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システム管理コマンド                                     boot(1M)

【名前】
     boot - システムカーネルまたはスタンドアロンプログラムの起動

【形式】
  [SPARC]
     boot [ OBP names]  [file]  [-aV]  [-D  default-file]  [boot-
     flags] [--] [client-program-args]

  [x86]
     b [file] [-f] [boot-args]

     i

【機能説明】
     ブートストラップとは、スタンドアロンプログラムを読み込んで実
     行する処理のことです。ここでのブートストラップとは、起動可能
     なオペレーティングシステムを読み込んで実行することを意味しま
     す。通常、スタンドアロンプログラムはオペレーティングシステム
     カーネル (kernel(1M) のマニュアルページを参照) ですが、代 わ
     りに任意のスタンドアロンプログラムを起動することもできます。
     SPARC ベースのシステムでは、オペレーティングシステム以外に起
     動できるスタンドアロンプログラムの代表的な例として、マシンの
     診断モニターがあります。

     スタンドアロンプログラムが動的にリンクされる実行可能プログラ
     ム として識別された場合、boot は実行可能形式によって指定され
     たインタプリタ (リンカー/ ローダー) を読み込み、そのインタプ
     リタに制御を渡します。スタンドアロンプログラムが静的にリンク
     されている場合は、そのスタンドアロンプログラムに直接ジャンプ
     します。

     カーネルは読み込まれると、UNIX システムを起動して、 必 要 な
     ファイルシステム (vfstab(4) のマニュアルページを参照) をマウ
     ントし、/sbin/init を実行して、システムを /etc/inittab で 指
     定されている initdefault 状態にします。inittab(4) のマニュア
     ルページを参照してください。

  [SPARC でのブートストラップ手続き]
     SPARC ベースのシステムでは、ほとんどのマシンでのブート ス ト
     ラップ手続きは次の基本フェーズからなります。

     マシンの電源を投入すると、(PROM 内の) システムファームウェア
     が電源投入時自己診断テスト (POST) を実行します。この診断テス
     トの形式と範囲は、システムに搭載されているファームウェ ア の
     バージョンによって異なります。

     診断テストが正常に完了した後、ファームウェアが使用する不揮発
     性記憶領域に適切なフラグが設定されていれば、ファームウェアは
     自動起動を試みます。ファームウェアは、読み込むファイルの名前
     とそのファイルを読み込むデバイスを選択することができます。
     これらのフラグと名前は、シェルから eeprom(1M) コマンドを使用
     するか、またはシステムの停止後に ok プロンプトで PROM コマン
     ドを使用することにより、設定できます。

     第 2 レベルのプログラムは、ufsboot (ディスクから起動する場合
     ) または inetboot または wanboot (ネットワークから起動する場
     合) のどれかです。

     ネットワーク起動

     ネットワーク起動は 2 段階で行われます。まず、クライ ア ン ト
     が、二次起動プログラムの読み込みに必要な IP アドレスとその他
     のすべてのパラメタを取得します。続いて、二次起動プログ ラ ム
     が、UNIX カーネルを読み込みます。

     IP アドレスは、PROM で使用可能な機能と PROM の構成に応じて、
     RARP、 DHCP、 手動構成のいずれかの方法を使って取得できます。
     sun4u カーネルアーキテクチャのマシンには、DHCP 対応 の  PROM
     が搭載されています。

     次に、2 種類のネットワーク起動方式を指定する boot コマンド構
     文を示します。

     boot net:rarp
     boot net:dhcp

     次のコマンドのように、rarp または dhcp 指示子を指定 し な い
     と、 net  が別名になっているネットワークインタフェースを介し
     て、デフォルトのネットワーク起動方式が呼び出されます。

     boot net

     以降では、RARP/bootparams を使用するネットワーク起動のイベン
     ト シー ケ ンスについて説明します。そのあとで、DHCP を用いた
     シーケンスについて説明します。

     RARP/bootparams を使ってネットワークから起動する場 合、 PROM
     は まず、応答を受信するまで逆 ARP 要求をブロードキャストしま
     す。応答を受信すると、TFTP 要求をブロードキャストして  inet-
     boot  の最初のブロックを取得します。続いて、その最初のブロッ
     ク要求に一番先に応答したサーバーに後続の要求が送信されます。
     読み込みの完了後、inetboot も同様に、逆 ARP を使って IP アド
     レスを取得した後、bootparams RPC 呼び出し (bootparams(4)  を
     参照) をブロードキャストすることで、構成情報とルートファイル
     システムを検索します。続いて、inetboot は NFS 経由でカーネル
     を読み込んだ後、そのカーネルに制御を移します。

     DHCP を使用してネットワークから起動する場合、PROM は ハー ド
     ウェアアドレスおよびカーネルアーキテクチャをブロードキャスト
     し、IP アドレス、起動パラメタ、およびネットワーク構成情報 を
     要 求 します。(可能性のある複数のサーバーの中から) DHCP サー
     バーが応答し選択されると、そのサーバーがクライアントに IP ア
     ドレスおよびクライアントの起動に必要な他のすべての情報を送信
     します。この情報を受信したクライアントの PROM は、読み 込 む
     ファイルの名前を調べ、そのファイル名が HTTP URL であるかどう
     かにより、2 種類の動作のいずれかを実行します。ファイル 名 が
     HTTP  URL  で なかった場合、PROM は、inetboot をダウンロード
     し、それをメモリー内に読み込んで実行します。すると、inetboot
     はカーネルを呼び出し、さらにそのカーネルが必要なファイルを読
     み込んでから inetboot を解放します。その後、起動スクリプトが
     DHCP  エージェント (dhcpagent(1M) を参照) を起動します。以降
     の DHCP アクティビティは、その DHCP エージェントによって実行
     されます。

     読み込むファイルが HTTP URL の場合、PROM は、その参照ファ イ
     ルを HTTP を使って読み込みます。クライアントが HMAC SHA-1 鍵
     を使って構成されていた場合、クライアントは読み込んだファイル
     の完全性を検査した後で、そのファイルを実行します。そのファイ
     ルは wanboot バイナリであるとみなされます。起動され た  wan-
     boot  は、処理を継続できるだけの情報が揃っているかどうかを判
     断します。必要な情報が不足していた場合は、適切なエラーを出力
     して処理を終了するか、コマンドインタプリタを起動して必要な構
     成情報の入力をユーザーに求めます。必要な情報を取得した  wan-
     boot は、HTTP 経由で起動ファイルシステムをメモリー内に読み込
     みます。クライアント上に暗号鍵がインストール済みである場合、
     wanboot は、起動ファイルシステムイメージと関連ハッシュを復号
     化した後、そのハッシュを検証します (暗号鍵は存在する が ハッ
     シュ 鍵が存在しない、という状況はエラーになります)。起動ファ
     イルシステムには、wanboot が正しい時刻の設定とルートファイル
     システムの取得を実行するのに必要な各種構成データが含まれてい
     ます。

     wanboot は、起動ファイルシステムを調べることで、HTTP、 HTTPS
     の いずれを使用すべきかを判断します。HTTP を使用すべきである
     ことが判明した場合でかつ、クライアントが HMAC SHA-1 鍵を使っ
     て構成されていた場合、wanboot はルートファイルシステムの完全
     性検査を実行します。ルートファイルシステムのメモリー内への読
     み 込 み (および必要に応じて完全性検査の実行) が完了すると、
     wanboot はそこから UNIX を読み込みおよび実行します。 な お、
     wanboot.conf(4)  ファイルで boot_logger URL が指定されていた
     場合、wanboot は処理状況に関するログを定期的に記録します。

