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システム管理コマンド                                   cfgadm(1M)

【名前】
     cfgadm - 構成の管理

【形式】
     /usr/sbin/cfgadm [-f] [-y | -n]  [-v]  [-o hardware_options]
     -c function ap_id ...

     /usr/sbin/cfgadm [-f] [-y | -n]  [-v]  [-o hardware_options]
     -x hardware_function ap_id ...

     /usr/sbin/cfgadm   [-v]   [-a]    [-s listing_options]    [-
     o hardware_options] [ -l
      [ap_id | ap_type] ]

     /usr/sbin/cfgadm [-v] [-o hardware_options] -t ap_id ...

     /usr/sbin/cfgadm  [-v]  [-o hardware_options]  -h  [ap_id  |
     ap_type]

【機能説明】
     cfgadm コマンドを使用して、動的な再構成が可能なハードウェ ア
     資 源 に対して構成の管理を行うことができます。これらの操作に
     は、状態 (state) の表示 ( -l )、検査の開始 (-t)、構成状態 の
     変更の開始 (-c)、ハードウェア固有の機能の実行 (-x)、および構
     成管理のヘルプ情報の表示 (-h)、が含まれます。構成管理は、 接
     続点 (attachment point) で実行されます。接続点は、Solaris の
     動作中にハードウェア資源の動的再構成を行うことにシステムソフ
     トウェアが対応している場所です。

     構成の管理では、マシン上に実際にあるハードウェア資源と、構成
     済 みで Solaris が認識できるハードウェア資源が区別されます。
     構成管理機能の特性はハードウェアに依存し、ハードウェア固有の
     ライブラリを呼び出すことで実行されます。

     構成管理は、接続点で実行されます。接続点に設置されているハー
     ドウェア資源には、システムの稼働中に物理的な交換ができるもの
     とできないものがありますが、構成管理インタフェースによって、
     動的に再構成することはできます。

     接続点は、接続点の向こう側に位置するハードウェア資源とは別の
     2  つの固有の要素を定義します。接続点の 2 つの要素は、受容体
     (receptacle) と占有装置 (occupant) です。ハードウェア資源 の
     物理的な取り付け、取り外しは接続点で行われ、その結果、受容体
     に占有装置が追加されたり削除されたりします。構成管理は、接続
     点での構成管理機能だけでなく、この物理的な着脱操作にも対応し
     ています。

     接続点には、状態 (state) と条件 (condition) の情報が関連付け
     られています。構成管理インタフェースを使用して、接続点の状態
     の変化を制御することができます。受容 体 は、 empty、 discon-
     nected、 connected の 3 つの状態のいずれかになります。また、
     占有装置は、configured と unconfigured のいずれかの状態に な
     ります。

     受容体は、接続点に占有装置がない場合に、必ず受容体の通常の状
     態 である empty になります。この状態には、稼働中のシステムの
     一部を一時的に停止することができる、ハードウェア固有の機能が
     関係します。受容体が占有装置をシステムの通常の使用から切り離
     すことができる場合に、その受容体は disconnected 状態になるこ
     ともできます。この状態は、占有装置のハードウェア資源をシステ
     ムが完全に利用できるようにする前にそのハードウェアに対する検
     査を実行する場合や、占有装置の物理的な取り外しや再構成のため
     の準備の 1 つの段階として、主に使用されます。disconnected 状
     態の受容体は、ハードウェアの許容範囲内で占有装置をシステムか
     ら分離しますが、検査や設定が必要な場合は使用を許可する場合が
     あります。受容体は、占有装置に含まれるハードウェア資源の通常
     の使用が許可されている場合に、必ず connected 状態に な り ま
     す。connected 状態は、占有装置を含み、かつ構成管理操作が実行
     されていない受容体の通常の状態です。

     unconfigured 状態の占有装置に含まれるハードウェア 資 源 は、
     Solaris の通常のデータ構造では表現されないため、Solaris はそ
     のハードウェアを使用できません。未構成の占有装置に対して実行
     で きる操作は、構成管理操作に限られています。configured 状態
     の占有装置に含まれるハードウェア資源は、Solaris の通常のデー
     タ構造で表現されるため、Solaris は、一部またはすべてのハード
     ウェア資源を使用することができます。占有装置は、必ず config-
     ured 状態か unconfigured 状態になります。

