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システム管理コマンド                                    fdisk(1M)

【名前】
     fdisk - 固定ディスクパーティションテーブルの作成または変更

【形式】
     fdisk [-o offset]  [-s size]  [-P fill_patt]  [-S geom_file]
     [-w  | -r | -d | -n | -I | -B | -t | -T | -g | -G | -R | -E]
     [--F fdisk_file] [ [-v]  -W  {  fdisk_file  |  -}]  [-h]  [-
     b masterboot] [ -A id : act : bhead : bsect : bcyl : ehead :
     esect : ecyl : rsect : numsect] [ -D id : act : bhead: bsect
     : bcyl : ehead: esect : ecyl : rsect : numsect] rdevice

【機能説明】
     このコマンドは、次のように使用します。

       o  x86 システム上の fdisk パーティションテーブルを作成およ
          び変更する

       o  SPARC または x86 システム上のリムーバブル メ ディ ア で
          fdisk パーティションテーブルを作成および変更する

       o  x86 システムのみ、固定ディスクの最初のセクターに格納 さ
          れるマスターブートレコードをインストールする


     このテーブルは、異なるオペレーティングシステムごとに予約され
     て いるディスク領域を識別するために、または第 2 段階のブート
     ストラップのあるパーティション (アクティブ な  Solaris  パー
     ティ ション) を識別するために、第 1 段階のブートストラップ (
     またはファームウェア) により使用されます。rdevice 引数は、固
     定 ディスクに対応する raw デバイスを指定する場合に使用しなく
     てはなりません。たとえば、/dev/rdsk/c0t0d0p0 のように指定 し
     ます。

     このプログラムは、3 種類の動作モードで実行します。最初の動作
     モードは対話モードです。対話モードでは、ディスク上に存在する
     パーティションテーブルが表示され、さらにユーザーがテーブルを
     変更できるように、メニューが表示されます。メニュー、問い合わ
     せ、警告、およびエラーメッセージは、特に説明がなくても理解で
     きるものです。

     対話モードでは、ディスク上にパーティションテーブルがな い 場
     合、ユーザーはデフォルトのパーティション分割を行うか、または
     初期テーブル値を指定するかの、どちらかを選択できます。デフォ
     ル トのパーティション分割では、ディスク全体が Solaris システ
     ムに割り当てられ、Solaris システムパーティションがアクティブ
     になります。いずれの場合も、初期テーブルが作成された時点で、
     fdisk はパーティションテーブルとともに、第 1 段階のブート ス
     トラップ (x86 のみ) コードも書き込みます。

     2 番目の動作モードは、エントリの追加、削除、 ま た は  fdisk
     テー ブ ル全体の置き換えを自動的に行う場合に使用します。この
     モードでは、コマンド行に指定したエントリを追加または削除でき
     ま す。また、ファイルから fdisk テーブル全体を読み込んで、元
     のテーブルと置き換えることもできます。fdisk はこのファイルを
     作成する目的でも使用できます。コマンド行オプションを使用する
     と、任意の fdisk テーブルが、ディスク全体を Solaris システム
     に割り当てるデフォルトの  fdisk テーブルに置き換えられます。

     3 番目の動作モードは、ディスクの診断時に使用します。このモー
     ドでは、ディスクのあるセクションをユーザーが指定したパターン
     で埋めることができます。また、ディスクのモードセクションを読
     み書きすることもできます。

  [メニューオプション]
     fdisk プログラムの対話モードで使用できるメニューオプ ショ ン
     は、次のとおりです。

     Create a partition

         このオプションを使用すると、新しいパーティションを作成で
         き ます。パーティションの最大数は 4 つです。パーティショ
         ンのタイプ (SOLARIS、MS-DOS、UNIX、またはその他) が尋 ね
         られます。次に、パーティションのサイズをディスクの割合で
         指定するように求められます。この時点で c と入力する と、
         開始シリンダ番号およびシリンダ内のパーティションのサイズ
         が尋ねられます。c を入力しなかった場合は、パーティション
         が収まるように、fdisk プログラムが開始シリンダ番号を決定
         します。いずれの場合でも、パーティションが既存のパーティ
         ションとオーバーラップする場合、または収まりきらない場合
         は、メッセージが表示されて最初のメニューに戻ります。



     Change Active (Boot from) partition

         このオプションを使用すると、第 1 段階のブートストラッ プ
         が 第 2 段階のブートストラップを検索するパーティション (
         アクティブパーティションと呼ばれる) を指定できます。



     Delete a partition

         このオプションを使用すると、作成済みのパーティションを削
         除できます。そのパーティション内のすべてのデータが破壊さ
         れるので注意してください。



