________________________|_____________________________|

【関連項目】
     mesg(1), write(1), setuid(2), attributes(5), environ(5)

【注意事項】
     wall は、ユーザーの tty ファイルでオープンが失敗すると、Can-
     not send to ... と表示します。