     接続点は、unknown、ok、failing、failed、unusable の 5 つの条
     件のいずれかになります。接続点は、電源投入検査と不揮発性記録
     保存の結果によって、システムをどの条件にも置く可能性がありま
     す。

     configured 状態の占有装置を持つ接続点は、unknown、ok、 fail-
     ing、failed の条件のいずれかになります。failing またはfailed
     条件にない接続点は、ハードウェア固有の回復可能なエラーがしき
     い 値を超えると、操作中に failing 状態になる場合があります。
     また、failed 条件にない接続点は、回復不可能なエ ラー に よっ
     て、操作中に failed 条件に変わる場合があります。

     unconfigured 状態にある占有装置を持つ接続点は今までに挙げ た
     条 件のどれになる可能性もあります。unconfigured 状態にある占
     有装置を持つ接続点の条件は、マシン固有の時間しきい値が経過し
     た後に、ok から unknown になる場合があります。検査機能を開始
     した場合は、検査の結果によって接続点の条件が  ok、 failing、
     failed  のいずれかに変わります。検査機能を持たない接続点は、
     接続点を unknown 条件のままにする場合があります。検査が中 断
     された場合は、接続点の条件は、以前の条件、unknown、failed に
     設定することができます。unknown、ok、failing、failed のい ず
     れかの条件にある接続点には、再検査を行うことができます。

     接続点は、さまざまな理由によって unusable 条件になります。理
     由としては、受容体に対する不適切な電力投入や冷却、占有装置が
     認識できない、対応していない、不適切に構成されている、などが
     挙 げられます。unusable 条件にある接続点は、システムで使用す
     ることができません。通常、この条件は、接続点に対して物理的な
     対処がなされない限り変わりません。

     また、接続点は、状態の変更処理が進行中である場合や、条件が再
     評価されている場合に、それを示す使用状態情報を保持します。

     接続点は、システムデバイス階層構造の中での接続点のタイプと位
     置に関連するハードウェア固有の識別子 (ap_ids) に対応していま
     す。ap_id は単一の接続点を特定するために、一意になっている必
     要があります。ap_id の仕様には、物理タイプと論理タイプの 2種
     類が用意されています。物理 ap_id には、完全なパス名を指定 し
     ま す。論理 ap_id には、簡略表記法を使用し、ユーザーにとって
     より簡単な方法で接続点を指定します。

     たとえば、システムのバックプレーンスロット番号 7 にある接 続
     点の物理 ap_id は/devices/central/fhc/sysctrl:slot7 となり、
     論理 ap_id はsystem:slot7 になります。また、システムの 第  2
     PCI  入 出 力 バ ス 上 に ある 3 番目の受容体の論理 ap_id は
     pci2:plug3 になります。

     接続点も動的に作成されます。動的接続点には、そのシステムに設
     定されている基本接続点を基にして名前が付けられます。動的接続
     点の ap_ids は、2 つのコロン、基本構成要素、および動的構成要
     素 で構成されます。基本構成要素は、基本接続点 ap_id です。動
     的構成要素は、ハードウェア固有で、対応するハードウェア固有の
     ライブラリによって生成されます。

     た と え ば、 SCSI  HBA  を 表 現  し、  物  理   ap_id   が
     /devices/sbus@1f,0/SUNW,fas@e,8800000:scsi で、論理 ap_id が
     c0 である基本接続点を想定します。この SCSI HBA に接続され て
     い るディスクは、論理 ap_id が c0::dsk/c0t0d0 である動的接続
     点によって表現されます。ここで、c0 は 基 本 構 成 要 素 で、
     dsk/c0t0d0  はハードウェア固有の動的構成要素です。同様に、こ
     の   動   的   接   続   点   の   物    理     ap_id     は
     /devices/sbus@1f,0/SUNW,fas@e,8800000:scsi::dsk/c0t0d0  にな
     ります。

     ap_type は ap_id の一部で、それ自身だけでは一意にならず、 単
     一の接続点を特定することができません。ap_type は、論理 ap_id
     の一部を含み、コロン (:) 区切り記号を含まない部分文 字 列 で
     す。 たとえば、pci の ap_type は、論理 ap_id が pci で始まる
     接続点をすべて出力します。

     ap_types は、できるだけ使用しないでください。-s オプションの
     新しい選択サブオプションを使用すれば、より汎用的な方法で柔軟
     に接続点を選択することができます。【オプション】を参照してく
     ださい。

     cfgadm コマンドは、ハードウェア固有ライブラリに含まれる ハー
     ド ウェア固有の機能と主に対話するため、cfgadm コマンドの動作
     はハードウェアに依存します。