     すべての PROM が URL を処理できるわけではありません。クラ イ
     ア ントにその機能が備わっているかどうかを判断するには、list-
     security-keys OBP コマンド (monitor(1M) を参照) を使用 し ま
     す。

     現在のところ、x86 プラットフォーム上では WAN 起動は利用で き
     ません。

     wanboot コマンド行

     クライアントプログラムが wanboot である場合、クライアント プ
     ログラムは、次の形式の client-program-args を受け付けます。

     boot ... -o opt1[,opt2[,...]]

     ここで、各オプションに指定できるアクションは、次のとお り で
     す。

     dhcp

         DHCP 経由で構成パラメタを取得するように wanboot に指示し
         ます。



     prompt

         コマンドインタプリタを起動するように wanboot に指示し ま
         す。



     <cmd>

         下記のインタプリタコマンドのいずれか。



     または、下記のインタプリタパラメタ名を使用した代入文。

     wanboot コマンドインタプリタ

     起動時に client-program-args として「-o prompt」を指定 す る
     と、wanboot コマンドインタプリタが起動されます。単一のコマン
     ドまたは代入文、もしくは、コンマで区切られた一連のコマンドま
     たは代入文が入力可能です。利用可能な構成パラメタは、次のとお
     りです。

     host-ip

         クライアントの IP アドレス (ドット区切り 10 進表記)。



     router-ip

         デフォルトのルーターの IP アドレス (ドット区切り 10 進表
         記)。



     subnet-mask

         サブネットマスク (ドット区切り 10 進表記)。



     client-id

         DHCP クライアント識別子 (引用符付き ASCII 文字列ま た は
         16 進 ASCII)。



     hostname

         DHCP トランザクションで要求するホスト名 (ASCII)。



     http-proxy

         HTTP プロキシサーバー指定 (IPADDR[:PORT])。



     利用可能な鍵名は、次のとおりです。

     3des

         トリプル DES 暗号鍵 (48 個の 16 進 ASCII 文字)。



     aes

         AES 暗号鍵 (32 個の 16 進 ASCII 文字)。



     sha1

         HMAC SHA-1 署名鍵 (40 個の 16 進 ASCII 文字)。



     最後に、WAN 起動 CGI の URL を参照する方法を示します。

     bootserver

         WAN 起動 CGI の URL (OBP の file パラメタと同等)。



     インタプリタが受け付けるコマンドは、次のとおりです。

     help

         利用可能なコマンドの簡単な説明文を出力します。



     var=val

         val を var に代入します。ここで、var は、構成パ ラ メ タ
         名、鍵名、bootserver のいずれかです。



     var=

         パラメタ var の設定を解除します。



     list

         すべてのパラメタとその設定値を一覧表示します (OBP 経由で
         取得された鍵の値は表示されません)。



     prompt

         未設定パラメタに対する値の入力を、ユーザーに求めます。各
         パラメタの名前と現在値 (もしあれば) が出力されます。ユー
         ザーは、Return キーを押して現在値を受け入れることもで き
         ますし、新しい値を入力することもできます。



     go

         すべての値の入力を完了したら、インタプリタを終了し起動処
         理を継続します。



     exit

         起動インタプリタを終了し、OBP の ok プロンプトに戻 り ま
         す。



     上記の代入文やコマンドは、コマンド行の -o オプションの一部と
     し て、いくつでも指定できますが、boot コマンドの引数の長さに
     は 128 バイトの OBP 制限があります。たとえば、「-o list,go」
     と す ると、パラメタの現在値 (デフォルト値) が一覧表示された
     後、起動処理が継続します。

     ディスクからの起動

     ディスク (またはディスク同様のデバイス) から起動する 場 合、
     ブートストラップ処理は、一次起動および二次起動という概念的に
     異なる 2 種類のフェーズからなります。一次起動フェーズで は、
     PROM  が、起動デバイスとして選択されたディスクパーティション
     のブロック 1 〜 15 から主起動ブロックを読み込みます。

     スタンドアロンプログラムのパス名が相対パス名の場合 ( ス ラッ
     シュ で 始まらない場合)、第 2 レベルの起動において、プラット
     フォームに依存する検索パスでスタンドアロンプログラムが検索さ
     れます。このパスには必ず、/platform/platform-name が含まれて
     います。多くの SPARC プラットフォームでは、 次 に プ ラッ ト
     フォー ム固有のパスエントリ /platform/hardware-class-name が
     検索されます。filesystem(5) のマニュアルページを参照してくだ
     さ い。絶対パス名の場合、boot は指定されたパスを使用します。
     その後、boot プログラムは該当するアドレスからスタンドアロ ン
     プログラムを読み込み、制御を渡します。

     ファイル名がコマンド行で、または boot-file NVRAM 変数など で
     指 定されていない場合、boot はシステムにインストールされてい
     るソフトウェア、ハードウェアおよびファームウェアの能力に基づ
     いて、読み込むべきデフォルトのファイルを選択します。

  [OpenBoot PROM boot コマンドの動作]
     OpenBoot boot コマンドは、次の形式の引数をとります。

     ok boot [device-specifier] [arguments]
     デフォルトの boot コマンドに引数はありません。


     ok boot


     boot コマンド行で device-specifier を指定しない場 合、 Open-
     Boot は通常、boot-device 変数または diag-device NVRAM 変数を
     使用します。オプションの arguments  をコマンド行で指定しない
     と、OpenBoot は通常、boot-file または diag-file NVRAM 変数を
     デフォルトの boot 引数として使用します (システムが診断モード
     の場合、boot-device および boot-file の代わりに、diag-device
     と diag-file が使用されます)。

     arguments には複数の文字列を指定できます。すべての  argument
     文 字列は二次起動プログラムに渡され、OpenBoot では解釈されま
     せん。

     boot コマンド行に arguments を指定した場合、boot-file または
     diag-file NVRAM 変数のどちらも使用されません。NVRAM 変数の内
     容がコマンド行の引数とマージされることもありません。次のコマ
     ン ドでは、boot-file および diag-file の設定値は無視され、文
     字列 -s は arguments として解釈されます。この場合、 boot  は
     boot-file または diag-file の内容を使用しません。


     ok boot -s


     以前の PROM におけるコマンド例を示します。

     ok boot net

     このコマンドでは引数が指定されていないため、代わりに、 boot-
     file または diag-file の設定値 (設定されている場合) が、boot
     に渡すデフォルトのファイル名および引数として使用されます。ほ
     とんどの場合、システムタイプ、システムのハードウェアとファー
     ムウェア、およびルートファイルシステムにインストールされてい
     るソフトウェアに基づいて boot コマンドに適切なデフォルト値を
     選択させるのが、最善の方法です。boot-file また は  diag-file
     を変更すると、状況によっては予期せぬ結果を招くおそれがありま
     す。

