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ユーザーコマンド man(1) 【名前】 man - マニュアルページの表示 【形式】 man [-] [-adFlrt] [-M path] [-T macro-package] [-s section] name ... man [-M path] -k keyword ... man [-M path] -f file ... 【機能説明】 man コマンドはマニュアルページから得た情報を表示します。具体 的 には、name 引数が示すタイトルを持つマニュアルページの全内 容を出力します。また -k オプションまたは -f オプションが指定 さ れた場合には、それぞれ keyword または filename が示すキー ワードやファイル名により選択された 1 行からなる要約情報を 出 力します。指定条件に一致するマニュアルページが見つからない場 合には、man はエラーメッセージを出力します。 [ソース形式] 参照用マニュアルページには、nroff (nroff(1) を参照) ま た は SGML (Standard Generalized Markup Language) (sgml(5) を参照) のどちらかのタグがマークアップされています。man コマンドはそ のマークアップの種類を認識して、適宜にファイルを処理します。 マークアップの種類によって分けられたディレクトリに、 個々 の ソースファイルが置かれています。 [マニュアルページの位置] オンラインの参照用マニュアルページのディレクト リ は、 通 常 /usr/share/man ディ レクトリにあります。nroff のソースは、 /usr/share/man/man* ディレクトリにあります。ま た、 SGML の ソー ス は、 /usr/share/man/sman* ディレクトリにあります。各 ディレクトリはマニュアルのセクションごとに対応しています。こ れらのディレクトリは必須ではないため、ホスト上にインストール されているとは限りません。存在していなければ、他のホストから /usr/share/man をマウントしてください。 プレフォーマットされた最新バージョンが cat* または fmt* ディ レ ク トリ中にあれば、man は単にそれを表示または印刷します。 バージョンが古かったり存在しない場合には、man は再フォーマッ ト 処理を行なってから出力し、cat* または fmt* が書き込み可の 場合にプレフォーマットされたバージョンを格納しま す。 windex データベースは変更されません (catman(1M) を参照)。プレフォー マットされたバージョン用のディレクトリが提供されていな い 場 合、man は要求に応じてページを再フォーマットし、表示処理中、 フォーマットされたテキストは一時ファイルに収納されます。 標準出力が端末ではない場合、または `-' フラグが指定された 場 合には、man は cat(1) を通じてテキストを出力します。その他の 場合、man はページごとの出力や下線付けを画面上で行うた め に more(1) を通じて出力します。 【オプション】 以下にオプションを示します。 -a MANPATH 検索パス中で name に一致したすべ て のマニュアルページを出力します。複数個あると きは、見つかった順序で出力します。 -d デバッグモード。セクションを示す引数に対応す る 値、検索に用いた方法、および man が検索を 行なったパスを表示します。 -f file... 指定された file のいずれかに関連するマニュア ルページを探しだします。各 file から先頭のパ ス名部分を取り除き、そのベース名または名前を 含 む 1 行の要約情報を出力します。本オプショ ンも windex データべースを使用します。 -F windex 照合データべースを使う代わりに、 MAN- PATH で 指定した全ディレクトリまたは man.cf ファイルを使って検索を行うよう man に指示 し ます。このオプションは、データべースの内容が 最新状態にない場合に便利な指定で、man コマン ドのデフォルトの動作に戻ります。そのため、通 常はこのオプションを起動する必要はあり ま せ ん。参考のためにここに記述しています。 -k keyword ... windex データべース (目次) を参照し、指定 さ れ た keyword を含んでいるものを選び、その概 要情報を出力します。windex データ べー ス は catman(1M) コマンドを使って生成します。 -l 検索パス内にある、name に一致するマニュア ル ページをすべて一覧表示します。 -M path マニュアルページ用に別の検索パスを指定 し ま す。 path には、マニュアルページのディレクト リ・サブツリーを含んだディレクトリの名前をコ ロンで区切って記述します。たとえば path の値 として /usr/share/man:/usr/local/man と指 定 すると、man は最初に標準のディレクトリである /usr/share/man を検索し、次に /usr/local/man を 検 索して name を探します。なお -M 本オプ ションを -k または -f と同時に指定する場合、 -M の 方 を始めに記述しなければなりません。 path 中の各ディレクトリ中には、各セクショ ン につき 1 つの man* または sman* という名のサ ブディレクトリが存在しているとみなされます。 本オプションで指定した値は、MANPATH 環境変数 の値より優先されます。 -r マニュアルページを再フォーマットするだけで、 結果の表示は行いません。本指定は man -t name 指定と同等です。 -s section ... 検索を行うセクションを指定します。section 引 数 に対応するディレクトリだけを検索して name を探します。section の値は 1 桁の数字で、 検 索対象のマニュアルページのセクション名を伴う 場合もあります (たとえば、"3libucb")。 ま た は、 1 つ の 語 の 場合もあります (たとえば local、new、old、public)。また、section は 1 文字の場合もあります。複数のセクションを指定 するにはコンマで区切って記述します。