     この時点で、次に示すオプションを使用してパーティションテーブ
     ルの設定を変更することも、あるいは、テーブルを変更せずにセッ
     ションを中止することもできます。



     Exit

         このオプションを使用すると、fdisk によってこのセッション
         で 作 成された新しいテーブルが固定ディスクに書き込まれ、
         fdisk は終了します。



     Cancel

         パーティションテーブルを変更せずに終了します。



【オプション】
     fdisk で使用できるオプションは、次のとおりです。

     -A id:act:bhead:bsect:bcyl:ehead:esect:ecyl:rsect:numsect

         引数で指定されたパーティションを追加します (形式について
         は 以下の -F オプションを参照)。fdisk テーブルが変更され
         た場合、このオプションを使用すると、Solaris パーティショ
         ン上の VTOC がゼロで埋められます。



     -b master_boot

         マスターブートプログラムとしてファイル master_boot を 指
         定 し ま す。 デ フォ ル ト のマスターブートプログラムは
         /usr/lib/fs/ufs/mboot です。



     -B

         デフォルトでディスク全体を 1 つの Solaris パーティション
         に割り当てます。



     -d

         詳細デバッグモードを有効にします。fdisk を使用する た び
         に、その状態を標準エラー出力に送ります。このオプションの
         出力を -F オプションで使用しないでください。。



     -D id:act:bhead:bsect:bcyl:ehead:esect:ecyl:rsect:numsect

         引数で指定されたパーティションを削除します (形式について
         は 以 下 の -F オプションを参照)。引数が完全に一致しない
         と、エントリが削除されないことに注意してください。 fdisk
         テー ブ ルが変更された場合、このオプションを使用すると、
         Solaris パーティションの VTOC がゼロで埋められます。



     -E

         ディスク全体を使用する EFI パーティションを作成します。



     -F fdisk_file

         ファイル fdisk_file を使用してテーブルを初期化します。こ
         の オ プ ショ ン を使用して fdisk テーブルを変更すると、
         Solaris パーティションの VTOC がゼロで埋められます。

         fdisk_file には指定行を 4 行まで含めることができます。各
         行は復帰改行文字 (\n) で区切ります。行の先頭文字がアスタ
         リスク (*) の場合、その行はコメント行とみなされます。 各
         行は位置に依存するエントリからなり、エントリは空白または
         コロンで区切ります。形式は次のとおりです。



         id act bhead bsect bcyl ehead esect ecyl rsect numsect

         エントリの値は次のとおりです。


         id              パーティションのタイプ。指定可能な 数 値
                         は、fdisk.h に記述されています。




         act             アクティブパーティションプラグ。0 は非ア
                         クティブ、128 はアクティブを意味します。



         bhead           パーティションが開始するヘッド。0 に設定
                         されている場合、fdisk は他の情報に基づい
                         て適切な値を設定します。



         bsect           パーティションが開始するセクター。0 に設
                         定されている場合、fdisk は他の情報に基づ
                         いて適切な値を設定します。


         bcyl            パーティションが開始するシリンダ。0 に設
                         定されている場合、fdisk は他の情報に基づ
                         いて適切な値を設定します。



         ehead           パーティションが終了するヘッド。0 に設定
                         されている場合、fdisk は他の情報に基づい
                         て適切な値を設定します。



         esect            パーティションが終了するセクター。0  に
                         設定されている場合、fdisk は他の情報に基
                         づいて適切な値を設定します。



         ecyl             パーティションが終了するシリンダ。0  に
                         設定されている場合、fdisk は他の情報に基
                         づいて適切な値を設定します。



         rsect           パーティションが開始するディスクの先頭か
                         らの相対的な位置にあるセクター。この指定
                         は必須です。この値は、fdisk が他のフィー
                         ルドを設定するのに使用できます。



         numsect          セクター数で表したこのディスクパー ティ
                         ションのサイズ。この指定は必須です。この
                         値は、fdisk が他のフィールドを設定するの
                         に使用できます。



     -g

         ディスクのラベルジオメトリを取得して、標準出力に出力しま
         す (形式については -S オプションを参照)。



     -G

         ディスクの物理ジオメトリを取得して、標準出力に出力します
         (形式については -S オプションを参照)。



     -h

         詳細メッセージを表示します。メッセージには全オプションの
         リストとともに、各オプションの説明が示されます。



     -I

         デバイスチェックを省略します。デバイスを使用せずに、ディ
         スクに送られる内容のファイルイメージを生成する場合に使用
         します。このオプションは -S と組み合わせて使用する必要が
         あります (上記を参照)。