     これは、大部分の OpenBoot 2.x および 3.x ベースのシステム に
     おける一般的な動作です。ただし、プラットフォームによっては動
     作が異なる可能性もあります。

     別のコマンド例を示します。

          ok boot cdrom


     このコマンドも通常は、引数を指定しません。したがって、 boot-
     file  に  64  ビットカーネルのファイル名が設定されている環境
     で、「boot cdrom」と入力してインストール CD または DVD を 起
     動しようとしても、インストール媒体に 32 ビットカーネルしか含
     まれていなければ、その起動処理は失敗します。

     使用される boot コマンドの形式によっては、boot-file ま た は
     diag-file  の 内容が無視されるので、プロダクションシステムで
     boot-file に依存することは一般に推奨しません。OS のポリ シー
     を変更するには、ポリシーファイルを変更します。プロダクション
     システムに 32 ビットのパッケージと 64 ビットのパッケージの両
     方がインストールされている場合は例外ですが、プロダクションシ
     ステムでは 32 ビット OS を使用する必要があります。

     ローカル (CD または DVD 上) に存在する wanboot コ ピー か ら
     WAN  起 動を実行するには、次のコマンドを使用する必要がありま
     す。

          ok boot cdrom -F wanboot - install


     最近の PROM に含まれるネットワーク起動サポートパッケージは、
     次の構文をサポートするように強化されており、引数を処理できる
     ようになっています。

          [protocol,] [key=value,]*

     すべての引数は省略可能であり、指定する順序にも制限はありませ
     ん。ただし、リストの末尾でない限り、引数の後にはコンマが必要
     です。ここで指定した引数は、すべてのデフォルト値よりも優先さ
     れ るほか、DHCP を使って起動する場合には、それらの引数に対応
     する DHCP サーバーから提供される構成情報よりも優先されます。

     上記の protocol  には、使用するアドレス検索プロトコルを指 定
     します。

     key=value 属性ペアには、以下の構成パラメタを指定します。

     tftp-server

         TFTP サーバーの IP アドレス。


     file

         TFTP を使ってダウンロードするファイルの名前、または  WAN
         起動の URL。


     host-ip

         クライアントの IP アドレス (ドット区切り 10 進表記)。


     router-ip

         デフォルトのルーターの IP アドレス。


     subnet-mask

         サブネットマスク (ドット区切り 10 進表記)。


     client-id

         DHCP クライアント識別子。


     hostname

         DHCP トランザクションで使用するホスト名。


     http-proxy

         HTTP プロキシサーバー指定 (IPADDR[:PORT])。


     tftp-retries

         TFTP の最大リトライ回数。


     dhcp-retries

         DHCP の最大リトライ回数。


     ネットワーク起動サポートパッケージによって処理される一連の引
     数は、次のいずれかの方法で指定します。

       o  パッケージの open メソッドに渡される引数として

       o  NVRAM 変数 network-boot-arguments 内に指定する引数と し
          て


     network-boot-arguments 内に指定された引数は、パッ ケー ジ の
     open メソッドに引数が 1 つも渡されなかった場合にのみ処理され
     ます。

     引数の値

     protocol には、使用するアドレス検索プロトコルを指定しま す。
     rarp、dhcp のいずれかを指定できます。

     このドキュメントで定められた新しい構文とスタイルを使って他の
     構 成パラメタが指定されていた場合、protocol パラメタが指定さ
     れていなければ、手動の構成を意味します。

     他の構成パラメタが 1 つも指定されていない場合や、他の構成 パ
     ラメタが現在サポートされている位置に基づくパラメタ構文を使っ
     て指定されていた場合、protocol パラメタを指定しな け れ ば、
     ネットワーク起動サポートパッケージは、プラットフォーム固有の
     デフォルトのアドレス検索プロトコルを使用することになります。

     手動構成を行う場合、IP アドレス、起動ファイル名、起動ファ イ
     ルイメージの提供元サーバーのアドレスの各情報を、クライアント
     に提供する必要があります。また、ネットワークの構成に よっ て
     は、subnet-mask と router-ip も指定する必要があります。

     protocol 引数が指定されなかった場合、ネットワーク起動サ ポー
     トパッケージは、プラットフォーム固有のデフォルトのアドレス検
     索プロトコルを使用します。

     tftp-server は、TFTP を使用する場合、ダウンロードするファ イ
     ルを提供する TFTP サーバーの IP アドレス (標準 IPv4 のドット
     区切り 10 進表記) です。

     DHCP を使用する場合、その値は、DHCP 応答に指定さ れ た  TFTP
     サーバーの値よりも優先されます。

     サーバーが引数として指定された場合と DHCP 応答内に指定された
     場 合、TFTP RRQ はサーバーにユニキャストされます。それ以外の
     場合、TFTP RRQ はブロードキャストされます。

     file には、TFTP を使用する場合は TFTP サーバーから読み 込 む
     ファ イ ルを指定し、HTTP を使用する場合は URL を指定します。
     ファイル名が URL である場合、すなわち、ファイル 名 が  http:
     で始まる場合 (大文字小文字の区別あり)、HTTP が使用されます。

     RARP と TFTP を使用する場合、このドキュメントで前述したよ う
     に、 デ フォ ル トのファイル名はクライアントの IP アドレスの
     ASCII 16 進表記になります。

     DHCP を使用する場合、この引数は、DHCP 応答に指定された 起 動
     ファイル名よりも優先されます。

     DHCP と TFTP を使用する場合、デフォルトのファイル名は、 root
     ノードの name プロパティから自動生成されます。その際、コンマ
     (,) はピリオド (.) に置き換えられます。

     ファイル名をコマンド行から指定する場合、ファイル名に ス ラッ
     シュ(/) を含めることはできません。

     URL の形式については、RFC 2396 で説明されています。HTTP サー
     バー は、IP アドレス (標準 IPv4 のドット区切り 10 進表記) と
     して指定する必要があります。ポート番号 (省略可能) は、10  進
     数 と し て指定します。ポートを指定しなかった場合、ポート 80
     (10 進) が使用されます。

     指定された URL は「安全にエンコードされている」必要があり ま
     す。 というのも、パッケージは、指定された URL にエスケープエ
     ンコーディングを適用しないからです。コンマを含む URL は、 引
     用符付きの文字列として指定する必要があります。それ以外の URL
     は、必ずしも引用符で囲む必要はありません。

     host-ip には、クライアントすなわち起動対象システムの、IP  ア
     ドレス (標準 IPv4 のドット区切り 10 進表記) を指定します。ア
     ドレス検索プロトコルとして RARP を使用している場合にこの引数
     を指定すると、RARP を使用する必要がなくなります。