本 オ プ ショ ン で 指 定した値は、MANPATH 環境変数や man.cf ファイルの値より優先されます。man が マニュアルページを検索する方法に関しては、後 述の「検索パス」の項を参照してください。 -t 指定したマニュアルページが、適当なラスタ出力 デ バ イ ス 用 に troff されるようにします (troff(1) を参照)。- と -t の両オプション が と も に 指 定された場合、man は指定された各 name の troff バージョンを (必要であれば) 更 新しますが、結果の出力は行いません。 -T macro-packageマニュアルページをフォーマットする際、デフォ ルトである /usr/share/lib/tmac/an に定義され ている -man マクロの代わりに、 macro-package が示すパッケージを使用します。デフォルトの検 索パスの順序に関しては、後述の「使用 法」 の 「検索パス」の項を参照してください。 【オペランド】 以下のオペランドを指定できます。 name 標準ユーティリティのキーワード、またはその名 前 【使用法】 [マニュアルページのセクション] マニュアルページはセクションという単位に分類されています。各 セ クションの名前は、主セクション名 (通常は 1 桁の数字) と、 サブセクション名 (通常は 1 つ以上の文字) からなります (サ ブ セクション名の指定は任意です)。主セクション名 (例: 9) を、そ のセクションのサブセクション名 (例: 9e、9f、9s など) の省 略 名として使用することはできません。サブセクションを検索する場 合は、man -s で個別に指定する必要があります。各セクション に 属するマニュアルページ群は、共通のカテゴリに属しており、その 中でさらに細かく分類するためにサブセクションがあります。本リ リースにおける分類に関しては、intro のマニュアルページを参照 してください。 [検索パス] 指定されたある name を検索する前に、man はまず候補となりうる ディレクトリとセクションのリストを構築します。man は環境変数 MANPATH が示すディレクトリ群の中で name を探します。この環境 変 数が設定されていなければ、デフォルトとして /usr/share/man を検索します。 マニュアルページのディレクトリ内において、man は以下に示すセ クションだけを以下の順序で検索します。 o コマンド行上で -s オプションにより指定されたセクショ ン 群 o MANPATH 環境変数に埋め込まれているセクション群 o MANPATH 環境変数が示す各ディレクトリの man.cf ファイ ル 中に指定されているセクション群 上記の指定がいずれも存在しない場合には、man はマニュアルペー ジ・パス中の各ディレクトリを検索し、最初に見つかったマニュア ルページだけを表示します。 man.cf ファイルの形式は次のとおりです。 MANSECTS=section[,section]... 文字 `#' で始まる行および空行は、注釈とみなし無視 し ま す。 MANPATH が示す各ディレクトリには、そのディレクトリの検索順序 のデフォルト値を定義するマニュアルページ・コンフィ ギュ レー ションファイルを含めることができます。 【マニュアルページのフォーマット】 マニュアルページは nroff(1) または sgml(5) でマークアップ さ れ ています。nroff のマニュアルページは、-man マクロパッケー ジにより用意されている nroff(1) または troff(1) によって処理 されます。マクロ使用の詳細については man(5) を参照してくださ い。SGML タグがついたマニュアルページは、SGML パーサーによっ て処理され、フォーマッタに引き渡されます。 [nroff マニュアルページの前処理] nroff のマニュアルページをフォーマットする際、man は先頭行を 参照して特殊な処理が必要かどうかを確かめます。先頭行が '\" X という形式 (X と " の間は 1 つの空白文字) で、X が以下に示す 文字の組合せの場合、man は入力テキストを対応するプリプロセッ サを介して troff(1) または nroff(1) に送ります。 e eqn(1) または、nroff の場合、neqn r refer(1) t tbl(1) v vgrind(1) eqn および neqn は、呼び出されると自動的に /usr/pub/eqnchar ファ イル(eqnchar(5) を参照) を読み込みます。nroff(1) が呼び 出されると col(1) が自動的に使用されます。 [他の nroff マニュアルページへの参照] nroff のマニュアルページの先頭行が、次のパターンで他のマニュ アルページを参照している場合、man はその参照されているマニュ アルページの方を処理します。 .so man*/ sourcefile この参照記述は、マニュアルページのディレクトリのサブツリーの ルートに対して相対的なパス名で指定してください。 第 2 行目以降の行が .so で始まっていると man はそれ を 無 視 し、 troff(1) および nroff(1) は通常の方法でリクエストを処理 します。 [SGML マニュアルページの処理] マニュアルページはファイル中に <!DOCTYPE という文字列が存 在 す る こ と に よって、SGML であると特定されます。ファイルに SHADOW_PAGE という文字列が含まれている場合、そのファイルは別 のマニュアルページの内容を参照します。参照はテキストが含まれ ているマニュアルページに対するファイル実体の参照です。これは nroff フォーマットのマニュアルページで使用される .so のメカ ニズムに類似しています。 【環境】 man の実行に影響を与える環境変数 LC_CTYPE 、 LC_MESSAGES 、 NLSPATH についての詳細は、environ(5) を参照してください。 MANPATH 各々をコロンで区切ったディレクトリ名のリスト を表します。各ディレクトリ名の後に、各々をコ ンマで区切ったセクションのリストを付加するこ と も できます。