     それぞれの構成管理操作では、サービスの中断が必要になる場合が
     あ り ます。要求された機能を完了するために、対話式で操作中の
     ユーザーにとって目に見えるサービスの中断が必要になる場合は、
     機能の開始前に標準エラー出力に確認メッセージが表示され、標準
     入力による確認を促します。すべての質問に対する yes を意味 す
     る -y オプション、または no を意味する -n オプションを指定す
     ることによって、確認を省略することもできます。検査レベルなど
     のハードウェア固有のオプションは -o オプションを使用して、サ
     ブオプションとして指定することができます。

     システム構成の状態を変更する操作は、システムログデーモンであ
     る syslogd(1M) によって監視されます。

     このコマンドの引数は、getopt(3C) および getsubopt(3C) の構文
     規約に従います。

【オプション】
     以下のオプションを使用することができます。

     -a

         -lオプションによって、動的接続点のリストも出力されるよう
         に指定します。


     -cfunction

         ap_id で指定された接続点の状態を function で指定された状
         態に変更します。

         function には、insert、remove、disconnect、connect、con-
         figure、unconfigure のいずれかを指定することができます。
         これらの関数は、ハードウェア固有のライブラリルーチンを呼
         び出して接続点の状態を変更します。これらの関数の定義を以
         下に示します。

         insert          占有装置を手動で追加する操作を実行 し た
                         り、物理的な追加を実行するハードウェア機
                         能を起動します。insert には、システム の
                         一部を一時的に停止するハードウェア固有の
                         副作用が伴う場合があります。このような場
                         合、ハードウェア固有のライブラリは、対応
                         する警告メッセージを生成し、ユーザーに対
                         して、そのハードウェア固有の問題と手順を
                         提供します。ハードウェアに起因するさまざ
                         まなエラーによってこの関数が失敗し、受容
                         体の条件が unusable になる場合があ り ま
                         す。

         remove          占有装置を手動で削除する操作を実行 し た
                         り、物理的な削除を実行するハードウェア機
                         能を起動します。remove には、システム の
                         一部を一時的に停止するハードウェア固有の
                         副作用が伴う場合があります。このような場
                         合、ハードウェア固有のライブラリは、対応
                         する警告メッセージを生成し、ユーザーに対
                         して、そのハードウェア固有の注意事項と手
                         順を提供します。ハードウェアに起因するさ
                         まざまなエラーによってこの関数が失敗し、
                         受容体の条件が unusable になる場合があり
                         ます。



         disconnect      ハードウェア固有の操作を実行して、受容体
                         を  disconnected  状 態にします。discon-
                         nected 状態にすることによって、占有装 置
                         に対して、受容体を介した通常の方法による
                         操作が行えなくなります。



         connect         ハードウェア固有の操作を実行して、受容体
                         を connected 状態にします。受容体が con-
                         nect 状態にすることによって、占有装置 に
                         対して、受容体を介した通常の方法による操
                         作が行えるようになります。



         configure       ハードウェア固有の操作を実行して、占有装
                         置 のハードウェア資源を Solaris が使用で
                         きるようにします。構成された占有装置はシ
                         ス テ ム 構 成の一部になり、psradm(1M)、
                         mount(1M)、ifconfig(1M) などの Solarisデ
                         バイス操作メンテナンスコマンドによる操作
                         の対象となります。



         unconfigure      ハードウェア固有の操作を実行して、占 有
                         装置のハードウェア資源をシステムから論理
                         的に削除します。この関数を使用するには、
                         占有装置が現在構成されていて、占有装置の
                         ハードウェアが Solaris によって使用さ れ
                         ていない必要があります。



