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ユーザーコマンド grep(1) 【名前】 grep - ファイルにおけるパターンの検索 【形式】 /usr/bin/grep [-bchilnsvw] limited-regular-expression [filename ...] /usr/xpg4/bin/grep [-E | -F] [-c | -l | -q] [-bhinsvwx] -e pattern_list ... [-f pattern_file ...] [file ...] /usr/xpg4/bin/grep [-E | -F] [-c | -l | -q] [-bhinsvwx] [-e pattern_list ...] -f pattern_file ... [file ...] /usr/xpg4/bin/grep [-E | -F] [-c | -l | -q] [-bhinsvwx] pattern [file ...] 【機能説明】 grep ユーティリティは、テキストファイルにおいてパターンを 検 索 し、そのパターンを含むすべての行を出力します。grep は、単 純な非決定性アルゴリズムを使用します。 pattern_list での $、*、[、^、|、(、)、\fR などの文字の使 い 方に注意してください。これらの文字はシェルに対して特別な意味 を持ちます。'...' のように pattern_list 全体を単一引用符で囲 むことをお勧めします。 ファイルを指定しないと、grep は標準入力を入力とし ま す。 通 常、発見された各行は標準出力に出力されます。入力ファイルが複 数ある場合、発見された各行の前にファイル名を出力します。 [/usr/bin/grep] /usr/bin/grep ユーティリティは、regexp(5) のマニュアルページ に説明されている正規表現に似た限定正規表現を使用して、パター ンマッチングを行います。 [/usr/xpg4/bin/grep] -E と -F の 両 オ プ ショ ン は、 /usr/xpg4/bin/grep の pattern_list の解釈の仕方に影響を与えます。-E を指定すると、 /usr/xpg4/bin/grep は pattern_list を完全な正規表現と解釈 し ま す ( 詳細は -E の説明を参照 ) 。-F を指定すると、grep は pattern_list を固定文字列と解釈します。両方のオプションを 省 略 すると、grep は pattern_list を基本正規表現と解釈します ( 詳細は regex(5) のマニュアルページを参照)。 【オプション】 以下のオプションは、/usr/bin/grep と /usr/xpg4/bin/grep で指 定できます。 -b 各行の先頭に、その行が発見されたブロックの番 号を出力します。これは、ブロック番号を文脈別 に見つける際に役立ちます (最初のブロックは 0 です)。 -c パターンを含む行の数だけを出力します。 -h 複数のファイルを検索するときにファイル名を出 力しません。 -i 比較中に大文字と小文字を区別しません。 -l 一致した行が 1 行でもあるファイルのファイ ル 名だけを、1 ファイルずつ復帰改行で区切って出 力します。パターンが 2 回以上見つかって も、 ファイル名の出力は 1 回だけです。 -n 各行の先頭に、ファイルにおけるその行の行番号 を出力します (最初の行は 1 です) 。 -s 存在しないファイルや読めないファイルに対して のエラーメッセージを抑制します。 -v パターンを含む行を除いたすべての行を出力しま す。 -w 表現が < と > で囲まれている場合のように、表 現を単語として検索します。 [/usr/xpg4/bin/grep] 以下のオプションは /usr/xpg4/bin/grep のみで指定できます。 -epattern_list 入力の検索時に用いるパターンを 1 つ以上指 定 します。複数のパターンを pattern_list に指定 する場合、各々を復帰改行文字 (NEWLINE) で 区 切る必要があります。空のパターンは、復帰改行 文字を 2 つ連続して指定することにより表せ ま す。 -E または -F オプションを指定した場合を 除き、各パターンは基本正規表現として扱われま す。複数個の -e および -f オプションを指定す ることが可能です。行のマッチングにおいて、指 定されたパターンはすべて使用されますが、評価 の順序は未定です。 -E 完全な正規表現を使ってマッチングを行います。 指定した各パターンは完全な正規表現として扱わ れます。ある完全な正規表現の全体が入力行と一 致したとき、その行は一致したことになります。 空の完全な正規表現は、すべての行と一致 し ま す。 各パターンは、regex(5) のマニュアルペー ジに記述されているように、完全な正規表現とし て解釈されます。ただし や ) は例外で、以下の 指定も含まれます。 1. 完全な正規表現の後に + が付加され て い るとき。これはその表現の 1 回以上 の出現に一致します。 2. 完全な正規表現の後に ? が付加され て い るとき。これはその表現の 0 または 1 回の出現に一致します。 3. 複数の完全な正規表現が | または復 帰 改 行 文字で区切られているとき。これ は、いずれかの表現と一致する文字列に 一致します。 4. 完全な正規表現が括弧 () で囲まれてい るとき。これはグループ化を表します。 これらの演算子を優先順位の高い順に並べると、 まず []、次に *?+、次が連結、その次が | と復 帰改行となります。 -f pattern_file pattern_file が示すパス名で指定したファイ ル か ら、 1 つまたは複数のパターンを読み込みま す。pattern_file 中のパターンの終了は、復 帰 改 行 文字により表されます。空のパターンは、 pattern_file 中に空の行を記述することによ り 表 せます。-E または -F オプションを指定した 場合を除き、各パターンは基本正規表現として扱 われます。 -F 固定文字列を使ってマッチングを行います。指定 された各パターンを、正規表現ではなく文字列と 見なします。いずれかのパターンが連続したバイ トとして入力行の中に現れた場合、その行は一致 します。空の文字列はすべての入力行と一致しま す。詳細については fgrep(1) を参照してくださ い。 -q 行が一致したかどうかに関わらず、標準出力には 何も書き出しません。入力行に一致した行があっ た場合、0 の終了ステータスで処理を終了 し ま す。 -x 固定文字列全体または正規表現と完全に一致する 入力行だけを、一致する行とみなします。 【オペランド】 以下のオペランドを指定できます。 file パターンを検索するファイルのパス名。このオペ ランドを省略すると、標準入力が用いられます。 [/usr/bin/grep] pattern 入力の検索時に用いるパターンを指定します。 [/usr/xpg4/bin/grep] pattern 入力の検索時に用いる 1 つまたは複数のパ ター ン を 指 定 し ま す。 こ のオペランドは、-e pattern_list が指定されたものとして扱われ ま す。 【使用法】 -e pattern_list オプションの指定は、pattern_list オペラン ド と 同じ結果をもたらしますが、pattern_list がハイフン区切り文 字で始まる場合には便利な方法です。また、複数のパターンを別個 の引数として用いたい場合にも便利な方法です。 -e と -f の両オプションは、それぞれ複数個指定できます。入 力 テ キスト行のマッチングにおいて、grep は指定されたすべてのパ ターンを使用します。なお評価の順序は指定されないので注意して ください。空の文字列をパターンとして使用したいときは、すべて の行と一致するそのパターンを最初に記述し、それ以外のパターン をうまく無視させることができます。 -q オプションは、一群のファイル中に特定のパターンまたは文 字 列が存在しているかどうかを簡単に見分ける手段として使えます。 複数のファイルを検索する場合、最初に一致するものを見つけたと ころで処理を終了するので、性能が向上します。また、引数として 複数のファイルを指定する場合でも、それほど注意は必要ありませ ん。なぜなら、前の方の file オペランドで指定したファイルでア クセスエラーや読み取りエラーが発生しても、そのあとで一致する ものが見つかれば、grep は 0 の終了ステータスで終了するためで す。 [大規模ファイルの動作] ファイルが 2 ギガバイト ( 2**31 バイト) 以上ある場合の grep の動作については、largefile(5) を参照してください。 【使用例】 例 1: ある文字列をすべて検索する 以下の例は、text.mm というファイルを検索し、Posix という文字 列 (大文字と小文字は区別しない) が現れている箇所すべてを行番 号とともに出力します。 example% /usr/bin/grep -i -n posix text.mm 例 2: 空の行を検索する 次の例は、標準入力中の空の行を見つけるものです。 example% /usr/bin/grep ^$ これは次のように指定することもできます。 example% /usr/bin/grep -v . 例 3: ある文字列を含む行を検索する 以下の例はすべて、abc と def という 2 つの文字列のどちらかま たは両方を含んでいる行をすべて出力します。 example% /usr/xpg4/bin/grep 'abc def' example% /usr/xpg4/bin/grep -e 'abc def' example% /usr/xpg4/bin/grep -e 'abc' -e 'def' example% /usr/xpg4/bin/grep -E 'abc|def' example% /usr/xpg4/bin/grep -E -e 'abc|def' example% /usr/xpg4/bin/grep -E -e 'abc' -e 'def' example% /usr/xpg4/bin/grep -E 'abc def' example% /usr/xpg4/bin/grep -E -e 'abc def' example% /usr/xpg4/bin/grep -F -e 'abc' -e 'def' example% /usr/xpg4/bin/grep -F 'abc def' example% /usr/xpg4/bin/grep -F -e 'abc def' 例 4: ある文字列と完全に一致する行を検索する 以下の 2 つの例はともに、abc または def のどちらかの文字列と 完全に一致している行をすべて出力します。 example% /usr/xpg4/bin/grep -E '^abc$ ^def$' example% /usr/xpg4/bin/grep -F -x 'abc def' 【環境】 grep の実行に影響を与える環境変数 LANG、LC_ALL、LC_COLLATE、 LC_CTYPE、 LC_MESSAGES、NLSPATH についての詳細は、environ(5) を参照してください。 【終了ステータス】 以下の終了ステータスが返されます。 0 一致するものが 1 つ以上見つかった 1 一致するものが 1 つも見つからなかった 2 (一致するものが見つかった場合でも) 構 文 エ ラーが検出された、またはアクセスできないファ イルがあった 【属性】 次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照 し てください。 [/usr/bin/grep] ____________________________________________________________ | 属性タイプ | 属性値 | |_____________________________|_____________________________| | 使用条件 | SUNWcsu | |_____________________________|_____________________________| | CSI | 対応済み | |_____________________________|_____________________________| [/usr/xpg4/bin/grep] ____________________________________________________________ | 属性タイプ | 属性値 | | 使用条件 | SUNWxcu4 | | CSI | 対応済み | | インタフェースの安定性 | 標準 | |_____________________________|_____________________________| 【関連項目】 egrep(1), fgrep(1), sed(1), sh(1), attributes(5), environ(5), largefile(5), regex(5), regexp(5), XPG4(5) 【注意事項】 [/usr/bin/grep] 1 行は、仮想記憶に使用できるサイズに制限されています。入力行 中 に空文字がある場合、grep は最初の空文字までマッチングを行 います。最初の空文字までのマッチングで一致した場合は、行全体 が出力されます。 [/usr/xpg4/bin/grep] 入力ファイルが LINE_MAX バイトよりも長い行を含んでいる場合、 またはバイナリデータを含んでいる場合の結果は特定されません。 LINE_MAX は /usr/include/limits.h で定義されます。 |
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