     DHCP を使用している場合に host-ip 引数を指定すると、クライア
     ントは、RFC 2131 の「Externally Configured Network Address」
     で規定されている手順に従うようになります。

     router-ip には、直接接続されたネットワーク上にあるルーターの
     IP  アドレス (標準 IPv4 のドット区切り 10 進表記) を指定しま
     す。このルーターは、ネットワーク通信の最初の接続先として使用
     さ れ ます。この引数を指定した場合、そこで指定されたルーター
     は、DHCP 応答に指定された推奨ルーターよりも優先されます。

     subnet-mask (標準 IPv4 のドット区切り 10 進表記で指定)  は、
     クライアントが存在するネットワークのサブネットマスクです。サ
     ブネットマスクが (この引数または DHCP 応答を通じて) 指定され
     なかった場合、起動対象クライアントに割り当てられたアドレスに
     対するネットワーククラス (Class A、B、C のいずれか) に適する
     デフォルトマスクが使用されます。

     client-id には、クライアントの一意に決まる識別子を指定 し ま
     す。 DHCP  ク ライアント識別子は、この値に基づいて生成されま
     す。クライアント識別子の指定方法には、次の 2 つがあります。

       o  識別子の ASCII 16 進表現

       o  引用符付きの文字列


     し  た  がっ  て、  「client-id="openboot"」  と   「client-
     id=6f70656e626f6f74」 は ど ち らも、DHCP クライアント識別子
     6F70656E626F6F74 を表わします。

     コマンド行から指定される識別子には、スラッシュ(/) や空白を含
     めることはできません。

     DHCP クライアント識別子の最大長は、32 バイト (ASCII 16 進 形
     式を使用する場合は 32 バイトを表す 64 文字) です。後者の形式
     を使用する場合、識別子を構成する文字数は偶数でなければなりま
     せん。有効な文字は、0 〜 9、a 〜 f、A 〜 F です。

     クライアントが正しく認識されるためには、クライアントが接続さ
     れているサブネット上で、クライアント識別子が一意に決まる必要
     があります。この要件を満足する識別子を選択するのは、システム
     管理者の役割です。

     コマンド行で指定されたクライアント識別子は、任意の DHCP メカ
     ニズムを使って指定された識別子よりも優先されます。

     hostname (文字列として指定) には、DHCP トランザクション内 で
     使用されるホスト名を指定します。この名前は、ローカルドメイン
     名で修飾してもしなくてもかまいません。ホスト名の最大 長 は、
     255 文字です。

     注 -
             hostname パラメタは、クライアントが、希望するホス ト
             名を DHCP サーバーに提供することが必要なサービス環境
             で使用できます。クライアントが、希望するホスト 名 を
             DHCP サーバーに提供すると、DHCP サーバーは、そのホス
             ト名とクライアントに割り当てられた IP アドレ ス を、
             DNS を使って登録します。


     http-proxy は、次のようなホストの標準記法を使って指 定 し ま
     す。

     host [":" port]

     ここで、host には IP アドレス (標準 IPv4 のドット区切 り  10
     進表記) を指定し、port (省略可能) には 10 進数を指定します。
     port を指定しなかった場合、ポート 8080 (10 進) が使用され ま
     す。

     tftp-retries は、TFTP 処理が失敗したとみなされるまでの、最大
     リ ト ラ イ回数 (10 進で指定) です。デフォルトのリトライ回数
     は、無限回です。

     dhcp-retriesは、DHCP 処理が失敗したとみなされるまでの、最 大
     リ ト ラ イ回数 (10 進で指定) です。デフォルトのリトライ回数
     は、無限回です。

  [x86 でのブートストラップ手続き]
     x86 ベースのシステムでは、ブートストラップ処理は一次起動およ
     び 二次起動という概念的に異なる 2 つのフェーズからなります。
     一次起動はシステムボード上の BIOS ROM および周辺ボード 上 の
     BIOS  ROM 拡張機能で実装されています。x86 でのブートストラッ
     プ処理の特徴は、搭載されている周辺デバイスを制御するとソフト
     ウェア割り込みによって入出力サービスを提供する機能に分けられ
     ます。起動処理はフロッピーディスク、ハードディスク、DVD、 ま
     たは CD から最初の物理セクターを読み込むことにより、開始され
     ます。または、システムまたはネットワークアダプタの BIOS がサ
     ポートしている場合には、ネットワーク起動サーバーからブートス
     トラッププログラムを読み込むことで、開始されます。一次 起 動
     は、x86 リアルモードコードで実装されています。

     二次起動は一次起動によって読み込まれます。二次起動は主に、32
     ビッ トのページング保護モードコードで実装されます。64 ビット
     の実行可能プログラムを起動するときには、64 ビットシステム で
     実 行 される 64 ビット長モードコードで実装されることもありま
     す。二次起動はまた、x86 リアルモードで作成された周辺デバイス
     固 有 の  BIOS  拡 張 機能を読み込んで使用します。二次起動は
     boot.bin と呼ばれ、ハードディスク、DVD、または CD 上 の  UFS
     ファ イ ルシステムから、または NFS プロトコルを使用して、LAN
     から読み込まれ、起動します。

     二次起動は、システムに搭載されているデバイスを判別 (ユーザー
     の 関与が必要) する Configuration Assistant プログラムを実行
     します。また、二次起動は、起動処理を制御する /etc/bootrc  内
     の ス ク リプトを読み込みます。このファイルには、boot inter-
     preter コマンドが含まれています。これらのコマンドについて は
     以降で説明しますが、これらのコマンドを修正することによって、
     デフォルト値を変更したり特定のマシンに合わせて調整したりでき
     ます。

     標準の /etc/bootrc スクリプトは、オプションを指定して起動 す
     る 場合は b、対話方式でインタプリタを呼び出す場合は i を入力
     するように、ユーザーに求めます。文字を入力 せ ず に  <ENTER>
     キーを押すと、デフォルトのカーネルが起動されます。それ以外の
     応答はすべてエラーとみなされ、スクリプトが再起動されます。

     カーネルが読み込まれると、カーネルがオペレーティングシステム
     を起動し、必要なモジュールを読み込み、必要なファイルシステム
     をマウントして (vfstab(4) のマニュア ル ペー ジ を 参 照 )、
     /sbin/init  を 実 行し、システムを /etc/inittab で指定された
     initdefault 状態にします。inittab(4) のマニュアルページを 参
     照してください。

【オプション】
  [SPARC]
     次の SPARC オプションがサポートされています。

     -a                      boot プログラムはこのフラグを問い 合
                             わせと解釈し、スタンドアロンプログラ
                             ムの名前を要求します。-a フラグは そ
                             の後、スタンドアロンプログラムに渡さ
                             れます。