         状態変更関数は、接続点の条件や、その他のハードウェア固有
         の問題によって失敗する場合があります。資源を追加するため
         の状態変更関数 (insert、connect、configure) は、接続点が
         ok または unknown 条件にある場合に、ハードウェア固有のラ
         イブラリに渡されます。接続点がそれ以外の条件にある 場 合
         は、強制オプション (-f) を使用した場合に限って、資源を追
         加するための関数がハードウェア固有のライブラリに渡されま
         す。 シ ス テ ムからハードウェア資源を削除するための関数
         (remove、disconnect、unconfigure) によるハードウェア固有
         のライブラリの呼び出しは、接続点の条件によって妨げられる
         ことはありません。接続点が unknown 条件にある場合に、 関
         数は、ハードウェア固有のライブラリによって拒否される場合
         があります。

         接続点の条件は、状態変更関数によって変更されないこともあ
         りますが、状態変更操作中のエラーによって接続点の条件が変
         わる場合があります。条件の書き換えと状態の強制的な 変 更
         は、強制オプション (-f) を指定した場合だけ実行することが
         できます。これらの処理は、強制オプションを指定しないと失
         敗します。強制オプションは、ハードウェア固有の安全性検査
         および完全性検査によって無効になる場合があります。


     -f

         指定された処理を強制的に実行します。これは主に、 ハー ド
         ウェア固有の安全機能を無効にするために使用します。状態の
         変更操作を強制することによって、ハードウェア固有の安全検
         査 によって ok や unknown 状態にない占有装置のハードウェ
         ア資源を使用することができる場合があります。



     -h [ ap_id | ap_type ...]

         ヘルプメッセージテキストを出力し ま す。 ap_id  ま た は
         ap_type を指定すると、この引数によって指定された接続点に
         関するハードウェア固有のライブラリのヘルプルーチンが呼び
         出されます。



     -l [ ap_id | ap_type ...]

         指定された接続点の状態や条件を一覧表示します。接続点を抽
         出 するには、-s オプションと select サブオプションを使用
         します。いずれかの処理オプションを使用せずに cfgadm コマ
         ンドを起動するのは、引数を使用せずに -l を使用するのと同
         じです。表示画面の書式は -v および -s オプションによって
         制 御されます。-a オプションが指定されているときは、接続
         点が動的に展開されます。



     -n

         対話型の確認を行わず、応答が no であるとみなします。-nと
         -y  の い ずれも指定しないと、標準エラー出力と標準入力に
         よって対話型の確認が行われます。これらの標準的なチャネル
         のいずれも端末 (isatty(3C) によって判定されている)に対応
         していない場合は、-n オプションが想定されます。


     -ohardware_options

         コマンドの主オプションに対してハードウェア固有のオプショ
         ン を指定します。hardware_options の文字列の書式と内容は
         完全にハードウェア固有のものです。オプション 文 字 列 の
         hardware_options は getsubopt(3C) の構文規約に従います。


     -slisting_options

         一覧表示 (-l) コマンドに対して一覧表示オプションを指定し
         ま す。listing_options は getsubopt(3C) の構文規約に従い
         ます。サブオプションを使用して、 接 続 点 の 選 択 条 件
         (select=select_string)、  適  切  な  照  合  タ  イ  プ
         (match=match_type)、一覧表示する順序 (sort=field_spec)、
         表示するデータ (cols=field_spec と cols2=field_spec)、列
         の区切り記号 (delim=string)、列の見出し行の抑制 (nohead-
         ings) を指定します。

         select サブオプションを指定すると、指定された条件と一 致
         す る接続点だけが一覧表示されます。select サブオプション
         の構文は次のとおりです。

         cfgadm -s select=attr1(value1):attr2(value2)...

          attr は、ap_id、class、type のいずれかです。ap_id は 論
         理 ap_id フィールド、class は接続点のクラス、type はタイ
         プフィールドです。value1、value2 などは、照合す る 値 で
         す。 照合タイプを指定するには、次のように match サブオプ
         ションを使用します。

         cfgadm -s match=match_type,select=attr1(value1)...