この環境変数が設定されている と、その値は /usr/share/man (ディレクトリ 検 索 パスのデフォルト) および man.cf (セクショ ン検索パスのデフォルト) よりも優先して用いら れます。さらにこの環境変数の値よりも -M およ び -s オプションの値 (指定されていれば) が優 先されます。 PAGER man の出力を対話モードで画面に送るプログラム 名を表します。設定されていないと、プログラム として `more -s' が使用されます。more(1) を 参照してください。 TCAT troff で処理されたマニュアルページを表示する プログラム名を表します。 TROFF -t オプションが指定された場合 に 使 用 す る フォー マッ タ名を表します。設定されていない と、フォーマッタとして troff(1) が使用されま す。 【使用例】 例 1: PostScript バージョンのマニュアルページの作成 以下の例では、pipe(2) のマニュアルページを PostScript で作成 します。 % setenv 'TROFF troff -Tpost' % setenv TCAT '/usr/lib/lp/postscript/dpost' % man -t -s 2 pipe > /tmp/output.ps これは、man -t でマニュアルページをデフォルトのプリンタに 出 力 する代わりに、PostScript バージョンのマニュアルページを作 成します。 例 2: テキストバージョンのマニュアルページの作成 以下の例では、pipe(2) のマニュアルページを ASCII テキスト で 作成します。 man pipe.2 | col -x -b > pipe.text これは、man -t でマニュアルページをデフォルトのプリンタに 出 力する代わりに、テキストバージョンのマニュアルページを作成し ます。 【終了ステータス】 以下の終了ステータスが返されます。 0 入力ファイルはすべて、正常に出力された >0 エラーが発生した 【ファイル】 /usr/share/man 標準マニュアルページ のディレクトリ・サブ ツリーのルート /usr/share/man/man?/* フォーマットされてい な い nroff のマ ニュアルのエントリ /usr/share/man/sman?/* フォーマットされてい ない SGML のマニュ アルのエントリ /usr/share/man/cat?/* nroff 処理後のマニュ アルのエントリ /usr/share/man/fmt?/* troff 処理後のマニュ アルのエントリ /usr/share/man/windex 目次とキーワー ド の データべース /usr/share/lib/tmac/an 標準 -man マクロパッ ケージ /usr/share/lib/sgml/locale/C/dtd/* SGML ドキュメント 型 定義ファイル /usr/share/lib/sgml/locale/C/solbook/* SGML のスタイル シー トと実体ファイルの定 義ディレクトリ /usr/share/lib/pub/eqnchar eqn と neqn の標準定 義 man.cf セクションの検索順序 のデフォルト 【属性】 次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照 し てください。 ______________________________________________________________ | 属性タイプ | 属性値 | |_____________________________|_______________________________| | 使用条件 | SUNWdoc | |_____________________________|_______________________________| | CSI | 対応済み。「注意事項」を参照。| |_____________________________|_______________________________| | インタフェースの安定性 | 標準 | |_____________________________|_______________________________| 【関連項目】 apropos(1), cat(1), col(1), eqn(1), more(1), nroff(1), refer(1), tbl(1), troff(1), vgrind(1), whatis(1), catman(1M), attributes(5), environ(5), eqnchar(5), man(5), sgml(5) 【注意事項】 -f と -k の両オプションは、catman(1M) が生成する windex デー タ べースを使用します。man コマンドは CSI 対応が可能です。た だし、man コマンドによって呼び出されるいくつかのユー ティ リ ティ(troff 、eqn 、neqn 、refer 、tbl 、vgrind) は、CSI 対応 が実証されていません。このため、-t オプションをつけた man コ マ ンドは、EUC 以外のデータを扱えません。また、eqn 、neqn 、 refer 、tbl 、vgrind を通した特殊処理が必要なマニュアル ペー ジを表示する man コマンド使用は、CSI 対応ができません。 【使用上の留意点】 マニュアルページは本来 ASCII 端末や写真植字機上で再出力可 能 な形式でなければなりません。しかし端末上では、フォントの変更 など一部の情報が失われてしまいます。 一部のダム端末では、e 前処理フラグ (eqn(1) を参照) により 生 成される縦方向の動作を処理できません。このような端末で出力エ ラーを防ぐには、e フラグを指定するときに t も同時に 指 定 し て、暗黙的に col(1) を呼び出してください。ただしこの回避処置 をとると、スーパースクリプト (上付き文字) とサブスクリプト ( 下付き文字) の出力が、たとえ端末がその出力機能を持っていても 不可能になってしまうという欠点があります。端末が eqn(1) の出 力により正常に動作しなくなってしまったら、<Control-q> を使っ て端末をクリアしてください。 |
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