     -D default-file         default-file を明示的に指定しま す。
                             一部のシステムでは、なにも指定されて
                             いない場合、boot は動的デ フォ ル ト
                             ファイルを選択します。このオプション
                             を使用すると、default-file を明示 的
                             に指定できます。kmdb(1) を起動する場
                             合に便利です。これは、kmdb がデ フォ
                             ル トで、boot プログラムによってエク
                             スポートされたデフォルトファイルを読
                             み込むためです。


     -V                      詳細なデバッグ情報を表示します


     boot-flags              boot プログラムはすべての boot-flags
                             を  file  に渡します。これらのフラグ
                             は、boot では解釈されません。デ フォ
                             ルトのスタンドアロンプログラムで使用
                             でき る オ プ ショ ン に つ い て は
                             kernel(1M) および kmdb(1) のマニュア
                             ルページを参照してください。


     client-program-args     boot プログラムはすべ て の  client-
                             program-args  を file に渡します。こ
                             れらの引数は、boot では解釈されま せ
                             ん。


     file                    起動するスタンドアロンプログラムの名
                             前。 boot コマンド行または boot-file
                             NVRAM 変数でファイル名を明示的に指定
                             し な い と、boot は適切なデフォルト
                             ファイル名を選択します。ほとんどのシ
                             ステムでは、デフォルトのファイル名は
                             32 ビットカーネルです。32 ビットカー
                             ネルと 64 ビットカーネルを両方ともサ
                             ポートできるシステムでは、32 ビッ ト
                             カーネルより 64 ビットカーネルが優先
                             的に選択されます。boot はシステム に
                             インストールされているソフトウェア、
                             ハードウェアおよびファームウェアの能
                             力、 さ らにユーザーが設定可能なポリ
                             シーファイルに基づいて、boot の実 行
                             に適したデフォルトの file を選択しま
                             す。


     OBP names               OpenBoot PROM 指定を行います。たとえ
                             ば、Desktop SPARC ベースのシステム上
                             で /sbus/esp@0,800000/sd@3,0:a を 指
                             定した場合は、スロット 0 の esp ホス
                             トアダプタで、SCSI バス上の lun0  、
                             ター ゲッ ト 3 の SCSI ディスク (sd)
                             を意味します。


  [x86]
     次の x86 オプションがサポートされています。

     -D default-file default-file を明示的に指定します。一部の シ
                     ステムでは、なにも指定されていない場合、boot
                     は動的デフォルトファイルを選択します。このオ
                     プ ションを使用すると、default-file を明示的
                     に指定できます。kmdb(1) を起動する場合に便利
                     です。これは、kmdb がデフォルトで、boot プロ
                     グラムによってエクスポートされたデフォ ル ト
                     ファイルを読み込むためです。


     boot-args       boot プログラムはすべての boot-args を  file
                     に 渡します。これらの引数は、boot では解釈さ
                     れません。カーネルで使用できるオプションにつ
                     いては、kernel(1M) および kmdb(1) のマニュア
                     ルページを参照してください。


     file            起動するスタンドアロンプログラムの名 前。 デ
                     フォ ル ト で は ルー ト パー ティションから
                     /platform/platform-name/kernel/unix を起動し
                     ますが、コマンド行に他のプログラムを指定する
                     こともできます。


【x86 での起動シーケンスの詳細】
     PC 互換マシンの電源を投入すると、BIOS ROM のシステムファーム
     ウェアが電源投入時自己診断テスト (POST) を実行し、周辺ボード
     上の ROM の BIOS 拡張機能を実行し、ソフトウェア割り込み  INT
     19h  の ブートストラップを起動します。INT 19h のハンドラは通
     常、標準の PC 互換起動処理を実行します。その場合、1 番目のフ
     ロッ ピー ディスクドライブから最初の物理セクターを読み取りま
     す。読み取れない場合は、1 番目のハードディスクから読み取りま
     す。次にプロセッサは、メモリー内でこのセクターイメージの先頭
     バイトにジャンプします。

【x86 での一次起動】
     フロッピーディスクの最初のセクターには、マスター起動ブロック
     があり、この起動ブロックがブートローダーstrap.com のイメージ
     を読み込み、さらに strap.com が二次起動プログラ ム  boot.bin
     を読み込みます。DVD または CD から起動する場合も、同様なシー
     ケンスが実行されますが、マスター起動ブロックの位置および内容
     は、El Torito 仕様で規定されています。El Torito 準拠の起動で
     も、strap.com が読み込まれ、次にboot.bin が読み込まれます。

     ハードディスクの最初のセクターには、マスター起動ブロックがあ
     り、 そのブロックにはマスター起動プログラムと FDISK テーブル
     が含まれており、PC プログラムがそのテーブルを管理し て い ま
     す。マスター起動プログラムは、FDISK テーブルでアクティブパー
     ティションを見つけ、その最初のセクターを読み込み、メモリー内
     のセクターイメージの先頭バイトにジャンプします。標準の PC 互
     換ハードディスクでの起動処理はこれで完了します。

     Solaris ソフトウェア用の x86 FDISK パーティションは、1 シ リ
     ンダの起動スライスから始まり、最初のセクターにパーティション
     起動プログラム (pboot) が含まれています。第 2 および第 3  セ
     ク ター に は そ れぞれ、標準 Solaris ディスクラベルおよびボ
     リューム構成テーブル (VTOC) があり、第 4 およびそれ以降の セ
     ク ターには bootblk プログラムが含まれています。Solaris ソフ
     トウェアの FDISK パーティションがアクティブパーティション の
     場 合、 マスター起動プログラム (mboot) は第 1 セクターのパー
     ティション起動プログラムをメモリーに読み込んでそこにジャンプ
     します。次に、bootblk プログラムをメモリーに読み込んでそこに
     ジャンプします。ドライブに FDISK パーティションが複数ある 場
     合、ユーザーはアクティブパーティションのタイプに関係なく、別
     のパーティションを再起動できます。

     (アクティブパーティションのタイプに応じて) bootblk  ま た は
     strap.com  は、 Solaris ルートスライスのファイルシステムから
     boot.bin を読み込み、メモリー内でその先頭バイトにジャンプ し
     ます。

     ネットワークから起動する場合、起動フロッピーまたは Intel  の
     Preboot eXecution Environment (PXE) 規格のどちらを使用するか
     選択できます。起動フロッピーを使用してネットワークから起動す
     る場合は、起動特性を編集し、net-config-strategy の設定値を変
     更することによって、必要なネットワーク構成ストラテジを選択で
     きます。デフォルトでは、net-config-strategy は rarp に設定さ
     れています。設定できるのは rarp または dhcp のいずれかです。
     PXE  を 使用してネットワークから起動する場合、システムまたは
     ネットワークアダプタの BIOS が DHCP を使用して、起動サーバー
     上 のネットワークストラップストラッププログラム (NBP) を見つ
     け、Trivial File Transfer Protocol (TFTP) を使用してそのプロ
     グラムを読み込みます。BIOS はメモリー内の NBP イメージの先頭
     バイトにジャンプすることによって NBP を実行しま す。 NBP  は
     DHCP を使用して、起動サーバー上で第 2 ブートストラップを見つ
     け、TFTP を使用して読み込んで実行します。