          match_type は、exact または partial から選択します。 デ
         フォルト値は exact です。

         select サブオプションの引数は、シェルから保護するため に
         引用符で囲みます。

         field_spec に は、 1  つ の  data-field  ま た は  data-
         field:data-field:data-field  のようにコロン (:) で区切っ
         た複数の data-field を指定します。data-field は、ap_id、
         physid、  r_state、  o_state、 condition、 type、 busy、
         status_time、status_time_p、class、info のいずれかです。
         ap_id フィールドの出力は接続点の論理名で、physidフィール
         ドは物理名です。r_state フィール ド は、 empty、 discon-
         nected、 connected のいずれかになります。o_stateフィール
         ドは、configured と unconfigured のいずれかになりま す。
         busy フィールドは、接続点が使用中の場合に y になり、使用
         中でない場合に n となります。type  フィー ル ド と  info
         フィー ル ド は ハー ド ウェ ア 固 有 のフィールドです。
         status_time フィールドには、r_state、o_state、または接続
         点 の 条 件 が 最 後 に 変 更 された時刻が表示されます。
         status_time_p フィールドは、構文解析が可能な status_time
         フィー ル ドです。接続点にクラスが関連付けられている場合
         は、class フィールドにクラス名が表示されます。接続点にク
         ラ ス が 関 連付けられていない場合は、class フィールドに
         none が表示されます。

         field_spec 内のフィールドの順序は重要です。sort サブオプ
         ションでは、最初に与えられたフィールドが主ソートキーにな
         ります。cols および cols2 サブオプションでは、指定した順
         序 でフィールドが出力されます。cols 内のフィールドは常に
         出力されます。cols2 内のフィールドは、指定された場 合 に
         限って 2 行目に出力されます。data-field に対するソートの
         順序は、sort サブオプションに対する field_sec内の  data-
         field  名の前にマイナス (-) を付けることによって逆になり
         ます。sort のデフォルトの値は ap_id です。cols  お よ び
         cols2 のデフォルトの値は -v オプションが指定されているか
         どうかによって異なります。-v が指定されていない場合 は、
         cols  はap_id:r_state:o_state:condition になり、cols2 は
         設定されません。-v が指定されている 場 合 は、 colss  は
         ap_id:r_state:o_state:condition:info  に な り、cols2 は
         status_time:type:activity:physid: になります。delim のデ
         フォルトの値は、単一の空白文字です。delim の値には、任意
         の長さの文字列を指定することもできます。区切り記号にはコ
         ン マ (,) を含めることはできません (getsubopt(3C) を参照
         )。これらの一覧表示オプションは、構文解析が可能な出力 を
         生成するために使用することができます。「注意事項」を参照
         してください。


     -t

         1 つまたは複数の接続点の検査を実行します。この検査 機 能
         は、 接 続 点 の 条 件 を 再 評 価するために使用します。
         hardware_options の中で検査レベル指示子を指定しない と、
         重度の障害を検出する最も早い検査方法が使用されます。

         より包括的な検査は個々のハードウェアに依存 す る た め、
         hardware_options を使用して選択します。
         検査の結果は、指定された占有装置の条件を >ok (障害が発見
         されなかった場合)、failing (回復可能な障害が発見された場
         合)、failed (回復不可能な障害が発見された場合) のいず れ
         かに更新するために使用されます。

         検査が中断された場合は、接続点の条件は、以前の値に 戻 す
         か、ok (障害が発見されなかった場合)、failing (回復可能な
         障害が発見された場合)、failed (回復不可能な障害が発見 さ
         れた場合) のいずれかに設定されます。接続点は、エラーがな
         く、検査が正常に完了した場合のみ ok に設定されます。


     -v

         詳細表示モードで実行します。-c、-t、-x オプションを指 定
         した場合に、各試行操作の結果を表示するメッセージを出力し
         ます。-h オプションを指定した場合は、詳細なヘルプ情報 が
         表 示されます。-l オプションを指定した場合は、各接続点に
         関するすべての情報を出力します。



     -xhardware_function

         ハードウェア固有の機能を実行します。受容体や占有装置の状
         態は、専用ハードウェア固有の機能を使用して変更します。接
         続点の状態は、ハードウェア固有の機能の動作中に検出された
         エ ラー の 結 果 と し て 変 化 す る 場 合 があります。
         hardware_function 文字列の書式と内容は完全にハードウェア
         固 有 のものです。オプション文字列のhardware_function は
         getsubopt(3C) の構文規約に従います。


     -y

         対話型の確認を行わず、応答が yes であるとみなします。



【使用方法】
     このコマンドを使用するために必要な特権は、ハードウェアに依存
     します。一般的に、デフォルトのシステム設定では、一覧表示オプ
     ション以外のすべての機能はスーパーユーザーのみが使用すること
     ができます。