     -n

         他のオプションで明示的に指定されている場合を除き、 fdisk
         テーブルを更新しません。他のオプションを指定しない場合、
         -n オプションは、マスターブートレコードだけをディスク に
         書 き 込みます。また、-n オプションを指定した場合、fdisk
         は対話モードで起動しないことにも注意してください。



     -o offset

         ディスクの先頭からのブロックオフセット。このオプションは
         -P、-r、および -w とともに使用します。このオプションを指
         定しない場合、ゼロが想定されます。



     -P fill_patt

         パターン fill_patt でディスクを埋めます。fill_patt は 10
         進数または 16 進数にすることができ、一定のロングパターン
         を表す数として使用します。fill_patt が # の場合、パ ター
         ン は各ブロックで # になります。パターンはロングワードと
         して各ブロックに格納されて各ブロックを埋めます (-o お よ
         び -s を参照)。



     -r

         ディスクから読み込んで標準出力に書き込みます。操作の開始
         ポイントおよびサイズを指定するオプション -o と -s を参照
         してください。



     -R

         読み取り専用ディスクとして扱います。このオプションはテス
         ト用です。



     -s size

         操作を実行するブロック数 (-oを参照)



     -S geom_file

         geom_file の内容をラベルジオメトリとして設 定 し ま す。
         geom_file  には、行ごとに 1 つの指定を記述します。各行は
         復帰改行文字 (\n) で区切ります。行の先頭の文字がアスタリ
         ス ク (*) の場合、その行はコメントとみなされます。各行は
         位置に依存するエントリからなり、空白またはコロンで区切り
         ます。形式は次のとおりです。



         pcyl ncyl acyl bcyl nheads nsectors sectsiz

         エントリの値は次のとおりです。


         pcyl            ドライブの物理シリンダ数




         ncyl            ドライブの使用可能シリンダ数



         acyl            ドライブの代替シリンダ数



         bcyl            ドライブのオフセットシリンダ数 (ゼロにす
                         べき)



         nheads          このドライブのヘッド数



         nsectors        トラックあたりのセクター数



         sectsiz         セクターサイズ (バイト単位)



     -t

         パーティションテーブル境界を越えないように、無効なスライ
         ステーブルエントリを調整します。



     -T

         パーティションテーブル境界にまたがる無効なスライステーブ
         ルエントリを削除します。



     -v

         HBA (仮想) ジオメトリディメンションを出力します。この オ
         プ ショ ンは -W フラグと組み合わせて使用する必要がありま
         す。このオプションは、仮想ジオメトリをサポートするプラッ
         トフォーム (x86 のみ) で使用できます。



     -w

         ディスクに書き込み、標準入力から読み込みます。操作の開始
         ポイントおよびサイズを指定する -o と -s オプションを参照
         してください。



     -W -

         ディスクテーブルを標準出力に書き込みます。



     -W fdisk_file

         ディスクテーブルから fdisk ファイル fdisk_file を作成 し
         ま す。このオプションは、-F オプションと組み合わせて使用
         できます。


【ファイル】
     /dev/rdsk/c0t0d0p0      固定ディスクに対応づけられる raw  デ
                             バイス



     /usr/lib/fs/ufs/mboot   デフォルトのマスターブートプログラム



【属性】
     次の属性については、attributes(5) のマニュアルページを参照し
     てください。
     ____________________________________________________________
    |         属性タイプ          |            属性値           |
    |_____________________________|_____________________________|
    | アーキテクチャ              | x86 と SPARC                |
    |_____________________________|_____________________________|
    | 使用条件                    | SUNWcsu                     |
    |_____________________________|_____________________________|

【関連項目】
     uname(1), fmthard(1M), prtvtoc(1M) attributes(5)

【診断】
     ほとんどのメッセージは、読めば理解できるものです。プログラム
     の開始直後に次のメッセージが表示される場合があります。

     Fdisk: cannot open <device>

         このメッセージは、デバイス名引数が無効であることを示しま
         す。



     Fdisk: unable to get device parameters for device <device>

         このメッセージは、固定ディスクの構成に問題があるか、また
         は固定ディスクドライバでエラーが発生したことを示します。



     Fdisk: error reading partition table

         このメッセージは、固定ディスクから最初の読み込み時 に エ
         ラーが発生したことを示します。固定ディスクのコントローラ
         またはドライバに問題があるか、固定ディスクの構成に問題が
         ある可能性があります。


     Fdisk: error writing boot record

         このメッセージは、固定ディスクに新しいパーティションテー
         ブルを書き込むときに、エラーが発生したことを示します。固
         定ディスクコントローラ、ディスク自体、ドライバ、または固
         定ディスクの構成に問題がある可能性があります。