【x86 での二次起動】
     二次起動プログラムの boot.bin は、プロセッサを 32 ビッ ト の
     ページング保護モードに切り替え、限定的なマシン初期化処理を実
     行します。マシンが 64 ビットプラットフォームであり、64  ビッ
     トの実行可能プログラムを読み込む場合、二次起動は、プロセッサ
     を 64 ビット長モードに切り換え、いくつかの初期作業を行ってか
     ら、 実行可能プログラムに制御を渡します。次に、auto-boot? 変
     数 (eeprom(1M) のマニュアルページを参照) の状態に応じて、 シ
     ス テムを自動的に起動する Configuration Assistant プログラム
     を実行するか、または使用できる起動デバイスの一覧を表示 し ま
     す。

     ディスクターゲットデバイス (DVD および CD ドライブを含む) に
     UFS ファイルシステムが組み込まれていることが前提です。ネット
     ワーク装置は、DHCP または逆アドレス解決プロトコル (RARP)  の
     どちらか一方および bootparams RPC を使用して、マシンの IP ア
     ドレスおよびルートファイルシステムを提供するサーバーを検出す
     る よ うに構成できます。その後、ルートファイルシステムが NFS
     を使用してマウントされます。ルートのマウントが正常に完了する
     と、 boot.bin がコマンドインタプリタを起動し、インタプリタが
     /etc/bootrc を解釈します。

  [x86 用の二次起動プログラミング言語]
     x86 ベースのシステムではさまざまなハードウェアをサポートしな
     ければならないため、起動処理に最大限の柔軟性が求められます。
     この柔軟性は、二次起動をプログラム可能にすることによって、あ
     る程度達成されます。二次起動プログラムには、sh や csh のよう
     な単純なコマンド言語を受け付けるインタプリタが組み込まれてい
     ます。主な違いはパイプライン、ループ、標準出力、出力の転送が
     サポートされていない点です。

  [x86 の字句構造]
     起動インタプリタは、入力行を空白文字およびタブで区切ら れ た
     ワード単位に分割します。メタキャラクタはドル記号 ($)、単一引
     用符 (')、二重引用符 (")、番号記号 (#)、復帰改行、およびバッ
     クスラッシュ(\fR) です。前にバックスラッシュを指定すると、メ
     タキャラクタが持つ特殊な意味を打ち消すことができます。復帰改
     行の前にバックス行ラッシュを指定すると、空白文字として扱われ
     ます。番号記号はコメント行の始まりを意味し、次に復帰改行が現
     れるまでコメントとして扱われます。

     単一引用符または二重引用符のペアで囲まれた文字列は、1  つ の
     ワードの全体または部分を形成します。引用符で囲まれた文字列の
     中の空白および復帰改行記号は、ワードの一部になります。引用符
     で囲まれた文字列の中で、文字に引用符をつける場合は、その前に
     バックスラッシュを使用します。単一引用符の前にバック ス ラッ
     シュを指定することによって、単一引用符で囲まれた文字列の中で
     引用符を使用できます。バックスラッシュを 2 つ続けて指定す る
     と、 単 一のバックスラッシュになります。また、復帰改行の前に
     バックスラッシュを指定すると、文字列の中で復帰改行を使用でき
     ます。

  [x86 の変数]
     boot プログラムには一連の変数があり、各変数には文字列値が 割
     り 当 てられます。変数名の先頭文字は、英字でなければなりませ
     ん。後続文字には英字、数字、または下線を使用できます。set コ
     マンドを使用すると、変数の作成や、変数への値の割り当て、変数
     値の表示が行えます。変数を削除するには unset コマンドを使 用
     します。

     インタプリタが先行するバックスラッシュのないドル記号を検出す
     ると、変数置換が実行されます。ドル記号に続く変数名が変数の値
     に置き換えられ、値の先頭から構文解析が続けられます。変数置換
     は、二重引用符で囲まれた文字列では実行されますが、単一引用符
     で囲まれた文字列では実行されません。変数名を中括弧で囲むと、
     後続文字と分離できます。

  [x86 のコマンド]
     コマンドは、復帰改行文字で終了する一連のワードです。最 初 の
     ワー ド はコマンド名で、以降のワードはコマンドに対する引数で
     す。コマンドはすべて組み込みコマンドです。スタンドアロンプロ
     グラムは run コマンドで実行されます。

  [x86 コマンドの条件付き実行]
     コマンドを if、elseif、else、および endif コマンドで囲むこと
     によって、条件付きの実行が可能になります。


     if expr1
         ...
     elseif expr2
         ...
     elseif expr3
         ...
     else
         ...
     endif

     if ブロックは他の if ブロックの中に含めることができます。

  [x86 の式]
     set、if、および elseif コマンドは、C プログラミング言語の 構
     文 お よび意味論を使用して算術式を評価します。||、&&、|、^、
     &、==、!=、<、>、<=、>=、>>、<<、+、-、*、/、%、~、および  !
     と いう演算子を (、)およびコンマと同様に使用できます。符号付
     き 32 ビット整数演算が実行されます。

     式はコマンド行全体が形成された後で構文解析されます。式の中の
     各トークンは、別個の引数ワードにし、空白文字でコマンド行上の
     すべてのトークンを区切る必要があります。

     オペランドワードは、それに対する算術演算が実行される前に、文
     字列から符号付き 32 ビット整数値に変換されます。オプションの
     先行符号のうしろに先行する 0 があると 8 進数変換が行われ、先
     行 する 0x または 0X がある場合は、16 進数変換が行われます。
     それ以外の場合は、10 進数変換が行われます。文字列が有効な 整
     数にならない場合は、ゼロに変換されます。

     文字列を操作できるように、いくつかの組み込み関数が用意されて
     います。組み込み関数名はドットで始まります。これらの関数に対
     する文字列引数は、整数に変換されません。たとえば、演算 子  -
     が文字列として扱われるようにするには、バックスラッシュを前に
     つけ、そのバックスラッシュをもう 1 つのバックス ラッ シュ で
     クォートする必要があります。また、ヌル文字列によって空白文字
     の引数が生成されるため、式で構文エラーが発生することがあるの
     で注意してください。以下に例を示します。


     if .strneq ( ${usrarg}X , \(mi , 1 )