【使用例】
     例 1: デバイスツリー内の接続点の一覧表示

     以下の例は、動的接続点以外のすべての接続点を一覧表示します。

     example# cfgadm

       Ap_Id         Type            Receptacle      Occupant           Cond
     system:slot0    cpu/mem         connected       configured         ok
     system:slot1    sbus-upa        connected       configured         ok
     system:slot2    cpu/mem         connected       configured         ok
     system:slot3    unknown         connected       unconfigured       unknown
     system:slot4    dual-sbus       connected       configured         failing
     system:slot5    cpu/mem         connected       configured         ok
     system:slot6    unknown         disconnected    unconfigured       unusable
     system:slot7    unknown         empty           unconfigured       ok
     c0             scsi-bus         connected       configured         unknown
     c1             scsi-bus         connected       configured         unknown

     例 2: 構成することができるすべてのハードウェアの情報の一覧表
     示

     以下の例は、現在構成することができるすべてのハードウェアの情
     報を一覧表示します。動的接続点で表現されるハードウェアも表示
     されます。

     example# cfgadm -al

       Ap_Id            Type         Receptacle      Occupant           Cond
     system:slot0       cpu/mem      connected       configured         ok
     system:slot1       sbus-upa     connected       configured         ok
     system:slot2       cpu/mem      connected       configured         ok
     system:slot3       unknown      connected       unconfigured       unknown
     system:slot4       dual-sbus    connected       configured         failing
     system:slot5       cpu/mem      connected       configured         ok
     system:slot6       unknown      disconnected    unconfigured       unusable
     system:slot7       unknown      empty           unconfigured       ok
     c0                 scsi-bus     connected       configured         unknown
     c0::dsk/c0t14d0    disk         connected       configured         unknown
     c0::dsk/c0t11d0    disk         connected       configured         unknown
     c0::dsk/c0t8d0     disk         connected       configured         unknown
     c0::rmt/0          tape         connected       configured         unknown
     c1                scsi-bus     connected        configured         unknown

     例 3: 接続点の属性に基づいて選択された情報の一覧表示

     以下の例は、接続点のうち、scsi で始まるクラス、c で 始 ま る
     ap_id、 および scsi で始まる type フィールドを持つものをすべ
     て一覧表示します。-s オプションの引数は、シェルから保護す る
     ために引用符で囲みます。

     example# cfgadm -s "match=partial,select=class(scsi):ap_id(c):type(scsi)"

     Ap_Id         Type          Receptacle      Occupant           Cond
      c0          scsi-bus      connected       configured         unknown
      c1          scsi-bus      connected       configured         unknown

     例 4: 現在構成することができるハードウェアの情報の詳細表示

     以下の例は、ap-type system の現在構成することができるハー ド
     ウェアの情報を詳細表示モードで示します。

     example# cfgadm -v -l system
     Ap_Id                      Receptacle Occupant   Condition Information
     When         Type      Busy     Phys_Id
     system:slot1               connected  configured ok
     Apr  4 23:50 sbus-upa  n        /devices/central/fhc/sysctrl:slot1
     system:slot3               connected  configured ok        non-detachable
     Apr 17 11:20 cpu/mem   n        /devices/central/fhc/sysctrl:slot3
     system:slot5               connected  configured ok
     Apr  4 23:50 cpu/mem   n        /devices/central/fhc/sysctrl:slot5
     system:slot7               connected  configured ok
     Apr  4 23:50 dual-sbus n        /devices/central/fhc/sysctrl:slot7

     When 列は status_time フィールドの内容を表示します。

     例 5: ハードウェア固有の拡張検査

     以下の例は、ハードウェア固有の拡張検査を使用して 2 つの占 有
     装置を検査します。

     example# cfgadm -v -o extended -t system:slot3 system:slot5
     Testing attachment point system:slot3 ...  ok
     Testing attachment point system:slot5 ...  ok

     例 6: 強制オプション

     以下の例は、強制オプションを使用して、failing 状態の占有装置
     をシステムに構成します。

     example# cfgadm -f -c configure system:slot3

     例 7: システムから占有装置を構成解除する

     以下の例は、システムから占有装置を構成解除します。

     example# cfgadm -c unconfigure system:slot4

     例 8: 接続点の占有装置を構成する

     以下の例は、占有装置を構成します。

     example# cfgadm -c configure c0::dsk/c0t0d0

【環境】
     cfgadm の実行に影響を及ぼす環境変数の LC_TIME、LC_MESSAGES、
     NLSPATH、TZ については、environ(5) を参照してください。

