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ユーザーコマンド                                          echo(1)

【名前】
     echo - 引数の出力

【形式】
     /usr/bin/echo [string ...]

【機能説明】
     echo ユーティリティは、空白文字で区切られ、復帰改行  (  NEW-
     LINE  ) で終わる引数を標準出力に出力します。引数が指定されて
     いない場合は、NEWLINE     文字のみを書き出します。

     echo は、コマンドファイル内で診断メッセージを生成したり、 既
     知のデータをパイプに送ったり、環境変数の内容を表示したりする
     際に便利です。

     C シェル、Korn シェル、Bourne シェルには、echo 組み込みコ マ
     ンドがあります。デフォルトでは echo 組み込みコマンドは、ユー
     ザーがフルパス名なしで echo を呼び出した場合に実行されます。
     shell_builtins(1)  を 参 照してください。sh の echo 、ksh の
     echo 、/usr/bin/echo はバックスラッシュのついたエスケープ 文
     字 を認識し、sh の echo を除いては、警告文字として \a を認識
     しません。さらに、ksh の echo には -n オプションは付き ま せ
     ん。sh の echo と /usr/bin/echo は、SYSV3 環境変数が設定され
     ている場合 (「環境」を参照 ) 、-n オプションだけが付きます。
     その場合、前述のバックスラッシュのついたエスケープ文字は認識
     しません。一方、csh の echo と /usr/ucb/echo には  -n  オ プ
     ションが付きますが、バックスラッシュのついたエスケープ文字は
     認識しません。

【オペランド】
     次のオペランドを指定できます。

     string          標準出力に書き出される文字列。任意のオペラン
                     ドが "-n" である場合、オプションではなく文字
                     列として扱います。以下の文字の並びは、引数の
                     中で特別に解釈されます。

                     \a       警告文字




                     \b       バックスペース



                     \c       復帰改行なしで行を出力します。引 数
                              内 で \c に続く文字はすべて無視され
                              ます。


                     \f       用紙送り (form-feed)



                     \n       復帰改行



                     \r       キャリッジリターン



                     \t       タブ



                     \v       垂直タブ



                     \\       バックスラッシュ



                     \0n      n は、ASCII コードを 1 、2 、または
                              3  桁の 8 進数で表した 8 ビット文字
                              です。




【使用法】
     移植性の必要なアプリケーションには、-n ( 第 1 の引数として )
     またはエスケープシーケンスを使用しないでください。

     printf(1) ユーティリティは、以下のように echo ユーティリティ
     の従来の動作をすべてエミュレートするために使用できます。

       o  Solaris 2.6 オペーレーティング環境またはその 互 換 バー
          ジョンの /usr/bin/echo は以下と同機能です。



          printf "%b\n" "$*"



       o  /usr/ucb/echo は以下と同機能です。



          if [ "X$1" = "X-n" ]

          then
               shift
               printf "%s" "$*"
          else
               printf "%s\n" "$*"
          fi



     新しいアプリケーションでは echo の代わりに printf を使用する
     ことをお薦めします。

【使用例】
     例 1: 現在のディレクトリがルートからどれくらい離れているかを
     調べる

     echo を使用して、現在のディレクトリがルートディレクトリ  (/)
     から見ていくつ目のサブディレクトリになるかを、次のようにして
     判定することができます。

       o  現在の作業中のディレクトリのフルパス名を表示する

       o  パスに組み込まれたスラッシュ文字を、空白文字に変換す る
          ために tr を通して出力をパイプする

       o  ユーザーのパスの名前をカウントするために wc-w を通し て
          出力をパイプする


     example% /usr/bin/echo $PWD | tr '/' ' ' | wc -w

     それぞれの機能については、tr(1) と wc(1) を参照して く だ さ
     い。

     以下に、復帰改行 ( NEWLINE ) なしで文字列を表示するための 別
     の方法を示します。

     例 2: /usr/bin/echo


     example% /usr/bin/echo "$USER's current directory is $PWD\c"


     例 3: sh/ksh シェル


     example$ echo "$USER's current directory is $PWD\c"


     例 4: csh シェル


     example% echo -n "$USER's current directory is $PWD"


     例 5: /usr/ucb/echo


     example% /usr/ucb/echo -n "$USER's current directory is $PWD"


【環境】
     SYSV3           この環境変数は INTERACIVE UNIX シス テ ム と
                     SCO  UNIX のインストールスクリプトとの互換性
                     を提供するために使用します。互換性だけを目的
                     とした環境変数で、新しいスクリプトでは使用し
                     ないでください。



     echo の実行に影響を与える環境変 数  LC_CTYPE、 LC_MESSAGES、
     NLSPATH についての詳細は、environ(5) を参照してください。

【終了ステータス】
     以下の終了ステータスが返されます。

     0               入力ファイルはすべて、正常に出力された



     >0              エラーが発生した



【属性】
     次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照 し
     てください。
     ____________________________________________________________
    |         属性タイプ          |            属性値           |
    | 使用条件                    | SUNWcsu                     |
    | CSI                         | 対応済み                    |
    |_____________________________|_____________________________|

【関連項目】
     echo(1B),  printf(1),   shell_builtins(1),   tr(1),   wc(1),
     ascii(5), attributes(5), environ(5)

【注意事項】
     エスケープ規則 \0n を使用して 8 ビット文字を表す際、n の前に
     必ずゼロ (0) を付けなければなりません。

     たとえば、echo 'WARNING:\07' と入力した場合、WARNING: が出力
     され、端末の " ベル " が鳴ります。"07" の前に "\" を付けると
     きには、これを保護する単一 ( または二重 ) 引用符 ( または  2
     つのバックスラッシュ) を使用する必要があります。

     \0 の後には、8 進の出力文字を形成する最大 3 桁の文字が使用さ
     れます。 \0n の後に、この 8 進表記に含まれない数値をさらに表
     示したい場合は、n には全 3 桁を使用しなければなりません。 た
     と えば、"ESC 7" と表示したい場合は、 \0 の後に、2 桁の "33"
     だけでなく、3 桁の "033" を使用しなければなりません。

          2 桁             誤:             echo"0337 | od -xc
                           結果:           df0a                    (16 進)
                           337             (ascii)
          3 桁             正:             echo "00337" | od -xc
                           結果:           lb37 0a00               (16 進)
                           033 7           (ascii)


     各文字の 8 進表記については、ascii(5) を参照してください。