     これにより、変数 usrarg が - で始まるかどうかを、ヌルにな る
     可能性がある場合でも問題なくテストできます。

  [x86 での入出力]
     起動インタプリタはシステムコンソールまたは 1 つ以上のファ イ
     ル か ら入力を読み込みます。ソースコマンドは、インタプリタが
     ファイルをメモリーに読み込み、ファイルの構文解析を開始するよ
     うにします。また、コンソールコマンドは、インタプリタがシステ
     ムコンソールからの入力を受け付けるようにします。EOF に到達す
     る と、 インタプリタはその前の入力ソースの構文解析を再開しま
     す。コンソール行の先頭に CTRL-D を入力すると、EOF として扱わ
     れます。

     echo コマンドは引数をディスプレイに出力します。read コマンド
     はシステムコンソールを読み込み、引数変数にワード値を割り当て
     ます。

  [x86 でのデバッグ]
     verbose コマンドは、詳細表示モードのオン / オフを切り替え ま
     す。詳細表示モードでは、インタプリタは現在のソースファイルの
     行を表示し、変数置換後に実際に実行されたコマンドを表示 し ま
     す。

     singlestep コマンドは、ステップ実行モードのオン / オフを切り
     替えます。ステップ実行モードでは、インタプリタは次のコマンド
     を処理する前に step ? を表示し、キーボード入力を待ちます。そ
     のキーボード入力は破棄されます。ENTER を押すと、処理を進めら
     れるのでこれにより、詳細表示モードでは実行速度を遅くすること
     ができます。

  [x86 での初期化]
     boot がインタプリタを最初に呼び出したとき、インタプリタは コ
     ンパイル時に設定された初期化文字列の実行を開始します。この文
     字列は通常、ルートファイルシステム内の起動スクリプトを実行す
     る source /etc/bootrcからなります。

  [x86 でのスタンドアロンプログラムとの通信]
     boot は run コマンドに対する引数を通じて、スタンドアロンプロ
     グラムに情報を渡します。スタンドアロンプログラムは var_ops()
     起動サービス関数を使用して、起動インタプリタ変数を設定するこ
     と に より、boot に情報を返すことができます。また、setprop()
     起動サービス関数を使用してカーネルに情報を渡すこともで き ま
     す。 whoami  属 性はスタンドアロンプログラムの名前に設定しま
     す。

  [x86 の組み込みコマンド]
     console

         CTRL-D を検出するまでコンソールからの入力を解釈します。


     echo arg1 ...

         空白文字で区切られ、復帰改行で終わる引数を表示します。


     echo -n arg1...

         空白文字で区切られているが復帰改行で終わらない引数を表示
         します。


     getprop propname varname

         属性 propname の値を変数 varname に割り当てます。長さ ゼ
         ロの属性値からはヌル文字列が生成されます。属性が存在しな
         い場合、変数は設定されません。


     getproplen propname varname

         変数 varname に属性 propname の値の長さを 16 進数で割 り
         当てます。属性値の長さには終了を示すヌルが含まれます。属
         性が存在しない場合、変数は 0xFFFFFFFF (-1) に設定され ま
         す。


     if expr

         式 expr が真の場合、次の elseif、else、または endif まで
         の 命令を実行します。expr が偽の場合は、命令を実行しませ
         ん。


     elseif expr

         それまでの if コマンドおよび elseif コマンドがすべ て エ
         ラー と な り、 な おかつ expr が真の場合、次の elseif、
         else、または endif までの命令を実行します。それ以外の 場
         合は、命令を実行しません。


     else

         それまでの if コマンドおよび elseif コマンドがすべ て エ
         ラーになった場合、次の elseif、else、または endif までの
         命令を実行します。それ以外の場合は、命令を実行しません。


     endif

         囲んでいるブロックの実行モードに戻ります。


     help

         利用可能なすべての起動シェルコマンドの要約を示すヘルプ画
         面を表示します。


     read name1 ...

         コンソールから行を読み取り、ワードに分割し、それらを値と
         して変数 name1 (以下同様) に割り当てます。


     readt time ...

         read と同じですが、time で指定された秒数が経過したら、タ
         イムアウトします。


     run name arg1 ...

         スタンドアロンプログラム name を読み込んで制御を 渡 し、
         arg1 とそれに続く引数を渡します。


     set

         現在の変数およびその値をすべて表示します。


     set name

         変数 name の値をヌル文字列に設定します。


     set name word

         変数 name の値を word に設定します。


     set name expr

         変数 name の値を expr の値に設定します。expr は 複 数 の
         ワー ド で構成されていなければなりません。値は符号なしの
         16 進数で符号化されます。たとえば、-1 は 0xFFFFFFFF で表
         されます。


     setcolor

         テキストモードの表示属性を設定します。使用で き る 色 は
         black、 blue、 green、cyan、red、magenta、brown、white、
         gray、lt_blue、lt_green、lt_cyan、 lt_red、 lt_magenta、
         yellow、および hi_white です。


     setprop propname word

         属性 propname の値を word に設定します。



     singlestep または singlestep on

         ステップ実行モードを有効にします。この場合、インタプリタ
         は各コマンドを処理する前に step ? を表示し、キーボード入
         力を待ちます。ENTER
          キーを押すと次のコマンドが実行されます。


     singlestep off

         ステップ実行モードを無効にします。


     source name

         ファイル name をメモリーに読み込み、解釈を開始し ま す。
         EOF に到達したら、その前の入力ソースに戻ります。


     unset name

         変数 name を削除します。


     verbose または verbose on

         詳細表示モードを有効にします。ソースファイルの各行と、実
         行されるコマンドが表示されます。


     verbose off

         詳細表示モードを無効にします。



  [x86 の組み込み関数]
     次の組み込み関数を式の中で使用できます。

     .strcmp(string1,string2)        string1  が 字 句 構 造 上、
                                     string2 より小さい、等しい、
                                     または大きいことにより、ゼロ
                                     より小さい、または大きい整数
                                     値を返します。


     .strncmp(string1, string2, n)   string1  が 字 句 構 造 上、
                                     string2 より小さい、等しい、
                                     または大きいことにより、ゼロ
                                     より小さい、または大きい整数
                                     値を返します。最大 n 文字 が
                                     比較されます。


     .streq (string1, string2)       string1 が string2 に等し い
                                     場合は真、それ以外の場合は偽
                                     を返します。


     .strneq (string1, string2, n)   string1 が string2 に等し い
                                     場合は真、それ以外の場合は偽
                                     を返します。最大 n 文字が 比
                                     較されます。


     .strfind (string, addr, n)      addr から始めてメモリー内 の
                                     位置を n 個走査し、string の
                                     開始位置を探しま す。 string
                                     はヌルで終わっていなくてもか
                                     まいません。string  が 見 つ
                                     かっ た 場合は真、見つからな
                                     かった場合は偽を返し ま す。
                                     .strfind  を使用すると、さま
                                     ざまなマシンや周辺ボードを識
                                     別するために ROM BIOS および
                                     BIOS 拡張機能内の文字列を 検
                                     索できます。


【使用例】
  [SPARC]
     例 1: 対話モードでシングルユーザーとしてデフォルトのカーネル
     を起動する

     対話モードでシングルユーザーとしてデフォルトのカーネルを起動
     するには、ok プロンプトで次のいずれかを入力します。

     boot -as
     boot disk3 -as

     例 2: WAN 起動に対応した PROM によるネットワーク起動

     さまざまな boot コマンド行呼び出し間の微妙な違いを示す た め
     に、ここでは network-boot-arguments が設定されており、以下の
     コマンドのように net に対してデバイス別名が設定されている も
     のとします。