     LC_MESSAGES     cfgadm が見出し行とエラーメッセージを表示 す
                     る方法を特定します。出力されるデータは、この
                     環境変数の影響を受けません。



     LC_TIME         cfgadm が状態の変更時間 (status_time) を表示
                     する方法 (人による判読が可能な形式) を特定し
                     ます。



     TZ              状態の変更時間を変換する際に使用される時間帯
                     を 特 定 し ます。これは人による判読が可能な
                     (status_time)  と 構 文 解 析 が  可  能  な
                     (status_time_p) 形式の両方に当てはまります。



【終了ステータス】
     以下の終了値が返されます。

     0        正常に完了しました。



     1        エラーが発生しました。


     2        指定された宛先が構成管理に対応していません。


     3        使用方法上のエラー。


【属性】
     以下の属性については、attributes(5) を参照してください。
     ____________________________________________________________
    |         属性タイプ          |            属性値           |
    |_____________________________|_____________________________|
    | 使用条件                    | SUNWcsu                     |
    |_____________________________|_____________________________|

【関連項目】
     cfgadm_fp(1M), cfgadm_ib(1M), cfgadm_pci(1M),cfgadm_sbd(1M),
     cfgadm_scsi(1M),  cfgadm_usb(1M),  ifconfig(1M),  mount(1M),
     prtdiag(1M), psradm(1M), syslogd(1M), config_admin(3CFGADM),
     getopt(3C),    getsubopt(3C),   isatty(3C),   attributes(5),
     environ(5)

【診断】
     診断メッセージは標準エラー出力に表示されます。オプションや使
     用方法のエラー以外に、次の診断メッセージがこのユーティリティ
     によって表示されます。

     cfgadm: Configuration administration not supported onap_id

     cfgadm: No library found for ap_id

     cfgadm: ap_idis ambiguous

     cfgadm: operation: Insufficient privileges

     cfgadm: Attachment point is busy, try again

     cfgadm: No attachment points with specified attributes found

     cfgadm: System is busy, try again

     cfgadm: operation: Operation requires a service interruption

     cfgadm: operation: Data error: error_text

     cfgadm: operation: Hardware specific failure: error_text

     エラーメッセージの詳細については config_admin(3CFGADM)を参照
     してください。

【注意事項】
     ハードウェア資源は、ハードウェア固有の方法で未構成プールに入
     ります。これは、システムの初期設定や構成解除操作の結果として
     など、さまざまな状況で発生します。unconfigured 状態にある 占
     有装置は、システムによる特定の介入が発生するまで、システムが
     使用することはできません。このような干渉は、オペレーターが起
     動したコマンドや、自動構成機構によって発生します。

     cfgadm コマンドの一覧表示オプションは、シェルスクリプトの 中
     などで、別のコマンドに対する構文解析可能な入力として使用する
     ことができます。構文解析可能な出力の場合は、必要なフィールド
     を 選択するときに、-s オプションを使用する必要があります。-s
     オプションは、列の見出しを抑制するときにも使用 で き ま す。
     ap_id、  physid、  r_state、  o_state、  condition、  busy、
     status_time_p、class、type フィールドは、常に構文解析が可 能
     な出力を生成します。

     以下はシェルスクリプトの一部分で、タイプが CPUの正常な未構成
     の占有装置で最初のものを検出します。


          found=
          cfgadm -l -s "noheadings,cols=ap_id:r_state:condition:type" | \
          while read ap_id r_state cond type

          do
                  if [ "$r_state" = unconfigured -a "$cond" = ok -a "$type" = CPU ]
                  then
                         if [ -z "$found" ]
                         then
                                 found=$ap_id
                         fi
                  fi
          done
          if [ -n "$found" ]
          then
                  echo "Found CPU $found"
          fi


     構文解析が可能な時間フィールド (status_time_p) の 形 式 は、
     YYYYMMDDhhmmss  で、文字列の比較を行うのに都合がよい書式で、
     年、月、日、時間、分、秒を表示します。

     システム構成管理で使用できるものの詳細については、ハードウェ
     ア固有のマニュアルを参照してください。