検査方法
- 粘着テープ法 (セロハンテープ法、スコッチテープ法、検肛法)
- 浮遊法
1.,2.はストレスを与えたり、解剖したりせずに検査可能。定性的検査なので、感染虫体数の多少は判断できない。
- 簡易沈殿法
解剖して腸管内の成虫を検出。
1. 粘着テープ法
- Syphacia属に適用
- 透明粘着テープを動物の肛門周囲に圧着し、スライドグラスに張って弱拡大で鏡検。
- 2〜3回の貼着をすると大部分の虫卵を検出できる。確実な検出には、ヒトの蟯虫検査のように3日間連続の検査が必要であろう。
- 肛門を露出させるには、動物を実験台に置いてリラックスさせる。
- Syphacia属蟯虫が対象なので、検査は通常の照明条件なら午後の早い時間がよい。
2.浮遊法
- Aspiculuris属に適用
- 虫卵よりも重い比重1.2以上の溶液を用い、糞便内の虫卵を浮上させて集卵.
ショ糖液は虫卵の変形が少なく、粘稠性が高いためカバーグラスに虫卵等がよく付着する。水100mlに砂糖80gで比重約1.2のショ糖液ができる。
- 食塩、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、塩化カルシウムの溶液も使われる。
- 浮遊法に遠心操作を加えて虫卵回収率を向上させた「遠心浮遊法」もある。
- Aspiculuris属蟯虫が対象なので、夕方〜早朝に集めた糞便を検査するのがよい。
3. 簡易沈殿法
- Syphacia属・Aspiculuris属蟯虫の成虫を検出。
検査法については、実験動物協会・ICLASモニタリングセンター発行の『実験動物の微生物モニタリングマニュアル』も参考にしてください。