     次のコマンドでは、デバイス別名内のデバイス引数が、デバイスド
     ライバによって処理されます。ネットワーク起動サポートパッケー
     ジは、network-boot-arguments 内の引数を処理します。

     boot net

     次のコマンドでは、デバイス引数なし、とみなされます。 ネッ ト
     ワー ク起動サポートパッケージは、network-boot-arguments 内の
     引数を処理します。

     boot net:

     次のコマンドでは、デバイス引数なし、とみなされます。rarp  は
     唯 一 の ネッ ト ワー ク 起 動サポートパッケージ引数であり、
     network-boot-arguments は無視されます。

     boot net:rarp

     次のコマンドでは、指定されたデバイス引数が処理されます。ネッ
     ト ワーク起動サポートパッケージは、network-boot-arguments 内
     の引数を処理します。

     boot net:speed=100,duplex=full

     例 3: 以前の PROM における wanboot の使用

     次のコマンドでは、DVD または CD から wanboot バイナリが読 み
     込まれます。読み込まれた wanboot は、DHCP の実行時にコマンド
     インタプリタを起動し、鍵やその他の必要な構成情報をユーザーが
     入力できるようにします。

     boot cdrom -F wanboot -o dhcp,prompt


  [x86]
     例 4: 対話モードでシングルユーザーとしてデフォルトのカーネル
     を起動する

     シングルユーザー状態の対話モードでデフォルトのカーネルを起動
     するには、> プロンプトで次のいずれかを入力します。

     b -as

     b kernel/unix -as

  [x86 (64 ビットのみ)]
     例 5: 対話モードでシングルユーザーとしてデフォルトのカーネル
     を起動する

     対話モードでシングルユーザーとしてデフォルトのカーネルを起動
     するには、> プロンプトで次を入力します。

     b kernel/amd64/unix -as

     例 6: 64 ビット x86 プラットフォーム上での 32 ビットお よ び
     64 ビットカーネル間の切り替え

     boot-file eeprom(1M) 変数のデフォルト値は NULL 文字列で す。
     こ れ により、使用するシステムのハードウェアに適切なカーネル
     (32 ビットまたは 64 ビット) を二次起動プログラムで選択できま
     す。どちらかのカーネルを選択するには、次の手順に従います。

     32 ビットカーネルを指定するには、root 権限または同等の権限で
     次のように入力します。

     # eeprom boot-file kernel/unix


     次に再起動すると、システムは 32 ビットカーネルで実行さ れ ま
     す。

     あるいは、 起 動 プ ロ グ ラ ム の  "Select  the  (b)oot  or
     (i)nterpreter prompt" に応答して 32 ビットカーネルを指定でき
     ます。次のようになります。

     : b kernel/unix


     64 ビットカーネルを指定するには、root 権限または同等の権限で
     次のように入力します。

     # eeprom boot-file kernel/amd64/unix


     次に再起動すると、システムは 64 ビットカーネルで実行さ れ ま
     す。


     あるいは、 起 動 プ ロ グ ラ ム の  "Select  the  (b)oot  or
     (i)nterpreter prompt" に応答して 64 ビットカーネルを指定でき
     ます。次のようになります。

     : b kernel/amd64/unix


     二次起動プログラムで使用するシステムのハードウェアに適 切 な
     カーネルを選択できるように、boot-file 変数をデフォルト値であ
     る NULL 文字列に戻すには次のように入力します。

     # eeprom boot-file ""


     非特権ユーザーとして、boot-file 変数の現在の値を確認するには
     次のように入力します。

     % eeprom boot-file


     そのコマンドの詳細については、eeprom(1M) のマニュアルペー ジ
     を参照してください。

【ファイル】
     /platform/platform-name/ufsboot

         ディスクまたは DVD または CD から起動する第 2 レベルのプ
         ログラム


     /etc/inittab

          initedefault 状態が指定されているテーブル


     /sbin/init

         システムを initedefault 状態に移行するプログラム



  [64 ビット SPARC のみ]
     /platform/ platform-name/kernel/sparcv9/unix

         システムを起動するデフォルトのプログラム


  [x86 のみ]
     /etc/bootrc

         起動処理を制御するスクリプト


     /platform/platform-name/boot/solaris/boot.bin

         x86システムで ufsboot の代わりに使用される第 2 レベル の
         起動プログラム


     /platform/platform-name/boot

         起動関係ファイルが置かれているディレクトリ


     /platform/platform-name/kernel/unix

         システムを起動するデフォルトのプログラム


  [64 ビット x86 のみ]
     /platform/platform-name/kernel/amd64/unix

         システムを起動するデフォルトのプログラム


【関連項目】
     kmdb(1), uname(1),  eeprom(1M),  init(1M),  installboot(1M),
     kernel(1M),  shutdown(1M),  uadmin(2),  bootparams(4), init-
     tab(4), vfstab(4), wanboot.conf(4), filesystem(5)

     Solaris のシステム管理 (基本編)

     RFC   903,   A   Reverse   Address   Resolution    Protocol,
     http://www.ietf.org/rfc/rfc903.txt

     RFC   2131,    Dynamic    Host    Configuration    Protocol,
     http://www.ietf.org/rfc/rfc2131.txt

     RFC    2132,    DHCP    Options     and     BOOTP     Vendor
     Extensions,http://www.ietf.org/rfc/rfc2132.txt

     RFC 2396, Uniform Resource Identifiers (URI):  Generic  Syn-
     tax, http://www.ietf.org/rfc/rfc2396.txt


     Solaris のシステム管理 (基本編)

     『Sun Hardware Platform Guide』

     『OpenBoot Command Reference Manual』

【警告】
     boot ユーティリティは、起動可能プログラムとして使用 で き る
     ファイルかどうか判別できません。起動不可能なファイルを起動す
     るように要求された場合、boot ユーティリティはそのファイル を
     読み込み、そのファイルに制御を渡します。その場合の結果は予測
     できません。

【注意事項】
     platform-name を調べるには、uname(1) の -i オプションを使 用
     し ます。hardware-class-name を調べるには、uname(1) の -m オ
     プションを使用します。

     現在のリリースの Solaris オペレーティ ン グ シ ス テ ム は、
     UltraSPARC-I CPU を搭載するマシンをサポートしません。

  [x86 のみ]
     各国語キーボードでは「-」キーの位置が異なる場合があるの で、
     こ のようなキーボードを使用する x86 ベースのシステムでは、代
     わりのキーを使用して boot コマンドに引数を渡してください。数
     字 キーパッドの - を使用してください。キーボードの対応言語別
     に、起動時に - の代わりに使用できるキーを示します。

     キーボード      代替キー

     イタリア        '

     スペイン        '

     スウェーデン    +

     フランス        ?

     ドイツ          ?
     たとえば、スウェーデン語対応のキーボードの場合、b -r は b +r
     と打鍵します。画面には b -r が表示されます。